2015 平成27年1月10日発行(毎月1回10日発行) 通巻257号 さわやかな高齢社会に向けて さわやか福祉財団 二〇一五年 私たちは助け合いの 仕 組みづくりを全 力ですすめます 高齢になっても、障がいがあっても 誰もが地域で自分を生かし 生き生きと暮らせる社会を築くために 〝ふれあい・助け合い〟を全国津々浦々に広める活動を 本年も引き続き、温かいご支援ご声援をお願いいたします 強力にすすめてまいります 清水 肇子 堀田 力 理事長 職員一同 公益財団法人さわやか福祉財団 会 長 2015年1月号 CONTENTS 巻頭言 2 新しいふれあい社会 実現への道 皆で壁を動かし、次の10年を駆けていこう 清水 肇子 6 特 集 8ブロック研修会 地域の理想像にふさわしい生活支援コーディネーター、協議体を! 翁川 由希、鶴山 芳子 九州・沖縄ブロック、東北ブロック、中国・四国ブロック 12 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 住民主体の助け合い活動へ 東京都、和歌山県、山形県、石川県 加藤 昌之、柘植 克真、鶴山 芳子、中澤 将人 22 新地域支援事業・各県市町村の動き 8ブロック研修会後の素早い動き 秋田県にかほ市/愛媛県 鶴山 芳子、長瀬 純治 24 広げよう つなげよう 地域助け合い 活動の現場から すべては地域のために。目指すは、安心で心豊かな福祉のまちづくり NPO法人若葉台(神奈川県) 東日本大震災 「地域包括ケアの町」を目指して 32 復興応援地域通貨 34 山元町 新しい助け合いが始まるために 地域包括ケアのまちづくりに向けて、 山元未来ネットが独自に提言書を提出 鶴山 芳子 鶴山 芳子 36 大船渡市『助け合い活動創出ブック』で勉強会 丹 直秀 37 石巻市 活動の幅が広がる寄らいん牡鹿 38 県外避難者支援活動 柘植 克真 これからの楢葉町 福島ふるさと交流会 中澤 将人 11 21 さわやか福祉財団全国交流フォーラムご案内/ 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラムのお知 30 39 らせ/ あなたの町のふれあい・助け合い/ 復興応援地域通貨への寄付・東日本大震災義援金募集/ 40 41 42 50 ご支援ありがとうございます。/ 投稿募集/ さわやか福祉財団活動報告/ みんなの広場/『助 52 け合い活動創出ブック』/ さわやかパートナー・ 『さぁ、言おう』のご案内/表紙絵から ひとりごと No.229 堀田 力 新しいふれあい社会 実現への道 さわやか福祉財団 理事長 2015年が、これからの地域づくりの大きな節目になることは間違いない。 清水 肇子 皆で壁を動かし、 次の 年を駆けていこう 見えないからこそ、本質を、原理を、ぶれずに見据えて、すすんでいきたい。 しかし、それが正しい道を進んで成功となるか失敗に終わるのか、答えはまだ見えない。 喜びと笑顔あふれる年であってほしいと願わずにはいられない。 新たな年のページがめくられた。 10 ● 2 ● 2015.1 月、新地域支援事業がいよいよスタートする。 月までには、すべての市町村が取り組まなければならない。生活支援コーディネー 要支援者の訪問介護と通所介護が、全国一律の内容から市町村の独自裁量に切り替わる。 年 ター配置と協議体の設置も 月から本格的に始まる。助け合いを根付かせるには時間がか 4 さらには 月、「子ども・子育て支援新制度」が始まる。 変え、地域の人々の力を借りて支える体制を各自治体がつくっていく。 地域支援推進員」が全国で動き出す。認知症の方々を家や施設に引き止めるという発想を 新たな認知症施策も4月から本格的に始まる。「認知症初期集中支援チーム」「認知症 めるところが増えてきた。今年はこの流れをさらに確実なものに押し進めていきたい。 鈍かった行政も、これらの場の参加を通じて、住民主体の意義を再認識してくれ、動き始 協議体づくりも具体的に支援してきた。参加自治体は優に200を超える。当初は動きの りも早く、昨春から実践的なフォーラム、研修会、勉強会を行い、ガイドブックを作成し、 かるから早く動くほどいい。当財団は全国のさわやかインストラクターとともに、どこよ 4 援拠点」(気軽に親子の交流や子育て相談ができる身近な場所の整備)を、市町村が実情 「地域型保育」(保育ママなど、少人数単位で乳幼児を預かる事業)や、「地域子育て支 4 に合わせて行うことになる。元気高齢者の豊かな人生経験は地域で大きく役立つだろう。 2015.1 ● 3 ● 4 17 そして、「生活困窮者自立支援法」も 月から施行される。心傷つき、孤立した人をや 4 年 月に「障害者総合支援法」が施行されており、地域社会 さしく地域に引き入れ、元気にしていけるのは助け合いの仲間が得意とするところだ。 障がい者支援の分野も、 4 年度以降は在宅医療の充実や介護との連携推進も市町村 15 そして、人類の一番の願いである夢の長寿を手に入れた。 私たちは、科学の発達と文明の発展を積み重ねながら今の社会の繁栄を築いてきた。 伝えることで取り組みをできる限り支援していきたい。皆さんのまちはどうだろうか? する自治体の情報を集め、戸惑う自治体には情報やノウハウ、そして住民の熱い気持ちを 放棄しているような自治体もあるという。助け合いの仕組みづくりに先駆的意欲的に挑戦 悩が察せられる。あるいは現実を直視せずに、次の異動者に任せようと苦悩することすら 巷では、これらを総称して「2015年ショック」という人もいる。関わる担当者の苦 の役割として地域支援事業に位置付けられている。 その矢面に立つのは市町村。 これでもか、というほどに、国から地域に大量の課題が一気に流れ込んできた。 での共生を目指す仕組みとなっている。 13 ● 4 ● 2015.1 その点から考えれば、世界一の高齢化率で、平均寿命・健康寿命でも世界のトップクラ スにある日本は、今世界一幸せな国のはずである。 しかし残念ながら、多くの国民は幸せを実感できていない。将来に不安を感じ、あるい は生きる意欲を失い、社会から孤立し、見放され、支援を必要とする人々は増え続けてい *確証バイアス…社会心理学でいう認知バイアスの行動の1つ。 る。なぜだろうか? 高齢社会と聞いて喜びより不安や否定的なイメージが強く湧くのはなぜなのだろう? 人は何をもって幸せと感じるのかといえば、心が満ち足りた状態、充足感だろう。 人は与えられた幸せでは決して充足感は長続きはしない。主体的に生きるということ自 体が自分の人生を輝かせ、地域社会を明るくする。助け合いの価値はそこにある。 )をかけ * 初めてのこと、知らないこと、苦手なことに向かうとき、人はバイアス(偏り てそれらを見たがる。自分に都合のよい理屈や意見だけを拾い、論を述べ、その奧にある 年後、私たちの社会が本当に皆がいきいきと暮らしやすい地域になっているよ 国が目指している「地域包括ケアシステム」完成のゴールは2025年とされている。 真の課題が見えない。新しい創出には、時として経験が妨げになる。 今から う、人々が幸福を実感できるよう、皆で壁を動かし、ふれあい・助け合いをしっかりとす すめていこう。新しいふれあい社会づくりは、また、新たな階段をのぼった。 