平成26年度医薬化学II 第一回目講義

平成26年度医薬化学II
第一回目講義
医薬化学II
3年次
薬学科
学科
選択
学年
種別
3年次
創薬学科
学期
後期
担当教員
メールアドレス
オフィスアワー
曜日・時限
選択必修
単位
木・1時限
1) 宮地弘幸,
2) 山下敦子
1) [email protected],
2)[email protected]
所属
2.0 単位
1) 医歯薬学総合研究科(薬学)教授
2) 医歯薬学総合研究科(薬学)教授
電話番号
1) 086-251-7930,
2) 086-251-7974
オフィスアワーは特に設けない。ただし,アポイントメントは取って
ください。
医薬化学II
第1回 10/2
概説 (宮地1)
第2回 10/9 構造生物学基礎1:
タンパク質構造構築の基本原理 (山下1)
第3回 10/23 構造生物学基礎2:
タンパク質の構造、機能1—転写因子 (山下2)
第4回 10/30 構造生物学基礎3
タンパク質の構造、機能2—酵素触媒反応 (山下3)
授業
計画
第5回 11/13 構造生物学基礎4:
タンパク質の構造、機能3—膜タンパク質・シグナル変換(山下4)
第6回 11/20
構造生物学基礎5:
タンパク質の構造、機能3—膜タンパク質・シグナル変換(山下5)
第7回 11/27 構造生物学基礎6:
タンパク質構造の決定 (山下6 )
第8回 12/4 小括
(中間試験含む) (山下7 )
第9回
12/11 最先端構造生物学研究例
(山下8 )
12/18 休講(宮地有休:娘の結婚式@ハワイ)
第10回 12/25 医薬品開発標的となる代表的生体分子 (宮地2 )
第11回 01/08 医薬品と標的生体分子の相互作用 (宮地3 )
第12回 01/15 スクリーニング対象化合物起源,スクリーニング法 (宮地4)
授業 第13回 01/22 分子生物学的スクリーニングによる創薬の実例 (宮地5)
計画 第14回 01/29 最先端医薬化学研究例 I (宮地6)
第15回 02/05 最先端医薬化学研究例 II (宮地7)
第16回 02/12 総括(最終試験含む) (宮地8)
医薬化学II
テキスト等
【教科書】医薬化学領域:
ベーシック薬学教科書シリーズ 創薬科学・医薬化学
化学同人
【参考書】構造生物学領域:
1. タンパク質の構造入門 第2版 Carl Branden & John Tooze Newton Press
2. 生命科学のための結晶解析入門 平山令明著 丸善
◆記述試験と出席状況の結果から評価する。
成績評価基準
◆記述試験の評価は,中間試験と期末試験の2回の平均点とする。
◆出席状況の評価は,出席点を加点するのではなく,3点(届出有)
〜8点(届出無)の欠席点を減じる。
◆シャトルカードを使用し,出席の確認を行う。
その他
【研究活動との関連】担当教員は,創薬関連の有機化学,構造生物
学および医薬品化学の研究を行っている。この講義は,担当教員の
専門分野における医薬学・構造生物学を解説するものである。
本日の講義内容
古典的な医薬品開発から理論
的な創薬への歴史について説明できる。
SBO18
ベーシック薬学教科書シリーズ
創薬化学・医薬化学
第一章(医薬品創製の歴史)~第三章(創薬の流れ)
を一読しておくこと!
1) 創薬化学; 医薬品を作るための学問
有機化学を基盤として,疾病の治療・診断・予防に有効な
化学物質(医薬品)を創製・開発する総合的学問である.
創薬化学
ゲノム化学
薬理学
生化学
有機合成化学
代謝化学
有機物理化学
医薬品とは
医薬品;薬事法により定められている.
