集中講義 非可換空間の基礎の非果敢な review 白石 清(山口大学理学部) 平成 26 年 6 月 15 日 概要 ていうか, review になってない。 1 目次 1 座標と微分 1.1 座標 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1.2 微分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 3 3 2 並進と平面波 2.1 並進 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2.2 平面波 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 4 4 3 非可換トーラス 3.1 基底 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3.2 Fuzzy torus . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 5 6 4 2次元非可換空間とフォック空間による表現 7 5 star 積 5.1 Weyl-Moyal star product . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5.2 フーリエ変換 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5.3 結合則 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8 8 9 9 6 非可換場の古典解 6.1 広がった「点」 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6.2 フォック空間の基底による表示 . . . . . . . . . . . . . . . . 6.3 非可換ソリトン解 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11 11 12 14 7 非可換空間上のゲージ理論 16 7.1 field strength . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16 7.2 vortex solution . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17 8 非可換空間上の量子場の理論 19 8.1 相互作用のない理論 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19 8.2 φ3 理論 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19 8.3 φ4 理論 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20 2 座標と微分 1 1.1 座標 座標がまともな「数」でなく,非可換であるとしよう。 xi , xj = iθij (1) ただし θij は実で,θ ji = −θij 。また,θ は逆 θ−1 を持つとする。 1.2 微分 微分は, ∂i xj = δij (2) となるように定義する。 座標の関数 f(x) の微分は ∂i f = −i(θ−1 )ij xj , f (3) と書ける。 f = xk の場合,確かに ∂i xk = −i(θ−1 )ij xj , xk = −i(θ−1 )ij iθ jk = δik (4) f も演算子的に考え,つまり,後ろにぶち当たる ψ とかあったりする と思えば ∂ˆi , f ψ = −i(θ−1 )ij xj , f ψ (5) (区別のため notation をこそっとかえた。)というわけで, ∂ˆi = −i(θ−1 )ij xj を使うこともできる。使い方に注意。このとき ∂ˆi , ∂ˆj = −i(θ−1 )ik xk , −i(θ −1 )j x (6) = −(θ−1 )ik (θ−1 )j iθ k = −i(θ−1 )ji = i(θ−1 )ij (7) これも普通でないね。 (∂ˆi を U (1) ゲージ場を含んだ共変微分と思えば,右 辺が磁場に見えてくる,よね。) 3 並進と平面波 2 2.1 並進 並進を xi → xi + a i (8) とする。 無限小の場合,xi → xi + i で f → f + δf = f + i ∂i f 。 したがって1 f(xi + ai ) = e−i(θ 2.2 −1 ) ij a i xj f(x)ei(θ −1 ) ij a i xj (9) 平面波 平面波 eik·x は次を満たすとする。 ∂j eik·x = ikj eik·x (10) 普通の exponential でいいみたい。 ただ積を考えると eik·x · eik ·x i ij ki kj = e− 2 θ ei(k+k )·x (11) となる。