高強度ネット斜面安定工 老朽化した既設モルタル・コンクリート 吹付け面

高強度ネット斜面安定工
老朽化した既設モルタル・コンクリート
吹付け面の補修・補強対策工
設計の考え方
平成26年4月
140401HFN-D-1
はじめに
モルタル・コンクリート吹付工は,斜面表面の侵食防止および風化進行抑制,小礫の落
石抑止などを目的として,昭和30年代頃から多く施工されてきた。
近年,施工後長期間を経過して老朽化が進み,剥離破壊や開口亀裂の発生,地山との間
の空洞化,植生による破壊等々が顕在化し,補修・補強が早急に必要になってきている箇
所が増えてきている。
本書は,その対策方法の一手法として「高強度ネット斜面安定工」について示したもの
であり,設計に際して関係各位の参考資料となれば幸いである。
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目
次
はじめに
1.
工法概要 ··································································································· 1
2.
設計 ········································································································· 3
2.1
従来技術と課題 ····················································································· 3
2.2
本技術の基本性能··················································································· 4
2.3
本技術における設計の基本的考え方 ··························································· 8
(1)
設計フロー ························································································· 8
(2)
斜面の安定計算と必要抑止力の算定 ························································ 9
(3)
補強材および高強度ネットの設計 ··························································· 10
(4)
対策後のすべり面安定照査 ···································································· 10
(5)
設計の適合性判断 ················································································ 11
(6)
補強材を含む外的な安定性の検討 ··························································· 11
設計計算例 ····································································································· 12
おわりに
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1.
工法概要
高強度ネット斜面安定工は,高強度の素線を編んだテコ(TECCO)ネットと補強材(ロック
ボルト),プレートなどを連結・組み合わせた柔構造を特長とし,表層崩壊や補強材間の中
抜けに対して有効な工法(以下,本技術と称する)である。
本技術は,「パワーネット工法」あるいは「クモの巣ネット工法」を適用する技術であ
る。
補強材
高強度ネット
(TECCOネット)
65
老朽化した既設吹付け材
(ex.剥離破壊,開口亀裂)
空洞
安定地盤
プレート
65
空洞
風化進行層
65
図-1.1
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既設吹付け面における施工例概略図
1
本技術には,「パワーネット工法」と「クモの巣ネット工法」2種類があり,その基本
機能は,いずれも次のとおりである。
① 多数の補強材によって,風化進行層の崩落を抑止する。
② 補強材間における風化進行層の中抜けに対しては,高強度ネットの引張り抵抗により
抑止し,地山全体の安定を確保する。
以上のように,本技術は,補強材と高強度ネットとの組合わせという簡便な構造により,
斜面安定を図るものである。
なお本技術では,後述するように,老朽化が著しく既設吹付け材の損傷が激しい場合,
既設吹付け材と地山との隙間にセメントミルク等の充填を行うことは必ずしも必要とする
ものではない。
また補強材長さについて,風化進行層厚が薄く安定した岩盤のような硬質地盤がすぐに
現れるような場合には,必要な周面摩擦抵抗値が得られれば現地地盤に応じた長さで検討
・設計することも多い。
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写真1.1
老朽化が著しい箇所での施工例1
写真1.2
老朽化が著しい箇所での施工例2
2
設計
2.
2.1
従来技術と課題
老朽化した既設モルタル・コンクリート吹付け面の補修・補強方法において,従来技術
としては,大別すると次の2種類がある。
① 既設吹付け材を取り壊し,ほぼ同じ材料で再吹付けする方法。
② 既設吹付け材はそのままとし,地山との隙間にセメントミルク等で充填した後,各種
繊維(鋼繊維やビニロン繊維等)を混合したモルタルで吹付け被覆する方法。
これらの従来技術には,それぞれに優れた機能があるが,次に示すような課題もある。
①の場合
・ 安全性
地山表層が風化の進行に伴って脆弱化していることが予想されるが,その程度について
目視で確認することが困難な場合がほとんどである。
また,既設吹付け材の僅かな支えで,かろうじて崩落を免れていることも多々あり,こ
