「学位論文審査手続き」について 2012 年 4 月 23 日 生物資源経済学専攻 学位論文手続きに関するフォーマルな文書が 2 つあります。 (1) 「生物資源経済学専攻博士学位論文予備調査に関する内規(平成 23 年 12 月 15 日改定) 」と (2) 「博士学位論文審査願出/博士学位申請手続きについて(平成 23 年 5 月 京都大学大学院農学研 究科) 」です。 本文書は、これら 2 文書の理解を助けるために作成したものです。 なお、 「審査手続き」のあり方を正確に知ることは必要ですが、分野主任(指導教員*)が手続き上の 窓口になるものが多いので、必ず分野主任(指導教員)と相談しながらすすめてください。 *農学研究科では、教授が当該分野の主任を務め、指導教員になる。 主査には指導教員がなるため原則的に教授が担当する。 分野教授ポストが空席の場合は「指導教員の変更」措置をとったうえで准教授・講師がこれにあたる ことができる。 学位論文審査は、大きく「専攻内審査(予備調査) 」と「研究科会議審査(本調査) 」の二段階にわか れます(*)ので、この二つを大別して記します。なお上記(2) 「手続きについて」は研究科会議への 提出にかかわる規程ですので混乱しないでください。 まずは(1) 「 (専攻の)内規」にもとづいて手続きをすすめることになります。 なお、二度手間にならないよう、専攻に提出する書類形式は研究科に提出する諸形式に準拠したもの にしてあります。 (*)研究科会議の審査自体が「予備調査」と「本調査」の二つからなりたっていますので、本当は 「専攻内審査」は「予備調査の予備調査」になりますが、このような表記は煩雑ですし皆さん方に とっては実質的には意味のないことですので、ここでは上記のように記しておきます。ただし研究 科の組織である第二教務掛と話す場合にはこのような表現(研究科会議に提出する書類を「予備調 査書類」とよぶような)が出てくるかもしれませんから間違えないでください。 [0]提出までに―受理条件その他― (事前相談) 学位論文の提出は、通常は各分野主任を通じて専攻会議に提出されます。したがって、 事前に分野主任から「提出できる水準を満たしている」との判断を得たうえで、 「いつ提出するの か」などにつき相談してください。 (提出物の準備) 「内規 第一条」に基づき提出物を準備し、分野主任に提出してください。混乱を まねかないよう、時間的余裕をもって準備してください(いつまでに提出すればよいのかは分野 主任の指示をあおいでください) 。 (受理条件を満たしているかどうかの確認) 「内規 第三条第一項」に基づき、分野主任の指導を受けつつ準備してください。 ここでは、とくに注意を要する「研究論文」の性格と「共著論文の扱い」について 付言しておきます。 受理基準として要求される研究論文とは、 1 ① 「学位論文に直接関連する」 (学位論文のどこに対応するかを明示することになります) ② 「単著」論文であり、 ③ 「日本学術会議協力学術研究団体の要件をみたす学会の学術誌およびそれに相当する国 際学術誌に査読付き研究論文」 のことです。 「第二項」で「みなし規程」を設けていますが、これは基本的に、大学院での教育課程 を経なかった人たちが学位請求をする途を確保するためのものですので、院生に対しては 「第一項」が適用されると理解してください。 「第一項 3」に記した「共著論文」の扱いに注意してください。 「共著論文」を学位論文の一部に使う時は、 「第一項 3」の(1) (2) (3)の内容が「共著者 により文書にて証明されていること」が必要です( 「書式」は本文書末尾を参照のこと) 。 以下、 「4 月専攻会議」に提出されたケースを想定して段取りを示します。 (8 月は研究科会議がないので、1か月遅れます。