日本薬局方に収載されているもの
人または動物の疾病の診断,治療または予防に使用され
ることが目的とされているものであって,器具機械ではない
人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすこと
が目的とされているものであって,器具機械ではない
一般用医薬品
種類: 約13,000種類
生産高: 約1兆円
医療用医薬品
種類: 約3000種類
生産高: 約6兆円
新薬
ジェネリック医薬品
医薬品(創製)の歴史;古代から中世の医薬品
古代の医薬品;
中世;
主に植物成分を使用
世界最古の処方;BC2100年頃(シュメール人の処方)
ガム樹脂, 白洋ナシの木の根
薬草を選別して用いるようになった.
ルネサンス時代; 薬草畑がヨーロッパ全域に広がった.
13世紀;
ベニス(イタリア)で最初の薬局が開業.
1580年;
植物園(植物学と薬草の使用法教授目的)を
設立(薬学部の先駆).
古代・中世では純粋な医薬品の処方までには至っていない!
医薬品(創製)の歴史;近代化学(18世紀~19世紀前半)
18世紀;
近代科学が進歩し, 有機化学が発展し始めた.
重要な発見;尿素の合成(ウェーラー)
無機物から有機化合物を合成できる!
無機物のシアン酸銀に塩化アンモニウム水溶液を加えて加熱したり、シアン酸鉛と
アンモニア水の混合物を熱したりすると,人や動物の体内で、主にタンパク質が代謝
されるときに生じる有機化合物尿素が合成できることを偶然発見した.
19世紀;
1803年;
1816年;
1820年;
1831年;
今日知られている代表的アルカロイドが19世紀に
発見・分離された.
モルヒネ (morphine)-------アヘン
ストリキニーネ (strychnine)----マチン
カフェイン (caffeine)-------コーヒー
アトロピン (atropine)-------ベラドンナ
医薬品(創製)の歴史上の重要な発見;アルカロイド
主に植物中に含まれる窒素含有有機化合物の総称
顕著な生理作用を示す塩基性化合物は,“アルカリ
に似た” という意味からアルカロイドと呼ばれる.
モルヒネ----- アヘン-- - -鎮痛・鎮静作用等(依存性の麻薬)
ストリキニーネ-- -マチン-- - -中枢興奮作用等(猛毒)
カフェイン-----コーヒー --- 覚醒作用,利尿作用等
アトロピン-----ベラドンナ---抗コリン作用等
モルヒネ
ストリキニーネ
アトロピン
NH2
有機化学IIで学習した芳香族化合物に比べ,極めて構造は複雑!
COOH
医薬品(創製)の歴史;近代科学(19世紀後半)
19世紀の終わり頃;
近代科学の進歩の結果,製薬産業が勃興.
染料産業の副産物から純粋な合成医薬品
が製造される.
アセトアニリド, サリチル酸, アセチルサリチル酸 (鎮痛薬)
* 1899年に代表的鎮痛薬アスピリンが市販された (バイエル社).
クロロホルム, エーテル (麻酔薬) 亜硝酸アミル (血管拡張薬)
NHCOCH3
CO2H
CO2H
OH
O
CH3
O
アセトアニリド
サリチル酸
アセチルサリチル酸
(アスピリン)
19世紀後半に純粋な医薬品の製造が始まった!
医薬品(創製)の歴史; 20世紀;創薬化学の時代
薬理学の進歩
受容体(薬物の生体に
おける受け皿)の概念
(J. Langley)
有機化学の進歩
合成法の開拓
反応剤創製
単離・精製技術向上
分析技術の向上
生化学の進歩
DNAの構造解明
遺伝子組み換え技術
創薬化学(Medicinal Chemistry)の発展
純合成医薬品の創製
天然物誘導体の創製
医薬品(創製)の歴史; 20世紀;創薬化学の時代
1940年代;
抗生物質の時代
プロントジル(サルファ剤),ペニシリン,
テトラサイクリン,ストレプトマイシン等の発見
1950年代;
向精神薬の時代
クロルプロマジン(メジャートランキライザー)
メプロバメート,クロルジアゼポキシド(マイナー
トランキライザー)等の発見
1960~1970年代;
心疾患治療薬の時代
ピンドロール,アセブトロール(β遮断薬)
ジルチアゼム,ニフェジピン(カルシウム拮抗薬)
ヒドロクロロチアジド,スピロノラクトン(降圧薬)
等の発見
現在臨床使用されている医薬品の大半は1950年代
以降に開発された医薬品である.