の状態で取り壊すと崩落発生に繋がる危険性がある。
・ 仮設備
取り壊し材の飛来落下,プラントや資材用地の確保等のため,H鋼等を用いた強固な防
護柵が必要になる。
また,工事完了まで,長期間設置し続けることになる。
・ 産業廃棄物
取り壊し材,新規吹付け材の跳ね返り材,金網の切断材等が産業廃棄物として大量に発
生する。
・ 粉塵,騒音,排気ガス,交通規制
取り壊しや新規吹付けする際,粉塵,騒音,排気ガスが多く発生する。
また,交通止めや片側交通規制等々が長く続くことになる。
・ 工期
手間のかかる工種が多く,仮設備の設営から撤去まで,工事が長期化する傾向がある。
・ 耐久性
前回と同様の材料による施工のため,近い将来に再々度の施工が必要になる可能性が出
てくる。
②の場合
・ 充填材
老朽化が著しく進行して,開口亀裂が無数にあったり,植生も随所で成立していたりす
るような箇所では,充填材の表面からの漏出や対象外への逸失などが発生し,空洞充填
作業自体が困難になる。
・ 仮設備
吹付けや充填のためのプラントや資材貯蔵,作業機械設置などのため,比較的広い用地
の確保が必要で,また周囲に防護柵を工事完了まで長期間設置することになる。
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3
・ 産業廃棄物
新規吹付け材の跳ね返り材,充填材の漏出物が産業廃棄物として発生する。
・ 粉塵,騒音,排気ガス,交通規制
新規吹付けする際,粉塵,騒音,排気ガスが発生する。
また,交通止めや片側交通規制等々が長く続く可能性もある。
・ 工期
手間のかかる工種が多く,仮設備の設営から撤去まで,工事が長期化する傾向がある。
本技術の基本性能
2.2
本技術の設計では,想定するすべり崩壊のモデルについて,
① 斜面表層全体のすべり,
② 補強材間の局部的な中抜けの崩壊,
のそれぞれについて安全性の検討を行い,最適な補強材間隔および仕様を決めることとし,
これらを配置した対策後の斜面全体の安定計算を行い,計画安全率を確保できるようにす
る。
特に,上記②の中抜けについて,高強度ネットは次に示すような性能を有しており,中
抜け抑止に大きく貢献する。
・引張り特性
図2.1
高強度ネットの引張試験結果
図 2.1.は,高強度ネットと一般金網の引張試験結果例を示したものである。
これを見ると,荷重が小さい場合には変位が一般金網と大差はないものの,荷重が大き
くなると変位増加率が下がる,
すなわち,「ある程度の変形まで達すると強い粘りがある」ことが,ネットとしての大
きな特徴である。
これにより,地盤の比較的小さな動きの時点から高強度ネットは強度特性を発揮するこ
とができ,斜面崩壊対策工として有効性の高い部材であるといえる。
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4
・引張強度と耐久性
図 2.2 高強度ネットの防食加工
高強度ネット(硬鋼線)の素線引張強度は,1,770N/mm2 以上あり,従来の一般的な金網(軟
鋼線)の素線引張強度 290~540N/mm21)と比べると,約 3~6 倍超の強度を有する。
高強度ネットは,図 2.2 に示すように。硬鋼線を亜鉛・アルミ合金めっき処理し,さら
に飽和ポリエステル(PET)被覆をしている。
そのため,防食性として,海岸や火山隣接地域等の様々な環境条件下における計算式に
よれば 37 年 2)であり,一般環境下ではそれ以上の高い防食性を発揮すると考えている。
・耐震性
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写真2.1
東日本地震による吹付枠の変状例(岩手県北部の某海岸)
写真2.2
東日本地震後の本技術の状況(岩手県南部の某海岸)
5
先の東日本大震災で,大きな揺れと津波により大災害を被った記憶は生々しく残ってい
るが,写真 2.1 は,吹付枠が損傷を受けた例である。
このような例が何箇所でも見られたのではないが,実際に発生したことも現実である。
剛構造であるが故に,地山の動きに追従できなかったといえる。
写真 2.2 は,本技術による震災後の状況であり,津波が斜面のどの辺りまで到達したの
かは不明であるが,損傷は全く見られず柔構造による機能が働いたと考えている。
・実証実験
本技術では,他の技術では行っていない実物大の実証実験を実施し,信頼性を確認して
いる。
鋼材型枠重量:50ton
土砂重量
:250ton
土砂層厚
:1.2m(礫質土)
鋼材径
:φ28mm
鋼材間隔
; 2.5m千鳥配置
鋼材長
:1.2m 以上
(土砂層厚+余長)
使用クレーン: 500ton 級
実験概況
θ=85°の場合
写真2.3
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実物大実証実験の実施状況
6
実証実験では,移動層厚1.2mで礫質土の場合,勾配がほぼ鉛直に近い状態であっても,
高強度ネットによって中抜けが完全に抑止されている。
この実験から高強度ネットの性能が確認されたことにより,既設吹付け面においても,
補強材との間に十分な周面摩擦抵抗値(τ値)が得られていれば,空隙の有無にかかわらず
崩落に十分に対応できると考えられる。
以上,高強度ネットを用いる本技術は,高い引張強度と粘り強さ,優れた耐久性と耐震
性,そして実証実験による性能証明がされた技術である。
【参考文献】
1) 社団法人日本道路協会 : 落石対策便覧,平成12年6月
2) エコ・パワーネット工法会 ; 高強度ネットとクモプレート等の防食年数,平成24年
12月
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7
2.3
本技術における設計の基本的考え方
(1)
設計フロー
本技術は,基本的には次の図2.3に示す手順に従って設計を行う。
START
調
査
地表踏査,地質調査,脆弱層調査等々
地盤調査結果が無い場合,補強材設計に当
っての周面摩擦抵抗値(τ値)は,引抜き試
験を実施して設定するのが望ましい。
必要抑止力の算定
安全率,すべり面
補強材の設計
概ね,1.5mまで
想定される風化進
概ね,1.5m以上
行層厚は?
高強度ネットと地山との一体化
No
「クモの巣ネット工法」
を図るか?(ネットに締付け力
を付加するか?)
