『江戸の暮らしと伊万里焼展』プレスリリース

プレスリリース
江戸の暮らしと伊万里焼展
画像①
画像③
画像④
画像②
2015 年 1 月6日(火)~ 3月 22 日(日)
※本プレスリリース掲載画像①~④の写真データ・ポジフ
広報用写真
ィルムを広報用写真としてご用意しております。ご掲載の
際は、別紙の写真借用申請書裏面の注意事項をご覧の上、
申請書をお送り下さい。なお、作品画像はすべて戸栗美術
館所蔵品です。
■(表紙)画像①
色絵 琴高仙人文 鉢
江戸時代(17 世紀末~18 世紀初)
こうえん
は ぞ り
伊万里
高 8.8 ㎝ 口径 23.0 ㎝ 高台径 11.8 ㎝
み こ み
口縁を端反にした深鉢。見込に龍を捕らえんと水中に入り、龍子(鯉)にまたがって飛翔したと
きんこう
ようらく
よ も だ す き
いう琴高仙人の図を描く。側面には大きな赤玉と瓔珞、口縁は四方襷を巡らせた、中国風意匠の
濃厚な金襴手作品。完好に焼き上がった白い磁膚が美しく、染付・赤絵・金彩が一段と映える。
■(表紙)画像② 色絵 壽字吉祥文 鉢
江戸時代(17 世紀末~18 世紀初)
伊万里
高 6.3cm 口径 22.1cm 高台径 12.5cm
こ
ま
広く浅い見込と、垂直の短い側壁を持つ形の鉢を独楽鉢と呼ぶ。細かい幾何学文と花文を配し
いしだたみ
た石畳文様で見込を埋め、中央と四方を白抜きとして「壽」字と宝物を描く。輪郭や側壁の内外
すそ
の唐草文に金彩が用いられて華やかである。裾文様は菊座とハート形文様を交互に唐草文で繋ぎ、
高台内には小さな目跡が 1 ヶ所残る。
■(表紙)画像③
染付 花唐草窓絵牡丹文 湯桶
江戸時代(18 世紀前半)
伊万里
通高 14.0 ㎝ 口径 14.1 ㎝ 高台径 11.2 ㎝
ゆ と う
食膳で湯・酒・汁等をそそぐ際に用いられた湯桶。注口と柄に蛸唐草文、それ以外は花唐草文
で埋め尽くしている。花唐草文の中には雪輪形の窓を設けて牡丹を描く。湯桶は漆器が本来の形
で、本品はそれを忠実に写している。
■(表紙)画像④
染付 花卉丸文 蓋付碗
江戸時代(18 世紀末~19 世紀初)
伊万里
通高 9.2 ㎝ 口径 12.9 ㎝ 高台径 7.5 ㎝
胴部と蓋に、桃の実の形にした「壽」の文字と桃の花を交互に描いた碗。壽字の文様はしばし
ば見られるが、長壽を表わす桃の実の形にしているところが面白い。見込中央には1羽の白鷺が
描かれている。高台が高く側面が直線的なこの形は広東碗といわれる。
以上を含む、約 80 点を展示予定。
展覧会概要
江戸時代前期において磁器は貴重な高級品であり、伊万里焼も主に大名や公家など上層階
級の間で用いられました。好景気に沸いた 17 世紀末頃には、華やかな元禄文化が花開き、伊
万里焼でも赤や金を多用した絢爛豪華な古伊万里金襴手様式が流行。この頃には、経済成長
によって富を蓄えた豪商たちが伊万里焼を手にする機会も増えていきました。
18 世紀後半になると、食文化の発展や生活水準の向上を背景に、伊万里焼は豊かになった
町人の生活の中へと普及していきます。庶民的な屋台から高級料亭まで、外食産業が盛んに
なったこともあり、さまざまな需要に応じた多種多様なうつわを生みだしました。伊万里焼
では青一色の染付を中心とした食器ばかりでなく、化粧道具や文具など食器以外の磁器製品
も新たに登場します。
今展示では、江戸時代の町人文化を豊かに彩った伊万里焼を中心に、当時の暮らしとあわ
せてご紹介いたします。
展示詳細
◆江戸時代前期の伊万里焼
日本初の国産磁器・伊万里焼が誕生したのは、江戸時代 17 世紀はじめのこと。当時、使用
されたうつわの種類は、食事の形式や身分、場面によって異なりましたが、高級品とされて
いた伊万里焼は町人たちが日常的に使うものではなく、主に大名や公家といった身分の高い
人たちの間でのみ使用された特別なやきものでした。
江戸時代前期の遊楽図を描いた屏風絵には、大名たちが催した花見や屋敷内での宴会風景
に、磁器製の染付や青磁の大皿が置かれている様子が見られます。日本国内には中国製の磁
器も流通していたことから、描かれたうつわが必ずしも伊万里焼とは限りませんが、17 世紀
前期から中期にかけて多く見られる伊万里大皿もこのような華やかな宴の場で求められたこ