医薬品(創製)の歴史; 20世紀;創薬化学の時代
人体のメカニズムと病気の
発症機構に基づいて論理的
に薬を作る機運が高まる!!
偶然の発見からの脱却
(モルヒネ,抗生物質)
成功例
シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬; 消化性潰瘍薬)
カプトプリル(ACE阻害剤; 高血圧治療薬)
完全に理論だけで医薬品はできるか?
No!
論理的に薬を作る下地は整ってきた.しかし,今でもまだ論理的に医薬
品は創製できず,創薬化学者の豊富な経験と勘に頼る部分が多い!
医薬品(創製)の歴史
創薬化学研究の現在・未来
21世紀の今日;理論的な創薬へ向けて周辺科学の粋を
取り込んだ統合創薬化学へ進化
ゲノム化学
遺伝子
治療技術
従来の
創薬化学
ハイスループット
スクリーニング
組み換えDNA技術
再生医療
進化した
創薬化学
コンビナトリアル
ケミストリー
医薬品(創製)の歴史
本講義の到達目標;
古典的な医薬品開発から理論的な創薬への歴史について説明できる.
1) 創薬化学とは
有機化学を基盤として,疾病の治療・診断・予防に有効な化学
物質(医薬品)を創製・開発する総合的学問である.
2) 医薬品(創製)の歴史
古代・中世には薬用植物が主に用いられていた. 19世紀末に
合成医薬品の創製が始まる. 現在用いられている医薬品の
大半は20世紀後半の,ここ50年位の間に創製された.
3) 創薬化学研究の現在
21世紀の創薬化学は,周辺科学の粋を取り込んだ統合創薬
化学の様相を呈している.
質問します!
Q.1 新薬開発に必要な期間は?
①1−5年 ②5−10年 ③10−20年
Q.2 新薬開発に必要な費用は?
①10億円位 ②100億円位 ③500億円以上
お薬創りには莫大な費用と時間がかかります
10-20年
約500-1500億円
平成22年度生涯賃金
新卒から定年退職までの
総賃金(毎月の基本給、
残業代、ボーナス含む)
一つのお薬を世
に送り出すには、
約200人~250人
分の生涯賃金が
必要!
19
製薬業界の現状を認識しよう !
9-17年
2-3年
薬物標的
同定
リード リード
発見 最適化
3-5年
3-7年
非臨床試験
臨床試験
(治験)
1-2年
申請
承認
563,589化合物
83化合物
26化合物
成功確立
1/6,790
1/21,670
近年の創薬プロセスで,一つの医薬品が製品化されるまでに約9~17年
にも及ぶ期間ならびに500億円を超える開発費が必要である.研究開発
費用の内7割強は臨床試験までに投入されている。
20
製薬業界の現状を認識しよう !
製薬業界の現状を認識しよう !
2007年の日本における5新薬
の1つが,宮地創製のウリトス!
製薬業界の現状を認識しよう !
理論的な創薬へ向けての昨今の取り組み
山下教授
講義の前ふり
従来,薬は合成と評価の繰り返しという,創薬化学の標準法で,
リード化合物を系統的に修飾することにより設計合成された。目的
疾患に関わる標的蛋白質の詳細な構造に基づき,より理論的な方
法で薬物設計できることを多くのメディシナルケミストは夢見てきた。
この夢は標的分子と化合物の三次元的相互作用を視覚的に捉える構造
生物学技術により可能となった。化合物の形や標的蛋白質との相互作用
に基づき,薬としての性能を高めた新しい化学物質を設計することが可能
となった。
この方法では結合様式を確認しながら,阻害剤の修飾改変を行なっていく
ので,非常に効率の良い薬物設計が可能になる。
従来,構造生物学技術には課題が多かった。しかし,遺伝子工学技術進歩,
蛋白質結晶化法の蓄積,放射光の利用も含めたX線回折データ測定装置
の進歩により,構造解析に要する時間が大きく削減され,薬物開発のス
ピードに十分間に合うようになりつつある。
従来のオーソドックス創薬事例
O
NH2
N
CH3
N
現在キョーリン(株),小野薬品工業(株)にて国内医家向けに販売.