(判断因子)
地山状況,劣化進行度
Yes
凹凸度合等
「パワーネット工法」
中抜け滑動力の算定
高強度ネットの設計
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8
対策後のすべり面安定照査
設計の適合性判断
補強材を含む外的な安定性の検討
END
図 2.3
(2)
本技術の基本的な設計フロー
斜面の安定計算と必要抑止力の算定
① 斜面の安定計算
斜面の安全率は,式(2.1)で算定される。
(Wi cosαi tanφi Ci
F
i
)
(2.1)
Wi sinαi
ここに,F:斜面のすべり安全率
W i:すべり土塊の重量
α i:すべり面の角度
φ i:すべり面の内部摩擦角
Ci:すべり面の粘着力
i :すべり面の長さ
② 必要抑止力の算定
必要抑止力は,式(2.2,2.3)で算定される。
・単位幅当り
P
FS
Wi sinαi
Wi cos
i
tanφi
Ci
i
(2.2)
・単位面積当り
P
Pr
(2.3)
s
ここに,Fs:計画安全率
W i:すべり土塊の重量
α i:すべり面の角度
φ i:すべり面の内部摩擦角
Ci:すべり面の粘着力
i :すべり面の長さ
s:斜面長
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9
補強材および高強度ネットの設計
(3)
本技術による補強材の設計は,大略,次の流れによる。
① 想定される風化進行層厚が,概ね1.5mまでかそれ以上かを確認する。
② 想定される風化進行層厚が概ね1.5mまでの場合,地山状況や劣化進行度,凹凸の度
合等を検討して,高強度ネットと地山との一体化を図るために一定の締付け力を付加す
るか否かの判断をする。
③ 締付け力を付加する場合,「パワーネット工法」を適用する。
④ 締付け力を付加しないと判断した場合,受動的に補強効果を発揮する工法である「ク
モの巣ネット工法」を適用する。
⑤ 想定するすべり層厚が概ね1.5m以上の場合,「クモの巣ネット工法」を適用する。
本技術の補強材および高強度ネットの設計に当っては,次の文献による。
・「エコ・パワーネット工法会;パワーネット工法 設計・施工マニュアル,平成25年7月」
・「エコ・パワーネット工法会;クモの巣ネット工法 設計・施工マニュアル,平成22年12月」
補強材長さは,既設モルタル・コンクリート吹付け背面の風化進行層の状況に応じた周
面摩擦抵抗値を考慮して設計する。
既知の地盤調査結果が無い場合,引抜き試験を実施して,現地に合致した値を設定する
ことが望ましい。
(4)
対策後のすべり面安定照査
本技術による対策後のすべり面安定照査は,斜面のすべり安全率(Fsd)が計画安全率を
満足するかを照査する。
対策後の斜面のすべり安全率は下式で求められる。
Fsd
S
Q
S1
(2.4)
S2
Q
ここに,Fsd:斜面のすべり安全率
S1:単位幅当たりの地山滑動抵抗力 (kN/m)
S2:単位幅あたりのネイル抵抗力 (kN/m)
Q:単位幅当たりの地山滑動力 (kN/m)
・単位幅当たりの地山滑動抵抗力(S1)
S1
(Wi cosαi tanφ ci
i
)
ここに,W i:すべり土塊の重量 (kN)
α i:すべり面の角度 (°)
φ i:すべり面の内部摩擦角 (°)
ci:すべり面の粘着力 (kN/m2)
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(2.5)
i :すべり面の長さ
(m)
・単位幅あたりの補強材による抵抗力(S2)
S2
Tdi cos(δ α) sin(δ α) tanφ
a
(2.6)
ここに,Tdi:補強材1本当たりの設計引張力(kN)
a:横方向の補強材間隔(m)
α:すべり面の角度(°)
δ:補強材の設置角度(°)
また,補強材1本当たり設計引張力(Tdi)は次式により求められる。
Tdi
λ min Tpai ,Tsa
(2.7)
ここに,λ:低減係数(=0.7)
Tpai:補強材定着部が不動地山から受ける引抜き抵抗力(kN)
Tsa:補強材の許容引張力(kN)
・単位幅当たりの地山滑動力(Q)
Wi sinα
Q
(2.8)
ここに,α:すべり面の角度(°)
(5)
設計の適合性判断
設計の適合性判断は,対策後の斜面のすべり安全率(Fsd)が計画安全率(Fs)以上にな
っているかを確認する。すなわち,安全率が得られていない場合には,計画全般を見直し,
Fsd ≧ Fs
(2.9)
となるよう調整する。
そのほか,設計部材,配置,施工の可否等を総合的に判断して設計の適合性を確認し,
完了する。
(6)
補強材を含む外的な安定性の検討
不安定な土塊や岩塊を,高強度ネットと補強材で安定地盤に固定するのが,本技術の特
徴である。
この時,補強材と一体化した地山全体の安定度を照査する必要があるかどうかを検討し,
必要であると判断された場合には,所定の安全率以上であることを確認しなければならな
い。
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11
設計計算例
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12
目次
はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
1.検討モデル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
2.粘着力の算定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
3.必要抑止力の算定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
4.ネイル間隔および打設角度の設定 ・・・・・・・・・・・・・
17
5.移動土塊部に対する検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・
18
6.斜面全体の安定評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
7.局部的な崩壊に対する中抜けの照査 ・・・・・・・・・・・・
25
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13
はじめに
本書は,以下の設計条件に基づき対策工の検討を行うものである。
設 計 条 件
項目
単位
記号
値
現況安全率
F
1.0
計画安全率
Fs
1.2
斜面勾配
θ
63
°
α1
37
°
α2
63
°
対策斜面長
Ls
10.0
m
すべり層厚
t
0.5
m
単位体積重量
γ
20.0
内部摩擦角
φ
25
kN/m
°
すべり面勾配
備 考
1:0.5勾配
移動土塊の土質定数
3
なお,仕様検討は,「パワーネット工法 設計・施工マニュアル 平成25年7月 エコパワーネット
工法会」(以下,「設計・施工マニュアル」と呼ぶ)を参考に行うものとする。
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14
1.検討モデル
検討モデルは,下記の通りである。
Ls=
10.