2015.1 ● 5 ● 10 特集 8ブロック研修会 文・まとめ/翁川 由希、鶴山 芳子 地域の理想像にふさわしい 生活支援コーディネーター、協議体を ! 日本全国を ブロックに分けて展開する「新地域支援事業における助け合い活動推進に係る 研修会」(通称 ブロック研修会)は、助け合い活動の創出とネットワークの結成に焦点を絞 8 月に開催した九州・沖縄、東北、中国・四国の各ブロックの成果、そして、 ◎沖縄県竹富町介護福祉課「第 層、第 層の生活支援 アンケートに今後の意気込みを書いてくれた方も多く、 その一部を紹介する。 この研修会をきっかけに具体的に動き出した自治体について報告する。 九州・沖縄ブロック 県域の研究会をつくり活動 ていかないための体制を構築していかなければならな コーディネーターを固め、地盤をしっかりとし、ぶれ 2 11 各県ともに、チームをつくり県域の研究会として集ま りながら、今後も活動をしていくことになった。 1 今月号では、昨年 り、さらに県ごとのグループワークで各地の協議体づくりにつなげていく目的で開催している。 8 ● 6 ● 2015.1 を支えていくサポーターづくりを進めていきたい」 域で強くリーダーシップを取れる人材の育成と、それ いと再度考えさせられた。地域の特性等を理解し、地 立ち上げたいと考えてい 合意をつくって研究会を て行政と勉強会を行い、 ◎宮崎県小林市「まず帰っ 11 氏(NPO法人介護事業所さくらの郷施設長)/「居場所」稲葉ゆ り子氏(NPO法人たすけあい遠州代表理事)/「地域通貨」鶴山 芳子/「有償ボランティア」齋藤鈴子氏(NPO法人隣の会会長) /「移動・配食」江口陽介氏(NPO法人市民生活支援センターふ くしの家理事長)/「認知症」阿部かおり氏(NPO法人たすけ愛 京築統括理事)/「社会参加」山田健一郎氏(NPO法人さが市民 月 の勉強会を開催し、11 名が参加した。福岡県、 行橋市、苅田町、みやこ 町からの講演、報告など 『助け合い活動創出ブック』を使っての講義の様子 の問題として考えるきっかけとなった。 例も挙げられ、新しい地域支援を参加者が自分の地域 方法について説明があった。神奈川県平塚市などの事 出すか」に沿って、多様な主体による生活支援の充実 正氏からは、演題「新しい地域支援をどう地域で作り 援のあり方を考えた。福岡県高齢者支援課参事の原則 を基に活発な意見交換の中、これからの新しい地域支 ■福岡県苅田町 昨年の 日、新地域支援事業 研修会後の動き ます」 ◎鹿児島県さつま町「研修会に参加した皆さんを中心に、 勉強会を開催し、一緒に情報交換等を実施していきた 名 年度から生活支援体制整備に取 10 13 11 い。また、本町では 7 22 り組む予定であり、生活支援コーディネーターを 採用し、受け皿づくりに取り組んでいく予定です」 2014年 月 〜 日 11 8 ■九州・沖縄ブロック 17 福岡市/電気ビル/ 名(福岡県 名、佐賀県 名、大分県 10 6 2 15 83 名、熊本県 名、長崎県 名、宮崎県 名、鹿児島県 名、 沖縄県 名他) 10 『助け合い活動創出ブック』を使っての講義「地縁活動」仲間勝弘 9 活動サポートセンター理事長)/「ネットワーク」丹直秀 2015.1 ● 7 ● 8 ■長崎県 市町村向けの研修会を当財団と共催で取り組 みたいと、県庁から依頼あり。 月 日に決定し、具 アンケートに今後の意気 込みを書いてくれた方も多 コーディネーターの養成 く、その一部を紹介する。 ■鹿児島県鹿屋市 さわやかインストラクターの齋藤鈴 子氏が8ブロック研修会に参加した地域包括支援セン を早くしてほしいと思い 月 ◎秋田県小坂町「生活支援 ターの職員と市役所を訪問し、研修会について報告。 き出しそう」との連絡あり。 月 日に聞くことになった。 ■鹿児島県奄美市 8ブロック研修会に参加した役場職 員より連絡あり。市民向けの普及啓発フォーラムを 3 ました(2015年 12 「とにかく早めに動き出すことの必要性」 を伝え、「動 体的な動きにつなげることとした。 2 県ごとのグループワークの様子 会でモヤモヤがいくらかすっきりしました。秋田県チ クアップ)もしていただきたい」 ームで今後、情報交換してやっていきたいです。県の 各県ともに新地域支援事業を推進するチームとして結 束し、チーム名をつくり今後も動いていくこととなった。 ームもみじ/福島県・推進チームふくしま。 担当者にもぜひ入っていただき、県の取り組み(バッ ◎秋田県由利本荘市地域包括支援センター「今回の研修 とてもいい研修会になりました」 ばならないと思いました。 れて普及していかなけれ ていくか、もっと力を入 いう考え方をどう普及し い地域づくりが必要だと かし、それ以上に、新し から事業実施予定)。 し 4 青森県・ジャンボ鶴田/岩手県・北国の春/秋田県・ ドンパンチーム/山形県・共助を進める会/宮城県・チ チーム名をつくり推進 東北ブロック 14 ● 8 ● 2015.1 特 集 8ブロック研修会 日に開く。 2014年 月 〜 日 14 ドホテル/ 名(青森県 名、岩手県 名、宮城県 田県 名、山形県 名、福島県 名他) 15 名、秋 11 阿部直善氏(酒田市社会福祉協議会会長)/「居場所」加藤由紀子 氏(NPO法人ふれあい天童理事長)/「地域通貨」須田弘子氏(N PO法人まごころサービス福島センター理事長)/「有償ボランテ があり、企画を提案。当財団としてもモデル地域と位 置付けて推進していく予定。(関連→ P ) ■秋田県小坂町 年 月から取り組む予定。訪問型サ ービスAでと思っていたが、グループワークで住民の 22 ■宮城県 昨年の 月 日に中央研修会参加メンバーの 会議が開かれ、メンバーでもあるさわやかインストラ 会を行いたいという協力依頼があった。計画を進める。 意識啓発が必要ということがわかり、今年度中に講演 4 クターの渡邊典子氏が ブロック研修会の報告をした。 今後は、県域での研究会の立ち上げとモデルづくりを 推進しながら、各地に広げていくことと、当財団と連 携しながら推進していく。 ■山形県 山形フォーラム実行委員会と今回のメンバー が一緒になり、 ブロック研修会の内容を共有し、今 中国・四国ブロック 後の作戦会議を立てていけるように進めていく。 佐藤敬子氏(NPO法人かたくりの会相談役)/「認知症」和久井 県、中 県ごとのグループワークで情報を共有し課題を整理 四国からの参加者が少なかったものの、四国 良一氏(高齢社会NGO連携協議会参与)/「社会参加」葛原美恵 ィア・移動」渡邊典子氏(NPO法人ほっとあい理事長)/「配食」 15 研修 会 後 の 動 き 月 ■秋田県 秋田フォーラム実行委員会メンバーと今回の 参加メンバー全員に呼びかけをし研究会を立ち上げ、 県域での作戦を練る会議を昨年の ■東北ブロック 取り組みをするのでバックアップしてほしいとの連絡 ■秋田県にかほ市 年度に協議体と生活支援コーディ ネーターの設置、または住民の意識啓発を目的とした 9 宮城県仙台市/仙台市民活動サポートセンター、江陽グラン 11 26 12 7 『助け合い活動創出ブック』を使っての講義「地縁活動」鶴山芳子、 11 6 8 15 12 子氏(NPO法人たすけあいさわやか青森理事長)/「ネットワー ク」丹直秀 4 2015.1 ● 9 ● 62 11 8 11 特 集 8ブロック研修会 れに対する解決策をしっ 県から、それぞれ自治体の担当者、社会福祉協議会、 ぞれから課題が出て、そ 民間企業やNPO等助け合い活動を実践している人らが かり話し合うことができ 国 幅広く参加した。 