大船渡西ロータリークラブ

見事に開花した第10回│.A年次大会
大船渡西ロータリークラブ
○ロータリーと青少年問題
歴史は繰り返すと言われるが,70年前,不況のどん底にあえいでいたシカゴ市の
混迷と腐敗の中から,心ある4人の同志によって創立されたロータリー週給は,やが
て国境を越え,海を渡って,世界の隅々まで広がり,現在の世界的団体へと発展した
が果せるかな今日に至って古今未曽有の世界的経済不況に直面し,加えて価値観の転
換する中で,我々はロータリーの将来を考える時,一抹の不安と懐疑の念を禁じ得な
い。とりわけ我が国の高度成長時代に生を享け,之を享受して成長しつつある次代を担
う青少年の中に,利己主義に走る風潮のあることは,誠に憂慮すべきことであり,青
少年問題こそは,今や職業奉仕と共に,ロータリーの特色ある課題としてその重要性
は益々緊要の度を増していると言わざるを得ない。我々の良き遺産は次代に引き継が
ねばならないし,更に発展せしめて貰わねばならない。
従って青少年育成こそは,我々ロータリアンに課せられた当面の重大責務の一つで
あると申しても過言ではないであろう。
○第352地区│.A.C運動の現況と将来の展望
日本に於けるI.A.Cの第一号が,1963年6月仙台育英学園高校に結成され,同時に
同校が,国際青少年交換プログラムを実施したことが,その後本地区に於てはI.A£
の創立と国際青少年交換プログラムとが相関性を保ちながら,発展の過程をたどる原
点となったのである。
次いで,1965年より1970年までの5年間に,6
1.A£の誕生を見たまま一時停頓
状態に入ったが,1973年佐々木統一郎P.Gが地区I.A委員長に就任されるや,その重
要性を強調され,自ら先頭に立って,交換学生プログラム実施R£や農業高校等を対
象にして,積極的にアプローチを試みた結果,大船渡農業高校・塩釜女子高校・陪島
女子高校・水沢農業高校・江刺高校・釜石工業高校等にその創立を見る事が出来たの
である。目下地区内I.A£は11を数え 更に数クラブが誕生に向って胎動中である。
しかし乍ら,我々はI.A£の数の多きをもって事足れりと自己満足に陥入ってはなら
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ない。我々の目標とする青少年育成の目的達成のためには,I.A£の内面の充実も同
時に計って行かなければならない。その点,過去の歩みをふり返ると「生みっぱなし」
との酷評も甘受せざるを得なかった状態が続き,単に提唱R£となったということだ
けで満足し,供手傍観の無関心さのあったことも,否めない処である。
由来日本のI.A£には発展を阻害する幾つかの問題点が存在するが,当地区I.A委
員会はその解決の最良の一手段として,R£とI.A£との間に立つ顧問教官に深い理
解に基づいた上での大いパィプ役を果たして貰うことが是非共必要であるとの結論に
到達したのである。
よって,地区レベルにより本年度のI.A年次大会終了直後,8月4日∼8日の5日間の
日程で,第一回I.A国内研修交歓旅行を計画し,ロータリアン6名,顧問教官7名,
I.A代表21名の人員構成をもって,I.Aの先進地である第373地区の1.A年次大会が
鹿児島県霧島高原のホテルで開催されるのを機会に,大会特別参加を主目的に,鹿児
島・宮崎・大分三県のロータリアン,顧問教官,I.A諸君との交歓親睦を計り乍ら,
併せて,この旅行によって当地区の三者の相互理解を,一段と深めようとの意図のも
とにこれを実行に移したのである。
彼地でのロータリアン各位を始めとする顧問教官,I.A諸君の示してくれた数々の
友情は,我が旅行団一同に深い感銘を与え,これらの事実を肌で受けとめることが出
来て,旅行中毎夜開かれた「本日の反省会」では,従来のI.A運動の溢路となってい
たロータリアンと顧問教官との間のわだかまりは次第に氷解して行き互に意気投合し,
本旅行を契機として,再躍進の出発点にしようとの意味合いから,「霧島会」の名称
で,今後定期的にロータリアンと顧問教官との会合を行ってゆくことが決定し,9月