0m
A2=4.62m2
②
L2=
10.
1m
t=0
.5m
A1=0.41m2
①
α2=63°
α1=25°
m
0.8
L1=
検討モデル図
・ 移動土塊の重量
ΣW i=γ・Ai=
① 20.0
×
0.41
=
8.2
(kN/m)
② 20.0
×
4.62
= 92.4
(kN/m)
合計 100.6 (kN/m)
・ 地山滑動力
Q=ΣW i・sinαi=
8.2
×
sin 25 ° =
3.5
(kN/m)
② 92.4
×
sin 63 ° = 82.3
(kN/m)
①
合計
・ 摩擦による地山滑動抵抗力
S1'=ΣW i・cosαi・tanφ= ①
85.8
(kN/m)
8.2
×
cos 25 ° × tan 25 ° =
3.5
(kN/m)
② 92.4
×
cos 63 ° × tan 25 ° = 19.6
(kN/m)
合計
・ すべり線の長さ
140401HFN-D-1
:L= L1+L2
=
0.8
15
+ 10.1
=
10.9
(m)
23.1
(kN/m)
2.粘着力の算定
本検討における粘着力(C)は,現況安全率(F)より逆算法にて以下の通り算出する。
F=
ΣW i・cosαi・tanφ+C・Li
ΣW i・sinαi
S1'+C・Li
=
1.0 =
Q
23.1
+ C × 10.90
85.8
C=
2
5.8
(kN/m )
ここで, F: 現況安全率
Q: 地山滑動力
( = 1.0 )
(=
85.8
kN/m)
(=
S1': 摩擦による地山滑動抵抗力
L: すべり線の長さ
(=
10.9
23.1
kN/m)
m)
3.必要抑止力の算定
・ 単位幅当りの必要抑止力
P= Fs・ΣW i・sinαi-Σ(W i・cosαi・tanφ+C・Li)
= Fs・Q-(S1'+C・Li)
=
1.2
×
23.1
+
=
16.6
(kN/m)
ここで, Fs: 計画安全率
(=
1.2
)
Q: 地山滑動力
(=
85.8
kN/m)
85.8
-(
5.8
(=
S1': 摩擦による地山滑動抵抗力
C: 粘着力
(=
L: すべり線の長さ
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2
5.8
kN/m )
( = 10.90 m)
16
× 10.90 )
23.1
kN/m)
4.ネイル間隔および打設角度の設定
・ ネイル間隔
:a=
2.5 (m)
:横方向
:b=
2.5 (m)
:縦方向
:n=
・ ネイル設置段数
5
(段)
・ ネイル打設角度(δ)およびネイルとすべり面との挟角(δ+α)
各段におけるネイルとすべり面との関係
δ
δ+α
(°)
(°)
1 段目
27
90
2 段目
27
90
3 段目
27
90
4 段目
27
90
5 段目
27
52
段数
上段
下段
※ネイル打設角度(δ)は斜面直交方向を基本とする。
δ=27°
δ+α=90°
δ=27°
δ+α=90°
δ=27°
δ+α=90°
δ=27°
δ+α=90°
δ=27°
δ+α=52°
ネイルとすべり面の挟角
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5.移動土塊部に対する検討
TECCOネットの強度物性
・ DR:ネットのせん断押し抜き抵抗 180 (kN)
90 (kN)
・ PR:ネット下部の押し抜き抵抗
(中抜け崩壊の検討に使用するブロック下部ネイル近傍のネット押し抜きせん断抵抗は上記DR
の1/2の値を採用する。)
・ ZR:ネット平行引張抵抗
30 (kN)
(中抜け崩壊の検討に使用するネットのブロック上部のネイルにかかる斜面平行の引張抵抗)
※「設計・施工マニュアル」P.14参照
5.1 締付け力の設定
締付け力は,下表から以下の通り設定する。
:V=
・ 締付け力
5 (kN)
※現地斜面状況によっては,締付け力の変更を行う場合がある。
・ 実効締付け力
:Vd= V・γVd
=
5 × 0.7
=
ここで, γVd: 低減係数
3.5 (kN)
(=
0.7
)
※「設計・施工マニュアル」P.17参照
締付け力の目安値
締付け力(V)の目安値
斜面表層部の地盤性状または状態
① 斜面表層が軟弱な地盤の場合
5 kN
② N値50回以上の地盤または岩盤斜面の場合
30 kN
③ ①,②に該当しない場合
15 kN
※「設計・施工マニュアル」P.17参照
5.2 高強度ネット及びスパイクプレートから地山に伝達される荷重(TRd)
高強度ネット及びスパイクプレートから地山に伝達される荷重(TRd)は,下式より求める。
TRd=
1
γRd
・
P・a/n
cos(δi+αi)+sin(δi+αi)・tanφ
ここで, P: 単位幅当りの必要抑止力
(=
16.6
kN/m)
a: ネイル間隔(横方向)
(=
2.5
m)
n: ネイル設置段数
(=
5
段)
δ+α: ネイルとすべり面の挟角
φ: 内部摩擦角
γRd: 低減係数
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(=
25
°)
(=
0.7
)
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支圧力算出結果一覧表
γRd
段数
P
a
n
δ+α
φ
TRd
(kN/m)
(m)
(段)
(°)
(°)
(kN)
1 段目
90
25.4
2 段目
90
25.4
3 段目
0.7
16.6
2.5
5
90
25
25.4
4 段目
90
25.4
5 段目
52
12.1
5.3 ネイル設計荷重(T0)
