最終 12月センター試験本番レベル模試[生物]講評 生 物 演習をくりかえし,苦手な部分の知識を確実に定着させよう。 Ⅰ.全体講評 Ⅱ.大問別分析 最終 12 月センター試験本番レベル模試生物の平 第 1 問~第 4 問の得点率は 50% を上回ったが, 均点は 54.4 点だった。大問数やマーク数,難易度, 第 5 問の得点率は 50% を下回った。 大問ごとの出題分野は新課程センター試験を想定し た形をとり,第 1 問は生命現象と物質,第 2 問は 第 1 問 生命現象と物質 生殖と発生,第 3 問は生物の環境応答,第 4 問は 生物と環境,第 5 問は生物の進化と系統とした。 窒素同化と窒素固定,PCR 法について理解 しよう。 分野に偏りがないよう,教科書全体からまんべんな A は窒素同化と窒素固定に関する問題で,問 1~ く出題している。今回の模試で平均得点率に届かな 問 3 の正答率はそれぞれ 48.1%,49.9%,53.3% で かった大問,また他と比べて得点率の低い大問に重 あった。B は PCR 法に関する問題で,問 4~問 7 点をおいて,しっかりと復習をしておこう。 の正答率はそれぞれ 75.5%,43.5%,87.1%,45.6% であった。 窒素同化と窒素固定を区別し,窒素同化の過程に ついてしっかりと理解しよう。窒素固定を行う生物 は覚えておこう。DNA の複製のしくみとともに, PCR 法の原理をきちんと理解しておいてほしい。 第 2 問 生殖と発生 得点分布 生物 25 A はウニの発生に関する問題で,問 1~問 3 の正 平均 54.4% 受 20 験 者 15 数 の 割 10 合 (%) 5 0 ウニの発生,植物の生殖と発生について理解 しよう。 答率はそれぞれ 76.8%,81.2%,44.9% であった。 B は被子植物の受精および種子の形成に関する問題 で,問 4~問 6 の正答率はそれぞれ 61.7%,44.6%, 55.2% であった。 ウニの卵割と発生過程,被子植物の配偶子の形成 過程と受精のしくみについては,いずれも正確な知 10 20 0 30 40 50 60 得点率(%) 70 大問別得点率(%) 20 40 60 80 58.0 第2問 59.7 第3問 54.1 第4問 63.6 36.8 90 100 識をきちんと定着させておいてほしい。配偶子形成 に伴う DNA 量の変化は,グラフに表して説明でき 第1問 第5問 80 るようしっかりと理解しておこう。 100 第 3 問 生物の環境応答 筋収縮のしくみ,植物ホルモンのはたらきに ついて理解しよう。 A は筋収縮に関する問題で,問 1~問 3 の正答率 はそれぞれ 65.3%,31.6%,48.4% であった。B は エチレンの合成と受容に関する実験考察問題で, 問 4~ 問 7 の 正 答 率 は そ れ ぞ れ 51.0%,72.9%, 1/2 最終 12月センター試験本番レベル模試[生物]講評 50.3%,54.8% であった。 そのものを問う設問や,それらの知識をもとに考察 横紋筋の構造と筋収縮のしくみ,エネルギーの受 し正答にたどり着く設問が多く出題されている。す け渡しについてきちんと理解しよう。さまざまな植 べての分野において,正確な知識を身につけていれ 物ホルモンのはたらきについて,しっかりと覚えて ば,これらの設問は確実に得点することができる。 ほしい。実験考察問題はあせらずに,図などをみな 苦手部分をなくしておくことが,得点力のアップに がらそれぞれの選択肢の結果がどうなるかを考え, つながる。重要語句を暗記するだけでなく,きちん 正誤を導き出そう。 と内容を理解し,関連する図やグラフなどもあわせ て学習してほしい。 第 4 問 生物と環境 教科書の後半部分の「生物の進化と系統」につい 生産構造図と最終収量一定の法則について理 解しよう。 ては,学習が遅れがちで,覚えることも多い。今回 A は層別刈取法と生産構造図に関する問題で, が,得点率は 50% を下回ったことから,多くの受 問 1~ 問 3 の 正 答 率 は そ れ ぞ れ 83.4%,82.7%, 験生が未習か,苦手としていると考えられる。 57.4% であった。B は最終収量一定の法則に関する センター試験本番が目前に迫ったこの時期には, 問 題 で, 問 4・ 問 5 の 正 答 率 は そ れ ぞ れ 64.2%, 不安になっていろいろなものに手をだしたくなるか 40.5% であった。 もしれない。しかし,限られた時間を有効に活用す 層別刈取法とは何か,またイネ科型と広葉型の生 るためには,あせらずに,やるべきことを絞って学 産構造図の違いと植物の特徴についてきちんと整理 習を進めてほしい。 この分野については,知識問題を中心に出題した しておこう。ダイズ種子の密度と単位面積当たりの の例である最終収量一定の法則について理解しよ ◆実験内容,図表のデータを読み取る力をつ けよう。 う。 センター試験では,実験考察問題も出題されるた 総重量を表わしたグラフの読み方,植物の密度効果 め,問題文を読んで内容を把握し整理する力,実験 第 5 問 生物の進化と系統 結果の図表のデータを正しく読み取る力が必要とさ 生物の五界説と 3 ドメインについて理解し よう。 れる。実験考察問題の演習では,文章を読みなが 五界説と 3 ドメインをもとにした生物の分類に関 して,限られた時間で全体の内容を正しくつかめる する問題で,問 1~問 5 の正答率はそれぞれ 40.7%, ようにしておこう。 ら,自分で図示したり結果をまとめるなどの工夫を 37.5%,14.5%,63.3%,28.1% であった。 生物の分類法,各界や各ドメインに属する生物名 ◆大学入試センターの動向をチェックしよう。 や生物の特徴,系統関係について理解しておこう。 現時点では,平成 27 年度センター試験に関する 詳細が未発表であり,変更点が出てくる可能性もあ Ⅲ.学習アドバイス るため,大学入試センターが発表する情報について はしっかりとチェックしておこう。 ◆過去問を解こう。 センター試験の形式や文章表現に十分慣れ,出題 傾向やレベルをつかんでおくことは重要である。セ ンター試験では,過去に出題された問題と類似の問 題が出題されることもある。近年の過去問だけでな く,できるだけたくさんの過去問の中で,「生物」 の分野に含まれる問題を解いておこう。 ◆苦手部分を中心に,知識の定着をはかろう。 これまでのセンター試験の「生物Ⅰ」では,知識 2/2
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