2011年からはエーザイ(株)がアジアでの販売を開始!
ウリトスの開発経緯
アイデア発想;
テ-マ開始;
特許出願;
小野薬品;
承認申請;
承認;
販売;
特許切れ;
1992年
1993年
1995年
2000年
2004年 約14年
2006年
2007年
2015年
O
NH2
N
CH3
N
薬局で購入する錠剤(粉)全てが薬ではありません!
原薬(有効成分)
医薬品に含まれる物質のうち薬理活性を示す物
O
NH2
N
CH3
N
賦形剤
錠剤
原薬に賦形剤等を加えたもの
を圧縮形成した固形の製剤
成形の向上や服用を便利にするために加え
る添加剤。錠剤では、乳糖やデンプン等
(ウリトスの赤は酸化鉄:分解防止)
Structural modification
Introduction of a
carbamoyl group
C
D
O
NH2
N
B
Introduction of
an imidazole
A: Imidazole moiety
B: Linker methylene moiety
C: Diphenylmethyl moiety
D: Benzylic substituent moiety
N
N
A
Synthesis of the present series
R1
R1
R
1
N
A
R2
R2
R4
NC A
N
a
X
R5
R2
R4
H2NOC A
N
b
N
N
R3
R3
A = linker methylene chain; X = Br, Cl
R5
1-25
O
O
O
Y
OH
NH2
c
N
Me
N
N
O
N
N
NH2
NH2
N
30 (from 28)
O
O
f
Me
N
Y = OMe (28), NHMe (31), N(Me) 2 (32)
OH
OEt
Me
N
N
29
N
e
d
Me
N
Me
OH
g
R7
Me
N
N
27
約500化合物を合成し評価を行った.
N
R7
+
N
N
33-40
R8 X
337番を選択
O
Effect of Imidazole Substituent
NH2
R
N
N
K b (nM)
No.
R
1
H
2
2-Me
3
4
5
6
7
8
9
M3
5.07
M2
M2/M3
a)
M1/M3
5.99
13.5
1.18
0.317 4.13 0.552
13.0
1.72
2-Et
78.1
2-n- Pr
177
2-i- Pr
1.80
4,5-diMe
2.70
4,5-diEt
3.98
10.1
4-Me
5-Me
0.865
Oxybutynin 3.44
68.4
M1
256
254
28.5
8.66
90.5
31.3
9.59
5.00
N.T. c)
N.T.
31.9
N.T.
N.T.
10.4
3.40
2.45
3.30
1.43
15.8
3.21
22.7
3.10
11.1
1.45
17.7
1.03
3.95
0.712
b)
A
Effect of Diphenylmethyl
Moiety
O
B
No.
A
2
Ph
K b (nM)
M3
M2
B
Ph
0.317
22 4-FPh
4-FPh
9.85
23
Ph
4-MePh c)
24.6
i- Pr c)
394
24
Ph
25
Ph
Cyclohexyl c)
19.0
26
Ph
2-Pyridyl c)
2.86
2140
27 Dibenzosuberan-5-yl
28
Xanthen-9-yl
>1000
4.13
161
743
N.T. b)
603
50.1
N.T. b)
N.T. b)
NH2
N
Me
N
M2/M3 a)
13.0
16.3
30.3
31.7
17.5
-
In vivo Effect (1)
Table 1 The inhibitory effects of KRP-197 and oxybutynin on the isobolumetric bladder
contraction and the decreased capacity elicited by carbachol in conscious rats
Isovolumetric bladder
contraction
Drugs
(ED30, mg/kg, i. d.)
a)
Decreased bladder
capacity
(ED50, mg/kg, i.g.)
b)
0.11 (0.058-0.20)c) 0.074 (0.021-0.17)c)
KRP-197
c)
oxybutynin
2.1 (1.2-3.5)
c)
1.1 (0.78-1.6)
a): Intraduodenal administration. b): Intragastric administration. c): Figures in parentheses are 95% confidence limits.