ロジェクトチームとして、 ■中国・四国ブロック 2014年 月 〜 日 11 17 18 名(鳥取県5名、島根県7名、 84 岡山県 名、広島県 名、山口県8名、徳島県5名、香川県 岡山市/メルパルク岡山/ 15 岡センター理事長)/「ネットワーク」角川克己氏(NPO法人グ 会参与)/「社会参加」宇野均恵氏(認定NPO法人子ども劇場笠 るぷ理事長)/「認知症」和久井良一氏(高齢社会NGO連携協議 けあい平田理事長)/「配食」酒井やよい氏(NPO法人山びこへ 芳子/「有償ボランティア・移動」熊谷美和子氏(NPO法人たす 君子氏(NPO法人さわやかけあ広島理事長)/「地域通貨」鶴山 (社会福祉法人出雲市社会福祉協議会事務局長)/「居場所」名雪 『助け合い活動創出ブック』を使っての講義「地縁活動」川瀬英氏 4名、愛媛県8名、高知県5名) 27 ループ凛理事長) 月に県 ていく予定」との声もあ り、愛媛県では 県ごとのグループワークの様子 団としてもモデル地域と位置付けて推進していく予定 村及び助け合い活動実践者を対象に研修を行う。当財 しい理解と、実践に向けた計画立案を目的に県内市町 協議体の編成を前提に、その機能や仕組みに対する正 ディネーターの選出と ■愛媛県 今回の研修会 を機に、生活支援コー 研修会後の動き 主催で研修会を行う。 1 である。(関連→ P ) 23 社協、地域包括支援センターのメンバーが集まり、それ 研修会に参加したメンバ アンケートの中には「参加者の中でネットワークがで きたのが何よりの財産となった」という声や、「県、市、 ーを基に勉強会を開催し た。新地域支援事業のプ 県ごとに行ったグループワークでは県内各地域の情報 を共有し、足りないことや課題を整理した。 5 ● 10 ● 2015.1 さわやか福祉財団 ます! してい 加お待ち ご参 全国交流 フォーラムご案内 年 2015 2月 17日(火 ) 来る2月17日(火)に、「2014年度さわやか福祉財団全国交流 フォーラム」(交流総会フォーラム改称)を開催します。 さわやか福祉財団全国交流フォーラムは、〝新しいふれあい社会づ くり を目指す全国の皆様が一堂に会して、広く情報交換、交流をす 〝 る場として毎年開催しているものです。 概要は下記の通りです。皆様のご来会をお待ちしております。 日 時: 2015年 2 月17日(火) 第1部 午後1時〜 講演、事業報告、パネルトーク等 第2部 午後4時30分〜 自由・交流パーティー(会長、理事長以下職員参加) ※時間は若干変更になる場合があります。 場 所: 東京・両国(墨田区横網) 第1部 KFC HALL 第2部 第一ホテル両国 参加費: 第1部 無料 第2部 運営協力金として2000円(当日受付にて) ■お申し込み先:さわやか福祉財団全国交流フォーラム宛 FAX →03 - 5470 - 7755 E-mail → [email protected] お名前、ご住所、連絡先電話番号、ご所属等を明記の上、お申し込みく ださい。さわやかパートナーをはじめとしてご支援者の皆様には、別途案 内状を郵送いたします。お申し込みされた方には、追って2月初旬までに 参加証をお送りいたしますので、当日ご持参ください。 ● 11 ● 2015.1 特集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 月には4か所で 文・まとめ/加藤 昌之、柘植 克真、鶴山 芳子、中澤 将人 住民主体の助け合い活動へ 「新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム」(総称)は 開催し、基調講演及びパネルディスカッションのコーディネーターは、当財団 の 堀 田 力 会 長( 石 川 県 ) 、 清水肇子理事長(和歌山県、山形県) 、 丹直秀常務 理事(東京都)が務めた。どの会場でも先駆的な助け合い活動の事例が紹介さ れ、自分たちで地域を支える機運が高まった。そして、それぞれの地域で勉強 (肩書きはフォーラム当日のものです) 会や研究会などを開きたいとアンケートに答えた自治体等も多かった。 ニーズに応えた助け合い活動 パネルディスカッションで報告された、その地域ですでに行われている助け合い活動の事例報告のうち、地縁組織 による助け合いの事例を中心に紹介する(フォーラム開催順)。 事 例 報 告 11 ● 12 ● 2015.1 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 和歌山県和歌山市有功地区 報告者・宮本佳子 氏(副理事長) NPO法人ほっとタウン有功 会員相互の助け合いで、住民の困り事を解決 ●始めたきっかけ 員相互の助け合いとして取り組んでいる。 和歌山県和歌山市 組合員の出資と参加を基礎に助け合い活動 和歌山高齢者生活協同組合 ●活動内容 たことがきっかけで、豊かで希望 社会福祉法人一麦会の障がい者 支援から発展し、本部事務所の近 報告者・上森成人 氏(専務理事) 歩いて通えるサロンづくり、居場所づくり、自立生活 の手伝い、移動サービス、子育ての憩いの場づくりなど、 の持てる高齢社会の実現に向け、組合員一人ひとりの出 ●始めたきっかけ 地域の各種団体と連携しながら活動している。 活動をしている。 独自にサロン活動を展開し、そ の後、サロンの場所が増えるに伴 自立生活の手伝いは、手伝いが必要な方と手伝いがで きる方が会員となり、会員相互の有償ボランティア活動 ●活動内容 いNPO法人にした。 を行っている。手伝いを必要とする方は年会費2000 今後、和歌山市山口地域に、ささえ愛センターを設立 ●今後の展開 生活の困り事にも取り組んでいる。 資と参加を基礎に、現在3500名の組合員で助け合い 隣の一人暮らし高齢者が亡くなっ 円と家事援助等1時間につき600円(事前にチケット 時間500円 サロンづくり、見守り活動をしている。また、男性高 齢者が中心となり、庭木の剪定や引っ越しなど、普段の を購入するチケット制) 、 手伝う方には として活動している。 ●特徴 介護保険事業の隙間にある住民の困り事について、会 2015.1 ● 13 ● 1 防や生活支援サービスの基盤となる活動を促進する拠点 いにもつながる活動を行う予定である。同時に、介護予 有償ボランティア活動等に参加しながら、自らのいきが 予定。高齢者、障がい者らが地域社会の中で役割を持ち、 ●活動内容 スタートした。 をテーマに集まり、「二井宿の将来・夢を語り合う」を つの部門が立ち上がり、具体的には、産業経済部で は菜の花とそばを作り 次産業を目指し、健康福祉部は くわくプロジェクト」とした。 内の誰もが参加できる組織づくりを目指し、「仮称・わ 住民の話し合いは、数十回以上。その中から「自ら楽 しむ」をテーマとし、自由参加で興味のある方なら地区 として整備する。 山形県高畠町二井宿地区 住民と話し合いながら地域満足度を上げる 高畠町二井宿地区公民館 氏)を聞いて、加速する高齢化に対応する地域づくりが くり「やねだん」についての講演会(代表者の豊重哲郎 した鹿児島県の住民による地域づ 実感した。