基礎演習(和田、2014.12.1) 1.R.Y.:勝田耕起『国語辞典女子‐今日から始め る日本語研究‐』フェリスブックス、2014年 ○個性豊かな辞書たち 2.Y.I.:谷知子『かきやりし黒髪 恋歌への招待』フ ェリスブックス、2004年 ○*+を,じて見える、和+の-しさ 「そんな風に浮かれてると、足元すくわれるよ?」 日常生活でこんなフレーズを耳にした経験が一度 はあるのではないだろうか。 本書では、このフレーズに含まれている「足元をす 元々「和+」に対して、私はあまり.い/0ー1を持 っていなかった。 それはなぜだろう? おそらく234代に5んだ「古 文」が分からず、一文 むのにも一67、8かい9ま くわれ る」という言い回しを筆頭に、辞書を用いた日 り:とがある文体に;立ちさえ<えていた。こう思うの 本語研究を紹介している。 は9して私だ=では>いだろう。そんな私の「和+」 実は、「足元をすくわれる」という表現で辞書を引い に対する/0ー1を、本書は「*+」という?ー@をA てみると、記載されている辞書は少ない。どのように い、身Bで、かつC味を持てるDEでFGしてくれて 記載されているのかというと「足をすくわれる」とある。 いる。女性HがIんだ「*+」からは、Jよりも「*K」 「足元を」か 「足を」かどちらが正しいかという世論調 に対して深く考え、私ならとてもLずかしくて出てこな 査の7:2という結果があるにもかかわらず、「足元」記 いような言葉でも、M女HはNOに表現する。 載の辞書が少ないのはなぜか?それは、辞書は“規 いくDにP思Qと和+の世RにSせられていく。 範性”が強いものであり、実際の使用状況を反映しな んで 本書は「*+」を?ー@としたT章でUり立っている。 いか らである。そのような事実において、「正しい日本 VWの*、-女との*、X"の*・・・など、実にY様 語」・「日本語はこうあるべき」という日本語観が老若 な?ー@だ。そして*+は自分の一Zとして感[を 男女に広く浸透しているという現実がことばの使用実 言葉にして表現することであり、その表現の-しさに 態を客観的に観察する目を曇らせる原因となってい S\され る。*+は和+という]^でIむからこそ_ ると著者は述べている。それは、“自分の意見が絶対 くのだと感じる。本の`/ab「かき%りしcd」は「あ に正しい”と思い込むのではなく、他者の立場、気持 なたがなでてくれたこのcd」という意味になり、女性 ちになり自分を客観視し物事を見るというのも大事だ らしさとして「cd」は女性の-しさを表現する言葉で ということと同じことではないかと私は思う。 あったのだとeった。 ある言葉についていろいろな辞書を手に取り意味 fにghにiったのはjkの章「lみ深き女」で、 を引いてみると、反応はそれぞれバラバラであり、個 男にmnられた女性Hがoり・lみの感[をpqさ 性もある。“ことば”は、実際に話したり書かれたりする せ、r%sにt身し、男にuvをwう。結xはどれも ものであり具体的な文章なしに意味を考えることがで yz的で{ろしささえ感じるが、この和+は一4的な きないからこそ、辞書によって産み出されるそれぞれ y|を}えることができない~•の心の弱さ、~•の 違う反応のおもしろさがあるのだと、筆者は言う。また、 感[が招いた{ろしさなどに警鐘を鳴らしていると筆 現代語から古語を探し、様々な歴史的意味を探る面 者は言う。-しくIまれる和+の/0ー1とはまた違う 白さも、著者は勧めており、私はこの一冊で、日本語 和+をeることができる。 研究の奥深さを感じた。 著者自身、 所々に筆者の「和+入門」と言うべき本書を 者として「女!」を"#しながら$んだ む 者への心づかいを感じた。千年もBく前にIまれた という本の文体%用&、'(も見どころの一冊である。 *+、きっと4Xを超えロ@ンを感じずにはいられな (688)) い。(738文)) 1 2
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