ズーム顕微鏡「DZシリーズ」 「UWZシリーズ」の紹介 ユニオン光学株式会社/松田郁夫 私たちユニオン光学株式会社は、60年を越える金属顕微鏡を中心に成長してきた企業である。 2010年に従業員の力で再出発することになったが、おかげさまで堅調に推移し、今年度は節目の 5年目となる。今後も顧客の立場に立ったものづくりに取り組んでいきたい。 本稿では、 弊社の柱の1つであるズーム顕微鏡DZシリーズ、UWZシリーズについて紹介する。 1 はじめに ニーズに対応すべく販売を開始した。 ① 金属顕微鏡に近い光学性能 私たちの主力製品である金属顕微鏡は、固定倍 ② 使い勝手のよい作動距離 率となる対物レンズを取り付けることで、固有の ③ ズーム比 10( 1〜10 ×)により、対物レンズ数 本分しかも倍率全域をカバー 倍率で観察・応用することを基本的な目的として いる。さらに高級タイプになれば、観察できる最 ④ T V 観察専用(2/3 型カメラまで)にすること でコンパクト・軽量化を実現 小の分解能を上げる仕様となっており、低倍率 (2 〜5 ×程度)から高倍率(40〜100 ×程度)の対物 レンズ 4 、5 本を顕微鏡に取り付けようとすると、 DZ は“Diamond Zoom”の略で、様々な可能性 対物レンズだけで 100 万円を超える組み合わせに のある顕微鏡として、まだ原石かもしれないが、 なることは少なくない。 磨いていくことで光り輝くダイヤモンドのように 一方、TV レンズなど、検査装置などに搭載さ 育てていきたいと開発コンセプトに思いを込めた れるものには 3〜6 ×程度のズームレンズがあり、 型式である。 安価で作業性の高い作動距離は有しながらも、詳 表 1 、2 に DZ4 ズーム鏡体仕様、対物レンズ仕 細な観察・分析には十分なものではなかった。 様を示す。 2 DZ2/高倍率ズーム顕微鏡の開発 3 ラインナップの拡充 DZ2/高倍率ズーム顕微鏡は、20 年ほど前に 当初、ZC15 とZC50 の 2 本だったズーム対物レ 「ズーム顕微鏡・ズームマイクロスコープ」 のパイ ンズだが、その後、ZC5・ZC30・ZC70 の 3 本を オニアとして試作機を経て開発した。 ラインナップに加え、金属顕微鏡と同等以上の倍 以下の仕様を基に、顕微鏡としてのスタンドア 率域をズームレンズによる自由変倍で全域観察を ロンタイプと装置搭載用の光学ツールタイプでマ 可能にし、より一層活躍の場を拡げた。 ニュアルズーム・電動ズームなどを揃え、様々な ズーム鏡体は、その後ズーム比 14( 1〜14 ×) の 58 ︱November 2014 eizojoho industrial
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