ESを一層高め、もっと良い会社にしていきたい 札幌トヨペット 阿部 誠司社長 消費税の増税後も高級クロスオーバーSUV『新型ハリアー』の人気が止まらないという阿部社長に経営や販売戦略などを聞 いた。 「いま、高級車は多様化しています。新型ハリアーはお客様のニーズにマッチした遊び心のある楽しいクルマということなど で受けていると思います。当社の主力車種はマークXですが、新型ハリアーを準主力車種にして育て増販を図っていきたいと 考えています」と専売車種の好調な売れ行きに喜びを隠さない。 「当社は創立が昭和31年と歴史があり、店舗は比較的大きな土地に大型店が多く設置されています。それだけに、従来よ り店舗の新築、リニューアル化を推進し、お客様の新車のご購入、ご購入後のお車の点検・整備の際に気持ちよくおすごしい ただけるショールームづくりを目指して来ました。 加えて近年では、ES(社員の満足)を高めることに積極的に取り組んでいます。特に、仕事の能率を向上させるサービス工 場の社員休憩室の冷暖房設備の導入、トイレのウオッシュレット化、また最新リフト機や自動洗車機の導入等、働きやすい環 境を実現しています」と社員のES向上のための施策に余念がない。 「本社の現社屋も古くなってきたので、2年後をメドに建て替える計画です。広大な土地、地下鉄駅に隣接し、札幌の名所、 札幌ドームに近いなど、これほど優れた立地条件はありません。この好立地を生かし、お客様や地域に親しまれ、役立つ社屋 を建てたいと考えています」 一方、CS(お客様の満足度)の向上にも積極的だ。 「当社の店舗にお客様が、いかに来店していただけるか、そして満足して、楽しんでいただけるかを研究しています。社内 に『奥様の味方プロジェクト』を立ち上げました。キッズコーナーの充実など、女性客、家族連れのおもてなしを大切にする戦略 です。例えば、ミニ・カフェを開く『おもてなしフェア』と銘打つイベントも開催しています。 また、社内に100名を超える介助専門士の資格取得者がいますので、福祉車両の対応にももっと取り組んでいきたいと思い ます。 さらに、店の魅力づくりの一環として、ワンちゃん連れでくつろいでいただける店舗をつくりました。新車32店舗の内、9店舗 (岩見沢、江別、元町、新琴似、琴似、白石、厚別、苫小牧、室蘭)にドッグラン施設を設置しています。本社は建て替え時に 設置の予定です」と札幌トヨペットファンづくりにユニークな企画を立案する。 「今年4月に、エンジニア18名、営業職11名、合計29名の新入社員が入社しました。『新入社員は先輩を見て育つ』、つま り、先輩社員の一挙手一投足を見ています。人材の育成は最優先の経営課題ですので、ESを一層高め、もっと良い会社にし ていきたいと考えています」という阿部社長の斬新な経営戦略が注目される。 『新生ネッツトヨタ札幌』、発展には社員の意識改革と自己啓発が必要 ネッツトヨタ札幌 西島 悟社長 同社は、昨年、創立45周年プロジェクトの一環で本社・中央店を新築、新たなスタートを切った。今年は2004年5月に旧ネッ ツ店と旧ビスタ店がひとつになった『新ネッツ誕生』10周年を迎え『新しい未来へ走りだそう』をコンセプトに記念キャンペーンを 展開中。 まさしく、『新生ネッツトヨタ札幌』と言えるが、西島社長に抱負などを聞いた。 「新社屋の3階は会議室となっていますが、お陰様でスペースは広く、35名ほど集まる店長会議にゆったり空間で落ち着い て良い会議ができるようになりました。今後は、会議室を有効活用していきたいと思います。また、ここで初めての入社式を行 い16名(営業スタッフ6名、エンジニア10名)の新入社員を迎えることができました。祝辞で『努力をしないものは愚痴を語る。