その後、公民館で開催 東日本大震災の時、安心安全は 近所での助け合いと神保一雄氏は ●始めたきっかけ ている。 ちが楽しいことより「地域満足度」を上げる仕組みとし 地域住民には「何をするか」を示してから、組織化を 進めていくという段取りで進めている。目的は、自分た ●特徴 にわたる。 育成部は子どもや若い世代に向けたプログラム、文化環 境部は地域の文化と歴史を知る機会をつくるなど、多岐 必要と感じ、「二井宿に住んでいて良かった。地域満足 ろ、多くの住民から反応があった。 「なじょする二井宿」 度を上げたい」と公民館だよりで住民に呼びかけたとこ 自治公民館を拠点とした「サロン」の推進など、青少年 6 神保氏は「夢を持ってわくわくしていきたい」と自ら 目を輝かせて語る。 報告者・神保一雄 氏(館長) 4 ● 14 ● 2015.1 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 石川県能美市 手の養成にも取り組んでいる。内容は「地域福祉への理 支え合い活動に参加している。活動拠点は町内会にある 公民館である。 ●特徴 に向けた活動を考える」の実践編、「町の福祉課題の解 決に向け町ぐるみの助け合い活動に取り組む」の充実編 である。 さらに、地域福祉委員会の中の活動推進会議では「町 の福祉課題解決活動の情報交換の機会(ネットワークづ くり)」の勉強もしている。 石川県能美市寺井町 NPO法人えんがわ 報告者・中田八郎 氏(代表) 高齢者のニーズに応えて展開 ●始めたきっかけ 泉台町会長の中田八郎氏が町内 の 高 齢 者 の 困 り 事 を 解 決 す る た め、 月にNPO法人を立 ち上げ、助け合い、有償ボランテ 2012年 て活動している。 ィア、地域支援を行っている。 町内会だけでは困難な事例に関しては、NPO法人え んがわ等のNPOや地縁組織、商工会婦人部等と連携し 支え合いマップ作りの手法を基に地域の課題把握と解決 解と地域福祉委員活動の意義を学ぶ」の入門編、「住民 能美市社会福祉協議会 報告者・海道伸子 氏(ボランティア推進係長) 町内会に地域福祉委員会を設置 ●始めたきっかけ 市の担当者が島根県松江市を視 察したのがきっかけで、2008 %)に設置できている。 町内会の 年から町内会単位で地域福祉委員 町内会(約 会を設置し始め、現在 うち ●活動内容 74 町内会での困り事の解決に取り組んでいる。町内会長 をトップにし、子ども会、民生委員、商工会等も加わり、 93 「地域福祉委員会活動ヒント探し講座」を通じて、担い 2015.1 ● 15 ● 8 69 ●活動内容 *買い物送迎。利用者は年間 万円の利用料を支払う。 送迎は無償で行う。利用料はガソリン代に全て使用。 *簡単な大工仕事、電球交換、庭の草むしり、墓掃除等 1 月に泉台団地の中心地の空き店舗に、高齢者の 困り事の手伝いを有償ボランティアで行う。 * 年 5 花、ゴミ袋、介護用品、市販薬等を販売している。営 業は毎週土曜と日曜の午前中。集いの場としての機能 もあり、子育て中の人や子どもも来店している。 ●特徴 買い物送迎から始まったが、その後、高齢者から新た なニーズが出てきて、それに応えて助け合い活動の種類 が増えている。 地域福祉委員会と連携している。 早めに取り組みを始めよう 月 日/多摩市/ココリアホール/169名 〜あなたを支える! あなたが支える!〜 新地域 支 援 の あ り 方 を 考 え る フ ォ ー ラ ム 東京都 16 丹直秀常務理事が基調講演を行い、助け合い・支え 11 協議体)について報告があり、「多摩市は2015年 ービスの体制整備(生活支援コーディネーターの配置、 市版地域包括ケアシステムのイメージ像や生活支援サ 部高齢支援課長の伊藤重夫氏から多摩市の現状、多摩 合い活動の必要性を語った。その後、多摩市健康福祉 開催順に4か所のフォーラムを紹介する。今回も、新地域支援事業に関する基調講演をした後、厚生労働省の方も アドバイザーとしてパネルディスカッションに参加し、各地の助け合いについて意見交換した(石川県を除く)。 各フォーラム紹介 高齢者の生活必需品、例えば、地元農家の米、野菜、 生活支援のために店(ふれあい市えんがわ)を開く。 13 ● 16 ● 2015.1 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 度に協議体を設置して、多摩市の生活支援サービスに の葉理事長)/杉本依子氏(NPO法人ハンディキャブゆづり葉 地域支援担当理事)/真板久美子氏(NPO法人福祉亭理事・ パネルディスカッションでは様々な助け合い活動の 事例が報告された。来場していた多摩市の阿部裕行市 「協議体に参加する人の自由な発想が生かされる仕組み ■主なアンケートの感想 生活サポート隊代表世話人)/佐藤健二氏(生活協同組合パル 長や多摩市医師会の田村豊会長からも助け合い活動を が必要」「今後、地域内の横の連携が課題。市内には居 ついて協議します」と力強く話した。 サポートする旨の発言 場所が必要な方が多い」「男性の社会参加のきっかけが システム東京業務執行理事) が あ り、 会 場 全 体 が 温 必要。社会参加していくにも場が必要」等 名(そのうち地縁組織 名、ボランティア団体 ■今後、勉強会等を開きたいと答えた人 名) かい雰囲気になった。 護予防の充実について」 和歌山県 介護保険改正でどうなる? どうする? 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 月 日/和歌山市/県民交流プラザ和歌山ビッグ愛/267名 4 *基調説明「生活支援・介 山田大輔氏(厚生労働省 老健局振興課地域包括ケ ア推進係・介護サービス 振興係・生活支援サービ ス係係長) 〜進捗と展望〜」伊藤重 *報告「多摩市の取り組み 夫氏(多摩市健康福祉部 8 ーターや協議体の設置に向けての勉強会や研究会につ 厚 生 労 働 省 の 佐 々 木 原 剛 氏 は 、 生 活 支 援 サ ー ビ ス の 基盤整備の予算活用については、生活支援コーディネ *パネルディスカッション ほしいと話した。 いても活用できるので、ぜひ早めに取り組みを始めて 高齢支援課長) 18 「安心して暮らせる地域 を皆でどうつくるか」伊 藤玲子氏(NPO法人麻 2015.1 ● 17 ● 69 11 パネルディスカッションでは、アドバイザーとして 県内で NPO 活動推進に尽力されている堀内秀雄氏も 登壇。パネリストの二越宏平氏は和歌山県内の新地域 支援事業を含めた福祉ネットワークに関する現状を、 金川めぐみ氏は新地域支援事業を実施する時には住民 の覚悟が必要であることを、堀田力会長の新聞記事や 清水肇子理事長の基調講 演の内容を反映させて話 し た。 宮 本 佳 子 氏 と 上 森 成人氏は具体的な助け合 い活動の事例を報告した。 正〜ガイドラインと新地域 *基調講演「介護保険制度改 学部准教授)/宮本佳子氏(NPO法人ほっとタウン有功副理 事長)/上森成人氏(和歌山高齢者生活協同組合専務理事)/ アドバイザー・堀内秀雄氏(和歌山大学名誉教授・本フォーラ ム実行委員長) ■主なアンケートの感想 「町職員として覚悟が持てるのか。