(これは,なんとかいう公式2 からでるよね。) また3 eik·x · f(x) · e−ik·x = f(xi + θij kj ) (12) この関係は, (エネルギー)運動量が大きいと,非局在性が大きいことを 表している。 1 Baker-Campbell-Hausdorff formula e Be−A = B + [A, B] + · · · 2 これも Baker-Campbell-Hausdorff formula というのでした。 1 A B e e = eA+B+ 2 [A,B]+··· 3 前の並進の式 (9) で kj = −(θ−1 )ij ai とおく。 A 4 非可換トーラス 3 3.1 基底 通常の空間で f(xi ) = f(xi + 2πni ) (13) (ni は整数)となるような関数を考えることに相当。その基底は j uj = eix (14) 2次元空間では,トーラス上の任意関数は f(x1 , x2 ) = anm un v m (15) n,m∈Z と表せる。ここで 1 2 u = eix , v = eix (16) 非可換空間では eix · eix = e− 2 θ ei(x +x i i ij j i j) (17) eix · eix = e− 2 θ ei(x +x ) = e 2 θ ei(x +x j i i ji i j i ij i j) (18) であるので j Uj = eix (19) Ui Uj = e−iθ Uj Ui (20) と書くと ij の関係が成り立つ。 なんとなく量子群的変形を思い浮かべる。 2次元非可換空間 x1 , x2 = iθ (21) では, 1 2 U = eix , V = eix (22) と書くと U V = e−iθ V U の関係が成り立つ。 5 (23) 3.2 Fuzzy torus 互いに素な整数 p,N があって,ω = e2πip/N とする。 2つの N × N 行列 U = 1 ω ω2 ... ω N −1 , 1 V = 1 ... 1 (24) 1 をつくると, UV = e−2πip/N V U (25) を満たすので, p N の場合に対応する。この特殊な場合を Fuzzy torus と呼ぶ。 θ = 2π 特殊である。 基底は全部数えて N × N 個と,有限である。 6 (26) 4 2次元非可換空間とフォック空間による表現 x1 , x2 = iθ (27) ただし θ > 0 とする。 z ≡ x1 + ix2 とすると [z, z¯] = −i x1 , x2 + i x2 , x1 = 2θ 1 a ≡ √ z, 2θ とすれば (28) 1 a† ≡ √ z¯ 2θ (29) a, a† = 1 (30) a,a† を消滅,生成演算子と見たときのフォック空間を考え, f(x1, x2 ) = ∞ ∞ fmn |mn| (31) m=0 n=0 と表すことが出来る。ただし a† a|m = m|m。 特に,軸対称な場合, f(x1 , x2 ) = ∞ fm |mm| (32) m=0 で表される。 ex. |00| =: e−a †a := ∞ (−1)k k=0 を示せ。 7 k! k a† ak (33) star 積 5 5.1 Weyl-Moyal star product 座標が普通の数でないと思うかわりに,積が普通の積でない と思って みてはどうだろう。 xi xj − xj xi = xi , xj = iθ ij (34) Weyl-Moyal star product を次のように定義する。 i ij ∂i ∂j (f g)(x) ≡ e 2 θ f (x)g(x ) (35) x =x (ここで x は普通の数,∂i なども普通の微分。)4 例1 f(x) = xi ,g(x) = xj のとき i xi xj = xi xj + θ ij 2 (38) したがって xi xj − xj xi = xi , xj = iθ ij (39) を満たす。 例2 f(x) = eik·x ,g(x) = eik ·x のとき eik ·x eik ·x = e− 2 θ i ij k i kj ei(k+k )·x (40) はすぐにわかりますね? 4 場合によっては,以下のように書いたほうがよい: i ij ∂ ∂ (f g)(x) ≡ exp θ )g(x ) f (x 1 2 2 ∂xi1 ∂xj2 (36) x1 =x2 =x もっと気になるときは,こう書こう。 i ij ∂ ∂ (f g)(x) ≡ exp θ f (x + ξ)g(x + η) i j 2 ∂ξ ∂η ξ=η=0 8 (37) 5.2 フーリエ変換 積分は普通でよくなるので,割と楽。 f (x) のフーリエ変換を f˜(k) = 1 n ik·x d x e f(x) n (2π) 2 (41) とすると, f g(k) = 1 n (2π) 2 n d ke i ij θ ki kj 2 1 1 f˜ k + k g˜ k − k 2 2 (42) ex. これを示せ。 というわけで,k = 0 とすれば簡単に n d x (f g)(x) = がわかります。 