省エネ・節電の取り組みと事例 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 1.会社概要 【商 号】 雲海酒造株式会社 【本 社】 宮崎県 宮崎市 【創 立】 昭和42年11月6日 【事業内容】 本格焼酎・清酒・ワイン・リキュール・地ビール・発泡酒・ブランデーの製造販売 産業観光施設 「酒泉の杜」 の運営 飼料及び肥料の製造販売 【事業所】 東京支店、大阪支店、広島支店、福岡支店、宮崎支店 五ヶ瀬蔵、綾蔵、高岡蔵、出水蔵 酒泉の杜 飼料事業部 綾リサイクルセンタ−、五ヶ瀬リサイクルセンタ− 【主要取扱商品】 ≪本格焼酎≫ ≪清 そ ば 「雲海」「吉兆雲海」 麦 「いいとも」「綾古稀」 芋 「日向木挽」「さつま木挽」「古秘」 米 「久蔵」 長期貯蔵 「マヤンの呟き」「那由多の刻」「綾セレクション」「大河の一滴」 「大地の香輝」 酒≫ 「綾錦」「我楽」「登喜一」 ≪ワ イ ン≫ 「綾ワイン」 ≪リキュール≫ 「やまもも」「日向夏」「きんかん」「梅酒月知梅」 ≪地ビ−ル≫ 「綾の地ビール」 ≪発 泡 酒≫ 「杜の発泡酒」 ≪ブランデ−≫ 「ブランデ−」 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 の所在地 五ヶ瀬町 (五ヶ瀬町) ・宮崎県の北西部に位置し、熊本県に接している ・標高が高く、南部には標高1,000mを超える山地 ・南国宮崎でありながら気候は冷涼(年平均12.7℃) ・冬季は20cm以上の積雪となることもある ・南西部には日本最南端のスキー場がある 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ委員会組織 (全社活動体制) 省 エ ネ 本 部 委 員 会 各 支 (全 11事業所) 店 省 エ ネ 委 員 会 (本社、東京・大阪・広島・福岡・宮崎支店)/6事業 各 蔵 省 エ ネ 委 員 会 ・五ヶ瀬蔵(五ヶ瀬リサイクルセンタ-) ・綾蔵 (高岡蔵、綾リサイクルセンタ−) ・出水蔵 /3事業所 各 事 業 部 門 省 エ ネ 委 員 会 (飼料・酒泉の杜事業部) /2事業所 五ヶ瀬蔵省エネ委員会組織(事業所毎活動体制) 五ヶ瀬蔵 省エネ委員会 ※各課責任者(主・副)にて構成 ( 委 ( 員 副 ( 推 委 進 長 員 責 任 ) 長 者 工 ) 製 ) 工 場 造 務 長 部 課 次 責 長 任 製 造 ・ 品 質 管 理 課 商 品 課 工 務 課 総 務 課 五ヶ瀬リサイクルセンタ− (各課・プロジェクト毎省エネ委員会) プ ( ※各課内会議で検討・討議 ロ テ − ジ マ ご ェ と ク 設 定 ト ) 者 平成25年度 エネルギ−使用実績 エネルギ−使用比率 事務所部門 蔵 部 門 関 連 部 門 本社(宮崎支店) 0.6% 東京支店 0.1% 大阪支店 0.1% 広島支店 0.1% 福岡支店 0.1% 綾蔵 55.6% 五ヶ瀬蔵 18.8% 出水蔵 7.9% 高岡蔵 3.5% 酒泉の杜 飼料事業部 計 小 計 1.0% 85.8% 10.0% 3.2% 100.0% (原油換算量: 7,537 KL) 13.2% 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 ①トップランナー設備の採用 受配電用変圧器の高エネルギー変換効率化(損失改善) ②蒸留冷却温排水の利用 ボイラー給水利用による加熱エネルギ−の抑制 ③製麹冷却工程の井水利用 井水冷却による冷却エネルギ−の抑制 ④醪品温管理の外気利用 外気冷却による冷却エネルギ−の抑制 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 1 1.トップランナ−設備の採用 受電設備トランスの更新 No. -- 設備名称 更新実施(経過年数) 変圧器容量 1 電灯変圧器 平成19年12月(29年) 100kVA 2 補機動力変圧器 平成24年 7月(34年) 200kVA 3 冷却動力変圧器 平成26年 1月(36年) 200kVA 4 製造動力変圧器 平成26年 1月(36年) 200kVA 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 1.