花信風、薫風、雁渡し、木枯し・・・。 風の名前は2,000種類以上あると言われています(総数は2,145以上という話も… )。 そこには、日本人ならではの五感を研ぎ澄ました繊細さと、表現の豊かさが感じられま す。 先人たちは、風を肌で感じ、風を知り、その声を聞き、季節の移り変わりを読み取り、 それを生活に活かしてきました。 風車は、水を汲み穀物などを臼いて生活に潤いをもたらせました。エネルギーの使用量 が増えてきた現代では、風力発電は再生可能エネルギーの1つとして挙げられています。 また 、 古くは帆船が 、 今ではヨットがセイルで 「 順風 」「 追い風 」「 時津風 」「 逆風 」「 向い 風」 「 仇の風 」といった風をつかみ 、巧みに操り 、舵で方向を決め 、自分たちのゴールとい う目標に向かって海上を進みます。 ところで、学校にもそして学校事務職員にも変革という風が吹いてきています。 教育再生実行会議や中教審では、教員と事務職員の役割分担の明確化などが議論されてお り、事務職員が「専門性を有するスタッフ、職員」として期待されていることがうかがわ れます。 また、文部科学省が進めている「地域とともにある学校づくり」を目指す上で、共同実 施の果たす役割、期待度も大きいものがあります。 このように、様々な風が吹く中、私たち学校事務職員は、いかにその風を捉え、どの方 向に向かっていけばよいかを的確に判断しなければなりません。 そして、その風を活かすためにも、栃事研では、会員一人一人が学校現場でその力量を 確実に発揮し 、実践を通して学校改善につなげていく能力と実行力( 実践力 )を身につけ 、 確実に学校経営参画を果たせる事務職員を育成し、より質の高い「とちぎの学校事務」の 創造へと結びつけていきたいと考えています。そのため、本年度も研究主題を 「子どもの豊かな育ちを支援する学校事務」 とし 、「とちぎの学校事務ビジョンと実行策」を確実に推進し成長させるとともに 、「具体 的行動 」「組織連携」を基本テーマに諸活動を推進していきます。 さて、私は平成27年度定期総会におきまして、新会長としてご承認をいただき、身にあ まる光栄であると同時に、歴代会長が築き上げた栃事研を引き継ぐということに、その重 責を改めて痛感いたしております。 風を聴き、風を知り、風を読み、そして、風を的確に捉え、とちぎの学校事務にとって 進むべき目標に向かって舵取りができるよう尽力していく所存でございますので、今後と も前会長同様、皆様の変わらぬご支援ご協力をよろしくお願いいたします。 結びに、とちぎの学校事務に「雄風」が吹き、頬をなでる「清風」を感じ振り向くと、 そこには背中をそっと押してくれる人がいる・・・「 信頼 」され 、 「 学び 」あい 、 「 コミュニ ケーション」が図れる栃事研を目指していきたいと思います。 栃木県公立小中学校事務職員研究協議会長 廣田 則子
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