したがって dn x f (x)g(x) (43) dn x (g f)(x) (44) dn x (f g)(x) = です。(ちょっとほっとした?) 5.3 結合則 Weyl-Moyal star product は,結合則を満足する。 [f (g h)](x) = [(f g) h](x) (45) これを示すには, 1 n ik ·x ˜ f(x) = d k e f (−k) n (2π) 2 1 dn p eip·x g˜(−p) g(x) = n 2 (2π) 1 n iq·x ˜ h(x) = d q e h(−q) n (2π) 2 (46) (47) (48) として, eik ·x (eip·x eiq·x ) = (eik·x eip·x ) eiq·x 9 (49) を示せばよい。 左辺は e− 2 θ i ij ki (p+q)j e− 2 θ ei(k+p+q)·x (50) e− 2 θ ei(k+p+q)·x (51) i ij pi qj 右辺は e− 2 θ i ij (k+p) i qj i ij ki pj 両者は一致。 e− 2 θ i ij ki pj e− 2 θ i ij ki qj e− 2 θ i ij p i qj ei(k+p+q)·x (52) 前の subsection の最後の結果と合わせると d x (f1 f2 · · · fn )(x) = n dn x (fn f1 · · · fn−1 )(x) (って当たり前か。行列とトレースみたいなもんだねえ。) 10 (53) 非可換場の古典解 6 6.1 広がった「点」 2次元ユークリッド空間で次の方程式を考えよう。 f f(x) = f (x) ただし, x1 , x2 = iθ (54) (θ > 0) (55) とする。(42) から 1 i 1 1 dk1 dk2 e 2 θ(k1 k2 −k2 k1 )f˜ k + k f˜ k − k 2π 2 2 ˜ = f(k) (56) f f (k) = f˜ として,ガウシアンを仮定してみよう。 ˜ = A e−αk2 f(k) (57) このとき (56) は以下のようになり, −αk2 Ae A2 α 2 2i θ(k1 k2 −k2 k1 ) 2 = dk1 dk2 e exp − k − 2αk , 2π 2 このガウス積分を実行すると Ae −αk2 A2 π α θ2 2 = exp − k 2 − k 2π 2α 2 32α (58) (59) となるので θ 2 f˜(k) = θ e− 4 k (60) が (56) の解。したがって (54) の最も単純な解として r2 f(x) = 2 e− θ (61) を得た。ただし,r 2 = (x1 )2 + (x2 )2 。 チェックとして,(54) から求まる d2x [f(x)]2 = d2 x f(x) (62) は容易に確かめられる。5 ここで求めた解は,θ のオーダーの拡がりをもつことに注意しよう。 5 今の解の場合,この値は 2πθ。 11 フォック空間の基底による表示 6.2 以前にみた,フォック空間におけるオペレータによる表示6 との関連を 考えてみる。その場合,座標は交換しない「数」であるから,量子力学 におけるオペレーターオーダリングの様な微妙さがある。 以下のようなフーリエ逆変換 1 f(x) = (2π)n/2 dn k f˜(k) e−ik·x (63) において,x を非可換な座標としたものが,可換なものに対応すると決め よう。7 前の subsection で求めた解については, f(x1 , x2 ) = θ 2 − θ k 2 −ik 1 x1 −ik 2 x2 d ke 4 e 2π (64) すなわち ∞ θ 2π k iϕ − θ4 k2 −iϕ f (z, z¯) = dϕ dk k e exp −i z¯ e + z e 2π 0 2 0 (65) である。ただしここで k1 = k cos ϕ,k2 = k sin ϕ とした。 BCH 公式から k exp −i z¯ eiϕ + z e−iϕ 2 k2 k iϕ k −iϕ = exp − θ exp −i z¯ e exp −i z e 4 2 2 (66) おのおのの exponential を展開して,ϕ についての積分を行うと8 f (z, z¯) = θ ∞ dk k e − θ2 k2 0 ∞ (−1) =0 $!$! 2 k 2 z¯ z (67) となって,最後に k 積分を行うと(Γ($ + 1) = $!) f(z, z¯) = ∞ (−1) z¯ z =0 6 7 8 オペレータ表示,演算子表示とも言う。 Weyl 変換 2π 0 dϕ ei( −m)ϕ = 2πδ m 12 $! (2θ) (68) となることがわかる。これは以前にやった表示で † : e−a a := |00| (69) |00|00| = |00| (70) のことである。 であるので,(54) の解になっていることは明らかである。 非可換座標でかかれたものから,逆変換も一意的に決まることが知ら れている。ここでは割愛する。 ついでながら,こちらの表示では「体積積分」にあたるものとして Tr を導入し, Tr e−ik·x = (2π)n δn (k) (71) を満たすとしなければならない。