株式会社フタバ 広域災害を考慮して、オンプレミスでの BCP 対策から、Microsoft Azure Site Recovery と Hyper-V レプリカでのハイブリッド対応 で BCP 対策を強化 業務用かつお節メーカーである株式会社フタバでは、2011 年に Windows Server 2008 R2 を導 ソリューション概要 ○プロファイル 株式会社フタバは昭和 28 年 (1953 年 ) の創業以 来、一貫して天然素材による本物の味を追求して きたかつお節メーカーで、ホテルやレストランな どで使われる業務用分野に特化して事業を展開し ています。同社は本物の味に機能性、合理性を 付加価値として加えたティー バッグ式ダシパック を他社に先駆けて開発し、業務用ダシパックでは ベスト 3 に入るシェアを獲得。2014 年には、和 食に加え、中華、洋食系などにも提案できるか つお節以外のダシを初めて商品化し、ダシの総 合メーカーをめざしています。 ○導入ソフトウェアとサービス ・Windows Server 2012 R2 ・Hyper-V レプリカ ・Microsoft Azure Site Recovery ・Microsoft Azure ○パートナー企業 株式会社ティーケーネットサービス 入し、Hyper-V でサーバーを仮想化。その後、Windows Server 2012 R2 へのアップグレードに 合わせて、仮想サーバーの複製をレプリケーション ソフトから Windows Server OS 標準機能の Hyper-V レプリカに置き換えました。2014 年には本社とレプリケーション先の拠点が広域災害で 被災した場合に備えて、基幹系や会計系を中心とした主要な仮想サーバーを Microsoft Azure Site Recovery で、Microsoft Azure 上にレプリケーション。今後は、Microsoft Azure を軸として、す べてのサーバーのパブリック クラウドへの移行を目標に、いっそうの IT 活用を図っていく考えです。 導入の背景とねらい マイクロソフトのソリューションで統一し、IT インフラの全体最適に向けた 取り組みを推進 株式会社フタバ ( 以下、フタバ ) は昭和 28 年 (1953 年 ) の創業以来、ホテルや旅館、レストラン 向けの業務用分野に特化して、天然素材による本物の味を追求してきたかつお節メーカーです。業 務用ダシパックでは国内ベスト 3 に入るシェアを持つ同社は 2014 年、和食に加え、中華、洋食 系などにも提案できるかつお節以外のダシを初めて商品化。ダシの総合メーカーをめざし、IT を 活用して積極的に事業に取り組んでいます。フタバ 代表取締役社長 江口 晃 氏が語ります。 「当社は 2000 年前後に急成長し、北海道から九州まで拠点を設けて、現在のような規模になりま した。その時期に、業務の拡大に必須であると判断して IT の積極的な活用を始め、業務が拡大し ても業務効率化と生産性の向上を維持してきました。IT 分野での新しい製品やサービスは弊社に とってメリットが高ければ積極的に導入して業務に役立てています」。 ○導入メリット ・広域災害発生時の IT を活用した事業継続の実現 ・初期導入コスト不要、低コストでのレプリケー ション態勢の整備 ○ユーザー コメント 「Azure Site Recovery の利用によって、万が一、 広 域 災害で三 条市内の本社と拠 点の 活動がス トップしても、Azure 上で基幹系システムが動く ので、IT 面では事業を継続させることができます。 それによって、最も重要な顧客の信頼を失うこと なく、事業の再開と成長に向けた準備が可能に なります」 フタバの IT インフラに対する方針は全体最適です。その観点から、マイクロソフト パートナーで ある株式会社ティーケーネットサービス ( 以下、ティーケーネットサービス ) のサポートのもと、サー バーから PC まで、マイクロソフトのソリューションで統一することで、ユーザーにより良いサービ スを提供することをめざしてきました。 その契機になったのは、2011 年の Windows Server 2008 R2 の導入です。まだサーバーの仮想 化が一般的でない時期から、すでに Hyper-V を使って、財務会計、販売管理、ファイル サーバー などすべてのサーバーを仮想化しました。そして、BCP 対策として、レプリケーション ソフトを使っ て、三条市内にある別拠点へと仮想サーバーをレプリケーション。翌年には、約 150 台すべてのク ライアント PC を VDI 化しました。 株式会社フタバ 経営企画室 IT 推進 中村 靖 氏 株式会社フタバ 株式会社フタバ 株式会社フタバ 代表取締役社長 江口 晃 氏 株式会社フタバ 経営企画室 IT 推進 中村 靖 氏 システム導入の経緯 広域災害に備え、仮想化サーバーの Microsoft Azure Site Recovery でのレプリケーションを決定 株式会社ティーケーネットサービス 代表取締役 武田 勇人 氏 株式会社ティーケーネットサービス アドバンスドソリューション部 主任 柳 卓也 氏 らのアクセスも含めた BCP 対策が重要だと考えたのです。フタバ 経営企 画室 IT 推進 中村 靖 氏は語ります。 「Azure Site Recovery の利用によって、万が一、広域災害で三条市内の こうしたいち早い仮想化と VDI 対応から 2 年後の 2013 年春、フタバ 本社と拠点の活動がストップしても、Azure 上で基幹系システムが動く では物理サーバーを Windows Server 2008 R2 から Windows Server ので、IT 面では事業を継続させることができます。それによって、最も 2012 R2 にアップグレードしました。それに合わせて、サード パーティ 重要な顧客の信頼を失うことなく、事業の再開と成長に向けた準備が 製だったレプリケーション ソフトを Windows Server 2012 R2 に標準 可能になります」。 機能としてサポートされている Hyper-V レプリカに切り替えました。こ れまで利用していたレプリケーション ソフトは保守コストが高く、サー こうして、2014 年 9 月、ASR によるレプリケーションの運用が本格的 バー OS のバージョンアップにも対応していなかったためです。 に始まりました。わずか 1 か月程度でのスピーディな構築、検証、稼働 2014 年 6 月 に は、BCP 対 策 を さ ら に 確 実 な も の と す る た め に、 も Azure によるクラウド サービスだから可能でした。 Microsoft Azure Site Recovery (ASR) の導入提案をティーケーネット フタバでは、ユーザーに対するサービスの継続性を基準に仮想サーバー サービスから受けました。オンプレミスでの拠点間の BCP 対策から、 を分け、販売管理、生産管理などの基幹系や会計系の重要なサーバー クラウド サービスを利用したレプリケーションを併用することによって、 は ASR で Azure 上にレプリケーションしています。