とでしょう。
また、近年の発掘調査によると、江戸の大名屋敷からは大皿のほか、小皿や猪口などの組
食器が多数発見されています。江戸前期には桃山時代から続く茶の湯が盛んに行われていた
ことから、伊万里焼の変形皿や長皿、猪口などは、茶懐石の向付として漆製の飯椀や汁椀と
ともに折敷や膳の上に乗せられ使用されたと考えられます。
◆元禄文化の華
元禄時代(1688~1704 年)には、京都や大坂などの上方を中心とした町人文化が発展。江戸
は好景気に沸き、大名や公家ばかりでなく商家や豪農など資産のある町人たちの間でも伊万
里焼が使用されるようになります。絵画では尾形光琳が活躍し、染織では色彩豊かな友禅染
が開発されるなど華やかな気風に満ちた元禄文化の中で、伊万里焼でも金彩や赤絵具を多用
した絢爛豪華な古伊万里金襴手様式が流行。この頃には、大名たちが催した豪勢な饗応に代
わって飲食を楽しむための酒宴が主体となったことから、大皿の需要は低下し、口径 30 ㎝以
下の厚手の鉢や皿が多く生み出されました。
中でも最上級品の金襴手の鉢は「献上手」や「型物」と呼ばれています。文様は緻密な地
紋に壽字や宝尽くし、瑞獣などおめでたい意味を持つ吉祥文様を描いた意匠が多く取り入れ
られました。これらのうつわは慶事の贈答品として、また特別な日の宴席において食事の場
面で用いられたものと考えられます。
◆伊万里焼の普及
大規模な新田開発や交通網の整備などにより、商工業が著しく発達し、上方に代わり江戸
が大都市として成熟した文化・文政時代(1804~1830 年)。江戸には各地からの単身赴任者や
出稼ぎなどで人々が集中し、手軽に食事がとれる屋台や茶漬け屋などの外食産業が盛んにな
りました。さらに、江戸町人たちの経済力や生活力の向上とともに、会席料理を供する高級
料亭も登場。食文化の発展とともに、料理の献立や作り方を掲載した料理本などが数多く出
版され、民衆の間にも食を楽しむゆとりが生まれました。
伊万里焼では、18 世紀末頃より華やかな色絵は減少し、青一色の染付を中心とした廉価で
より実用的なうつわが主流となります。それまで大名や豪商などが使用していた伊万里焼は、
次第に需要の幅を広げ、経済力が向上した江戸町人の間にも普及。高級料亭での宴で用いら
なます ざ ら
れた大皿や、手になじみやすく使い勝手の良い蕎麦猪口、膾 皿と呼ばれる深めの鉢などが多
く作られました。
文様では、蛸の足のようにも見える唐草をぐるぐると連続させた蛸唐草文や、江戸末期の
浮世絵師・歌川広重の「東海道五十三次」を題材としたもの、濃い藍色の染付を背景に文様
を白抜きにしたものなど、江戸っ子の洒落た遊び心を感じさせる粋なデザインが選ばれてい
ます。
◆暮らしの道具
18 世紀~19 世紀にかけて、伊万里焼が人々の暮らしの中に深く浸透すると、日用食器ばか
りではなく、さまざまな用途の磁器製品が生み出されました。江戸後期の浮世絵にもたびた
か
ね
び描かれているのは、
口紅を入れる紅皿や白粉入れの三段重、
お歯黒の際に口をゆすぐ鉄漿茶
お
み
き
碗、髪付油を入れる油壺などの化粧道具。そのほか神棚に供える御神酒徳利や仏飯器などの
宗教用具、手焙りやふすまの引手などの調度品、文具や将棋駒などの嗜好用品など幅広い磁
器製品が作られています。
※なお、概要の要約が必要な場合は以下の文章をご参照ください。
■ 20 word
江戸の文化を豊かに彩った伊万里焼を展示。
■ 45 word
江戸時代の町人文化を豊かに彩った伊万里焼を中心に、当時の暮らしとあわせてご紹
介。約 80 点。
■230 word
江戸時代前期において磁器は貴重な高級品であり、伊万里焼も主に大名や公家など上層
階級の間で用いられました。17 世紀末頃より、経済成長によって財を蓄えた豪商と呼ば
れる町人たちが伊万里焼を手にする機会も増え、18 世紀後半には、食文化の発展や生活
水準の向上を背景に、経済力をつけた商人たちの間にも普及。食器のほか、化粧道具な
どさまざまな用途の磁器が生み出されました。今展示では、江戸時代の町人文化を豊か
に彩った伊万里焼を中心に、当時の暮らしとあわせてご紹介いたします。
展示解説
展示期間中、第 2 週・第 4 週の水曜日と土曜日に、当館学芸員による展示解説を行な
