水稲における葉緑素計とカラースケ ニル及び窒素濃度との関係1こついて 1 試験のねらい ’二太稲め栄養診断をす6場合、いくつかの要率があるが、簡便で重要なものの’つに葉色診断法 がある;克在、葉色診断ば目視にたよるカラースケールが主流とをつている。しかし、葉色の徴. 妙な変花をとらえることが困難であること、計測者の主観、天候等の影響を受けること等から客 観性に失け季きらいがあ丸そρた臥近年では植物の生葉中の葉緑素を非破壌で迅迦こ測定 するための機器として、..葉緑素計が開発された。 そこで、今回本県の主要品種で、作期の異なる3品種を対象に、この葉緑素計とカラースケー ル埠び窒素濃度との関係について検討したのて報告す亭・ 2 試験方法 試蝉地は・牽試李場水申一土壌は厚層多腐植質多湿黒ポク土(猪倉統)で楓翠醐象品種 去コ・シヒヵリ、初星、月の光の3品痘とし、それぞれ基肥・中間追鹿・穂肥・実肥を異にした生 育診断対応肥培管理技術試験の中で、昭和61年ド調査したb移植は5月9日で識植密度は238’ 株/㎡’(30x.14㎝)、1株4本植とした。 ・調査時期1撮高分けつ期、出穂前30目、出穂前15日、及び出穂期の4時期で各晶種とも20 株を調査し、葉色は莞全碍開葉の最も上の葉の中央部を測定した。 3 試験結果及び考察 葉緑素計とカラースケ÷ル、全窒素濃度とカラースヶ一ル;一全窒素濃度と葉緑素計との関係に ついて検討し・個々の生育ステージ別に相関を芦とめた。 葉緑素計とカラースケールの関係をみると図一1’のとおりである。コシヒカリ、初星、月の光 の3品種いずれも各生育ステージとも相関が認められ仁が、pシヒカリの出穂前15日と月の光 の出穂期は若千低かった。 窒素濃度とカラースケールの関係は図一2のとおりである。.コシヒヵリは、最戸分けっ期、出’ 穂前30目及び15目である程度の関係はみられたが、バラ’ツキが大きく傾きも大きかった。ま、 た、出穂期での相関はみられなかつた。初星で1亨、出穂畢でやや低かったほかは高ギ相関があつ’ た。月の光は、最高分けっ期で傾きが小さく相関も高かったが、出穂前15目と出穂期での関係 はみられなかった。しかし、いずれの品種とも生育が進むにつれて傾きが大となる傾向がみられ た。 窒素濃度と葉緑素計の関係は図一3のとおりである。一ギずれの品種とも生育が進むにつれ傾き=、 が小さくなる傾向にあり、コシヒカリ、初星の出穂期と月の光の出穂前15日及び出穂期では相一 関はみられなかった。また比較的相関の高か?た出穂前30目の窒素濃度と葉緑素計の歯係を昂 種別にみると、コシヒカリでは多少バラツキが大きく・相関係数も低か?たが・.傾き早月の光,午’ 似たようであった。初星はバラツキも少さく傾きもコシヒ亨リ、月の光に比べd)さく相関係数も 高かった。このように、品種によっ亡傾吋が卑なるのは、窒素の基肥量や中間追肥の右無など施 肥窒素量も異なるため、品種によって調査時の生育量が異なっていたことが一っの要因と考えら れる。 表一1には、品種別に最高分けつ期と出穂前30日(但し初星は出穂前15日)の項目別の回 帰式を示した。これらから、葉緑素計とヵラースケールの関係など、葉色を測定することによっ 一31一 ぺ…一…二い姦高分げつ期 ←…一.…→最高分げつ期 x.一一’,‘以出穂前30日 沖一一・二二’以出穂前30日 ③一一………⑤出穂前15目 ◎一’11.’..’’一.’.’’’’◎出穂前15目 卜出穂期 50 H出穂期 % 4 一コツヒカリ コシヒカリ ζ=0633燃(・筥18) くム・・1÷・衰!・一1・) 窒 。呈0888…鰍(。=1−8) 一1;4名∴ 葉 緑 素 ★ ★竺喜・・ず.・ 濃 度 素 ’・一 ◎? .’ 、’そ.X1へ’ ・ ’ r=0267(n…18) 計 為違糾苔細 1’牛“◎ 1r二0903※※(n−18) . 6 3 6 % .4 勅星 ’劫星 50 。=0969燃(ド17) !圭 ★喜さ・亥.’’ ・・一0128…繍(ド20ジ 窒. ...、4..。二。、1;・・(、、2。λ素 ..一{’’’;二★「二妙1T18) .’ ・ 。レ 葉 ・.・1㌧蒙ゾ・ 濃’ 緑 ⑫ 卿・一1?・…(・。・・グ度’ 魯 ・,・ … 一. .’.、て。一・…1ま(。←1・) 素 一一・・ 計 、’・ ’ 、、’ン .0 3 25。 6 月の光 ’ド0968燃(。