また、それ以外の BCP 対策をより堅牢なものとする計画です。同年 8 月には Azure 上に 内部システム用仮想サーバーは従来通り、Hyper-V レプリカで三条市 検証環境を作り、ASR をどのように使えるか、本格的な検討を始めまし 内の別拠点にレプリケーションするハイブリッド運用を実現しています た。ティーケーネットサービス アドバンスドソリューション部 主任 柳 ( 図 )。 卓也 氏が語ります。 「今まで BCP 対策として、別拠点にレプリケーションしていましたが、 本社と 20 km 程度しか離れておらず、広域災害発生時には両方とも使 えなくなる可能性がありました。しかし、ASR を使えば、東西にあるマ 導入効果と今後の展望 Azure によるスケーラブルなインフラ実現によって、全 サーバーのパブリック クラウドへの移行をめざす イクロソフトのデータセンターの Microsoft Azure 上に、主要サーバー BCP 対策以外にも、Azure の活用で仮想サーバーの増強が容易にでき のレプリケーションが行われるので、本社と拠点の両方が被災しても、 るようになり、海外に進出した場合もインフラとして使うことが可能に システムを使い続けることができます」。 なります。サービスの縮小や停止も簡単にできる、まさに企業規模に合 システム概要と構築 ケーネットサービス 代表取締役 武田 勇人 氏は語ります。 主要な仮想サーバーは ASR で Azure 上に、内部システ ム用仮想サーバーは Hyper-V レプリカで別拠点にレプリ ケーション しかし、VDI はオンプレミスになっているサーバー上で稼働しているので、 わせたフレキシブルでスケーラブルな IT インフラが実現しました。ティー 「ASR の良いところは、クラウドなので試してみようという時にお金がか からず、導入の際にも必要なスペックを自由に選ぶことができ、イニシャ ル コストも不要なことです。運用開始後も利用料金だけ支払えばよい ので、保険をかけるように使うことができて、とても手軽です」。 広域災害が発生すると、クライアント側は接続先がなくなってしまいま す。これを回避するために、オンプレミスの VDI 環境のバックアップ環 フタバでは Hyper-V レプリカによるレプリケーション、そして、ASR に 境を Azure 上にも構築しました。サーバーだけでなく、クライアントか よる Azure へのレプリケーションによって、インフラ面での整備はより 株式会社フタバ 強固なものになったと考えています。今後、通信インフラがさらに整備 されていくと、ネットワーク環境が LAN と変わらなくなることから、オ ンプレミスのサーバーについても Azure を軸としたパブリック クラウド の利用に切り替え、社内での保守作業をなくしていく考えです。 本社代替体制拠点 Microsoft Azure Windows Server 2008 R2 販売・生産管理システム ( 複製 ) Windows Server 2008 R2 財務会計システム ( 複製 ) Windows Server 2012 R2 ファイル サーバー ( 複製 ) Windows Server 2012 R2 セカンダリ ドメイン コントローラー DR 時 Windows Server 2012 R2 臨時用クライアント ( 業務用モジュール搭載 ) ( 複製 ) サイト間 VPN 接続 Azure Site Recovery サイト間 VPN 接続 業務継続するための主要サーバーを複製 本社 別拠点 インターネット VPN 接続 Windows Server 2012 R2 Hyper-V サーバー ファーム Hyper-V レプリカ Windows Server 2008 R2 販売・生産管理システム (ASR) Windows Server 2008 R2 財務会計システム (ASR) Windows Server 2012 R2 ファイル サーバー (ASR) Windows Server 2012 R2 臨時用クライアント ( 業務用モジュール搭載 ) (ASR) Windows Server 2012 R2 プライマリ ドメイン コントローラー (Hyper-V レプリカ ) Windows Server 2012 R2 業務サブシステム 3 台 (Hyper-V レプリカ ) 各種管理サーバー 2 台 (Hyper-V レプリカ ) Windows Server 2012 R2 Hyper-V Windows Server 2012 R2 プライマリ ドメイン コントローラー ( 複製 ) Windows Server 2012 R2 業務サブシステム 3 台 ( 複製 ) 各種管理サーバー 2 台 ( 複製 ) Windows 7 Windows 8.1 VDI クライアント Windows 7 Windows 8.1 VDI クライアント オンプレミス 図 Azure Site Recovery を活用した ハイブリッド BCP のしくみ 導入についてのお問い合わせ 本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/ 本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2015 年 1 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。 本ケース スタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。 製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。 ■インターネット ホームページ http://www.microsoft.com/ja-jp/ ■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755 (9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く ) ※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。 * Microsoft、および Windows は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における登録商標または商標です。 *その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。 *製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。 〒108-0075 東京都港区港南 2-16-3 品川グランドセントラルタワー 5795-WI1
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