安心して最期まで暮 らせるまちづくりのために行政だけでなく、社会福祉協 議 会、 地 域 の 方 々 と 一 緒 に 考 え る 機 会 を 持 っ て い き た い」「地域により、持っている力が異なる。自助の力を 持っている人も多いと思うので、まずリサーチして介護 保険制度の改正に備えたい」等 市町村 ■今後、勉強会等を開きたいと答えた人 山形県 日/高畠町/高畠町中央公民館/約1 0名 in 3 支援に向けて」佐々木原剛 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 置賜 月 22 ち上げて新たな住民参加を作り出そうとしている活動、 山形県の南側、置賜エリアを対象にしたフォーラム。 中山間地でのサロン活動、自治会がプロジェクトを立 11 氏(厚生労働省老健局振興 「和歌山における助け合い 課生活支援サービス係主査) *パネルディスカッション 活動とその広げ方」二越宏 平氏(和歌山県社会福祉協 議会地域福祉部長)/金川 めぐみ氏(和歌山大学経済 70 ● 18 ● 2015.1 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 有 償 ボ ラ ン テ ィ ア、 配 食、 移動サービスや居場所な ど様々な活動が紹介され た。 参 加 者 は、 置 賜 エ リ ア 内 の 活 動 者 や 行 政、 ま めていきたい」と発言した。 省老健局振興課生活支援サービス係主査) *基調講演「新地域支援事業について」佐々木原剛氏(厚生労働 神保一雄氏(高畠町二井宿地区公民館館長)/木村幸氏(小国 *パネルディスカッション「新しい地域支援の仕組みを考える」 法人まごころサービス長井理事長)/髙橋由和氏(NPO 法人 会相談役、さわやかインストラクター)/平吹京子氏(NPO 町社会福祉協議会主事)/佐藤敬子氏(NPO 法人かたくりの 職 員 や 議 員、 民 生 委 員 ら きらりよしじまネットワーク事務局長) た、 開 催 地 高 畠 町 の 役 場 も多数参加した。 「縦割りでなく、横のつながりによるワンストップ機 割 分 担 を し て 取 り 組 ん で い く こ と が 大 切 」 と 発 言。 民と共通認識を持ち、役 村 は ビ ジ ョ ン を 示 し、 住 ト の 髙 橋 由 和 氏 は「 市 町 イ ン ト と し て、 パ ネ リ ス 域づくりを進めていくポ パネルディスカッショ ン で は、 行 政 と 協 働 で 地 が高い」等 そう」「二井宿の取り組みが素晴らしかった。住民意識 は、大変工夫されている。地域の中を見直す必要があり 引き込む地域づくりを」「きらりよしじまネットワーク できることは何かを考えてみたいです」「子どもたちを めて心に深く感じ考えることができました。個人として 社会教育、地域づくりと相互連携したい。(行政)」「改 一歩一歩進んでいきたい。(行政)」「方向がわかった。 「切り口が違って、新しい発見。やらされるのではなく ■主なアンケートの感想 能をつくってほしい」との提言も出た。最後に神保一 名 ■今後、勉強会等を開きたいと答えた人 2015.1 ● 19 ● 雄氏が「こんな所だったら素敵だろうなと住民自らが 楽しみながらワクワクしながら、新しい取り組みを進 36 特 集 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラム 石川県 新しい 地 域 支 援 の あ り 方 を 考 え る フ ォ ー ラ ム 月 日/能美市/根上総合文化会館タント/約240名 みんなで助けあいのあるあたたかい地域をつくろう 23 浦靖子氏と木村慎吾氏がパネルディスカッションにア ドバイザーとして登壇した。パネリストの発言が終了 するたびに、感動と激励の拍手が起こった。 靖子氏(石川県健康福祉部長寿社会課長)/「石川県の主な取 *基調講演「地域包括ケアシステム構築のための県の支援」三浦 り組み(医療行政の立場から) 」木村慎吾氏(石川県健康福祉部 地域医療推進室次長) *パネルディスカッション・庄川良平氏(横町組代表)/栗山よ しみ氏(ほがらか会代表)/中田八郎氏(NPO法人えんがわ 代表)/海道伸子氏(社会福祉法人能美市社会福祉協議会ボラ を力強く示した。 と協働して進めていく決意 らに地域活動を進める住民 部、 町 会、 町 会 連 合 会、 さ て い く こ と を、 商 工 会 女 性 関する市民の訴えに対応し 題、 そ し て 生 活 弱 者 支 援 に た。 能 美 市 の 地 域 間 格 差 問 冒頭に能美市長の酒井悌 次郎氏が開催地挨拶を行っ 名(そのうち行政 市、地域包括支援センター 件) ■今後、勉強会等を開きたいと答えた人 日の話を町の老人会研究会で紹介します」等 きたい」「知人を誘い助け合い活動に参加したい」「今 ここから始めます」「これからも居場所活動を続けてい なたを見ているよと伝えるだけでも良い活動だと思った。 を開いて、すごいと思う。やればできると感じた」「あ もっとできることがあると感じた」「高齢者のために店 「町内の福祉課題の解決に向け、地域福祉委員として、 ■主なアンケートの感想 ンティア推進係長) 基調講演者の石川県の三 あった。 市、 川 北 町 の 住 民 の 参 加 も く、 白 山 市、 金 沢 市、 小 松 市民を対象にしたフォー ラ ム で、 能 美 市 だ け で は な 11 74 5 8 ● 20 ● 2015.1 新地域支援事業 助け合い活動を全国に広めよう 新しい地域支援のあり方を考えるフォーラムのお知らせ 厚生労働省から新地域支援事業における新しい介護予防・日常生活支援 総合事業のガイドライン案も出て、生活支援コーディネーターの養成やそ れを支える協議体づくりも始まります。目指す地域像や、助け合い活動で いかに地域を支えるか、そのあり方を考えるためのフォーラムを各地で開 催していきます。 月 日 場 所 1 月 12 日(月・祝) 愛知県日進市 23 日(金) 愛媛県松山市 月 日 場 所 2 月 12 日(木) 長崎県長崎市 3 月 14 日(土) 鹿児島県奄美市 2 月 7 日(土) 大阪府東大阪市 ※確定したものから順にお知らせしています。変更になる場合もあります。 ※地域によってはフォーラム名は変わる場合があります。 主 催:公益財団法人さわやか福祉財団 具体的お問い合わせは当財団までお願いします。→ TEL 03(5470)7751 当財団ホームページでも詳細等をご紹介しています。 → http://www.sawayakazaidan.or.jp ※内容等は変更になる場合があります。 23 ● 21 ● 2015.1 月 日山形県で開催。 於・高畠町 月 日石川県で開催。 於・能美市 11 11 22 新地域 支 援 事 業 ・ 各 県 市 町 村 の 動 き 文・まとめ/鶴山 芳子、長瀬 純治 8ブロック研修会後の素早い動き 「新地域支援事業における助け合い活動推進に係る研修会」(通称8ブロック研修会)「新しい 地域支援のあり方を考えるフォーラム」(総称)後、目指す地域像を共有し、助け合いによる生 活支援サービスの推進のため、各地で協議体につながる研究会等に向けて動き出している。 日に宮城県仙台市で開かれた東北ブ 「志で行う助け合いを熱意を持って住民に働きかけてい 後連絡があった。