ネイル設計荷重(T0)は,実効締付け力(Vd)と高強度ネット及びスパイクプレートから地山に伝達され
る荷重(TRd)の大きい値を採用する。
・ 1 ~ 4 段目
T0= max(Vd, TRd)
= max(
=
25.4
3.5
,
25.4
)
,
12.1
)
(kN)
・ 5 段目
T0= max(Vd, TRd)
= max(
=
12.1
3.5
(kN)
5.4 ネイル設計荷重(T0)に対するネットの安全性照査
ネイル設計荷重(T0)に対するネットの安全性照査は,下式により行う。
γe・T0max ≦
1.5 × 25.4 ≦
DR
γR
180
1.5
38.1 (kN) ≦ 120 (kN) ・・・・・・・【OK】
ここで,DR: ネットのせん断押し抜き抵抗(=180kN)
γe : 支圧力に対する安全余裕(係数1.5を適用)
γR: 抵抗値に対する補正値(係数1.5を適用)
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5.5 ネイル長の検討
ネイル長は,以下の通り設定する。
Ld≧ L=L0+L1+L2
ここで,Ld : ネイル長(m)
L : ネイル必要長(m)
L0: 締めしろ(= 0.1 m)
L1: 移動土塊部のネイル長(m)
L2: 不動地山部(すべり線以深の部分)の必要ネイル長(m)
5.5.1 検討条件
不動地山部の必要ネイル長(L2)を算出する際の検討条件は,以下の通りである。
・ ネイル仕様
:全ねじ異形棒鋼 D 19
T0max=
25.4
(kN)
≦ Tsa=
51.5
(kN)
・・・【OK】
※ネイル仕様は,後述する『7.4 局部的崩壊時におけるネイ
ル照査』により,局部崩壊下端付近に生じるネットの最大
押し抜き力(Pmax)を満足する鋼材径を選定する。
全ねじ異形棒鋼の諸元
項 目
呼び名
単位
公称直径 : d
公称周長 :π・d
2
公称断面積 : A=π・d /4
有効直径 : ds=d-1
D19
D22
D25
mm
19.1
22.2
25.4
mm
60
70
80
286.5
387.1
506.7
18.1
21.2
24.4
257.3
353.0
467.6
mm
m
※腐食しろ1mm考慮
2
有効断面積 : As=π・ds /4
許容引張り応力度 :σsa
許容引張り力 : Tsa=As・σsa
2
mm
2
N/mm
kN
2
200
51.5
:d=
・ 有効ネイル直径
※公称直径に腐食しろ(1mm)を考慮
18.1
70.6
(mm)
= 0.0181 (m)
:D=
・ 削孔径
45
(mm)
・ 引抜きに対する安全率
= 0.045 (m)
:Fsa= 2.0
・ 注入材と異形鉄筋の許容付着応力度
:τb=
=
140401HFN-D-1
93.5
20
1.6
2
(N/mm )
1600 (kN/m2)
注入材と異形棒鋼の許容付着応力度
注入材の設計
24
18
30
基準強度
鉄筋の種類
1.4
1.6
1.8
異形鉄筋
40以上
2.0
※「道路土工 切土工・斜面安定工指針」(H21.6 日本道路協会)
P.300参照
・ 不動地山の極限周面摩擦抵抗値
2
:τ=
0.48
(N/mm )
=
480
(kN/m )
2
極限周面摩擦抵抗値の推定値
極限周面摩擦抵抗
地盤の種類
2
(N/mm )
1.20
硬 岩
0.80
軟 岩
岩 盤
0.48
風 化 岩
0.48
土 丹
0.08
10
20
0.14
N値
30
0.20
砂 礫
0.28
40
50
0.36
10
0.08
20
0.14
0.18
N値
30
砂
0.23
40
0.24
50
0.8×C
粘性土
(Cは粘着力)
※「道路土工 切土工・斜面安定工指針」
(H21.6 日本道路協会)P.299参照
140401HFN-D-1
21
5.5.2 不動地山部の必要ネイル長(L2)の算定
不動地山部の必要ネイル長(L2)は,下式により算出する。
L2=
T0
ta
ここで,T0: ネイル設計荷重(kN)
ta: 引抜き抵抗力(kN/m)
ta= min(tpa,tca)
・ 地山とグラウトの許容付着力(tpa)
tpa= τ・π・D/Fsa
= 480 × π × 0.045 / 2.0
=
33.9
(kN/m)
・ 鋼材とグラウトの許容付着力(tca)
tca= τb・π・d
= 1600
× π × 0.0181
=
(kN/m)
91.0
不動地山部の必要ネイル長(L2)の算出結果
段数
T0
(kN)
tpa
tca
ta
L2
(kN/m) (kN/m) (kN/m) 算定値 設定値
1 段目
25.4
33.9
91.0
33.9
0.75
1.0
2 段目
25.4
33.9
91.0
33.9
0.75
1.0
3 段目
25.4
33.9
91.0
33.9
0.75
1.0
4 段目
25.4
33.9
91.0
33.9
0.75
1.0
5 段目
12.1
33.9
91.0
33.9
0.36
1.0
※ 不動地山部のネイル長L2の最小長さは,1.0mとする。
(「設計・施工マニュアル」P.14参照)
140401HFN-D-1
22
5.5.3 ネイル長の設定(L)
ネイル長(L)は,締めしろ(L0),移動土塊部のネイル長(L1)および前項で算出した不動地山部の必要ネ
イル長(L2)を考慮し,下表の通り設定する。
不動地山から受ける引抜き抵抗力(Tpa)の算出
必要長:L 採用長:Ld
LA
ta
Tpa
(m)
(m)
(kN/m)
(kN)
1.6
1.8
1.2
33.9
40.7
1.0
1.6
1.8