O
NH2
N
CH3
N
ウリトス構造に辿り着くまで
に紆余曲折して2年かかった.
Structure of the human M2
muscarinic acetylcholine receptor
bound to an antagonist
Haga K, Kruse AC, Asada H, YurugiKobayashi T, Shiroishi M, Zhang C, Weis
WI, Okada T, Kobilka BK, Haga T,
Kobayashi T
Nature (2012) 482 p.547
33
X線結晶構造解析までの流れ
Cocrystallization
0.1 mm
X-ray (spring8)
結晶化に1年以上
かかりました!
Data collection
Refinement
X線結晶構造解析までの流れ
精製・結晶化手順
組換えタンパク質の発現
結晶化:ハンギングドロップ蒸気拡散法
宿主大腸菌:BL21(DE3)
アポ型PPARγBLD結晶化条件(20℃)
プラスミド:pET28a-hPPARgammaLBD
・タンパク質
37℃にてOD660=0.6まで培養後、1mM IPTG添加し、
18mg/ml PPARγLBD
16℃にて48時間で発現。
in 20mM Tris-HCl (pH 8.0), 150mM NaCl
・リザーバー
100mM HEPES (pH 7.5)
粗抽出
0.75~0.90M Sodium citrate trihydrate
・超音波破砕による大腸菌の破砕
・ポリエチレン処理(菌体由来DNAや脂肪酸除去)
・60%飽和硫安沈澱(ポリエチレンイミンの除去)
カラムクロマトグラフィー
・ニッケルキレートカラム(GEヘルスケア HisTrap)
・スロンビンプロテアーゼによるHistag切断
・ベンザミジンカラム(GEヘルスケア)による
スロンビンプロテアーゼ除去
・ニッケルキレートカラム(素通り回収)
・陰イオン交換クロマトグラフィー
(GEヘルスケア HiTrapQ) (素通り回収)
ソーキング法による複合体結晶調製
・リガンドを含むリザーバー溶液にアポ結晶を浸漬。
X線結晶構造解析までの流れ
X線回折データ収集(SPring-8 BL38B1)
データ収集
分解能 (Å)
空間群
格子定数
完全性 (%)
Rmerge (%)
2.1
C2
a=93.2 Å, b=61.1 Å
c=119.3 Å, b=103.1º
98.3
5.3
精密化
R/free-R (%) 21.5/25.8
Rmsd
Bonds (Å) 0.009
Angles (º) 1.0
温度因子(Å2)
タンパク質 54.5
リガンド
60.1
X線結晶構造解析までの流れ
構造精密化
O
O
O
N
データ収集
分解能 (Å)
空間群
格子定数
完全性 (%)
Rmerge (%)
2.1
C2
a=93.2 Å, b=61.1 Å
c=119.3 Å, b=103.1º
98.3
5.3
精密化
R/free-R (%) 21.5/25.8
Rmsd
Bonds (Å) 0.009
Angles (º) 1.0
温度因子(Å2)
タンパク質 54.5
リガンド
60.1
N
H
N
H
N
O
O
S
X線結晶構造解析までの流れ
構造精密化
O
N
H
N
完全性 (%)
Rmerge (%)
2.1
C2
a=93.2 Å, b=61.1 Å
c=119.3 Å, b=103.1º
98.3
5.3
精密化
R/free-R (%) 21.5/25.8
Rmsd
Bonds (Å) 0.009
Angles (º) 1.0
温度因子(Å2)
タンパク質 54.5
リガンド
60.1
O
N
H
O
N
データ収集
分解能 (Å)
空間群
格子定数
O
O
S
構造生物学に基づく創薬研究事例
山下教授
講義の前ふり
構造生物学により,結合様式を確認しながらリガンドの修飾改変を
行なっていき,非常に効率の良い薬物設計合成が可能となった
PPARリガンド創製の夢
全てのサブタイプ選択的
PPARリガンドを網羅したい!!