佐藤さんは研修後、組織で話し合い、 地域包括支援センター班長の佐藤さおりさんから研修会 してほしいと 2015年 度事業に協力 て、提案した。 プラン案を立 った。そこで、 いとのことだ いか相談した めていけば良 今月号では8ブロック研修会後の特徴的な動きを報告する。 秋田県にかほ市 〜 助け合いをどのように広めていくか 月 15 ブロック研修会に参加した秋田県にかほ市の 14 く」というのは行政にはなかなか難しい、どのように進 昨年の ロックの 8 11 秋田県のグループワークの発表 ● 22 ● 2015.1 連絡があり、当財団としては協議体と生活支援コーディ 月初旬に浅田さ んを訪問し、企画の 出した。 スをしながら、地元主体の動きを応援していく。また、 詳細と実施までのス つのモデルと位置付け、アドバイ そのプロセスを記録しながら、情報発信し、各地の動き ケジュール等をまと ネーターを設置する の参考になるように進めていく予定である。 秋田県では他に、小坂町、由利本庄市からも協力依頼 があった。 当財団が主導となるが、今後は、さわやかインストラ クターの菊地恵子さん、丹すみ子さんにも参加協力を依 頼し進めたい。 愛媛県 〜 日に岡山市で行われた中国・四国ブ 県内全市町に向けた研修会を開催 月 めた。 なお、実施日は県 希望により、 月 日とした。 ブロック研修会 を受け、素早い動き 23 となった。浅田さん の愛媛県に対する熱 い思いに応えるべく、 当財団としても全力 でバックアップさせ ていただきたいと考えている。 画提案の依頼があった。 日に企画書を提 祉部生きがい推進局長寿介護課介護予防係主事の浅田翔 ブロック研修会を終えた翌日、愛媛県保健福 1 吾さんから、愛媛県内全市町に向けた研修会について企 愛媛県のグループワークの様子 12 8 1 18 愛媛県のように、 ブロック研修会は今後、県内の全 市町における勉強会や研究会の発足のきっかけとして大 昨年の ロックの 17 同日、財団内で原案を協議し、早速 20 8 きな意味を持つことになる。 2015.1 ● 23 ● 8 11 広げよう つなげよう 地域助け合い 活動の現場から すべては地域のために。 目指すは、安心で心豊かな 福祉のまちづくり NPO法人若葉台 (神奈川県) 地域の福祉課題を解決するために、継続的かつ安定的に事業を行う事業体 として生まれたNPO法人若葉台。地域の望むサービスを、制度を利用しな (取材・文/城石 眞紀子) がら住民自らがつくり出していくその取り組みは、これからの地域づくりを 考える上で、大いに参考となりそうです。 大な面積に、総戸数6500戸、約 万5000人の人々が暮らすまちだ。 社会福祉協議会の研究提言を受けて 銀行、教育施設、ショッピングセンタ 個分の広 NPO法人若葉台は、この地域の地区 た若葉台は、東京ドーム約 ーなどの都市機能が計画的に整備され 自然の中に、高層住宅を中心に病院、 若葉台団地は、神奈川県住宅供給公社が横浜市旭区に 開発・建設した大規模な高層集合住宅団地 1 2 地区社協と連携して 福祉課題に取り組む 神奈川県横浜市旭区北部の緑豊かな 19 ● 24 ● 2015.1 ら子育てという特別な支援を必要とす を座長に、障がい者と高齢者、それか 「東洋英和女学院大学の石渡和実教授 域保健福祉計画の推進でした。そこで くり。それから横浜市が進めている地 がい児者の日中活動の場と生活の場づ 対応、子育てしやすい環境づくり、障 としてあげられたのは、高齢社会への る人たちを、地域でどのように支えて その解決のために、若葉台向こう三軒 両隣の関係づくり、居場所づくりの推 組織が進めるほうがいいだろうという の上に立って、今後は法人格を持った 始しました」 ニーズの高かった居場所づくりから開 組んでいこうと決め、まずはもっとも りました」と言うのは、当時の地区社 協の会長で、同法人理事長を務める白 行政との協働のもとに 地域が望む事業を次々と展開 わかば商店街の空き店舗を借りて、 「ふれあいわかば」を開設したのが 岩正明さん。 その基本理念は、「すべては地域の ために」。 支援が必要な人たちが安心 年 月。 して心豊かに生活できる福祉のまちづ 10 ことで、福祉事業に取り組むことにな 3 日本茶は皆さんの寄付。ボランティア の笑顔とおもてなしと傾聴で、年間延 べ1万人が利用しています。店舗の賃 日3150円かかります くり、住民の心と生活が充実できるコ れ、今では昼どきなどは商店街で購入 「無料のお茶飲みどころとして認知さ き場所なので、多少苦しくても維持し ち出し。しかし活動の原点ともいうべ はできないので、その費用はすべて持 が、ここで何らかの収益を上げること 貸料として 事業を目指して活動をしているという。 したお弁当を仲間と食べながら団らん ミュニティー、そして行政等との協働 する人たちでいっぱいに。お出しする 10 ふれあいわかばの活動日時は、 火曜日から金曜日の10時から16時 009年 月に設立された。 いけばいいのかを 年間にわたって研 究。その結果、これまで地区社協が取 進、ボランティアの育成の つに取り り組んできた福祉のまちづくりの成果 3 「研究会において、若葉台の福祉課題 2015.1 ● 25 ● 1 4 翌 年 月からは、「若葉台高齢者 等買い物サポート事業」を開始。 す」 所した。 「地域作業所若葉台ぶんげいざ」も開 があったのでそれを受託。翌年には、 回限りの補助金 「これは買い物で困っている人たちを 「ふれあいにしとぶんげいざは、私た 整備に当たっては、 サポートしようという活動で、商店と ちが拠点を置く、旧若葉台西中学校の ていこうというのが、私たちの考えで 連携して買い物品を自宅にお届け。加 中にあります。ここは、文化・芸術・ 事業として続けています」 ほしいということで始め、現在も自主 算の関係などもあってまだ暫定利用。 整備することが決まっていますが、予 今も引き続き運営。横浜市の委託事業 障がい者の理解を進め、心のバリアを 名のサポーターを養成している。 年で終わったが、 用しない手はありませんから、いずれ で生活&介護支援サポーター養成講座 に開設。助成金は またこの年には、農業法人として緑 区長津田台に農地800坪を借り、星 出て行けと言われてもいいから始めて いわゆる発達障がいを抱える生徒を対 低くする取り組みを実践しています」 月にボランティアをつ 象にした特別支援教育を行っており、 年 農業体験を通して生きる力を育む学校 つ目 受託し、 一方、ボランティアの育成について は、横浜市社協のリーディング事業を づくりをサポート。さらには、 の居場所である「地域交流サロンふれ 1 あいにし」も開設し、軽食喫茶を提供。 なぐセンターを「ふれあいわかば」内 10 2 主に 〜 5 歳の未就学児の親子が集ま 3 市の委託事業である。 り、自由に過ごせる場で、これも横浜 0 子育て支援としては昨年 月から、 親と子の居場所「そらまめ」を開始。 25 でも、これだけ立派な施設があって利 槎中学校・高等学校の農業実習事業を 活動の拠点は、統廃合で閉校となった 旧若葉台西中学校 も開講し、昨年度と今年度でそれぞれ 3 受託。