別紙 2 平成26年中における少量危険物施設等の事故発生状況について 札幌市消防局 1 少量危険物施設の事故発生状況 平成26年中に発生した少量危険物施設等の事故は114件(流出事故113件、破損事故1件)で、前 年の109件から5件増加しています。そのうち、ホームタンクに関連する事故は104件で、全体の約9 1%を占めています。 危険物の流出量にあっては、約53,480リットルであり、前年の約21,130リットルから約32, 350増加しています。 施設区分別事故発生状況(単位:件) ホームタンクに 関連する事故 114 104 危険物施設に 接続する機器等 9 その他の事故 10 地下タンク 1 少量危険物施設等の事故の推移(過去5年間) 120 100 109 平成24年 平成25年 114 96 80 件 数 110 73 60 40 20 0 平成22年 平成23年 ホームタンクに関連する事故 その他の事故 平成26年 別紙 2 発生箇所 ホームタンクに関連する事故(104件) 主な事故原因の概要 タンク本体(7件) タンク付属設備(23件) 配管(48件) タンクに接続する燃料消費設備等(25件) その他(1件) ○タンク底部または脚部の腐食(3件) ○タンク脚部の固定不良により、タンクが傾いた ○車両がタンクに衝突し、タンクが転倒(写真1) ○廃棄するために置かれていたタンクに雨水が溜まり、残存してい た灯油と雨水が混ざり流出 ○ストレーナーが脱落し、タンク本体から流出 ○ストレーナーカップの亀裂(8件) ○ストレーナー本体の劣化(4件) ○ストレーナーと配管の接続部分の緩み等(2件) ○過剰注入に伴う熱膨張等により流出(6件) ○水抜きバルブの劣化等(2件) ○燃料供給施設(※)において、オーバーフローにより戻り管から の流出 ○積雪荷重等による破損(12件) ○いたずら等による配管折損(5件) ○腐食等劣化(露出4件、埋設6件) ○工事等作業中の破損(露出5件、埋設4件) ○ゴムホースの腐食等劣化(ストーブ5件、融雪槽3件、ボイラー 1件、その他1件) ○燃料コックとゴムホースの接続部の緩み(4件) ○豪雨により地盤が緩み、タンクが転倒し、液面計及び通気管が破 損(写真2) 写真1:車両が衝突し、タンクが転 倒、通気管等が破損した 写真2:豪雨により地盤が緩み、タ ンクが転倒し、通気管等が破損した その他の事故(10件) 主な事故原因の概要 ○地下タンク(少量危険物施設)の注入管の亀裂 ○地下タンク貯蔵所のポンプ二次側の送油管から流出(2件) ○地下タンク貯蔵所から配管で接続された機器の油圧メーターの故障により灯油が流出 ○地下タンク貯蔵所から配管で接続されたボイラーのバーナー部分が脱落し重油が流出(写真3) ○燃料供給施設において、燃料コックとゴムホースの接続部分が緩み灯油が流出 ○燃料供給施設において、ストーブに接続するゴムホースに亀裂が生じ灯油が流出(2件) ○燃料供給施設において、ストーブに接続するゴムホースが離脱し灯油が流出 ○燃料供給施設において、ボイラーに接続する送油管がボイラー本体から離脱し灯油が流出(写真4) 写真3:ボイラーのバーナー部分が 離脱 ※ 写真4:ボイラーに接続する送油管 がボイラー本体から離脱 燃料供給施設とは、共同住宅などにおいて、地下貯蔵タンク等から中継タンク(中継タンクがない施設もある。)及 び戸別タンクを経由して、各居室の暖房器具に灯油を供給する施設形態をいいます。 別紙 2 2 ホームタンクに関連する事故状況 ⑴ 事故の発生箇所 ホームタンクに関連する事故は104件発生しています。その内、発生箇所別では、配管48件、タン クに接続する燃料消費設備等25件、タンク付属設備23件、タンク本体7件、その他1件となっていま す。 また、配管で発生する事故の主なものは、積雪荷重等により配管が破損する事故12件、配管の腐食等 劣化による事故が9件、工事等作業時の損傷が9件、いたずら等により配管が折損する事故5件です。 事故発生箇所別件数(単位:件) タンク本体 7 その他 1 タンク付属 設備 23 その他 13 104 配管 48 タンクに 接続する 燃料消費 設備等 25 ⑵ いたずら等 5 積雪荷重等 12 工事等 作業時 9 腐食等 劣化 9 主な事故原因 ① 腐食等劣化 40件(事故全体の約38%)が腐食等劣化を原因とする事故です。