2016年度 理事長所信

一般社団法人
小樽青年会議所
2016年度 理事長所信
理
事
長
土
井
孝
謙
■基本理念■
人も地域も国もすべては「心」から創られる
仲間に心を開き、あるがままの姿で切磋琢磨し、認め合い、互いの気持ちを通わせ
現状を打破しようとする強い「心」と相手を認める優しい「心」を持った人であれ
■基本方針■
1. 調和の心と誇りを持った組織運営と渉外活動、効率的・効果的な発信を行う広報活動
2. 目標とされる「ひと」となるための自己成長と、能動的に活動する会員の強化
3. 「心」の通い合った会員個人から発展し続ける真の組織活性
4. 煌めく未来の創造
5. 魅力溢れる組織から広がる会員拡大
■はじめに
「どんな事でもいいからどうせやるなら 1 番を目指しなさい」幼いころの私は、当時の
父の言葉の意味を深く汲み取る事も出来ず、父のその言葉通りに、ただ素直に、そしてが
むしゃらに物事に取り組んでいました。父の言葉が「中途半端を嫌い、努力なしに 1 番を
取ろうとするのではなく、例え結果として 1 番にならずとも、そこに向けて努力する過程
を大切にしろ」と言う意味であったのだと気付いたのは、物心が付き、何かに対し挫折を
感じられるようになってからだったと記憶しています。 小さな会社ながらも、自営業であ
る家に長男として生を受けた私は 「親と同じことをしていたらマイナス、親を越えて初め
て一人前」両親や周囲の人からもそのように育てられてきました。
この地で生まれ育った自身の親を先人と置き換えるならば、先人を越えようとする営み
は、決して前の世代を否定することではありません。先人としての親を越えようとする行
為は一家を繁栄へと導き、先人としての地域の先輩を越えようとする行為は地域をより活
性化させることに繋がります。先輩諸賢の方々が残してくださった足跡が私たちの足元を
照らす燈火となり、私たち責任世代と小樽の未来を担う子どもたちへの道標となるよう、
まずは私たちが常に時代に合った理想を掲げ変革を求め前へ進んでまいりましょう。
昨日より今日、今日より明日へと自身を日々変革させていこうとするひたむきで力強い
歩みと調和する心を持つことが、自分自身を大きく成長させます。自己の成長は家族の繁
栄・地域の活性化をもたらし、やがては国益につながり、ひいては世界平和へと繋がりま
す。あなたの一歩が関わりを持つ全ての人を幸せにします。その確信をメンバーとともに
共有し、煌めく未来の創造に向けともに進んでまいりましょう。
1.調和の心と誇りを持った組織運営と渉外活動、効率的・効果的
な発信を行う広報活動
日本には特有の精神性である和の心が存在し、その心はこの国の風土が長年のうちに
人々に影響し、「和」を好む性格が形成されたと考えられます。我々日本人は常日頃生活に
溶け込んでいる和の心を持ち合わせており、この和の心を定義付けするのは難しいかもし
れません。しかし、青年会議所に当てはめるとするのであれば、個人を重視するのではな
く、集団における秩序や調和、また礼儀を重んじることではないでしょうか。青年会議所
は組織であり、その組織が機能的かつ効率的でなければ会議や事業を行うにも最大限の効
果は生み出しません。しかし、そこで効果だけを求めるのではなく、メンバー一人ひとり
の背景を感じ取った上で、相手のためを思った組織での気遣いと運営を心がけて行動をす
る意識を持ちましょう。
私たちが、現在も青年会議所で活動をできるのは、先輩諸賢の皆様が残してくださった伝
統と、過去から引き継がれてきた礼節を重んじる心があるからです。小樽青年会議所メン
バーとして活動出来ている事への感謝と、先輩諸賢の皆様から受け継いできた誇りをしっ
かりと胸に刻み、渉外活動に努めましょう。
私たちの活動は決して一個人の欲求を満たすためのものではありません。多くの時間を費
