PMH-19-42 司法精神科病棟におけるNEARの有効性 Effectiveness of a Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation for patients in a forensic psychiatric ward ○岩野健蔵 (OT) 1,2),小林正義 (OT) 2) 1) 国立病院機構 小諸高原病院, 2)信州大学大学院医学系研究科 Key words: Evidence-based practice,Occupational therapy intervention,Cognitive function 【背景】統合失調症の認知機能を改善するNEAR (Neuropsychological educational approach to cognitive remediation)の効果が報告されている.我々は司法精神科病棟の患者に対するNEARの有 効性を検討した. 【方法】対象は研究への参加に同意した統合失調症患者3名である.参加者は通常の治療に加え教育 用PCソフトを使ったNEARを週2回,4カ月間受けた.精神症状や対人関係の項目を含む共通評価, 機能の全体的評定尺度(GAF),統合失調症認知機能簡易評価尺度(BACS-J z得点)をNEARの前後で比 較した. 【結果】症例A: 20代男性.共通評価得点は17から16に低下したが,GAFは61のまま変化しなかっ た.BACS-Jは-0.93から0.00に増加した.症例B: 30代男性. 共通評価得点は19から17に減少し, GAFは33から35に増加した.BACS-Jは-0.07から0.20に増加した.症例C: 30代女性. 共通評価 得点は16のまま変化せず,GAFは65から66に増加した.BACS-Jは-0.56から0.57に増加した. 【結論】NEARによって共通評価とGAFの変化は少なかったが,BACS-J z得点は全例で明らに増加 した.本研究によって司法精神科病棟の入院患者の認知機能を改善させるNEARの有効性が示唆され た.
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