高校生体験実習―超音波編

3剤併用療法の期間延長と
効果の予測について
福山市民病院 肝臓内科 辰川匡史
2013年01月31日
3剤併用療法の治療の流れ
0
12
24
36
48 (週)
テラビック
ペグイントロン注射
レベトール
後観察期間
SVR
投与スケジュール
テラプレビル国内臨床試験 総括報告書より
3剤および2剤併用療法の成績=成功率
(%)
100
88.1%
(96/109)
80
S
V
R
率
60
73.0%
3剤併用療法(T12/PR24)
成績はいい
2剤併用療法(PR48)
※オープンラベル並行群間比較試験
(92/126)
49.2%
(31/63)
今までの治療に比べると
34.4%
40
(11/32)
20
0
初回治療
以前に治療
一回消えたが再燃
以前に治療
無効だった
テラプレビル国内臨床試験 総括報告書より
でも副作用がつらい…
 貧血
 倦怠感
 白血球減少・血小板減少
 皮疹
 腎機能の悪化など
1:副作用を和らげる薬を出す
2:薬を減らして対応
3:どうしてもだめな時は中断
薬を減らしたら……
その分効き目が悪くなるんじゃないの?
初回治療例における3剤併用療法の臨床成績:
予定総投与量に対する実投与量の割合とSVR率
テラプレビル
ペグイントロン
レベトール
(%)
100
(%)
100
(%)
100
92.9
84.6
84.0
80
75.0
79.3
80
80
75.0
68.2
S
V
R
率
57.1
60
60
57.1
60
53.3
46.2
40
40
40
20
20
20
0
2/6
3/4
2/8
12/16 73/92
<20 20≦ 40≦ 60≦ 80≦
<40 <60 <80
0
2/4
8/14
6/13
8/14
68/81
<20 20≦ 40≦ 60≦ 80≦
<40 <60 <80
0
8/15
30/44 30/40 11/13 13/14
<20 20≦ 40≦ 60≦ 80≦
<40 <60 <80
総投与量に対する実総投与量の割合(%)
テラプレビル国内臨床試験 総括報告書より



テラビック:少々減薬してもあまり成績は変わらない
ペグイントロン:80%まではあまり成績変わりなし。80%以
下になるとすこし落ちる。
レベトール 投与量が少ないと、成績が落ちる傾向にある。
4週目までにウイルス消失がない方で、投与量が60%
これらの調査結果を踏まえて…
副作用などで予定よりも投与量が
少ない場合に、
2カ月間の治療期間延長の選択肢
があります(公費申請延長も認めら
れています)
延長後


公費申請の延長 という書類を申請しましょう。
あとは、治療の期間が8回伸びます。
0
12
24
56(週)
32
テラビック
ペグイントロン注射
後観察期間
レベトール
0
12
24
36
後観察期間
SVR
48 (週)
SVR
まとめ




3剤併用療法の治療は効果が高い反面、副作用も
強く、計画通りに 治療がすすまないことがしばしば
あります。
計画通りにしようと無理してがんばるのは、治療の
中断につながるので、むしろ望ましくありません。
がんばるかわりに 少し治療期間を伸ばすことよっ
て治療の成功率を高く維持することができます。
広島県では延長投与に関して公費申請が認められ
ており、公費の範囲内で治療を継続できます。