同校は自閉症や学習障がいなど、 みようと、地域住民とも交流しながら 障がい者の日中活動の場づくりである えて、買い物代行もしています。横浜 スポーツ分野の市民活動の拠点として 6 1 市から 年間支援するから取り組んで 11 1 ● 26 ● 2015.1 広げよう つなげよう 地域助け合い 活動の現場から っていかないと地域にお金が流れてこ すから、そこに私たちが手を上げて入 りにやってくれるところを探していま たちで全部やるのは難しいので、代わ のは欠かせません。行政のほうも自分 ていくためには、行政との連携という 「やはりNPO法人をきちんと運営し が年間 加えて、収穫された農産物の売り上げ 円の委託金をもらっています。それに け持つこととなり、現在年間120万 て、星槎中・高等学校の農業実習を受 い、農業法人を立ち上げたことによっ が難しくなります。私たちの場合は幸 いと、事業を維持・継続していくこと 万円ほど。これらを当てるこ ないことにもなります。したがって常 時に考えていかなければならないと白 ただその一方で、行政に頼り過ぎず に地域をつくり上げていくことも、同 と思っています」 づくりをする上でとても大事なことだ るのかを知ることは、これからのまち きも含めて行政がどう動こうとしてい にアンテナを張って、厚生労働省の動 ては、私たちがやろうとしているイン 充は望めません。そういう時代におい 状況から、これからは公助の大幅な拡 ることは、極めて安定性につながりま 的にお金が入ってくる仕組みを構築す 理ができています。このように、恒常 めとする自主事業やNPOの維持・管 とで、ふれあいわかばの運営費をはじ フォーマルな生活支援に加えて、自治 す。いずれにしても少子高齢化や財政 岩さんは言う。 年限 会などの住民活動やボランティアも活 「例えば、委託事業というのは 発化させて、しっかりやれる地域を目 年目からは自分たち でやりなさいといったものが多いんで 指さなければなりません」 りの補助金で、 このように地域が望むサービスを、 市と連携して補助金や委託金を受けな す。その時に自主財源を確保していな 行政に頼り過ぎずに 自助・互助も推進 60 がら次々とつくり出してきた同法人。 2015.1 ● 27 ● 1 2 そらまめは、ともに育ち合える親と子の広場 あるが、その点は非常に気になってい 応できるのか。備えているつもりでは 様々な福祉課題の中でも、今後急激 に加速する未曾有の高齢化に本当に対 のニーズに対してうまくサービスを組 ーズをたらい回しにすることなく、そ 業者にも参加をしてもらい、一人のニ を行っている医療機関などいろんな事 いる事業所や訪問看護・訪問診療など ンター」をつくり、訪問介護を行って 性のいい商店街の中に「見守り相談セ づくり。仕組みとしては、住民の利便 うとしている。 一つずつ地域の福祉課題を解決して きた同法人の、新たなる挑戦が始まろ 思っています」 若葉台づくりに取り組んでいきたいと ていくことで、共助・協働の住みよい しながら、みんなで力を合わせてやっ 高齢社会に対応した 新たな仕組みづくりを るところだという。 み合わせながら、包括的に支援。可能 な限り在宅を支えることを実践してい れないと思うので、とりあえずできる 見守り 相談センター 「特に、 年には〝要支援〟が介護保 険の対象から外れる時代になるので、 こうというものだ。 そこで検討会議を立ち上げて、自治会 ところからスタートしようということ 生活支援 今から地域の中で努力をして、早急に や老人クラブ、地区社協、民生委員、 で、この事業の骨格をなす見守り相談 活支援、それからボランティアセンタ 訪問診療 在宅調剤 受け皿をつくっておく必要があります。 「最初からすべてのサービスは揃えら 行政等も一緒になってどうしたら具体 訪問医療・看護・生活支援等を連結し ーを今年度内に開所すべく、計画を進 めているところです。そして足りない 訪問看護 地域 ニーズ 化できるのかと共通理解を進めた結果、 センターの中に、居宅支援事業所と生 た〝若葉台 時間高齢者見守り事業〟 を始めることとなりました」 ていこうと。そうして地域資源も活用 サービスがあれば、それは随時追加し 狙いは、高齢になっても在宅で安心 して心豊かに暮らす若葉台福祉のまち 新たな地域ニーズへ の検討・対応 訪問介護 公的支援 事業連携 17 24 ● 28 ● 2015.1 広げよう つなげよう 地域助け合い 活動の現場から 絆の大切さを考えさせられたのではないかと思います。 その辺りから、今までは地域活動には無関心だったけ れども、ちょっと参加してみようかと言ってくださる方 も少しずつ増えてきました。ただ地域のコミュニティー をもう少し太くしていくためには、支える人材の育成を 進めていくことがこれからは大事です。特に団塊の世代 くりの環境にもまあまあ恵まれていて、安心・安全に暮 そんな私の目から見て、若葉台は年々、住みやすい場 所になってきているように感じます。自然環境もまちづ 関わってきました。 父さんたちがいそいそと出かけていく居酒屋的な居場所 の晩酌代ぐらいは稼げます。できれば、商店街の中にお も謝金がもらえれば、定年後も社会参加をしながら自分 きがいにも通じることは、私自身が身を持って実感して 歳) 歳を過ぎて地域に戻ってきていますから、そう らせるまちなのではないかと。しかも、コミュニティー をつくれたら、地域デビューのきっかけづくりにもなる 白岩 正明 さん( 支える人材の育成を 理事長 が今、 いう人たちの地域デビューをどう支えていくかが、これ からの課題です。 を大事にしようという雰囲気も高まってきています。こ のではないかと。そうしてみんながふれあい、挨拶し合 地域活動というのは、人とのふれあいの場であり、実 践していく過程では自己実現もできますから、それがい れは、東日本大震災の影響が大きく、あの時は若葉台で えるまちに若葉台をしていくことが、私の活動の原点で います。併せて、ボランティアをすることで多少なりで も停電が続いたり、上階のほうでは家具が倒れるなど、 69 あり、願いでもあります。 以来、地域づくりに積極的に をきっかけに地域活動に参加。 自治会の自治委員を務めたの 私は1982年に若葉台に 越してきて、 代で若葉台北 40 みんな怖い思いをしました。そういうことから、地域の 2015.1 ● 29 ● 65 インタビュー 北海道ブロック 123(19) 全国の在宅福祉サービス団体数 をご紹介しています 合計2785(382) (2014.11.24現在) 団体数(カッコ内はふれ あい切符採用団体数) 九州 1 ブロック 252(13) 中国 ブロック 191 (27) 北陸 ブロック 131 (14) 東北ブロック 138(11) 近畿 ブロック 314(69) 北関東ブロック 232(31) 関東ブロック 585(87) 九州 2 ブロック 147(6) 南関東ブロック 289(38) 四国2 ブロック 34(14) 四国1 ブロック 49(6) 東海ブロック 300(47) 関東ブロック 埼玉県 121(16) 千葉県 164(25) 東京都 300(46) 合計 585(87) (さわやか福祉財団調べ) 2015.1 ● 30 ● 東日本大震災 「地域包括ケアの町」を 目指して 東日本大震災から3年半が過ぎ、各被災地では住民たちが、 我がまちを「最後までいきいきと安心して暮らせるまち」 にするため主体的に動き出している。 