ファストファッションと消費者の関心 ―ユニクロからみる低価格衣料品産業の成長― 10284GHU 西 村 真 由 香 1. はじめに 現在、日本には多くのファストファッションブランドがある。ファストファッションとは低価格で かつ、流行を素早く取り入れたブランドやその業態のことである。日本の代表的なブランドと言えば ユニクロではないだろうか。ユニクロはベーシックカジュアルを謳い、どんな年代でも着ることので きる衣料品を提供している。また外資系のブランドであるフォーエバー21 や H&M も 20 代の消費者を 獲得しようとデザイン性に富んだものを提供している。このファストファッションの成長と日本の代 表的なブランドであるファーストリテイリングのユニクロの成長戦略とファストファッションに対す る 20 代の消費者の消費行動について考察する。 2. ファストファッションの成長 ファストファッションの人気に火をつけたのは 2008 年 9 月に日本初上陸として東京・銀座に新規出 店した H&M である。そして低価格であったファストファッションもファッション性が上がり、安カワ (安くてかわいい)というファッションが若者の中でも流行をみせた。またファストファッションとい う呼び方が一般に出始めたのは、H&M の日本初出店頃からだと言われている。そして 2009 年に流行語 大賞を受賞したので一気に広まっていったことが分かる。またユニクロに関しては、現在国内での店 舗数は 2013 年 8 月において 835 店舗あり、飽和状態となっている。成長のためには海外進出と姉妹ブ ランドであるジーユーの成長がカギとなってくる。 筆者は、20 代の大学生 50 人に対しファストファッションに関する意識調査を行った。その結果とし てファストファッションを利用したことのある消費者が全体の約 9 割もおり、また 1 ヶ月で衣服に使う 金額の内、約半分を低価格衣料品に使っていることがわかった。 3.ユニクロの成長と戦略 ファストファッションは今では低価格、高品質でファッション性が高くなってきているということ が一般的に知られるようになった。特にユニクロは成長を重ね、今では国内最大のファストファッシ ョンブランドとなっている。またユニクロは柳井氏 1 人の指示で動いているので、新事業が失敗したと きの事業判断もスピーディにでき、損失も少なく抑えることが出来る。これもまたユニクロが急成長を 遂げた理由なのではないだろうか。そしてこれからのユニクロは売上目標の 5 兆円に対して国内店舗が 飽和状態のため世界での成長が必要不可欠であり、バングラデシュなどの世界最貧国市場への出店を している。他のファストファッションブランドと差をつけるための戦略の一つなのである。また、ユ ニクロは「ベーシックカジュアル」を謳っているので他のブランドより 20 代に対しての集客力が弱い と言えるが、第二ブランドであるジーユーで顧客を取り込むことで若い消費者の獲得に成功してい る。 4.おわりに ファストファッションに対して 20 代の消費者たちは非常に関心があることがわかった。ユニクロも よく利用するが、特に外資系ブランドを好んで利用しているようである。やはり衣料品に対する消費 金額が多い年代であるのでこの年代を取り込むことが大事である。20 代の大学生 50 人の対して行った アンケート調査では、価格やデザイン性に重点を置くということが明らかになった。流行のファストフ ァッションブランドは 20 代の消費者の嗜好をうまく取り入れているのである。 【参考文献】川嶋幸太郎(2009)「ファストファッション戦争」皆川豪志 発行(編)『ファストファッション戦争』産経新聞出版
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