やし、より良いまちの未来を創造するために数えきれないほどの議論を重ねた末に行った
事業には、事業の表面のみで見える以外の人の気持ちや苦労等を感じられる魅力があり、
すべてはこの地域の発展を願い行われているのです。最終的には地域の発展に結びついて
いくと確信し、我々が未来を想い行う事業を様々な手法で表現し、誇りと自信を持って市
民の方々への広報活動を推進していきましょう。
2.目標とされる「ひと」となるための自己成長と、能動的に活動
する会員の強化
青年経済人が多く集まるこの団体は、他の団体とは一線を画す「ひと」づくりを行える
団体ではないでしょうか。経済人として人とは違う何かや、自らが魅力ある人材として企
業内で活躍するメンバー同士がこの青年会議所で切磋琢磨するからこそ時には厳しく、時
には優しく、自らを律し、他人にもそのような事ができるのです。青年経済人としての立
ち居振る舞いと、周りから目標とされる心ある「ひと」となるが故の行動をしっかりと意
識した活動をしましょう。まちづくりを行うのはひとでありますが、その「ひと」づくり
を行うのが青年会議所の重要な基軸であります。驕るような余計なプライドは脱ぎ捨て、
真に持たなければならいないプライドを纏い、健全な劣等感を持つからこそ自己成長につ
ながる。そんな一人の魅力ある青年経済人を目指して活動しましょう。
全てにおいて完璧な人間はいません。自分が目標とする「ひと」に近づく為には、仲間と
切磋琢磨することで相手の立場になって物事を考え、それらの経験から自分の視野が広が
ることで新たな世界観が生まれるのです。
常に自分自身のおかれている立場を考え、何ごとにも能動的に取り組む姿勢が周りに影響
を与え、その積み重ねが信頼へとつながっていくのだと思います。
経済の停滞による先行き不安や少子高齢化問題など、未だ明確な解決策が見出せない閉塞
感漂う時代だからこそ、我々Jaycee の力が求められているのではないでしょうか。その期
待に応えるべく青年会議所は個の力を結集し力強く歩みを進めなければなりません。組織
である以上守らなければいけないルールがあり、伝統ある小樽JCとして相応しい礼節あ
る人材育成とともに、このまちの未来を真剣に考え行動の出来る Jaycee の育成に努めまし
ょう。
3.
「心」の通い合った会員個人から発展し続ける真の組織活性
私たちは一人で活動する事はありません。常に共に泣き共に笑う仲間がいます。青年会
議所に入会することなく、普段通り何気なく過ごす日々では感じる事の出来ない苦楽を共
にするメンバーがいるからこそ互いの「心」が通い合い、固い結束を生み、更なる相互理
解を深めるのではないでしょうか。そして、その活動を常に支えてくれているのは家族の
存在ではないでしょうか。メンバー以上に常日頃、喜怒哀楽と苦楽を共にする家族の存在
があるからこそ、青年会議所での活動が出来ているという感謝を忘れてはいけません。家
族に対する日々の何気ない言葉や、接し方全てにおいて、支えてくれている家族への感謝
を忘れずに活動しましょう。
青年会議所の活動を通じて得られた仲間や新たな仲間との貴重な出会い、交流を大切にし、
奉仕・修練・友情と言う青年会議所の三原則を体現し、自らの可能性を広げた魅力溢れる
個人同士が切磋琢磨する事で、常に発展し続ける真の組織の活性化につなげていきましょ
う。
4.煌めく未来の創造
私たちが愛する小樽は気候・風土に恵まれ、自然を含めた様々な好条件がもたらした事
で北海道でも早期に発展を遂げたまちであります。それら過去からの恩恵が現在の小樽に
とって重要な財産となっており、北海道でも有数の観光地として年間700万人を超える観光
客で賑わうまちになっております。しかしながら、その魅力を、今現在このまちに住み暮
らす子供達や我々責任世代である大人はどれだけ理解し、重要と捉えているでしょうか。
未来へ伝え残し、更に魅力あるまちへと発展させるために礎を築くのは、我々青年の責務
