EC C E Edwards Critical Care Education フロートラック システム ポケットカードのご案内 この度、フロートラック システムを用いた血行動態 管理を行う際にお役立ていただきたい情報をポケット カードにまとめました。 日頃モニターに接する機会が多い皆様にとって、 操作方法やパラメータの理解を深めていただく一助に なれば幸いです。 販売名:ビジレオ モニター 承認番号:21700BZY00328 販売名:フロートラック センサー 認証番号:21700BZY00348 製造販売元 本社:東京都新宿区西新宿6丁目10番1号 Tel.03-6894-0500 edwards.com/jp © 2011 Edwards Lifesciences Corporation. All rights reserved. EW-2011-010 1402_1_10000 第三版 心拍出量(Cardiac Output) 10 CO 0 フロートラック システムにより測定できる パラメータ一覧 Flo Tr ac フロートラック システム による パラメータ 心臓が1分間に送り出す血液の量(1回拍出量×心拍数) 心係数(Cardiac Index) CI SV SVRI 1回拍出量係数(Stroke Volume Index) 1回拍出量÷体表面積で算出する値 1回拍出量変化(Stroke Volume Variation) 1回拍出量の呼吸性変動を変化率(%)で表した値 体血管抵抗(Systemic Vascular Resistance) 左室の拍出に対する抵抗 50 SVR 心室が1回の収縮で拍出する量 40 SVV 1回拍出量(Stroke Volume) 30 SVI 20 心拍出量÷体表面積で算出する値 体血管抵抗係数(Systemic Vascular Resistance Index) SVR算出時、COの代わりにCIを使用したもの 60 各パラメータの基準値一覧 ビジレオ モニターでの表示位置 L/min L/min/m2 60 ∼ 100 mL/beat SVI SVR 800 ∼1200 dynes・sec/cm5 SVRI 10 ∼ 15 33 ∼ 47 1970 ∼ 2390 % mL/beat/m2 dynes・sec/cm5・m2 100 SVV に マークがついていたら マークは不整脈の影響で SVV 値が輸液反応性を SVV 65 正しく反映していない可能性を示します。 90 SVV SV ScvO 2 70% 以上 80 Cl 2.5 ∼ 4.0 △ 1 70 ・ 4.0 ∼ 8.0 CO 110 mm Flo Tr ac フロートラック システムの 基本的操作 ビジレオ モニターで使用頻度の高いボタンの解説 電源ボタン ◦起動時に患者情報(性別・年齢・身長・体重) を入力 ※体表面積(BSA) : 患者の身長・体重を入力すると自動的に計算 ◦アラーム時に誤って押さないようにご注意! 画面切り替えボタン ◦数値の表示方法が変化(下図参照) グラフトレンド画面 全データ画面 表トレンド画面 アラームサイレントボタン ◦押すとアラームが2分間消音 ナビゲーションノブ ◦左右に回して選択、中央を押すことで確定 フロートラック センサーのケーブル接続 セン サ ー から出 て い る2本 のケーブルのうち、緑色の方 をAPCOケーブルに接続 フロートラック センサーのゼロバランス調整 画面左上のCOフレームを選択し、 「ゼロ動脈圧」を選択。フロートラッ クの三方活栓を開き、大気開放 「ゼロ」を押してホームスクリーン に戻り、約40秒後にCO値が表示 EW-2011- 010 第三版 0 心拍出量の規定因子 Flo Tr ac 心拍出量 の 規定因子 心拍出量は複数の血行動態規定因子のバランスの上に成り立ち ます。 10 心拍出量 CO 20 心拍数 SV HR 後負荷 収縮力 Afterload Contractility 循環血液量 体血管抵抗 心臓が収縮する力 観察項目の例 観察項目の例 ◦血圧 ◦血圧 ◦体血管抵抗 ◦中心静脈圧 * (SVR) (CVP) (温度、皮膚色) ◦浮腫の有無と 程度 ※ 収縮力は本来、心 仕事量、心駆出率 などで評価します が、上記指標も参 考になります。 80 ◦肺うっ血の 有無と程度 (SV) ◦心拍数 70 ◦頚静脈怒張の 有無と程度 ◦末梢循環 ◦1回拍出量 60 ◦1回拍出量 変化(SVV) 50 観察項目の例 40 前負荷 Preload 30 1回拍出量 (呼吸困難) 90 ◦脱水の徴候の 有無と程度 ◦尿量、尿比重 SVR = 平均動脈圧(MAP) −右房圧(RAP) 心拍出量(CO) ×80 100 * 110 mm Flo Tr ac 心拍出量低下時の 影響 心拍出量低下時の影響 心拍出量が不十分な場合に各部位に与える症状を理解し、看護にあたる ことが重要です。 