Ⅲ-4.抗がん剤調製 1班16名を前半、後半8名ずつに分け、調剤と調製を行う。 1)実習説明:抗がん剤調製についての説明。(教科書p131-141) 問1:今回調製レジメン(レジメン例:図2)FEC(75)の処方薬を分類(抗がん剤、副作用予防、 輸液)して下さい。 問2:図1中、FEC(75)の抗がん剤はどの作用機序ですか? 2)手洗いと手袋の脱着の実践(手袋の脱は、実習後となる) 3)バイアルからの吸引の練習 4)抗がん剤の混合調製の実践 1.前半8名は、まず「ジッシュウ」様の調製録を見て、必要な調製薬品(模擬カイトリル注、模 擬5-FU 注、模擬エンドキサン注、生食100mL、生食500mL)と調製器具(シリンジ、 注射針)を調剤する。 今回の実習では、下記の通りの注射薬を代替薬として使用することとする。 模擬カイトリル注: 製剤で作成した生理食塩液注(5mL) 模擬5-FU 注: 製剤で作成した生理食塩液注(5mL) 模擬エンドキサン注: 蛍光模擬エピルビシン注 3.後半8名は、安全キャビネット内を清掃し、調剤終了を待つ間、用量を計算し、調製録に記 載する。 4.後半8名は、調剤監査を行い、調製録を確認して調製を行う。 5.前半8名は、調製中に間違いがないか確認しながら調製を監査する。 6.前半、後半交代して再度同様の調製を行う。 7.バイオハザードに注意して、ゴミの分別を行い、清掃して終了する。 8.ブラックライトにより、蛍光色素の飛散度をチェックし、飛散しやすい場所を知る。 6)飛散度チェックの提出(一週間以内) 7)無菌手技の確認(教科書p99―130)と実践 手洗い・手袋の脱着・クリーンベンチの清掃・消毒・バイアルの溶解方法・アンプルの溶解方 法・コアリングの防止・注射筒の空気抜き・混合後無菌キャップの装着 注射剤の混合手技確認(抗がん剤・輸液バッグ・アンプル凍結乾燥品について) 1.TDM室で無菌服を着用(本日は手洗いは省略) 2.手袋の装着 3.バイアル・輸液バッグのシールをはがした後、ゴム栓を綿で清拭する 4.アンプル(プラスチック溶解液も含む)のカット部分を綿で清拭する(異物混入を防ぐ意 味もある) 5.アンプル(プラスチック溶解液も含む)を安全にカットする(溶解液はガラスアンプルの 場合もプラスチックアンプルの場合も有る) 6.注射筒に注射針を清潔に付ける(針付きの場合は付いている) 7.注射針のキャップを清潔に安全に外す 抗がん剤の場合は空気抜時に使用するのでこの段階では捨てない 8.注射筒内の空気を抜き、溶解液(アンプル溶液の場合は10秒静置してガラス破片を沈降 させる)の適切な量を注射筒に吸引する 9.注射筒の空気抜きをする(一度瞬間的に引いて針内の液を筒内に落とすのがコツ) 10.溶解液を全量バイアル・アンプルに添加する 抗がん剤の場合は必ずバイアル内は陰圧で行う(針を刺せば、まず引く) 針はバイアルに垂直に刺す 11.凍結乾燥品は緩やかに浸透して十分に溶解する 下記は速やかに溶解する場合は不要 アンプルの凍結乾燥品が溶解しにくい場合は以下の1)または2)の対処をする 1)溶解注射筒を用意して溶解のみこれで行う。その薬品専用とする 2)注射筒で溶解後、注射筒内に異物混入の可能性があるため、注射筒を代える 12.アンプルを静置し、ガラス破片を沈降させる 13.溶解済み薬剤または溶液を残さず注射筒に吸引する アンプルの場合は、傾けて肩から 14.注射筒の針をバッグに垂直に差し込む 15.全量を注入する(2回共洗い) 溶液を注射筒で計りとった場合は、ワンプッシュだけで共洗いしない。 16.使用済み注射針をセーフティーボックスに安全に廃棄する(リキャップなしで良い) 17.バッグのゴム栓を綿で清拭する 18.バッグにキャップをする 19.バッグを転倒混和する 20.バッグの異物混入及びコアリングが無いか確認する 21.元のトレーには完成物を入れる 綿:消毒用清拭綿を指す 太字は本日の最後に手技確認します ☆クリーンベンチの正しい位置で(ガラスより10cm程度中で)調製する ☆注射針を清潔に保つ ☆クリーンベンチから出た場合は、必ず消毒してから再開始する ☆物品がクリーンベンチ外に出た場合も消毒するか必要なら交換してから再開始する ☆廃棄は、セーフティーボックス(針またはキャップ付き針のみ)と薬品廃棄物(バイアル・ア ンプルの混合後の残物全て・アンプルの蓋)とそれ以外(基本可燃物・プラスチック・針の キャップのみ)に分ける ☆針刺しやガラスによるけがなどで手袋が破損した場合は、軽度であっても手袋を交換し、消毒 して再開始する ☆出血が軽度の場合は、手袋はバイオハザードに捨て、数分圧迫止血、バンドエイド、手洗い、 手袋再装着、消毒、の順を追った後、再開始する。 ☆出血が重度(クリーンベンチ内を汚染するなど)で実習継続困難な場合は、治療後後日の実習 に回る。 Ⅲ―4 実習レポート 抗がん剤調製実習後の飛散度調査 自分の調製範囲での、ブラックライトによる蛍光試薬飛散度を評価して下さい。 評価基準は、この①~④の4段階で評価して下さい。 ① 飛散無し ② ③ 軽度(1滴未満程度) 中等度(1、2滴程度) 1.安全キャビネット内の床シート ( 2.手袋 ( ④ ) ) 3.バイアルやアンプルの口 ( )や壁面 ( 4.シリンジなどの調製器具 ( ) 5.輸液バッグの口 ( 6.薬品調製トレー内 ( 7.無菌衣 ( 重度(数滴以上) )や壁面 ( ) ) ) ) 8.バイオハザードゴミ箱(注射針捨て)( 9.ゴミ箱(小物入れ) ( ) ) 8.その他クリーンベンチ内 (場所: ) 9.その他クリーンベンチ外 (場所: ) 実習内容要約および達成度について、自分なりに下欄に入る程度に纏めて下さい。 陰圧調製練習用(全員) ビタメジン 1V 10mLシリンジ ルアーロック 1本 (全班で使い回し。) 生食100mL 1本/1名 (全班で使い回し。) 処方 ビタメジン1V/生食7mL (使い回しているので、後半は生食に色がついている) 抗がん剤調製実習 調剤者が調剤するもの 医療器具 1.模擬カイトリル注(生理食塩液注) 用 5mL シリンジ 1本 注射針 1本 2.模擬5-FU(生理食塩液注)用 10mLシリンジ ルアーロック 1本 3. 注射針 1個 模擬エンドキサン注(蛍光模擬エピルビシン注) 上記模擬5ーFU使い回し。 処方薬 4.生食注 2A 5.模擬エピルビシン注 1V 6.大塚生食注(100mL) 1本 7.生理食塩液(点滴用)500mL 1本 抗がん剤調製実習 混注者が用意するもの 1.清拭用エタノール綿足りなければ足す。 カット綿を100g軟膏壺一杯まで入れて、消毒用エタノールを染みこませる。 2.混注用シート
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