6日に塩釜にて佐々木I.A委員長を中心として,第一回の会合がもたれ,第二回目は
新年早々鳴子にて開催の予定がもたれている。
かくして,地区I.Aの発展のための強力なバックボーンが実現したのは,この上な
い喜びである。従って今後の352地区I。A運動の将来は期して待つべきものがあり名
実共に発展の過程をたどるべく,関係者一同一層の努力を傾注して参らねばならない
と考えている次第である。
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○大船渡西ロータリークラブと青少年奉仕活動特に│.A.Cの育成
大船渡西ロータリークラブは1970年,大船渡R£をホストとして創立された。
創立以来一貫して,地域社会との密着を標榜し,特に青少年問題を最重点目標に掲げ
今日に至っている。
1971年,親と子の断絶の問題に取り組み,高校生(普通高校・工業高校・農業高
校)の昇降の多い大船渡線盛駅前広場に,「はぐくみの像」を建立し,母と子の愛情
の尊さを,これら若者を始め,多くの市民に訴えると共に,R£の広報並びに環境美
化にも一役買っている。
1972年,大船渡農業高校が交換学生スコット君を受け入れ,国際親善のために学校
当局,ロータリーカウンセラー(大船渡R.C会員)共々懸命の努力を払ったにも拘ら
ず,スコット君の家庭の事情により,滞在期間の中途で残念乍ら帰国せざるを得ない
結果となった。宗教上の問題による日常生活の矛盾も又,彼をして帰国への意志を早
めさせる結果ともなったと思われるが,受け入れ側にもその準備が不足していた事実
も又見逃す事は出来なかったので,この反省に立って,R£・学校当局共々期せずし
て,I.A£の創立の必要性を感じた。時恰も,佐々木統一郎P.GがI.Aの委員長に就
任し,I.A.Cの結成は提唱R£に「やる気があれば必ず出来る」と言う激励に呼応し,
数度にわたる学校当局との話合いの結果,完璧な相互理解に達し,1973年県立高校
では始めてのI.A£が創立され,学校当局の深い御理解により,直ちに正式に校内ク
ラブとして認められた。
I.A£が地域社会への奉仕と,国際理解を深めるためには,過去の苦い経験に照ら
して指導に当たる顧問教官にその人を得る必要があるとの判断から,同校英語担当教
官の菊川かおる教諭を,ロータリー財団奨学生として,1974年7月に米国留学が実
現した。同教諭は本年8月帰国し,目下貴重な体験と語学力を駆使し,大船渡農業・
工業高校の2校に於て英語を教える傍ら,I.A£の指導,広くは地域青少年の国際理
解のために活躍中である。大船渡農業I.A£は校内清掃の積極的参加を始め,前記
「はぐくみの像」の芝生,植木の手入れ,観光地碁石海岸の清掃美化等の実践活動を
始めとして校内外に於てlnternationaI
A£tion Clubに恥じない活躍をしている。
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更に最近は大船渡農業高校が,文部省より「国際化時代に即応した生徒の活動を育
成するには,どのような工夫と配慮が必要か」一副題−「主として教科以外の活動を
通した国際理解とその実践」というテーマの研究推道枝に全国唯一の指定校となり,
目下校内外を挙げてこのテーマ研究に取り組んでいる事実は,日頃の校内外の活動の
成果が,中央からも認められた証左であり,I.A.Cがその中心的役割を果たしておる
ことは論を埃たない。
当R£も又側面からこの研究の一助として講師依頼に応えて,当クラブ会員を派遣
し,国際理解に関する講演会を開催し,学校当局と一丸となって国際化時代に即応出
来る青少年の育成に取り組んでいるのが現状である。学校当局は,目下学校施設等を
校内活動に支障のない限り,全面的に地域社会に開放し,ロータリーを始め,その他
の団体等と積極的な交流を望み,学校基本教育の範囲内においては,吸収し得ない広
い視野からの意見等を生徒に与え,将来世界人として育つための基礎を養成しようと
努力中である。