これらの事故は、ホームタン ク本体で4件、ストレーナーで13件、配管で9件(露出3件、埋設6件)、ゴムホースで11件発 生しています。 タンク底部に経年劣化による腐食孔 タンクのストレーナーカップに亀裂 埋設配管に経年劣化による亀裂 ボイラーに接続するゴムホースに亀裂 別紙 2 ② 積雪荷重及び落雪 1月から3月にかけて、積雪荷重、落雪により配管、ストレーナーが破損する事故が12件発生し ています。前年から2件減少していますが、大雪の影響により、ここ2年は10件を超える件数とな っています。 積雪荷重等による事故の推移(過去5年間) 15 件 数 14 10 5 12 5 1 0 2 H22 H23 H24 H25 H26 積雪荷重により配管が折損 積雪荷重により配管が継手部分から離脱 ③ 工事等作業時の損傷 工事等作業時の事故は9件発生しています。その内訳は、掘削作業中等により埋設配管を損傷させ た事故が4件、刈払機により露出配管を折損させる事故が2件、重機が露出配管に接触する事故が1 件、付近のLPGボンベを交換する際に配管を損傷させた事故が1件、土壌に鉄杭を刺したことによ る埋設配管の損傷事故が1件となっています。 掘削工事中に埋設配管が折損 刈払機により配管が折損 別紙 2 4 事故防止対策について ⑴ 日常点検 腐食等劣化を原因とする事故が43件(ホームタンクに関連する事 故40件、その他の事故3件)発生していますが、その半数以上が、 露出配管、ストレーナー、ゴムホースなど、目視で確認することがで きる箇所で発生しています。これらの事故は日常点検を実施していれ ば防止することができた事故が大半であることから、配管の被覆が剥 がれていないか、ストレーナーに亀裂が生じていないかなど、継続的 に日常点検を実施することが最も効果的な事故防止対策です。 また、ストーブ、ボイラー等の燃料消費設備に接続しているゴムホ ースの腐食等劣化、接続部分の緩みが起因する事故も多く発生していることから、同様に、日常点検を実 施し、ゴムホースに亀裂や無理な屈曲がないかなどを確認し、事故が発生する前に計画的に改修する必要 があります。 ※ 札幌市のホームページには、ホームタンクの日常点検チェックシートを掲載していますので、ダウンロ ードのうえご利用ください。 アドレス:http://www.city.sapporo.jp/shobo/yobo/kikenbutsu/shisetsu/hometank.html ⑵ 積雪・落雪対策 積雪荷重等を原因とする事故が12件発生しています。露出配管またはストレーナーが破損する事故が ほとんどであり、さらに、配管が接続部分から離脱する事故も多く発生しています。 こまめに除雪を行い、配管等に積雪荷重が掛からないようにしましょう。また、除雪の際には、配管な どを損傷させないように、慎重に手作業で行うようにしましょう。 ⑶ いたずら防止 いたずら等により配管が折損する事故が5件発生しています。この ような事故を防止するためには、配管保護カバーの設置やタンク周囲 を明るくするなど、いたずらされにくい環境を作ることが効果的です。 ⑷ その他 自宅の排水口、ホームタンクの周辺から灯油臭がする、急激に灯油 の消費量が増えたなどの、灯油が流出した疑いのある場合、または灯 油が流出した場合は、速やかに消防機関等に通報するとともに、被害 いたずらにより露出配管が折損 を最小限に抑えるために、ホームタンクの開閉バルブを閉止するなど、 流出防止措置を講じることが必要です。 5 札幌市消防局の取組み ⑴ 危険物関係団体への情報の提供 ホームタンクに係る事故防止対策を推進するため、札幌燃料協同組合の組合員である移動タンク貯蔵所 の危険物取扱者の皆さんに、各家庭に灯油を配送する際、ホームタンクの外観点検や灯油臭及び消費量の 異常の有無について居住者などに声かけを行う協力の依頼をしています。 ⑵ 啓発用チラシ 札幌市のホームページには、危険物に起因する事故を減少させるための啓発チラシを作成し掲載してい ます。 アドレス:http://www.city.sapporo.jp/shobo/yobo/kikenbutsu/shisetsu/chirashi.html
© Copyright 2024 ExpyDoc