平成27年度館林市予算(案)について 1 予算編成の基本方針について わが国の平成27年度予算政府案は、経済対策、平成26年度補正予算や 平成27年度税制改正とあわせ、「経済再生と財政再建の両立を実現する予 算」と位置付け、財政健全化目標を堅持しつつ、地方創生の観点から、 「新し い日本のための優先課題推進枠」などを活用し、魅力あふれる「まちづくり、 ひとづくり、しごとづくり」を推進するための予算として、一般会計総額 96兆3,420億円、前年度比0.5%増の予算案となっております。 一方、地方財政対策では、前年度に引続き、通常収支分と東日本大震災分 を区分して整理することとし、通常収支分においては、既存の歳出の振替え や新規財源の確保により、地方創生に取組むために必要な歳出として、1兆 円を計上するなど、全体規模で85兆2,700億円程度、前年度比2.3%程 度の増としております。また、東日本大震災分については、震災復興特別交 付税に5,898億円を確保するなど、復旧・復興事業に2兆100億円程度、 全国防災事業(直轄・補助事業)に3,900億円程度が計上されております。 このような状況の中、地方自治体には、国の掲げる地方創生の趣旨を踏まえ ながら、地域の実情に応じた地域活性化への取組みや、より自主性を高めた 行政運営を行うことが強く求められております。 本市の予算編成にあたっては、地方財政対策及び国の平成26年度補正予 算の情報把握に努め、これらを踏まえて、 「定住人口の確保に係る事業」、 「少 子化対策に係る事業」、「経済の活性化に係る事業」を重点項目に掲げ、最大 限に配慮するとともに、財政の健全性にも留意しつつ、市民生活の向上に努 めることといたしております。 消費税率引上げから1年が経過し、地方消費税交付金の増収が見込まれる ものの、歳入の根幹をなす市税においては、市民税、固定資産税の減収見込 みにより、市税全体では0.9%の減収が見込まれるなど、厳しい財政状況に あります。 平成27年度は、第五次総合計画の5年目であるとともに、前期基本計画 が終了する年度として、計画いたしました事業の着実な推進を図り、 「安心し て生活ができるまちづくり」に向けて歩みを進める重要な年であります。そ の具現化の基礎となる予算を、一般会計総額272億5,000万円で編成い たしました。 1 2 予算(案)の概要について (1)各予算(案)の概要 ① 一般会計予算 (別紙 ② 272億5,000万円(前年度比 1.5%増) 平成27年度館林市一般会計予算(案)総括表歳入・歳出参照) 特別会計予算 215億3,810万6千円(前年度比 7.2%増) 国民健康保険特別会計予算 100億5,270万4千円 (前年度比 12.3%増) 下水道事業特別会計予算 18億3,717万9千円 (前年度比 3.5%減) 農業集落排水事業特別会計予算 介護保険特別会計予算 58億 376万3千円 (前年度比 2.6%増) 後期高齢者医療特別会計予算 水道事業会計予算 ③ 4,777万2千円 (前年度比 2.8%増) 7億9,346万5千円 (前年度比 3.6%減) 30億 322万3千円 (前年度比 10.7%増) 一般会計予算・特別会計予算合計 487億8,810万6千円 (前年度比 3.9%増) (2)一般会計予算(案)の概要 ① 歳入 ・市税は、112億4,882万5千円を見込み、前年度比では0.9%減、 構成比では41.3%となります。 ・地方消費税交付金は、消費税率の引上げ後、1年が経過することから 12億円を見込み、前年度比では41.2%増、構成比では4.4%とな ります。 ・地方交付税は、市税の減収見込みや地方財政対策等を考慮し、前年度 同額の23億円を見込み、構成比では8.4%となります。 ・国庫支出金は、臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金による減 額等で、30億7,043万1千円を見込み、前年度比では2.5%減、 2 構成比では11.3%となります。 ・県支出金は、再生可能エネルギー等導入推進基金事業補助金が減額とな るものの、県知事及び県議会議員選挙や諸統計調査委託金などが増額と なることから、16億3,333万円を見込み、前年度比では2.1%増、 構成比では6.0%となります。 ・繰入金は、16億4,699万5千円で、前年度比では9.9%減、構成 比では6.0%となります。このうち財政調整基金から12億5,000 万円を繰入れるほか、公共施設建設基金から5,000万円、減債基金 から1億8,000万円、ふるさとパートナー基金から165万3千円、 地域環境基金から500万円、金券基金から1億6,033万2千円を 繰入れます。 ・諸収入は、22億9,910万3千円で、前年度比では5.1%増、構成 比では8.4%となります。 ・市債は、臨時財政対策債が減額となるものの、普通建設事業に伴う教育 債などが増額となることから、23億3,760万円を見込み、前年度 比では13.5%増、構成比では8.6%となります。 ② 歳出 ・厳しい財政状況の中、経常的な経費を枠配分するなど、限られた財源を 有効配分するとともに、重点化枠を設けて、主要事業・緊急性の高い事 業に効率的な配分をすることに努めました。 ・普通建設事業の総額は、25億2,255万9千円で、前年度比1億 5,549万6千円、5.8%の減となります。 3 第五次総合計画の基本目的別事業概要 (1)「より良好な環境の形成・保全と安全安心なまち」の推進 ① 水質浄化対策では、イケチョウガイを活用した水質浄化実験の充実を 図るほか、多々良沼からの導水事業や、河川の浮遊物処分などに引続 き取組みます。 ② 地球温暖化対策では、太陽光発電施設設置補助、緑のカーテン事業、 廃食用油回収事業などを引続き実施するとともに、茂林寺駐車場に温 度計を設置するほか、館林駅東口に涼み処を整備します。 ③ 一般廃棄物広域共同処理事業では、次期ごみ焼却施設の建設に伴う粗 大ごみ処理施設の解体設計や仮設作業所の設置などに取組みます。 ④ 雨水排水対策では、準用河川宮田川や岡野幹線排水路の改修のほか、 3 宮田2号幹線排水路などの計画的な整備を推進します。 ⑤ 防災関係では、引続き自主防災活動の推進や防災士の育成に努めるほ か、有事に備えて非常用飲料水等の確保や防災倉庫を増設します。ま た、洪水避難地図(洪水ハザードマップ)を増刷し、防災意識の高揚 に取組みます。 (2)「思いやりと助けあいのある暮らしやすいまち」の推進 ① 生活に困窮されている方に対し、早期に支援を行い、自立の促進を図 るため、新たに生活困窮者自立支援事業を実施します。 ② 障がい者への在宅福祉サービス事業や地域生活支援事業を引続き実施 するとともに、新たに重症心身障がい者等短期入所支援事業に取組み ます。 ③ 発達障がい者を社会全体で支える仕組みを整えるための体制づくりに 向けて、人材育成などを図り、引続き発達障がい者支援事業に取組み ます。 ④ 福祉医療費では、通院・入院ともに中学3年生まで引続き助成し、保 護者の医療費負担を軽減します。 ⑤ 障がい者総合支援センターを運営し、障がい者への生活支援や社会参 加事業などの総合的な支援を行います。 ⑥ 緊急通報装置の設置や介護慰労金の支給などを引続き実施し、高齢者 の在宅生活の支援を推進します。 (3)「心身ともに健康でいきいきと暮らせるまち」の推進 ① 館林厚生病院をはじめ、関係機関との連携により、地域医療の充実に 努め、市民の健康を守り、安心して生活できる環境づくりに取組みます。 ② 各種健康診査やがん検診等を実施し、早期発見・早期治療を推進しま す。 (4)「子どもたちが健やかに成長できるまち」の推進 ① 児童手当を支給するとともに、子ども・子育て支援新制度に基づく地 域子ども・子育て支援事業や子どものための教育・保育施設運営事業 を実施し、仕事と家庭の両立や安心して子育てができる環境づくりに 努めます。 ② 不妊治療助成金では、不育症治療を助成対象に含め拡大するとともに、 妊娠から出産、子育てまでを包括的に支援するための妊娠・出産包括 支援事業を実施し、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取 組みます。 4 ③ 小児用肺炎球菌ワクチンなどの各種予防接種を引続き実施し、乳幼児 の病気予防に努めます。 ④ 障がい等により、医療行為を必要とする児童が、安心して学校生活を 送れるよう、小学校に看護師を配置します。 ⑤ 小・中学校において、吊り天井の改修工事等を実施し、安全な教育環 境の確保に努めます。 (5)「学ぶよろこびや豊かな心を育むまち」の推進 ① 市の歴史や文化を紹介する市史の第13巻目となる「通史編2‐館林 の近世‐」の刊行に取組みます。 ② 城沼市民プールのウォータースライダーや高根運動場の夜間照明を改 修するなど、公園競技施設の適正な維持管理に努めます。 ③ 各公民館において、引続き各種の学級講座を開設し、生涯学習活動を 推進します。 ④ 茂林寺沼低地湿原の水環境の保全や整備に取組むなど、本市の貴重な 文化財の保護管理に努めます。 ⑤ 文化会館大ホール棟の耐震等改修工事を実施し、利用者の安全の確保 や利便性の向上に取組みます。 ⑥ リニューアル整備されたプラネタリウムの投影や特別企画事業を実施 し、子どもたちの宇宙や科学に対する関心を深めます。 (6)「便利で快適な住みやすいまち」の推進 ① 公共路線バス(館林・板倉線)の車両を更新するなど、公共交通を充 実し、日常生活に必要な交通手段の確保に努めます。 ② 道路における移動手段の利便性や安全性の向上を図るため、橋梁長寿 命化修繕事業や市道整備、道のでこぼこ解消事業を引続き実施します。 ③ 東部環状線などの都市計画道路事業を着実に進めるとともに、西部第 一南・中地区、西部第二地区の区画整理事業などにより、都市基盤整 備を推進します。 ④ 都市公園の維持管理に取組むとともに、まちなかの緑化への補助やオ ープンガーデン事業を引続き実施して、緑の多い魅力あるまちづくり を推進します。 (7)「出会いと交流のある元気で活力のあるまち」の推進 ① 女性キャリアアップ奨励金を創設し、社会における女性の活躍を支援 するとともに、障がい者・高年齢者雇用奨励金、トライアル雇用奨励 金、雇用奨励金を継続し、雇用の機会創出から継続雇用までを一貫し 5 て支援します。 ② 農業振興では、園芸産地育成事業費補助金などにより担い手を育成す るほか、青年就農給付金制度などにより、将来の地域農業の担い手と なる新規就農者を育成します。また、酪農業の経営安定化のために、 優良雌牛の導入費を補助します。 ③ 上三林町大曽根地区の農道整備を引続き実施するなど、農業基盤整備 を進めます。 ④ 住宅リフォーム資金を引続き助成して、市内中小企業者の受注量を増 やし、地域経済の活性化を図るほか、店舗リニューアル助成金を創設 し、事業者を支援します。 ⑤ 金券発行事業に引続き取組むとともに、プレミアム付金券を発行し、 商業の活性化を推進します。 ⑥ 中心市街地の空き店舗を利用する創業者に対し、創業塾の開催、家賃・ 改装費等の補助、店舗診断など、一連の支援を行うことにより、新た な起業機会の創出と商業の振興を図ります。 ⑦ 経営安定資金、経営振興資金などの制度融資や、ものづくり設備促進 補助金により、中小企業の振興と経営の安定化を図ります。また、経 営安定資金の利子補給を実施し、制度融資とあわせて、中小企業を支 援します。 ⑧ 本市の宝であるつつじ古木群の保護や、つつじの育成に引続き力を注 ぐとともに、新たに整備される「つつじが岡ふれあいセンター」の運 営に取組みます。 (8)「まちづくりのしくみが整い発展できるまち」の推進 ① 国の地方創生政策の趣旨を踏まえながら、まちひとしごと創生推進事 業を実施して、活力ある地域の創生に努めます。 ② 姉妹都市や国内友好都市との友好促進を図り、人づくりやまちづくり における相互発展につながるよう、国際・都市間交流を推進します。 6
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