これは (63) と通常の座標表示のものを 比べればわかる。 Tr f g = Tr g f (72) Tr f(x) = 2πf˜(0) (73) θ 2 − θ k2 −ik 1 x1 −ik 2 x2 |00| = d ke 4 e 2π (74) Tr |00| = 2πθ (75) を満たす。 先ほどの2次元の例では だから より では,Tr |11| は何か? θ 2π θ = 2π θ = 2π θ = 2π |11| = z¯ z ¯ ¯ d2 k e−θk k √ e−ikz¯−ikz √ 2θ 2θ ¯ 1 ¯ d2 k e−2θkk z¯e−ik z¯e−ik z z 2θ −1 ∂ ∂ −ik¯ ¯ ¯z −ik z d2 k e−2θkk e e 2θ ∂ k¯ ∂k 2 ¯ ¯ −4θ k k + 2θ −ik ¯ d2 k e−2θkk e z¯e−ikz 2θ 13 (76) (k = (k1 − ik2 )/2, k¯ = (k1 + ik2 )/2 である。)であるから Tr |11| = 2πθ (77) Tr |mm| = 2πθ (78) Tr = 2πθ TrH (79) 同様に ということは, ここで TrH f = ∞ n|f|n (80) n=0 6.3 非可換ソリトン解 スカラー場 φ の action 1 d x ∂i φ ∂i φ + V (φ) 2 2 (81) を考える。V (φ) はスター積で書かれていることを表す。再び x1 , x2 = iθ (θ > 0) (82) とする。 √ xi → xi θ と変換すると action は d2 x ただし 1 ∂i φ ∂i φ + θV (φ) 2 x1 , x2 =i (83) (84) θ が大きいときは,kinetic term は無視できる。9 したがって ∂V (φ) =0 ∂φ が θ が大きい場合の方程式。 9 ソリトンみたいな穏やかなものがあるとして 14 (85) さて,ポテンシャルが「自発的対称性の破れ」のタイプ・ ・ ・すなわち φ = 0 が極大,φ = v が極小の場合, φ (φ − v) U(φ) = 0 (86) のような運動方程式になる。U は何らかの関数。 この運動方程式の解は,上で見た f f = f の解 f を用いて φ0 (x) = v f(x) (87) φ0 (φ0 − v) = v f (v f − v) = v 2 (f f − f) = 0 (88) と書ける。なぜならば 15 非可換空間上のゲージ理論 7 7.1 field strength 通常の場合。 Fij = ∂i Aj − ∂j Ai + i [Ai , Aj ] = −i [Di , Dj ] (89) ただし Di ≡ ∂i + iAi 。 非可換空間では,(89) の一行目のように Fij() = ∂i Aj − ∂j Ai + i [Ai , Aj ] (90) とすればよろしいでしょう。U (1) でも最後の項が残ることに注意。 U (1) ゲージ変換は δAi = ∂i λ + i [Ai , λ] この変換で δFij() = i Fij() , λ したがって dn xFij() Fij() (91) (92) (93) はゲージ変換の下で不変。 Fij() Fij() はゲージ不変ではない! Nonabelian のときは? (89) の二行目の書き方をするには,もともとこの導出は後ろに何かぶっ かかってるのをおもいだせば, Di → Ci ≡ ∂ˆi + iAi = −i(θ−1 )ij xj + iAi (94) をつかって書くべき。ただ前に見たように微分演算子が可換でないので Fij = −i [Ci , Cj ] − (θ−1 )ij 16 (95) 7.2 vortex solution 可換空間では,スカラー場のあるときに特異性のない解がつくられる。 非可換時空の非局所性のため,スカラーなしでも,特異性のない解が期 待できる。 2次元10 非可換座標で x1 , x2 = iθ (θ > 0) (96) を満たすとする。 i C1 = x2 + iA1 , θ i C2 = − x1 + iA2 θ (97) を組み合わせ 1 1 C = (C1 − iC2) = − z¯ + iA, 2 2θ 1 1 C¯ = (C1 + iC 2 ) = z + iA¯ (98) 2 2θ をつくる。ここで 1 A = (A1 − iA2 ), 2 これを用いて 1 A¯ = (A1 + iA2 ) 2 (99) 1 F = F12 = −2 C, C¯ + θ (100) Tr F 2 (101) action は 運動方程式は C, C, C¯ =0 (102) もちろん真空 1 1 z¯, C¯ = z 2θ 2θ は運動方程式の解である。(このとき F = 0) またそのゲージ変換 C=− C=− 10 1 † U z¯U, 2θ 1 C¯ = U † zU 2θ エネルギーとか議論するときは (2 + 1) 次元にする。 17 (103) (104) も解である。 