であり、その気概を次の世代に引き継ぎ、このまちを永続的に守っていかなければなりま
せん。未来のこの小樽が笑顔溢れる人で満ち、つながりを持って様々な活動をしている人々
が溢れている姿こそが、このまち自身の本来の煌めきを生み出す根源なのです。幼少のこ
ろから慣れ親しんだ遊び場所、親や友人に連れて行ってもらった新たな場所。その場所で
しか感じることが出来ない風の音や温かさ、匂い、全てを含めた情景を未だ思い出し、そ
の当時の期待感や高揚感を胸に抱く事があります。
我々が未来に残すものは愛するまちの記憶であり、古くから守られてきた風土であります。
郷土に対する気持ちが強くなる事で、いつの日かこのまちから離れてしまった時にも、新
たな地で出会った人々へ小樽の魅力を伝え、そしてまたいつの日かこの地へ戻って来たい
という気持ちにつながるのではないでしょうか。大人から子供へ、そして、子供から大人
へと世代を超えた新たな繋がりからこの小樽の魅力を受け継ぎ、この小樽が行政に頼らず
とも自立した市民主導のまちとなるための活性化につなげるために強い信念を持って活動
しましょう。
5.魅力溢れる組織から広がる会員拡大
全国的な会員数の減少が危惧される中、会員拡大については小樽青年会議所も直近の重
要課題として取り上げなければならない時期に直面しております。何も対策を打たなけれ
ば今後の会員数は減少の一途を辿り、事業規模の縮小や発信力の低下へと直結し、青年会
議所の存在意義を揺るがす重要な問題に繋がっていきます。更に、先輩諸賢の方々が築き
上げ、守り抜いてきた事を受け継ごうとしている我々の士気の低下と共に、受け継がれて
きた事を先の世代に伝える力の低下にも繋がります。青年会議所は個の集団であるからこ
そ、志をもってこの地域(まち)の発展を願い、共に汗を流す仲間は必要不可欠です。そ
して、個が発した声を運動へと広げていくためには、集団の声として力強く発信しなけれ
ばなりません。
会員は待っていれば自然に増えるわけではありません。我々会員一人ひとりがしっかりと
青年会議所の存在意義を認識し確固たる信念を持つことで、必ずや熱意は伝わり会員拡大
へと繋がるはずです。そのためにもメンバー全員でしっかりと存在意義を認識し、互いに
切磋琢磨し、他人事では無く各々が総力をあげて会員の増強を推進していきましょう。
■おわりに
現状維持であれば後退に他ならない。
小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道である。
昨年私たち小樽青年会議所は創立 60 周年という節目を迎えました。
「未来を考え行動する「ひと」が溢れ共に生きるまち小樽」という未来ビジョンを掲げ、
この先 10 年に向けた力強い歩みを進めるために、多くのメンバーで数えきれないほどの議
論を繰り返し、小樽の未来について考えてまいりました。先輩諸賢の皆様が築き上げ、守
り抜いて来られた 60 年の活動と運動に対し、心からの感謝と敬意を持ちメンバー一人ひと
り心の中にしっかりとその信念を持つことが出来たのではないでしょうか。
私たちは、自分のことだけを考えて生きていくことはできません。しかし近年、利己主義
によって自分一人で生きていると言う錯覚に陥っている人々も多く、それを伝えて行くこ
とが責任世代と呼ばれる私たちの責任でもあると考えます。隣にいる人に寄り添えていま
すか。利他の精神を以って、家族・友人・社会に働きかけていますか。この地域に生きる
青年経済人として、私たちの果たすべき役割は決して小さくありません。私たちがあらゆ
る事柄に対して他人事とせずに強く優しい「心」を持って関わることで、家族・地域がよ
り良く変わります。あなたが自ら踏み出す一歩には、社会を大きく変革させる力がありま
す。ありったけの勇気と気概をもって今よりも一歩前へ踏み出しましょう。