脳神経系 症状 原因 意識障害 脳への酸素 供給量の低下 PaCO2の上昇 呼吸器系 症状 肺うっ血 呼吸困難 原因 肺静脈圧の 上昇 肝臓系 症状 ◦肝腫大 ◦肝機能低下 原因 肝血流量の減少 静脈血のうっ滞 消化器系 症状 潰瘍 炎症 便秘 原因 消化管粘膜の 酸素不足 腎臓系 症状 原因 尿量減少 腎血流量の 腎機能低下 減少(腎虚血) EW-2011- 010 第三版 循環血液量が増加 10 循環血液量が減少 主な原因 0 前負荷 = 循環血液量の変化によるSV(1回拍出量)への影響 Flo Tr ac に SV(1回拍出量) 変化を 与える因子 主な原因 ・心不全 ・水分バランス過剰 30 心筋繊維の伸展が 限界を超えると… 20 ・出血 ・体液の喪失・移動 40 SV(1回拍出量)減少 SV (1回拍出量) SV (1回拍出量) 増加しない 治療例 ・輸液 ・輸血 ・利尿剤 ・輸液制限 70 [ Frank-Starling曲線 ] 60 治療例 50 増加 80 1回拍出量 90 前負荷 (心筋繊維の伸展) 100 110 mm Flo Tr ac に SV(1回拍出量) 変化を 与える因子 後負荷 = 体血管抵抗の変化によるSV(1回拍出量)への影響 体血管抵抗が上昇 主な原因 体血管抵抗が低下 主な原因 ・高血圧 ・昇圧剤投与 ・興奮 ・ショック ・心不全 ・血管拡張 ・敗血症 ・発熱 ・血管拡張剤などの投与 SV(1回拍出量)減少 SV(1回拍出量)増加 治療例 治療例 ・輸液制限 ・血管拡張剤など ・血管収縮剤 ※ 体血管抵抗が下がると心臓にとっては 収縮力が少なくて済みますが、血圧が 低下するため対策が必要です。 収縮力 = 心臓が収縮する力の変化によるSV(1回拍出量)への影響 収縮力が増強 主な原因 収縮力が低下 主な原因 ・高血圧 ・動脈硬化 ・交感神経の働きの活発化 ・心筋梗塞などの心筋障害 ・アシドーシス (興奮、筋肉活動) ・昇圧剤、強心剤の投与 SV(1回拍出量)増加 SV(1回拍出量)減少 治療例 治療例 ・鎮静、鎮痛 ・昇圧剤、強心剤の減量 ・血管拡張剤 ・強心剤 ・収縮力低下の原因の除去 EW-2011- 010 第三版 0 輸液反応性(Fluid Responsiveness) とは Flo Tr ac 輸液反応性と SVV(1回拍出量変化) 10 ◦心拍出量やSV(1回拍出量)減少時に、輸液や輸血などの容量 負荷によって、心拍出量の増加や血行動態の安定が得られるか どうかを知るための指標。 ◦輸液反応性を知ることで、治療方針を決定できます。 考えられる治療法 →前負荷増加 →収縮力増強 血管拡張剤 →後負荷低減 SV(1回拍出量)減少 30 輸液 強心剤 心拍出量減少 20 患者の状態 動脈圧 気道内圧 130 25 ◦血圧の波形がやせている 120 15 90 10 80 70 5 60 0 50 -5 40 0 1000 2000 3000 4000 呼気 (人工呼吸時) 5000 6000 7000 吸気 (人工呼吸時) 70 SV(1回拍出量) とSVV(1回拍出量変化)に 基づくアセスメント 60 SVV(Stroke Volume Variation:1回 拍 出 量 変化)の値が10 ∼ 15% よりも高い 20 100 50 ◦血圧の波形の変動(揺ら ぎ)が大きい( 特に人 工 換気中) 110 40 ※循環血液量不足のサイン COまたはSV(1回拍出量)が低値である 輸液によるCO/SV 増加の可能性は低く、 強心剤や血管拡張剤の 使用を検討 輸液の必要なタイミングを 逃さない 過剰な輸液を避け、最適な 治療を選択することができる 100 輸液により、CO/SVが 増加する可能性大 90 SVV(1回拍出量変化)が 10%以下である 80 SVV(1回拍出量変化)が 10 ∼ 15%を超えている 110 mm Flo Tr ac フロートラック測定に 注意すべき症例 フロートラックによるCO/SV値測定の有用性が 検証されていない症例 IABP・PCPS使用患者 AR(大動脈弁閉鎖不全症)患者 小児患者 観血的動脈圧を正確に測定できない患者(圧のダンピング等) フロートラックによるSVV値の解釈に注意が必要な場合 症 例 不整脈 対処法 SV(1回拍出量)のばらつきが生じ るため、SVV(1回拍出量変化)が高 い値を示しても輸液反応性を 反映しない可能性があります。 ※ ビジレオ モニター画面上でSVV値に マークがついている場合、不整脈 により値の信頼性が十分ではないこと を示します。 自発呼吸 人工呼吸に自発呼吸が 混在する場合 (IMV、SIMV、PSV、APRVなど) 10cmH2Oを超える PEEP 極度の血管抵抗の変化 昇圧剤、血管拡張剤 投与など著しい血圧の 変化があった場合 SVV(1回拍出量変化)の精度、信 頼性について検証が十分で はありません。医師の指示に 従って、経時的変化を観察し てください。 血圧が落ち着いてからSVV (1回拍出量変化) を再評価してくだ さい。 EW-2011- 010 第三版
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