います。予約は不要です。入館券をお求めの上、ご自由にご参加ください。
■第 2・第 4 水曜 午後 2 時~
(1 月 14・28 日、2 月 11・25 日、3 月 11 日)
■第 2・第 4 土曜 午前 11 時~
(1 月 10・24 日、2 月 14・28 日、3 月 14 日)
※各回、約 40 分~50 分ほどの解説になります。
※団体でご来館のお客様への展示解説も承っております。電話(03-3465-0070)による事前予約制。
お気軽にご連絡くださいませ。
外国語展示解説
展示期間中、当館スタッフによる英語の展示解説を行ないます。
詳しくは、当館ホームページをご覧下さい。
1 階やきもの展示室同時開催
「絵解き謎解き 江戸のそば猪口
外国語展示解説
- 岸間健貪コレクション- 」
古典文学や故事来歴、歌舞伎や能など、遊び心にあふれるさまざまな題材をモチーフとした
そば猪口を展示いたします。
戸栗美術館 概要
戸栗美術館は、当館創設者・戸栗亨が長年に渡り
蒐集しました陶磁器を中心とする美術品を永久的に
保存し、広く公開することを目的として、1987 年
11 月に、旧鍋島藩屋敷跡にあたる渋谷区松濤の地に
開館しました。コレクションは伊万里、鍋島などの
肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁が主体と
なっており、日本でも数少ない陶磁器専門の美術館
として活動しています。
会場
:戸栗美術館
開館時間:10:00~17:00 (入館受付は 16:30 まで)
休館日 :月曜日
※月曜祝日の場合は開館、翌日休館のため、1 月 12 日(月・祝)は開館、翌 1 月
13 日(火)は休館。
入館料 :一般 1,000 円/高大生 700 円/小中生 400 円(団体 20 名様以上で 200 円割引)
※1 月 12 日(月祝)成人の日は新成人無料観覧。受付にて年齢のわかるものをご提
示ください。
交通
:渋谷駅ハチ公口より徒歩 15 分/京王井の頭線 神泉駅北口より徒歩 10 分
※当館には駐車場・駐輪場はございません。
■Youtube 戸栗美術館チャンネル
http://www.youtube.com/channel/UCGsnhei61hDkvDQlftWy9ZA
■次回展示予定
2015 年 4 月 4 日(土)~6 月 21 日(日)
『初期伊万里展』
■展覧会に関するお問い合わせ
公益財団法人戸栗美術館
広報担当宛て
〒150-0046 東京都渋谷区松濤 1-11-3
TEL:03-3465-0070 FAX:03-3467-9813
URL:http://www.toguri-museum.or.jp/
E-mail:[email protected]
アートサークルのご案内
陶磁器に親しみ、美術館をより楽しんでいただくために、会員制のアートサークルを設けて
おります。 1 年間何回でもご入館いただける他、さまざまな特典もご用意しております。
年会費 ¥5,000(税込) / 発行から1年間有効
特典①
入会から1年間、何度でもご入館いただけます。
特典②
ご入会時に戸栗美術館オリジナルグッズをプレゼント。
(はがき5枚、A5クリアファイルのどちらかをお選びいただけます)
特典③
企画展ごとに会報「戸栗美術館だより」、入場招待券2枚、展示ご案内
チラシを送付いたします。
特典④
展示ごとに陶磁器の専門家による特別展示解説にご参加いただけます。
開催日時は会報でお知らせします。
(所要時間約1時間、要予約・定員制・先着順)
特典⑤
会員様を含めた3名以上の団体様は、学芸員による展示解説〈ミニツアー〉を受
ける事ができます。(随時予約受付、所要時間約30分)
特典⑥
各展示に1回月曜休館日に開催される特別講座にご参加いただけます。
開催日時は会報でお知らせします。
(参加費1500円、所要時間約4時間、要予約・定員制・先着順)
特典⑦
ミュージアムグッズを価格の1割引きでご購入いただけます。
(一部除外品あり)
特典⑧
年末に当館オリジナルカレンダーをお送りいたします。
特典⑨
有効期限内のご更新は、4,500円です。
(期限を過ぎてのご更新は新規ご入会と同じく5,000円となります)。