主にセメント製造プラントの ふたつの工程で活躍している 「CKミル」の構造

■セメント製造プラントで活躍する
「CKミル」
イラストぎじゅつ入門̶ 92
主にセメント製造プラントの
ふたつの工程で活躍している
「CKミル」の構造
「仕上粉砕」
工程への適用例
(唐山耀東セメント/中国)
「原料粉砕」
工程への適用例
(サイアムセメント/タイ)
TUPIセメント/ブラジル
●
「CKミル」
の
「仕上粉砕」
工程への適用
●原料採石・破砕
セメント製造プラントの
省エネルギーに大きな効果
ガス
セメント製品+ガス
セメント製造プラントの
「焼成」
工程でつくられたクリ
ンカ
(セメントの中間製品)
に、石膏
(セメントが固まる
のを遅らせる役割がある)
を加え、微粉にするとセメ
ントが完成する。
セメントは、主原料の石灰石と副原料の粘土や
けい石、鉄原料などを一緒に乾燥・粉砕した後、焼
成→仕上粉砕という工程を経て製品化される。こ
●セパレータ
(分級機)
れらの工程のうち、
「 原料粉砕」
と
「仕上粉砕」
に用
いられるのが、川崎重工が開発した高効率ローラ
ミル
「CKミル」
である。
●クリンカサイロ
ローラミルは、粉砕機底部の回転テーブルと
細かい粉末と粗い粉末を選別し、
製品粒度を整える装置。
カゴ型の回転翼の回転数を変える
ことで、製品粒度を調整できる。
粗い粉末はミルテーブルに戻り、
再び粉砕される。
ローラとの間に粉砕すべきものをかみ込ませてす
りつぶす−すり鉢のゴマをすりこ木ですりつぶす
ような原理の装置で、
「乾燥」
「粉砕」
「分級」
の3機能
を併せ持っている。
●原料ストレージヤード
製品補集
●バグフィルタ
クリンカ+石膏
●サイクロン
高効率で省エネ型の
「CKミル」
を導入すると、従
来の粉砕機
(チューブミル)
に比べて30∼50%と
送風機
粉砕原料
+ガス
いう大きな省エネルギー効果が見込める。
貯蔵・出荷
中国合弁会社を設立後、
受注件数が飛躍的に増加。
受注累計100台を達成
バルクセメント車
回転翼回転
製品補集
このセメントプラント用大型粉砕機
「CKミル」
が
粗い粉末
袋詰セメント
このほど、受注累計100台を達成した。川崎重工
は、
中国のCONCHグループと合弁会社を設立し、
●ローラ
●テーブル
高品質・低価格を追求するとともに活発に販売促
進に取り組み、中国国内はもとよりタイやブラジ
ル、
インドネシアなどで受注を重ね、累計100台と
いう大台を記録した。
ローラ回転
●原料粉砕
(CK型ローラミル)
「CKミル」
はまた、高炉スラグ
(溶鉱炉での銑鉄
精練の際、鉄鉱石から分離される不純物)
を利用し
テーブル回転
●ブレンディングサイロ
た高炉セメント粉砕用としても活躍している。
高効率で信頼性の高い
「CKミル」
は今後も、グ
ローバルな生産活動を展開するセメントメジャー
●サスペンションプレヒータ
(原料予熱装置)
●加圧シリンダ
をはじめとして幅広い需要が期待される。
CKミル製造工場/
安徽海螺川崎節能設備製造有限公司
(中国)
熱風
微粉砕に必要な100tonを越す大きな加圧
力を得るため、油圧シリンダを用いてローラ
をテーブルに押し付ける。
●モータ&減速機
●ロータリーキルン
(回転窯)
大型のミルは4,600kWの動力
(モータ)
を備
えている。
このモータの動力を、減速機で回転数を落と
して巨大なトルク
(回転力)
を得るとともに、
回転の向きを変更する装置。
セメントの中間製品
「クリンカ」
●サイクロン
●熱風入口
原料を乾燥するために熱
風をミル内に供給する。
●セメントプラント
●エアークエンチングクーラー
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ローラ加圧力
ミルの中央に投入されたクリ
ンカと石膏は、モータによって
回転するテーブルの遠心力に
よってテーブルの外側に流れ
寄り、
テーブルとローラの間で
粉砕される。
ローラのサイズは、大きいもの
では最大で2.8mという実績が
ある。
ローラやテーブルの表面には、
摩耗寿命を延ばすために超硬
質金属が溶接されている。
●コンクリートスタンド
(支持台)
ミルの主要な加圧機構を支持している。
従来の鋼板製をコンクリート製に変えた
ことで、
粉砕時の振動が大幅に低減した。
Kawasaki News 173 2014/1
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