Gard Alert:アジア型マイマイガ ― BIMCOの新条項

Gard Alert:アジア型マイマイガ ― BIMCOの新条項
こちらは、英文記事「Gard Alert: Asian gypsy moth - new BIMCO clause」(2015 年 1 月 30 日付)の和訳です。
BIMCO は、定期用船契約用のアジア型マイマイガ条項を新たに発行しました。同条項は、アジア型マイ
マイガ(AGM)の侵入リスクに対処する際の船主と用船者の基本的な義務と責任に焦点を当てたもので
す。ただし、内容は包括的なものであり、具体的な港や地域、AGM のハイリスク期間の日付を特定する
ような記述は含まれていません。
AGM 侵入リスクと規制上の要件
AGM は船舶の船楼や貨物に付着して運ばれる厄介な害虫であり、多くの国の政府が AGM を国内の森林や
生物多様性に対する重大な脅威とみなしています。AGM 侵入リスクが特に高いのは、韓国、日本、中国
北部およびロシアの極東地域の港で、これらの港では一般に 5 月から 9 月末までがハイリスク期間にあ
たります。
また、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、チリなどの国々は、AGM 侵入リスクに対す
る警戒感が強く、規則により、自国に入港する船舶に対し、過去 24 カ月の間に、ハイリスク期間にある
AGM 規制地域に寄港したことがあるかどうかについて申告することを義務付けています。また、いくつ
かの国の当局は、船内に AGM が存在しないことの証明(検疫証明書)も要求しています。
AGM に関する一般的な情報や国別情報をご覧になりたい方は、Gard のウェブサイトの AGM の項目「Asian
gypsy moth」をご覧ください。
BIMCO の新条項
BIMCO の新条項は、卵から成虫に至る AGM の全成長段階に対応し、3 つの項目で構成されています。
•
(a)項は、船主の義務として、AGM が存在しない船舶を引き渡すこと、および、船舶が引渡前の
24 カ月間に AGM 規制地域に入域したことがある場合には、引渡時に AGM 不在証明書を提供する
ことを定めています。この 24 カ月という期間は、米国、カナダ、チリなどの国々の厳格な証明
書要件と一致するものです。
© Gard AS
Page 1 of 2
•
•
(b)項は、定期用船期間における用船者の義務として、侵入リスクを低減するために用船者の費用
負担であらゆる適切な措置を講じ、船舶および貨物への一切の侵入を排除し、AGM 不在証明書を
取得することを定めています。AGM の侵入が発見された場合、あるいは侵入が疑われる場合、用
船者はその結果に対してすべての責任を負わなければなりません。
(c)項は、返船にあたり、船主が引渡しの際に負う義務と同一の義務が用船者に課されることを確
認するものです。用船者は、船内に AGM が存在しない状態を確保し、24 か月間に AGM 規制地域
に入った場合には AGM 不在証明書を添えて引き渡さなければなりません。
定期用船契約用のアジア型マイマイガ条項の全文は、BIMCO のウェブサイト(www.bimco.org)上の関連
セクションでご覧いただけます。
助言
今年の強制検査期間(3 月から始まる国もあります)に先立ち、既存の用船契約書に AGM 侵入リスクの
責任分担に関する文言が含まれていることを確認するようにしてください。
過去 24 カ月の間に AGM 規制地域に寄港した船舶に対して、AGM 不在証明書を入港時に提出することを
義務付けている国もあります。そのため、引渡しおよび返船の際に AGM 不在証明書の提供が必要な期間
を規定する文言に特に注意を払うようにしてください。
本情報は一般的な情報提供のみを目的としています。発行時において提供する情報の正確性および品質の保証には細心の注意を払ってい
ますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。
本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英文
から和文に翻訳されております。翻訳の正確性については十分な注意をしておりますが、翻訳された和文は参考上のものであり、すべて
の点において原文である英文の完全な翻訳であることを証するものではありません。したがって、ガードジャパン株式会社は、原文との
内容の不一致については、一切責任を負いません。翻訳文についてご不明な点などありましたらガードジャパン株式会社までご連絡くだ
さい。
© Gard AS
Page 2 of 2