一18). ’50貞あ晃’、. 、り ・、 一葉 、二0828※※(、二20)’窒 ㍗享・ 、↓ 素 / ・ ‘ ¥1 乍/事 。=0131燃(。=18)’ 羊㍗I .・・ノ’べ一い∴、メー 一十㌻1姦鋳く㍗∴)二一 緑 一素 ’沐・喝 ..一、二堵ぷ彩跨;工α。。。1。二1。) ダ∵. 一計 ろ・・.」⑬、 . 牟 ・.・、一。一・・ユ’1(。一1・) 、. 一㍗ ・一081’9燃(・i20) 2ら 0 3 6 カ」ラースケール 、. 3 6 一 ’カ今一スケール エ’図一2 窒素湊度とカラースケールとの関係 ・図ニゴ’葉緑素計とカラースケニルとρ関係 一32一 ←…一・一一★最高分げつ期 コシヒカリ :←一・一一)一x出穂前30目 % Fα924※※(ド1ラ) % 4 ◎…・……一◎出穂前i5臼 / 口 ! 4 一出 穂 期 ’。_0£48※※(。一18) ■ロ べ.;>ザ9※(叩 窒 ロ 窒 素 素 ■ !岸細ω .… 干α…照(・一1・) ! ● ・■ 濃 濃 度 .度 x .■ ● Hコシヒカ斗 ■・一・一・■初 星 ”…_・…}月の光、 50 25. 25 50 葉緑素討 図一4 出穂前30日における窒素濃度と 葉緑素計との関係 初 星 劣 表一1 葉緑素計・カラースケール・窒素濃琴の回帰 ・・一…全燃(…・) 4 関係 箏■ パ 、劣・二1111・佃・) 窒. 葉緑素計00とカ ラースケール{刃 ・=&・・…1・…に185燃 窒素濃度㎝とカ ・;σ361X・α691は18)燃 シ /紗喝 濃 一回 帰 式 r=0,903燃Y=4・319X+15・073 (n:18) コ 淡〆 素 項 目 〇 一一’・ドq243(n呂18) ヒ ・ ’ カ r=0,472’.’Y:α307X+α449 (n;18) ラースケールco 度 窒素濃度ooと葉 ・一㏄…一ひ3・・乏;;18)燃 リ r:0−539’.’Y=α089×7L300 (n:18) 緑素計◎o r=0−892鵜髪Y:6・174X+a756 (n:20) 50 25 葉緑素言柵とカ 初 ラースケールco 月の光 4 % 窒素濃度coとカ ド…掌※(一185 ラースケールoo ..! 窒素濃摩(刃と 。 ノ ニ享抑 窒 ..!粋 !! /滅!・1・1・(一1・) 星 葉.緑素計 !=. 度 r言.94・.・.・Y:α171X・ま580(。:17) r=0.78湘..Y:α066Xrα201 (n:18) r:0,828磐※Y:5084X+1Z941・(n=20) 葉緑素言十㎜とカ 月 ラースケールσo .、1拳.1 濃 ・一α…H… は1。)ラ1孤 r:O.7 ・..・Y二α313X+0・650 (n:18) ・メ 、一α。。紳(、一工。) 素 _ r: 6灼.・Y−4553X+1ユ838 (n;20) ; Y:a602X・1&610∼;二20)燃 _ r:0−968・...・Y一α592XrO025 (n二18) 窒素濃園○oとカ の ・ r;Oσ91(n冒18.) ラースケール◎o 窒素濃度coと葉 光 緑素計oo 0 25 一 一S0 葉緑素計 図‘3 窒素濃度と葉緑素計との関係 ・=α3・2X・α212は18)燃 r=O.36・.・.・Y=α135Xr2234 (n=18) ・一㎝・・H8・9は16)燃 注)上段は最高分けつ期、下段は出穂前30目 (但.し初星の下段は出穂前15目) 一33一 て、その時期の窒素濃度の推定が可能である。 4 成果の要約 1)水稲における葉緑素計とカラースケール及び窒素濃度との関係を明らかにするため、本県の 主要品種であるコシヒカリ・初星・月の光を対象に生育ステージ別に検討した。 2)葉緑素計とカラースケールの関係はいずれの品種も各生育ステージとも相関が認められ、特 に最高分けつ期と出穂前30日の相関が高かった。 3)葉緑素計とカラースケール及び窒素濃度との関係は、いずれの品種とも最高分けつ期及び出 穂前30日(但し初星は出穂前15目まで)の相関が高く、葉色を痴定することによって追肥 の要否を判断する一つの指針となり、栄養診断への応用が期待できるものと思われる。 (担当者 土壌肥料部 植木与四郎 吉沢 崇※ 作物部 山口正篤) ※現蚕糸農産課 一34一
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