U U † = 1 でなくてはならないが,U † U = 1 である必要はない。11 この性質を満たす最も単純なものは S † と S で S† = ∞ |n + 1n|, S= n=0 ∞ |nn + 1| (105) n=0 これらは SS † = 1 を満たすが12 S †S = 1 − |00| (106) U = S m などととれば † m θF = 1 − (S ) S = m m−1 |nn| (107) n=0 total flux は θ Tr F = 2πθm (108) 全エネルギー=質量13 も整数 m に比例。 Tr F 2 = 2πm θ (109) 通常の空間上で,巻き数を変える変換が作れないわけは,原点で特異 性を持つためです。14 非可換空間では非局在性のため,nonsingular な変 換が作れる。 11 12 13 14 ¯ ,Tr U † F 2 U = Tr F 2 U U † = Tr F 2 ¯ = U † C CU たとえば, U † CU U † CU ∞ 1 = n=0 |nn| (2 + 1) 次元で議論すべきですが・ ・ ・ U = eimϕ のように。 18 非可換空間上の量子場の理論 8 4次元 Euclidean スカラー場の理論を考える。 8.1 相互作用のない理論 action を以下のようにする。 d4 x S= 1 1 ∂ i φ ∂i φ + m 2 φ φ 2 2 (110) 運動量空間で考えよう。 d4 k ik·x ˜ e φ(k) (2π)4 φ(x) = eik ·x eik ·x = e− 2 θ i ij k i kj i (111) ei(k+k )·x ≡ e− 2 k×k ei(k+k )·x (112) なので action は i d4 k 1 ˜ k×k ˜ 2 φ(−k)e (k 2 + m2 )φ(k) (2π)4 2 d4 k 1 ˜ ˜ = φ(−k)(k 2 + m2 )φ(k) 4 (2π) 2 (113) k × k = 0 なので,プロパゲーターは変わらない。 k2 8.2 1 + m2 (114) φ3 理論 action を以下のようにする。 S= d4 x 1 1 g ∂i φ ∂i φ + m2φ φ + φ φ φ 2 2 6 (115) 相互作用項は eik 1 ·x eik 2 ·x eik 3 ·x = e− 2 k2 ×k3 eik 1 ·x ei(k2 +k3 )·x i = e− 2 k2 ×k3 e− 2 k1 ×(k2 +k3 ) ei(k1 +k2 +k3 )·x i i 19 (116) によってバーテックス ∝ e− 2 k1 ×k2 δ4 (k1 + k2 + k3) i (117) を導く。 φn 理論ではバーテックスに exp − i ka × kb 2 1≤a<b<n (118) の因子が現れる。(k はすべてバーテックスに入っていく方向。) cyclic symmetry 8.3 15 はあるが,permutation symmetry は無い。 φ4 理論 action を以下のようにする。 S= 1 1 λ ∂ i φ ∂i φ + m 2 φ φ + φ φ φ φ d4 x 2 2 4! (119) φ4 理論ではバーテックスに i exp − (k1 × k2 + k1 × k3 + k2 × k3) 2 (120) の因子が現れる。 one-loop self-energy diagram を考える。 入ってくる運動量を p,ループを k が回るとする。 k1 = p と選ぶ。16 −p の選び方に以下の3通り。 ・k2 = −p と選ぶ。このとき因子は i exp − (p × (−p) + p × k + (−p) × k) = 1 2 15 16 (53) からわかる。 4通り。 20 (121) ・k4 = −p と選ぶ。このとき因子は i exp − (p × k + p × (−k) + k × (−k)) = 1 2 (122) ・k3 = −p と選ぶ。このとき因子は i exp − (p × k + p × (−p) + k × (−p)) = exp [−i(p × k)] 2 (123) したがって (2) (2) Γ(2) 1 = Γ1 planer + Γ1 nonplaner (124) −λ d4 k 3(2π)4 k 2 + m2 (125) −λ d4 k = eik ×p 6(2π)4 k 2 + m2 (126) Γ(2) 1 planer = (2) Γ1 nonplaner これらを regularize する。Schwinger parameter を用いて Γ(2) 1 planer −λ ∞ 4 −t(k2 +m 2 ) = dt d ke 3(2π)4 0 −λ ∞ dt −tm2 = e 3(4π)2 0 t2 (127) regularize のため e− 4Λ2 t を導入すると(Λ はカットオフ) 1 (2) Γ1 planer −λ ∞ dt −tm 2 − 12 4Λ t = e 3(4π)2 0 t2 m −λ = 4mΛK1 2 3(4π) Λ (128) これは普通の発散の regularization。 