1.2
33.9
40.7
0.5
1.0
1.6
1.8
1.2
33.9
40.7
4 段目
0.5
1.0
1.6
1.8
1.2
33.9
40.7
5 段目
0.2
1.0
1.3
1.5
1.2
33.9
40.7
L0
L1
L2
(m)
(m)
(m)
(m)
1 段目
0.5
1.0
2 段目
0.5
段数
3 段目
0.1
※1) 当該ネイル長はすべり層厚が0.5mと薄いこと及びすべり層厚背面に新鮮な岩盤が確認される
ことを前提に最大ネイル長を2.0m以下で設定する。
※3) 移動土塊部のネイル長(L1)は,次図を参照する。
※4) ネイル長は後述する『7.4 局部的崩壊時におけるネイル照査』による条件式
を満足する長さとする。
・ 不動地山から受ける引抜き抵抗力(Tpa)
Tpa= LA・ta
ここで, LA: 不動地山部のネイル長(m)(=Ld-L0-L1)
ta: 引抜き抵抗力(kN/m)
L1=
0.5
m
L1=
0.5
m
L1=
0.5
m
L1=
0.5
m
L1=
0.2
m
移動土塊部のネイル長(L1)
140401HFN-D-1
23
6.斜面全体の安定評価
斜面全体の安定評価は,下式より算定された対策後の斜面の安全率(Fsd)が計画安全率(Fs)を満足す
るか照査する。
Fsd=
=
=
S
Q
S1+S2
Q
86.3
+ 32.4
85.8
Fs= 1.2 ・・・・・・・【OK】
≧
= 1.38
ここで,S1: 単位幅あたりの地山滑動抵抗力 (kN/m)
S2: 単位幅あたりのネイルとネットの押さえ効果による抵抗力 (kN/m)
Q: 単位幅あたりの地山滑動力 (kN/m)
・ 単位幅あたりの地山滑動抵抗力(S1)
S1= ∑(W・cosα・tanφ+C・L)
=
23.1
=
86.3
+
5.8
×
10.90
(kN/m)
・ 単位幅あたりのネイルとネットの押さえ効果による抵抗力(S2)
∑Tdi・{cos(δ+α)+sin(δ+α)・tanφ}
S2 =
a
ここで,Tdi: ネイル1本あたりの設計引張力 (kN)
Tdi= λ・min{Tpa,Tsa}
Tpa: 不動地山から受ける引抜き抵抗力 (kN)
Tsa: 鋼材の許容引張り力 (kN)
a: 横方向のネイル間隔 (m)
α: すべり線の角度 (°)
δ: ネイル打設角度 (°)
λ: 低減係数(=0.7)
φ: 内部摩擦角(°)
ネイルとネットの押さえ効果による抵抗力:S2(kN)
Tdi
a
δ+α
φ
S2
(kN)
(m)
(°)
(°)
(kN/m)
0.7
28.5
2.5
90
25
5.31
51.5
0.7
28.5
2.5
90
25
5.31
40.7
51.5
0.7
28.5
2.5
90
25
5.31
4 段目
40.7
51.5
0.7
28.5
2.5
90
25
5.31
5 段目
40.7
51.5
0.7
28.5
2.5
52
25
11.20
Tpa
Tsa
(kN)
(kN)
1 段目
40.7
51.5
2 段目
40.7
3 段目
段数
λ
合計 ・ 単位幅あたりの地山滑動力(Q)
Q= ∑(W・sinα)
=
85.8
140401HFN-D-1
(kN/m)
24
32.4
7. 局部的な崩壊に対する中抜けの照査
7.1 局部的崩壊範囲
ared= a-t/tanδ1-D
= 2.5-0.5/tan90゚-0.33
= 2.2 (m)
ここで,ared: 局部的な移動土塊の範囲
(m )
a : ネイル横方向間隔
( 2.5 m )
t : すべり層厚
δ1: 台形状拘束領域の角度
( 0.5 m )
D : スパイクプレートの幅
( 0.33 m )
(
※0m < t ≦ 0.5 m
90 ゚ )
ared
D
V
V
t
高強度ネット
δ1
δ1
プレッシャーコーン
a
表土の拘束領域と局部的な崩壊に対する検討範囲
140401HFN-D-1
25
7.2 ネットの押し抜き力
ネットの押し抜き力は,局部崩壊の崩壊角度(β)を斜面勾配(θ)~0°まで変化させ計算した値
の最大値とする。
(1) 局部的崩壊モデルA
PA=
W・(sinβ-cosβ・tanφ')-Zd・{cos(θ-β)-sin(θ-β)・tanφ'}-C'・A
cos(β+δ)+sin(β+δ)・tanφ'
ここで, PA: ネットの押し抜き力(モデルA)
( kN )
W: 移動土塊の重量
( kN )
Zd: ネット引張力(設計値)
( m2 )
( 15 kN)
θ: 斜面勾配
(
β: 局部崩壊のすべり面の角度
(゚ )
δ: ネイル打設角度
(
γ: 移動土塊の単位体積重量
C': 粘着力
( 20.0 kN/m3)
( 2.9 kN/m2) ※安全性を考慮しC/2と設定する。
φ': 内部摩擦角
( 12.5 °)
A: 移動土塊の底面積
b : ネイル縦方向間隔
63
27
°)
°)
※安全性を考慮しφ/2と設定する。
( 2.5 m )
t
b
2・
δ
PA
Z
W
δ
β
α(=θ)
θ
S
局部的崩壊モデルA
140401HFN-D-1
※Zd=ZR×0.5
26
モデルAにおけるネットの押し抜き力:PA
β
A
(゚)
63
(m )
11.000
62
S
W
PA
(m)
(kN)
(kN)
5.000
0.000
0.000
11.002
5.001
9.601
0.000
61
11.007
5.003 19.206
0.000
60
11.015
5.007 28.825
0.000
59
11.026
5.012 38.458
0.000
58
11.042
5.019 48.118
0.000
2