そのことで混乱がないよう、 同月を含む場合を例示しました) [Ⅰ]専攻段階(4月に提出した場合を例示します) ・農学研究科は研究領域の広がりが大きいため、正式な決定は研究科会議で行いますが、 それに先立って行われる専攻レベルでの審議が実質的な意味をもっています。 ・段取り全体を理解してもらうために詳しく記してありますが、多くは専攻会議内部で処理 する事項です。直接申請者が行わなければいけないことは、 ・ 「発表会で報告し、質問に答えること」 ・ 「主査・副査からのコメントに応じ必要な補正をすること」 ・ 「研究科に提出する必要書類を準備すること」です。※を付しておきました。 ・◎…月日が特定されているスケジュール /○…一定の時間的幅をもったスケジュール ◎4 月専攻会議(定例専攻会議は原則として第三木曜日…以下略)に提出 ・専攻会議にて受理基準を審査する。 「内規 第三条」 ・基準を満たしていると判断された場合は、主査と副査を決定。 「内規 第四条一項」 ・受理が決定された学位論文は司書室で専攻構成員を対象に閲覧に供される。 「同 三項」 (学位請求論文発表会は、通例次回定例専攻会議の日に行うことにしているので、そ れを想定して記します) ○※5 月専攻会議を目途にして学位申請論文発表会(通常は専攻会議の前の時間帯です)を行う。 「同 二項」 ・座長は主査がつとめ、副査も出席する。 2 ・やむを得ない事情があり出席できない副査はコメントを文書で提出し、その内容は主査から 紹介される。 ・持ち時間は 1 時間で、報告時間 30~40 分、残りの時間を質疑・コメントにあてる。 ◎5 月専攻会議 ・主査・副査は論文内容の評価を報告し(中間報告) 、その内容について専攻会議の了承を受ける。 ・主査・副査は論文提出者にその内容を伝え、原則として 1 か月で必要な補正をするよう指導 する。 ・1 か月で補正しきるのは大変なので、通常は専攻会議を待つことなく、可能な限り早め に主査・副査からコメントが伝えられるようにしています。 ※・申請者はコメントに沿って論文の補正をおこなう。 ◎6 月専攻会議 ・主査・副査より各々のコメントがどの程度咀嚼され必要な補正がなされたか、その結果として学 位論文の水準を満たすものになったか否かについて報告を受ける(最終報告) 。 ・もし申請者の対処が不十分と判断された場合は、一か月繰り延べ措置をとる 「内規第四条 四項」 ・ 「内規第四条 四項」で「予備調査期間二か月」と書かれているのは、この事例では「4 月専攻会議」での「審査願い」受理から、 「5 月専攻会議」における「中間報告」を経て 「6 月専攻会議」における「最終結果」に至る二か月のことです。 ・ 「水準を満たす」と判断されたものは、急きょ研究科会議への提出準備に移る。 ※・研究科会議の議題として申請するまでに数日しかないこともあります。 とくに、すぐにはできない「提出用論文冊子」3 冊の準備を事前に終えておいて下さい。 [Ⅱ]研究科段階(研究科会議での審議) ◎6 月下旬(7 月研究科会議議題整理に間に合うよう…日程は適宜確かめる)までに研究科会議への申請 手続きを終了する。 ・議題整理は通常研究科会議の 1 週間前―通常は各月の第一週木曜日―に開催される専攻 長会議で行われます。しかし事情により動くことがあるので適宜日程を確認する必要が あります。これは分野主任/主査の指示を受けつつ対応してください) ・ここからは「内規(専攻) 」ではなく、 「手続きについて(研究科) 」を参照しつつ必要書 類を準備してください。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ここからは、 学識確認が必要とされる場合を除き院生とは無関係ですが、 参考のために記しておきます。 ◎7 月研究科会議(定例研究科会議は原則として第二木曜日)に提出 ・受理論文の紹介(学位論文冊子と必要書類の回覧) ・主査・副査の決定 ○論文博士の場合は、 「学識確認」が必要とされる場合がある(後述) 。 ◎8 月…夏季休暇のため研究科会議はない。 (研究科会議がない月は 8 月のみ。なお 12 月は冬季休暇のため特別な日程を設定している) ◎ 9 月研究科会議 ・主査より論文審査結果の報告 3 ・採決により合否決定 (参考) (1) 4月に提出した場合の日程例(上述の内容を簡単に整理したもの) 月 手 ~4 月 続 き 等 ※分野主任と学位論文の提出について相談 4月 専攻会議へ論文・申請書等関連書類の提出…受理基準の審査/主査・副査の決定 5月 ※学位申請論文報告会/専攻会議にて予備調査結果の報告 5~6 月 ※予備調査結果(コメント)を受けた申請者の補正→主査・副査への補正結果報告 必要に応じて、主査・副査と適宜相談し論文の完成度を高める 6月 専攻会議にて最終調査結果の報告(研究科会議へ出せるかどうかの判断をする) ~6 月下旬 ※研究科会議への論文・申請書・関連書類の提出 7月 研究科会議にて予備調査(受理・主査・副査)を決定 8月 (研究科会議休会) 9月 研究科会議にて審査結果報告/採決による採否決定 注) 1. ※は院生が直接行うもの。 ただし、齟齬がないよう分野主任/主査担当教員の指示を受けつつすすめること。 2. 網掛け部分は院生には関係しない。 (2)課程博士と論文博士 (課程博士) ・在籍中か単位取得退学後 3 年以内に<審査ができる時期(2 年 7 ケ月以内)>に提出したもの。 ・在籍可能年限 博士(博士後期)…在籍3年・留年3年・休学3年=計9年 (参)修士(博士前期)…在籍2年・留年2年・休学3年=計7年 注)休学可能期間は修士課程も 3 年 (論文博士) ・上記時期より遅く出したもの。 …別途「学識確認」 (基礎的な学識を有するかどうかの確認)を要することがある。 ・ 「学識確認」の内容… 「専門」=8 分野教授による口頭試問 「英語」=筆記試験 (学識確認の免除) ・<本研究科修士課程を修了したもの>は、 「英語」の学識確認は免除することができる。 ・<本研究科博士課程の指導認定を受けたもの>は、全ての学識確認は免除することができる。 ・<「指導認定制度」ができる以前に「単位取得」認定を受けたもの> も全ての学識確認を免除することができる。 *「免除できる」ということであり、 「免除の妥当性」については専攻で判断し、研究科会議の承認を 受ける。 (3)共著論文の取り扱いに関する承諾書(様式 1) (様式 2)…次頁以下に添付 (様式 1)は執筆分担箇所が明示できないもの、 (様式 2)は明示できるものです。 4 共通論文の取り扱いに関する承諾書(様式 1) いずれか該当する書式を選んで作成してください。 京都大学農学研究科 生物資源経済学専攻長 専攻長 殿 私は以下のタイトルの論文に関して下記の内容を承諾します。 論文タイトル ○○○○○ 掲載雑誌名/収録書籍名等 ○○○○ 年、頁 記 1. ○○○○氏が上記論文において過半以上の貢献をしており ○○○○氏の学位論文として使用することを認めます。 2. 私は、今後いかなる自身の学位請求論文においても上記論文を使用しません。 平成 年 月 日 住所 氏名 印 以上 5 共通論文の取り扱いに関する承諾書(様式 2) …(様式 1)は執筆分担箇所が明示できないもの、 (様式 2)は明示できるものです。 いずれか該当する書式を選んで作成してください。 京都大学農学研究科 生物資源経済学専攻長 専攻長 殿 私は以下のタイトルの論文に関して下記の内容を承諾します。 論文タイトル ○○○○○ 掲載雑誌名/収録書籍名等 ○○○○ 該当箇所 年、頁 章・節・頁など 記 3. 該当個所は学位論文申請者の貢献によるものであることを認め、○○○○氏の学位論文として使用 することを認めます。 4. 私は、今後いかなる自身の学位請求論文においても上記論文該当箇所を使用しません。 平成 年 月 日 住所 氏名 印 以上 6
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