これまでの宮地PPARリガンド研究総括
O
F
F
N
H
F
OH
Toward PPAR α/δ
dual
O
O
KCL
α
Toward PPAR pan
O
N
HO
F
FF
O
F O
F
FF
O
O
N
H
OH
O
OH
O
N
H
O
O
OH
N
H
O
TIPP-401
OH
F
O
Toward PPAR δ
specific
O
O
N
HO
F
FF
OH
TIPP-703
γ選択的アゴニスト
が無い!
フェニルプロピオン
酸型では不可能な
のか?
γ
δ
F
F
F
TIPP-204
O
N
H
F
O
OH
O
化合物展開例; γ活性付与からγ選択性へ
F
O
COOH
N
H
H
O
F
疎水性末端部分の嵩高い置換
基導入でγ活性が向上。
では酸性頭部部分の変換はγ
活性にどう影響するのか?
各サブタイプPPARLBD複合体X線結晶構造
どれも同じように
は見えるけど?
TIPP-703-PPARαLBD
TIPP-204-PPARδLBD
γ
TIPP-703-PPAR LBD
α位置換基収容ポケットの比較 (γ VS α)
O
O
N
H
OH
O
R
αのTyr314の方
がγのHis323より
側鎖が大きい !
Gln286
Gln277
Cys285
Cys276
γ VS α
His323
Tyr314
His449
His440
Phe363
Phe273
Leu453
Val444
γの方が間口が
広い!
α位置換基収容ポケットの比較 (γ VS δ)
O
O
N
H
OH
O
R
Cys285
Cys285
Gln286
Gln286
Leu469
Leu469
γ VS δ
Phe363
Phe282
γの方が奥行き
が深い!
His323
His323
His449
His449
Leu453
Met453
δのMet453の方が
γのLeu453よりも
側鎖が大きい!
化合物展開; γ活性付与からγ選択性へ
O
O
N
H
OH
カルボキシ基α位へ
嵩高い置換基を!
O
TIPP-703
PPAR-pan
O
O
N
H
OH
O
R
O
O
N
H
OH
O
PPARγ 選択的!?
α-ベンジルフェニルプロピオン酸誘導体のPPARs活性
N
H
OH
O
N
H
(R)-1
N
H
OH
O
O
O
O
O
O
O
O
OH
O
O
N
H
(S)-1
(R)-TIPP-703
OH
O
(S)-TIPP-703
EC50 (nM)
Compd.
stereo
PPARα
PPARδ
PPARγ
(R)-1
(S)-1
R
S
R
S
ia
ia
ia
ia
3.60±1.10
500±50.0
870±70.0
83.0±10.0
TIPP-703
Rosiglitazone
54.0±8.00
ia
22.0±4.00
130 ±40.0
ia
41.0±9.00
43.0±3.00
‘ia’means inactive at 10µM
シャトルカード記述課題
1) 以下の(
)内に適切な語句を記せ.
医薬品は( A )により定められている。
医薬品とは,人または動物の( B )に使用されることが目的とされているも
の であって,器具機械ではない。
医薬品とは,人または動物の( C ) ことが目的とされているものであって,
器具機械ではない。
古代・中世には( D )植物が主に用いられていた. ( E )世紀末に
( F )合成医薬品の創製が始まる. 現在用いられている医薬品の大半は
( G ) ,ここ50年位の間に創製された.
2) X線結晶構造解析法の,創薬における有用性について記せ.