トップランナ−設備の採用 変圧器更新後の損失比較 変圧器 動力(200KVA) 更新前 無負荷損(W) 1,540 730 40%負荷(W) 590 320 全損失(W) 電灯(100KVA) 合 計 更新後 2,130 対 比 1,050 (49.3%) 無負荷損(W) 340 160 40%負荷(W) 670 190 全損失(W) 1,010 350 (34.7%) 全損失(W) 3,140 1,400 (44.6%) 変圧器全損失 = 無負荷損(鉄損) + 負荷率^2 × 負荷損 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 1.トップランナ−設備の採用 変圧器更新による効果試算 更新前の全変圧器損失 旧変圧器の損失 更新後の全変圧器損失 新変圧器の損失 動力200kVA 無負荷損+40%負荷率時の負荷損 1,540+590=2,130(W) 電灯100kVA 340+670=1,010(W) 全損失 (2130×3台)+1,010=7400(W) 730+320=1,050(W) 160+190=350(W) (1050×3台)+350=3,500(W) 変圧器更新による節減損失 3,900(W) ・・・・(=7,400 - 3,500) 年間節減電力量 34,164(kWh/年)・・・・(=3,900/1,000kW×24h×365日) 電気代にすると・・・・・・ 388,000(円/年) ・・・・(=34,164×11.38円/kWh) ※電力単価11.38円/kwh(その他の季節) 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 2.蒸留温排水の利用(ボイラー水) 蒸留装置 蒸気 冷却水用井戸ポンプより 蒸気ドレン(排出) 冷却水 冷却温水 ボイラー室軟水器へ P 温水ポンプ 冷却温水(放流) 蒸留温排水タンク 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 2.蒸留温排水の利用(ボイラー水) 蒸留温排水利用によるボイラ−燃料節減効果 改善前 ボイラー (井水/15℃) 給水量 2,536.8 (100%) (蒸留温排水/35℃) LPG消費量 改善後 節減効果 61.8 ( 2%) 2,475.0 ( 98%) 計(KL) 2,536.8 (100%) 2,536.8 (100%) (t) 180.6 (100%) 168.8 ( 94%) 燃料比 (給水量/燃料量) 14.0 15.0 -11.8 7.0% 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 3.製麹冷却工程の井水利用 製麹装置の冷却フロー(現行/改善前) 製 麹 冷 凍 機 製麹装置 冷却水タンク 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 3.製麹冷却工程の井水利用 製麹装置の冷却フロー(改善後) 井水(15℃) 製 麹 冷 凍 機 製麹装置 冷却水タンク 排 水 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 3.製麹冷却工程の井水利用 井水冷却の効果計算 改善前 (製麹チラー運転) 冷凍機運転電力 井水 改善後 (一部井水冷却運転) 圧縮機 180kWh 60kWh タワー補機類 168kWh 168kWh 計 343kWh 228kWh − 105 t 消費量 52kWh 揚水電力量 合 計 (節減効果) 343kWh 280kWh 63kWh 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 4.醪品温管理の外気利用 醪タンクの冷却フロー(現行/改善前) クーリングタワー 醪タンク 醪冷凍機 醪冷凍機 冷却水 タンク 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 4.醪品温管理の外気利用 醪タンクの冷却フロー(改善後) クーリングタワー 醪タンク 醪冷凍機 醪冷凍機 冷却水 タンク 外気利用による冷却熱量抑制の効果試算 熱 量 醪発酵熱量 (KJ/日) 6,903 仕込時冷却熱量 (KJ/日) 2,584 (KJ/日) 9,487 井水冷却量(Δt=2℃) (KJ/日) 3,757 計(醪冷却熱量) 醪冷却熱量対比 (39.6%) 備 考 アルコ-ル発酵熱 仕込水(24KL)、 麹(5.5t)、蒸米(14.5t)冷却 448.8m3/日 雲海酒造株式会社 五ヶ瀬蔵 省エネ活動事例 ≪今後の展開≫ 1.クーリングタワーによる醪冷却の 効果確認 2.蒸留冷却水の用途拡大
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