大岩街道周辺地域における違反建築物の除却命令について

(お知らせ)
平成27年 2月 6日
都
市
計
画
局
担当 都市景観部開発指導課
TEL 222-3558
担当 建築指導部建築安全推進課
TEL 222-3613
大岩街道周辺地域における違反建築物の除却命令について
本市では,大岩街道周辺地域において,平成22年に策定した「大岩街道周辺地域の
良好な環境づくりに向けたまちづくりの方針」に基づき,取組の方向性を明確にし,違
反建築物の是正指導を進めています。
当該まちづくりの方針の中で,緑豊かな環境の再生を誘導するAエリアについては,
違反建築物ゼロを目指し,行政代執行も視野に入れて,強力に是正指導を進めています。
これまでから継続して是正指導を行ってきましたが,その指導に従わず都市計画法及
び建築基準法に違反している者(以下「違反者」という。)に対して,下記のとおり平
成27年2月6日付けで,都市計画法第81条第1項及び建築基準法第9条第1項の規
定に基づき,平成27年4月6日を是正期限とする違反建築物の除却命令を発令しまし
たので,お知らせします。
引き続き,自主是正がなされるよう,指導に臨んでまいります。
記
1
大岩街道周辺地域(Aエリア)の除却命令案件 2件(位置図等は別紙1のとおり。)
⑴ JACタカギ
・ 違 反 者:髙木 保典
・ 所 在 地:京都市伏見区深草砥粉山町11番15
・ 用
途:作業場
・ 敷地面積:約300㎡
・ 構
造:鉄骨造平屋建て ほか
・ 是正期限:平成27年4月6日
・ 違反内容:都市計画法第43条(市街化調整区域における無許可建築)
建築基準法第6条(無確認建築),第43条(無接道建築)
⑵ 松本工務店
・ 違 反 者:松本 正治
・ 所 在 地:京都市伏見区深草飯食山町14番1及び14番2
・ 用
途:倉庫
・ 敷地面積:約1,238㎡
・ 構
造:鉄骨造2階建て ほか
・ 是正期限:平成27年4月6日
・ 違反内容:都市計画法第43条(市街化調整区域における無許可建築)
建築基準法第6条(無確認建築),第43条(無接道建築)
(参考)大岩街道周辺地域における現在に至るまでの経過
・ 大岩街道周辺地域は,かつての大規模な野外焼却等の被害を及ぼす行為は沈静
化したものの,作業場,資材置き場等の無秩序な土地利用の中で,違法建築物の
建築,産業廃棄物の法令基準に適合しない堆積,焼却等が続いていました。
・ 本市では,そうした当該地域の環境問題を抜本的に解決し,周辺地域と調和し
た良好な環境を実現するため,平成22年3月に「大岩街道周辺地域の良好な環
境づくりに向けたまちづくりの方針」(別紙2)を策定し,地域の特徴等を踏まえ
て以下の三つのエリア(A・B・C)に区分し,地域の将来像や地域主体の環境
づくりに向けたまちづくりのための方向性を示しました。
Aエリア:稲荷山と連続した緑豊かな環境の再生を誘導
Bエリア:道路や下水道等の生活基盤が整った地域環境への改善を誘導
Cエリア:岡田山の先行撤去と,撤去後の環境整備を誘導
・ まちづくりの方針に基づき,Cエリアについては,長年の課題であった岡田山
撤去にも平成26年7月から着手しており,当該地域の良好な環境づくりに向け
て大きな一歩を踏み出すこととなりました。
緑豊かな環境の再生を誘導するAエリアについては,違反建築物ゼロを目指し,
行政代執行も視野に入れた,強力な是正指導を進めています。
<参考>
都市計画法(抜粋)
(開発許可を受けた土地以外の土地における建築等の制限)
第四十三条
何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、
都道府県知事の許可を受けなければ、第二十九条第一項第二号若しくは第三号に規定する建築物
以外の建築物を新築し、又は第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、又
はその用途を変更して同項第二号若しくは第三号に規定する建築物以外の建築物としてはなら
ない。(以下略)
(監督処分等)
第八十一条
国土交通大臣、都道府県知事又は市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し
て、都市計画上必要な限度において、この法律の規定によつてした許可、認可若しくは承認を取
り消し、変更し、その効力を停止し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事
その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、建築物その他の工作物若しくは物件
(以下この条において「工作物等」という。)の改築、移転若しくは除却その他違反を是正する
ため必要な措置をとることを命ずることができる。 (以下略)
建築基準法(抜粋)
(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第六条
建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しよう
とする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとな
る場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合
又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その
計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法
令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく
命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについ
て、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
(以下略)
(違反建築物に対する措置)
第九条
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違
反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請
負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の
所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限
を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他こ
れらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができ
る。(以下略)
(敷地等と道路との関係)
第四十三条
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同
じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建
築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防
火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限り
でない。(以下略)
(別紙1)
● 位置図
【広域図】
当該違反案件(赤色丸印)
N
岡田山
名神高速道路
大岩街道
大岩街道周辺地域(緑色破線内)
【付近図】
1(1):JACタカギ
N
1(2):松本工務店
岡田山
●
写真
1(1):JACタカギ
1(2):松本工務店
(別紙2)
大岩街道周辺地域の良好な環境づくりに向けたまちづくりの方針(概要)
1
策定の目的
~まちづくりの方針とは~ (平成 22 年 3 月京都市策定)
かつて大規模な野外焼却や違法開発が行われてきた大岩街道周辺地域について,周辺の自
然と調和した良好な環境づくりを実現するため,地域の将来像や推進方策等を明らかにし,
地域内の関係者が主体となった「まちづくり」を進めるためのもの。
2
地域の現状
対象地域は,伏見区深草地域の東端,名神高速道路以北の違反建築物が集積した地域。
概ね 40 ヘクタールの範囲に,約 200 件の違反建築物があり,道路等の公共施設が不十分
なまま,住宅,事業場,資材置場などが乱雑に立地。産業廃棄物の埋立てと積上げにより
形成された岡田山が存在する。
3
これまでの経過と残された課題
(1)取組の経過
平成18年3月 「良好な環境づくりの指針」を策定
まちづくりの誘導と違反建築物の厳正な指導を一体的に展開
平成20年3月 「まちづくりの方針(案)」を策定
地元関係者との意見交換に着手
8月~ パブリックコメント
平成22年3月 「まちづくりの方針」を策定
(2)残された課題
ア 事業所や住宅からの排水による七瀬川の汚濁・異臭
イ 排水施設の未整備による道路・宅地の冠水と降雨に伴う土砂の流出
ウ 風致と調和しない乱雑な土地利用による自然的景観の喪失
エ 不法投棄や廃棄物の不適正な処理
オ 岡田山の崩落の危険等に対する安全対策
4
まちづくりの将来像
(1)まちづくりの方向性
稲荷山を背景とした豊かな地域環境を保全・再生し,地域内及び周辺地域の住民が,
共に安心してくらせるまちの実現を目指す。
ア 緑豊かな環境の回復・保全
イ 市街地拡大の抑制
ウ 安全で円滑な交通処理
エ 安全なくらしを支える施設整備
オ 地域住民が安心してくらせる土地利用
(2)地域の将来像 ~3つのエリアの設定~
Aエリア
稲荷山と連続した緑豊かな環境の再生を誘導
Bエリア
道路や下水道等の生活基盤が整った地域環境への改善を誘導
Cエリア
岡田山の先行撤去と,撤去後の環境整備を誘導
(イメージ図)
Aエリア
(イメージ図)
(イメージ図)
Bエリア
5
Cエリア
まちづくりを推進する仕組み
(1)地区計画制度の活用
まちづくりを支援する制度として,市街化調整区域の地区計画制度の活用を想定。
地区計画づくりのための専門家を派遣する。
(2)岡田山撤去の先行実施
岡田山の撤去に必要な産業廃棄物処理施設の設置や処分業を許容し,
撤去と連動した地区計画づくりを支援する。
(3)良好な環境づくりを支援する助成制度の検討
道路など公共施設の改修や緑化推進等に対する市の助成制度を検討する。