(2) 局部的崩壊モデルB
X= W 1・(sinα-cosα・tanφ')-C'・A1
PB=
W 2・(sinβ-cosβ・tanφ')-(Zd-X)・[cos(θ-β)-sin(θ-β)・tanφ']-C'・A2
cos(β+δ)+sin(β+δ)・tanφ'
ここで, PB: ネットの押し抜き力(モデルB)
( kN )
W 1: 崩壊ブロック1の重量
( kN )
W 2: 崩壊ブロック2の重量
( kN )
A1: 崩壊ブロック1の面積
( m2 )
A2: 崩壊ブロック2の面積
Zd: 実効ネット平行引張り力
( m2 )
( 15 kN)
X : 崩壊ブロック1の滑動力
( kN )
θ: 斜面勾配
( 63
β: 局部崩壊の崩壊面の角度
(°)
δ: ネイル打設角度
( 27
γ: 移動土塊の単位体積重量
C': 粘着力
( 20.0 kN/m3)
( 2.9 kN/m2)
φ': 内部摩擦角
( 12.5 °)
b : ネイル縦方向間隔
140401HFN-D-1
°)
°)
( 2.5 m )
27
t
ブロック1
2・
b
W1
δ
1
X
W2
ブロック2
1
X
Z
PB
1
S
2
2
β
1
2
θ
δ
S2
局部的崩壊モデルB
モデルBにおけるネットの押し抜き力:PB
β
(゚)
A1
A2
2
2
S1
S2
X
W1
W2
PB
(kN)
(kN)
(m)
(m)
(kN)
(kN)
57
(m )
(m )
0.534 10.523
0.243
4.783
2.673
5.342 52.329
0.000
56
2.041
9.026
0.928
4.103
10.214 20.412 44.794
2.300
55
3.173
7.904
1.442
3.593
15.877 31.731 39.135 13.942
54
4.055
7.032
1.843
3.196
20.289 40.549 34.726 21.887
53
4.762
6.335
2.164
2.879
23.824 47.616 31.192 27.370
52
5.341
5.765
2.428
2.620
26.724 53.410 28.295 31.166
51
5.825
5.291
2.648
2.405
29.145 58.249 25.875 33.757
50
6.235
4.890
2.834
2.223
31.201 62.354 23.823 35.494
49
6.588
4.547
2.995
2.067
32.964 65.881 22.059 36.585
48
6.895
4.250
3.134
1.932
34.497 68.947 20.526 37.208
47
7.164
3.991
3.256
1.814
35.844 71.638 19.181 37.478
46
7.402
3.762
3.365
1.710
37.037 74.021 17.990 37.484
45
7.615
3.560
3.461
1.618
38.098 76.145 16.927 37.273
44
7.805
3.379
3.548
1.536
39.056 78.054 15.973 36.919
43
7.978
3.216
3.626
1.462
39.917 79.778 15.111 36.439
42
8.134
3.069
3.697
1.395
40.702 81.344 14.328 35.872
41
8.277
2.936
3.762
1.335
41.418 82.774 13.613 35.230
40
8.409
2.815
3.822
1.280
42.072 84.086 12.957 34.532
39
8.529
2.704
3.877
1.229
42.679 85.294 12.353 33.802
38
8.641
2.603
3.928
1.183
43.236 86.410 11.795 33.033
140401HFN-D-1
28
モデルBにおけるネットの押し抜き力:PB
β
A1
(゚)
37
(m )
8.745
(m )
2.509
36
8.841
35
S1
S2
X
W1
W2
PB
(m)
(m)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
3.975
1.141
43.754 87.447 11.277 32.250
2.423
4.019
1.101
44.238 88.411 10.794 31.450
8.931
2.343
4.060
1.065
44.689 89.312 10.344 30.642
34
9.016
2.269
4.098
1.031
45.108 90.155
9.922 29.824
33
9.095
2.200
4.134
1.000
45.505 90.947
9.526 29.009
32
9.169
2.136
4.168
0.971
45.880 91.693
9.154 28.194
31
9.240
2.076
4.200
0.944
46.230 92.396
8.802 27.379
30
9.306
2.020
4.230
0.918
46.564 93.061
8.469 26.570
29
9.369
1.967
4.259
0.894
46.880 93.692
8.154 25.768
28
9.429
1.918
4.286
0.872
47.179 94.290
7.855 24.968
27
9.486
1.871
4.312
0.851