同様に (2) Γ1 nonplaner −λ ∞ 4 −t(k2 +m 2 )+ik ×p = dt d ke 6(2π)4 0 −λ ∞ dt −tm2 − p◦p 4t = e 6(4π)2 0 t2 21 (129) ここで p ◦ p = pi θ ik θjk pj 。 1 regularize のため e− 4Λ2 t を導入すると ∞ dt −tm2 − 4Λ2ef1 f t −λ e 6(4π)2 0 t2 −λ m = 4mΛeff K1 6(4π)2 Λeff Γ(2) 1 nonplaner = −2 ここで Λ−2 ef f = p ◦ p + Λ 。 nonplaner では Λ2 → ∞ でも Λ2eff は有限! !≈ 1/p ◦ p これが発散するのは p ≈ 0 のとき。おお,IR? UV と IR の発散が混在している? ! 22 (130) 参考文献 [1] I. Ya. Aref’eva, D. M. Belov, A. A. Giryavets, A. S. Koshelev and P. B. Medvedev, “Noncommutative Field Theories and (Super) String Field Theories”, hep-th/0111208. [2] N. G. Deshpande, “A review of non-commutative gauge theories”, Pramana 60 (2003) 189. [3] M. R. Douglas and N. A. Nekrasov, “Noncommutative Field Theory”, Review of Modern Physics 73 (2001) 977. (hep-th/0106048). [4] M. Gomes, “Noncommutative Field Theories”, Braz. J. Phys. 32 (2002) 838-842. [5] F. Hofheinz, “Field theory on a non-commutative plane: a nonperturbative study”, Fortschr. Phys. 52 (2004) 391. [6] A. Konechny and A. Schwarz, Phys. Rep. 360 (2002) 353 hep-th/0012145. [7] Kh. Namsrai, “Noncommutative Field Theory”, Int. J. Theor. Phys. 42 (2003) 2609. [8] M. Olsson, “Noncommutative Scalar Field Theory and the UV/IR Mixing”, Master’s degree project (2002). [9] V. O. Rivelles, “Supersymmetry and Gravity in Noncommutative Field Theories”, Nucl. Phys. B (Proc. Suppl.) 127 (2004) 63-70. [10] V. O. Rivelles, “Noncommutative Supersymmetric Field Theories”, Braz. J. Phys. 31 (2001) 255-262. [11] F. A. Schaposnik, hep-th/0408132. [12] M. M. Sheikh-Jabbari, “Noncommutative string and field theories, a review of the status”, Nucl. Phys. B (Proc. Suppl.) 108 (2002) 113. [13] R. J. Szabo, “Quantum Field Theory on Noncommutative Spaces”, Phys. Rep. 378 (2003) 30 hep-th/0109162. 23 [14] R. J. Szabo, “Magnetic Backgrounds and Noncommutative Field Theory”, physics/0401142. [15] J. Zahn, “Wirkungs- und Lokalit¨atsprinzip f¨ ur nichtkommutative skalare Feldtheorien”, Diplomarbeit, Universit¨at Hamburg, 2003. [16] 浜中真志 「非可換ゲージ理論におけるソリトン解」, http://www.math.h.kyoto-u.ac.jp/˜takasaki/soliton-lab/nis/iss2001/ [17] 松尾泰 “Geomertrical Aspects of Noncommutative Soliton”, http://hep-th.phys.s.u-tokyo.ac.jp/˜matsuo/paper/yitp2001.ps.gz 24
© Copyright 2025 ExpyDoc