従って,同校I.ACは週二回(月,木)の例会を開催しており,当クラブでも,極
力ロータリアンを派遣し,その健全な発展のための援助を行っている。
当クラブはI.A£に対し;゛We
need you and you need us″
精神で一貫して接し
ていることを申し添える。
○第352地区│.Aの運動の明るい前途を確立した第10回 │.A年次大会
大船渡農業高校当局は,現代高校生の自由奔放な無軌道な気風に対する教化指導の
一環として,日本野外活動協会の指導のもとで,市内観光地である碁石海岸景勝地に
あるキャンプ村にて,「己は団体のために行動しなければならない。
--−そして団体
は個人のために配慮するものでなければならない」という集団の中の個人の立場の確
立の観念を植え付けるために,過去3年,厳格なキャンプ生活を実施してきた。その
効果は計り知れない程,その後の生徒の校内外の生活に好影響を与えてくれた。
従って,今次第10回第352
・ 354両地区合同I.A年次大会のホスト校に決定され
るや,その実績をふまえて,過去の年次大会と全く面目を一新し,両地区I.Aの諸君
に正しいキャンプの在り方を教えると共に,その過程を通じて,汗とホコリにまみれ
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ての苦斗の中に,学校教育では得難たい何物かを把みとって貰うとの趣旨から,提唱
R.Cの当クラブと熟議を重ね,2泊3日のキャンプ生活を主体とする年次大会プログ
ラムを立案し,大綱が決するや,地区委員会の了解のもと,別紙プログラムの通りの
年次大会を7月25日∼27日の3日間にわたり実行に移したのである。
大半のI.A諸君は,過去経験したことのない厳格な規律のもとに行われたキャンプ
方式であったので,初日は戸惑いから,若干の批判苦情も起きた。しかし2日目の夜
キャンプファイヤーを囲んだ時は,すでに理解に転じ,3日目の別離の時は感動・の涙
のうちに,再会を約し合うという素晴しい感激のシーンが展開された。若きI.Aは鍛
えられた。そこには反抗,理解,感動と日を追って自己を見つめる心を取りもどした
I.A諸君の「やり遂げた」という自信と誇に満ちた姿を見ることが出来たのである。
局到な準備のもとに,ホスト学校長を先頭にした顧問教官団,両地区役員の諸先生
並びに多くの参加ロータリアンの協力が見事に具現された本年次大会は,成功裡に終
了したと断言出来る。「やれば出来る」との言葉を文字通り実践をもって実現し,今
後のI.A運動の真の発展のための基礎を確立した大会であったと確信している。
当クラブは,この大会の成果を,参加226名のI.A諸君の体験のみに終らせるに忍
びず,敢えてこれをテレビ放送をもって広く世にその実体を知らせ,もって青少年育
成の如何に大切であるかを,心ある人々に訴え,併せてロータリーの仄報にやくたて
ようと,岩手民放テレビ局に記録の制作放映を依頼し,8月9日に45分間にわたり
「若者は何を見たか」一大船渡西ロータリークラブ協力のタイトルで放映を行った。
その反響は極めて多大で,各界より再放映の要望頻りにより,次いで9月13日に2回
目の放映を実施した。民放テレビ局がコマーシャルもない異色番組として番組審議会
でも,高い評価を受けた由で,我々の試みが決して無駄でなかった事を知ったのであ
る。
更に,今後の青少年育成のための資料として,国内各地のR£や,青少年教育機関
等に,ビデオテープに再生し,希望に応じ頒布しつつあり,広く世にその成果を問う
所存である。
以上が当大船渡西R.Cの「I.Aと共に」の事業の一端であり,今後とも試行錯誤を
繰り返しつつも,クラブ員一同一丸となって,青少年問題に取り組んで参る所存であ
る。
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ガバナーを始め地区役員各位,並びに全ロータリアン諸君の今後のご指導を希求し
てやまない次第である。
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喘護画Rで殿寄蹴