47.464 94.860
7.570 24.180
26
9.540
1.828
4.336
0.831
47.737 95.403
7.299 23.395
25
9.592
1.787
4.360
0.812
47.995 95.921
7.040 22.617
24
9.642
1.748
4.383
0.795
48.241 96.416
6.792 21.848
23
9.689
1.711
4.404
0.778
48.481 96.891
6.555 21.090
22
9.735
1.677
4.425
0.762
48.707 97.346
6.327 20.334
21
9.778
1.644
4.445
0.747
48.927 97.783
6.108 19.591
20
9.820
1.613
4.464
0.733
49.138 98.204
5.898 18.855
19
9.861
1.584
4.482
0.720
49.340 98.609
5.695 18.124
18
9.900
1.556
4.500
0.707
49.536 99.000
5.500 17.403
17
9.938
1.529
4.517
0.695
49.723 99.377
5.311 16.690
16
9.974
1.504
4.534
0.684
49.907 99.742
5.129 15.983
15
10.010
1.480
4.550
0.673
50.083 100.096
4.952 15.283
14
10.044
1.458
4.565
0.663
50.255 100.438
4.781 14.587
13
10.077
1.436
4.580
0.653
50.421 100.770
4.615 13.901
12
10.109
1.415
4.595
0.643
50.583 101.092
4.454 13.221
11
10.141
1.396
4.609
0.635
50.738 101.406
4.297 12.543
10
10.171
1.377
4.623
0.626
50.892 101.711
4.145 11.874
9
10.201
1.360
4.637
0.618
51.040 102.008
3.996 11.206
8
10.230
1.343
4.650
0.610
51.185 102.298
3.851 10.546
7
10.258
1.327
4.663
0.603
51.327 102.580
3.710
9.889
6
10.286
1.312
4.675
0.596
51.465 102.857
3.572
9.236
5
10.313
1.297
4.688
0.590
51.599 103.126
3.437
8.589
4
10.339
1.283
4.700
0.583
51.733 103.391
3.305
7.945
3
10.365
1.270
4.711
0.577
51.861 103.649
3.175
7.303
2
10.390
1.258
4.723
0.572
51.990 103.903
3.049
6.663
1
10.415
1.246
4.734
0.566
52.113 104.151
2.924
6.026
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2
A2
2
29
(3) ネットの最大押し抜き力
Pmax= max[PA,PB]
= max[ 0.000 ,
=
37.484 ]
37.5 (kN)
ここで, Pmax: 局部崩壊下端付近に生じる最大ネット押し抜き力(kN)
7.3 局部的崩壊によるネット下部の押し抜きせん断に対する安全性照査
Pmax ≦
PR
γR
ここで, PR : ネット下部の押し抜き抵抗 (kN)
γR : 抵抗値補正係数 (1.5)
37.5 ≦
37.5 ≦
90
1.5
60 (kN) ・・・・・・・【OK】
7.4 局部的崩壊時におけるネイル照査
Pmax ≦ min[Tpa,Tsa]
ここで, Tpa: 不動地山から受ける引抜き抵抗力 (kN)
Tsa: 鋼材の許容引張り力 (kN)
37.5 ≦ 40.7 (kN) ・・・・・・・【OK】
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30
おわりに
我国では,社会資本整備について,これらを維持するための補修・補強の時代へと移行
しつつあるようである。
このような中にあって,本資料は,既設吹付け面という狭い範囲を対象として記載した
ものであるが,少しでも貢献できればと願うものである。
最後に,本資料の編纂にご尽力いただいた当工法会の技術委員ならびに関係各位に深く
謝意を表するとともに,皆様方からのご指導・ご鞭撻を賜りますれば誠に幸いである。
エコ・パワーネット工法会
以上
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31
編
集
技術委員会(委員名はアイウエオ順)
沓澤
武
日本基礎技術株式会社
清水
明彦
株式会社TMS柔構
下条
和史
東亜グラウト工業株式会社
中村
貴之
岡部株式会社
新田
祥之
株式会社飛鳥
濱田
誠
東興ジオテック株式会社
三上
登
日特建設株式会社
平成26年
4月
1日
初版
エコ・パワーネット工法会
〒160-0004 東京都新宿区四谷2丁目10番地3
TEL: 03-5366-9838
140401HFN-D-1
32
FAX: 03-3355-1532