努 力をするものは未来を語るという言葉があるように、ぜひ未来を語る社員になって欲しい』とエールを送りました。ただ、今年は 女性の採用がありませんでした。今後は女性を採用する視点と募集の仕方を工夫していかなければならないと考えています。 これからはネッツ店のイメージからも女性の戦力は必要ですね」 「25年度決算は増収増益でした。売上高201億円は過去最高です。新車販売は6334台〈軽含む〉(前年5950台)と伸ばしま した。今年は売上190億円(前年比10%減)、利益は102%を目指します。また、新車販売は5910台と設定しました(同7%減) が、今年度は消費税増税などで見通しが難しい面がありますが、新ネッツ誕生10周年でもあり、積極的に増販に取り組んで 行きたいと考えています」 「ネッツ店では、全てのランナー、そして全てのドライバーを応援したいという想いから、『RUN&DRIVE』のコラボレーション キャンペーンを実施中です。オリジナルシューズやオリジナルコラボカーの情報など、特設サイトで様々な情報を発信していま すが、是非お近くの当社の店に寄って楽しんで頂きたいと思います」と新ネッツ誕生10周年記念企画をPRする。 「昨年4月に初めて社内報を発行しました。会社や社員の情報を発信し、コミュニケーションを図って、社員のモチベーション を上げるという社内報効果は徐々に出てきていると思います。 これからは、従業員が誇りを持てる会社、評価は公明正大に、そして、未来を語る社員に成長して欲しいと思います。その ためには、会社に何をして欲しいかではなく、自分は何ができるかを考える自己啓発の高い社員を望んでいます。また、若い 人の失敗を認める社風も必要ですね」と社員の意識改革の必要性を力説する西島社長の会社発展への思いは深い。 『お客様とクルマ、ダイハツの新しい 関係構築』の新型コペンに期待 ダイハツ北海道販売 細田 真一社長 年々、軽自動車比率が高まっている北海道市場。この6月4日に札幌地区軽自動車協会会長に就任した細田社長に、軽自 動車市場の動向と、6月に発売予定の新型「コペン」の魅力や同社の経営戦略などを聞いた。 「札幌(陸事管内)でも、新車販売に占める軽自動車の販売比率は高くなっていますが、全国に比べるとまだまだ増販の余 地があります。つまり、2年前の2012年度は、札幌が31.8%、全国37.9%で、全国比6.1ポイントのマイナス、2013年度は、札幌 34.6%、全国39.7%で全国差は5.1ポイントあり、その差はあまり、縮まっていません。 積雪地での軽比率が高まってきた大きな要因は、雪道での除雪の整備、どのモデルでも4WD車が設定され、使い勝手が向 上していることなどが挙げられますが、税や燃費などの経済性やクルマの安全性などの進化に加え、昨今の経済環境や少子 高齢化などの社会的状況で軽を選ぶユーザーが増えてきたと考えられます」 「全国軽協は軽普及促進の北海道キャンペーンを昨年から展開していますが、今年はマス媒体を中心に軽の普及拡大を推 進していく予定です」と軽自動車の普及に積極的に取り組む構え。 「当社は今、タント、ムーヴ、ミラなどのベストセラーカーを扱っていますが、ホンダのN-BOX登場で軽市場に変化、影響が出 てきていると思います。例えば、タントは女性客に人気のクルマでしたが、男性客も増えてきました。新しいコンセプトのクルマ は市場、ユーザー層を変えるということです。 また、クルマのダウンサイジング化(売れ筋がコンパクトカーや軽自動車へ移っていくこと)が進んでいると思います。登録車 から軽自動車へという傾向は、お客様にとって購入の選択枝が増えるわけで、営業担当者の提案力、商談力の一層の向上 が求められます。他社客をいかに取り込むか、車検の掌握率など登録車販売店から『学ぶ時代』になったとも考えています」と 軽自動車時代を迎えて、変化に対応する経営が必要であるという細田社長。 