Inquire Imagination Technologies の半導体戦略 MIPS Technologiesを買収 GPUに加えてCPUコアも拡充 ケーラビリティにあり、ハードウェアの仮想化機 ●64ビットCPUコアの新製品を発表 能も備えている。Taiwan Semiconductor Manufaモバイル向けグラフィックスプロセッシングユ cturing(TSMC)の28nm HPMプロセスを用いて ニット(GPU)コアのトップIPベンダーである英 MIPS I6400を製造すると、2スレッドコアのチップ Imagination Technologiesは2013年、高効率CPUコア 面積は1mm2に収まるという。ハイエンド版も近い のパイオニアと知られた米MIPS Technologies(1984 年創業時の社名はMIPS Computer Systems)を買収 将来発表される予定だ。 し、CPUコアのビジネスに注力している。9月には、 モバイル機器からデータセンター用サーバまで幅 ●パートナーであり競争相手でもあるARM CPUコアの市場で絶大 広いアプリケーションに な存在感を示している英 対応する64ビットの新製 品を発表した。 ARMとの関係について Throndson氏は、「市場で MIPS Business Develop高いシェアを誇る当社の ment担当ディレクターの Mark Throndson氏(図(a) ) グラフィックスコアであ る“PowerVR”とARMの は、買収の狙いについて、 「IPプロバイダーとしての CPUコアを搭載したSoC 競争力を強化するため」 が世の中に多く出回って いるのは事実だが、Poという。Throndson氏は、 werVRと組み合わせる 「MIPSから受け継いだ CPUコアを決めるのは、 CPUコア技術は、ソリュ ーションの付加価値を一 あくまでも顧客の皆さん (a) 段と高め、設計者の選択 だが、我々はGPUだけで 肢を広げることが、最終 はなく、世界最高水準の 的にIP事業の拡大につな CPUコアを提供し、顧客 がる」と述べた。 の選択肢を広げたいと思 買収後、MIPSコア搭載 っている。その意味で、 の新ファミリの第1弾で ARMはパートナーであ あるハイエンド向け32ビ り、競合メーカーでもあ (b) ットコア「MIPS P5600」、 る」という。 ▲Throndson氏(a)と次世代64ビットSoC(b) 第2弾であるローエンド Imaginationは、MIPS 向けコア「MIPS M5100/5150」を製品化してきたが、 CPUマルチコア、PowerVR GPUコア、それにプログ 9月に第3陣としてミドルレンジ向けの64ビットコ ラマブル無線信号処理ユニットであるRPU(Radio ア「MIPS I6400」を発表した。 Processing Unit)コア「Ensigma」を集積して、自社 同社はこれを主製品と位置づけ、モバイル機器 のIPコアだけで次世代64ビットSoC(図(b) )を構 から自動車/組み込み、デジタル機器、ネットワー 成できるとしている。また、同社では、英国、米 ク装置、データセンター装置まで、極めて広い範 国、中国に開発拠点を置き、グローバルなビジネ 囲に適用できるとしている。その理由は、高いス ス展開を活発化させていく方針だ。 (服部 毅) Electronic Journal 2014年10月号 23
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