「今話題のオープンスポーツモデル『新型コペン』ですが、6月19日発表、発売の予定です。スポーツカーにふさわしい走行 性能を発揮するクルマです。 当社では宮の森店に2名の専任スタッフを配置し、説明対応に当たります。 新型コペンは『お客様とクルマ、ダイハツの新しい関係構築』をキーワードに、ダイハツ車のブランド力が上がるクルマと社員 も皆、ワクワク感で発売を楽しみにしています」 「このような商品力の強化と共に、販売店では、サービス力の向上が求められます。当社では、昨年の美しが丘店に続い て、今年7月に発寒店がオープンします。さらに、札幌市内の拠点強化を計画しています。また、ハードの店舗と共に、店長等 の人材育成も着々進めています」と社長就任以来、同社の変革はめざましく、細田社長の経営時計の針は、止まることを知ら ない。 新生札幌支部、業界の発展に全力を尽くしたい 自販連札幌支部 福田 昇専務理事 「公務員から民間の仕事に転職し目下勉強中ですが、微力ながら業界のために全力を尽くしたい」と抱負を語る福田専務 理事。5月1日付で就任した。前職は北見運輸支局長。 札幌支部は今年1月に室蘭支部と統合。総務・経理などを札幌に集約、登録関係業務は事務取扱所として室蘭に残す。 「室蘭支部との統合で、私を始め、札幌支部の職員はこれから室蘭に出掛ける機会が増えるなど、多忙になりますが、職員 一同一生懸命頑張りたい」と意欲を見せる。 北海道運輸局時代は、北見、旭川、札幌の各支局をジプシーした“石北線勤務“でしたと微笑む。運輸局入所の動機は、公 務員試験に運良く受かったことと、学生時代からクルマが好きだったからと言う。特に、ロータリーエンジンに興味があり、高校 時代に普通運転免許を取得し、社会人になって待望のロータリーエンジンのマツダサバンナを中古で購入したとマイカー歴を 語る。 「北海道運輸局で一番の思い出は、北海道運輸局鉄道部時代に起きた石勝線の特急スーパーおおぞら脱線火災事故(平 成23年5月)ですね。鉄道管理業務も担っていましたので、本省と事故対策本部を立ち上げ、事故処理の現場検証やその後 のJR北海道の運輸安全対策などの対応に多忙でした」と手腕を発揮してきた当時を振り返る。 また、「北海道運輸局の仕事は,地域とのつながり、地域づくりの役割がありますね」と地元の活性化と地方の発展ために も尽力してきた。 自分の性格について「細かいところがあるが、おおらかな性格、おっちょこちょいなところも」と謙遜する。また、「人好きでス トレスがたまらない性格。血液型はAB型ですが、私の性格を見て初めは誰も信じてくれません」と苦笑する。 行動的で性格的にも魅力的な福田専務理事に、事務方の責任者として業界の発展寄与に期待がかかる。 「背伸びせず、なるがままに(生きる)」がモットー。 ◇プロフィール 福田 昇(ふくだ・のぼる) 昭和30年(1955年)7月10日常呂郡佐呂間町生まれ、58歳。 昭和49年3月佐呂間高校卒業、同年4月北海道室蘭陸運事務所入所。 平成16年4月北海道運輸局企画振興部 企画課長補佐 平成18年同局旭川運輸局総務企画担当首席運輸企画専門官(課長職) 平成20年4月同局交通環境部 環境課長 平成22年4月同局鉄道部計画課長 平成24年4月同局北見運輸支局長 平成26年4月退職 平成26年5月自販連札幌支部専務理事就任、現在に至る 趣味は渓流釣りで、ヤマメを肴にしての酒は最高という和食派。 また、DIY(日曜大工)、花や野菜造りのアウトドアも好む。 家族は今、奥様と二人、二人の娘さんは既婚で独立。
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