当財団が重点地域と定めた地域の最新の動きを報告する。 Topics 重点地域の動き ● ● 復興応援地域通貨 各地の復興通貨の新たな仕組み ● 山元町—山元未来ネットが町に提言書を提出 ● 大船渡市—大船渡共生まちづくりの会が新地域支援事業の勉強会を開催 ● 石巻市—寄らいん牡鹿の助け合い活動報告 福島 県外避難者支援活動ー絆・ネットワークづくり 福島ふるさと交流会(「楢葉町の現状と今後の展望」等)報告 ● ● 31 ● 2015.1 復興応援地域通貨 30 ルを決め、スタートに向かって、準備を進めた。地域運 コアメンバーが集まり、本格運営に向けてのスケジュー 必要性などの議論を重ね、理解を広げてきた。今回は、 もらい、試行の現状と課題や成果を報告し、助け合いの 会を開いた。これまで、町の各地区リーダーに参加して また、スタートに向けて住民、商工会などへの理解をさ 会議規則、パンフレット、申込書などを作る必要があり、 本格運営用に規 約、ルール、運営 合った。 助け合いの理解を確実に広げていくことを 確認しながら話し合う らに促すための機会をつくることなど、意見を出し合っ さんと鶴山で話し ターの稲葉ゆり子 やかインストラク かつよさん、さわ 志津川地区の佐藤 区の後藤一磨さん、 進行をし、戸倉地 青年会)が会議の 郎さん(ふっこう 新しい助け合いが始まるために 復興通貨の新たな仕組み 復興通貨南三陸笑顔の会地域運営会議準備会 釜石復興応援地域通貨平田どうもの会 大槌復興地域通貨がばちょ協議会 「地域通貨カメリア」運営委員会 宮城県南三陸町では、復興通貨「笑」の推進のため、 昨年の 月 日午後 時 分から復興まちづくり機構事 6 回目の復興応援地域通貨地域運営会議準備 5 24 営会議の核となって進めてくれることになった後藤伸太 務所にて、 11 ● 32 ● 2015.1 東日本大震災 運営会議の事務局がキーになる」「これまで試行をして いつでも参加してもらえるように始めていこう」「地域 めて、徐々に入谷、歌津地区でも必要な状況になったら ュールを組み立てた。「まずは、戸倉、志津川地区で始 がつながるように勉強している。 について、さらに新地域支援事業の助け合いと復興通貨 がさらに広まるようにと、セミナー等を開き、地域通貨 岩手県釜石市では、釜石復興応援地域通貨平田どうも の会のメンバーは、復興通貨「どうも」による助け合い 月の本格運営スタートに向けて、スケジ いた戸倉の代表である佐藤由和さんにも準備が整ってき 岩手県大槌町では、大槌復興地域通貨がばちょ協議会 のメンバーは、復興通貨「がばちょ」がもっと普及する た。さらに、 たら、状況を報告して、世話人として戸倉地区の新たな 回開いた。現在、今後の ようにと、昨年ミニ勉強会を 展開を検討中である。 復興通貨を推進してもらえるようにしよう」など、確認 しながら話し合った。 が事務局の課題」と後藤伸太郎さんが発言し、みんなも 事ですよね。そのための寄付が生きるためにどうするか よりも、しっかりとした助け合いを広めていくことが大 という新たな仕組み」となる。「とにかく大きく広げる 必要な人が200円を払って、復興通貨『笑』をもらう いが広がるにはどう仕掛ければいいかを模索中である。 繰り返し、復興通貨を使って人と人とをつなぎ、助け合 意味する「カメリア」は大船渡市の花である)。 試行を 域通貨カメリア」を試しに使い始めている(英語で椿を を導入する前に市内末崎地区の「居場所ハウス」で「地 試行の課題を話し合ってきた準備会で決まったことは、 岩手県大船渡市では、住民組織「大船渡共生まちづく りの会」メンバーの上関優さんが中心になり、復興通貨 「助け合いの必要性をしっかり伝えながら、助け合いの 月には、規約、パンフレットやルールなど 確認した。 月の (鶴山 芳子) 頁をご覧ください)。 助け合いが自然に行えるように各地とも前向きに取り 組んでいる。今年も、復興通貨の応援、よろしくお願い 本格運営としての資料を作成し、集まりを持ち、 申し上げます(ご寄付の振込先は 39 4 スタートに向けて準備を進めることにした。確実に動き 出したことを実感した。 2015.1 ● 33 ● 3 4 1 地域包括ケアのまちづくりに向けて、 山元未来ネットが独自に提言書を提出 地域包括ケアにつながる 4つの提言 提言書には、「山元町ではこれまで大変な努力のもと、 官民一体となって震災から復興に力を注いでおり、ハー 月 日に渡部孝雄さんと一緒に提出し、多少の話 し合いをすることができました」 生活を始めるための仕組みづくり、日々の生活に欠かせ ド面では形が見えてきました。しかし、新たな市街地で 宮城県山元町の山元未来ネット代表である北島宏一さ んから、写真や提言書が手紙と共に昨年 月に届いた。 ないさまざまなサービスにあたるソフト面については残 月には町内の医療・福祉関係者を中心に約 念ながらこれからです。一方でわが町の人口流出、高齢 昨年 集まり、地域包括ケアのまちづくりについて議論をし、 化のスピードは増すばかりです。このような状況を回復 30 11 28 月には堀田力会長が講師となり、地域包括ケアのまち 6 10 提言書を斎藤町長(右)に手渡す北島さん 名が は、 「ご無沙汰をしております。同封の山元町長への提言書 拡大勉強会後、提言書を作成 山元町 づくりの実現に向けた拡大勉強会を行った。それらを受 していくための糸口が今回の制度の基本である『地域包 提言 地 域 包 括 ケ ア シ ス テ ム 構 築 推 進 協 議 会( 仮 称)の設置 地域住民・各関係機関・各医療介護事業所へ 提言 1 括ケアシステムの構築』です」とあり、 作成した。北島さん、副代表の松村吉一さん(松村クリ ニック理事長) 、 顧問の平田一夫さん(平田外科医院院 長) 、 事務局長の渡部孝雄さんらが話し合ってまとめた。 2 けて、山元未来ネットとして斎藤俊夫町長への提言書を 7 ● 34 ● 2015.1 東日本大震災 ながるように、山元未来ネットメンバーも構成員に加え 」の「紀心会プラン」とは顧問の平田さんの法 てほしいとしている。 「提言 時間巡回サービスや 人が企画した「地域包括ケアあるまち・住み慣れた街で 安心して最後まで…」のことで、 配食サービスなど、拠点からサービスを地域に届けるよ 24 月 日の定例会では、法人化作業も含めて議論する 今後の展開 「 19 みんなでしていこうと思う。 (鶴山 芳子) 進んでいこうということになった。できる限りの応援を 提言に対する町の反応はどうなるだろうか。町の状況 を見ながら、山元未来ネットとして改めて戦略を練って います」と北島さん。 つもりです。山元未来ネットの役割と責務を再認識して 11 の情報の提供・公開を… 提言 高齢者支援、復興まちづくりへの住民参加の 呼びかけを… 提言 今後の地域包括ケアの仕組みづくりを検討し ていくうえで参考にしていただきたい「紀心 会プラン」について 」では、具体的に「 ( )医療・介護事業者連 と、 つの地域包括ケアのまちづくりにつながる提言 をしている。 「提言 )については、新地域支援事業の取り )地域生活支援推進部会」を置いてほしい 旨を記載し、( 携部会、( 1 組みが、元気な高齢者も含めた助け合い活動の普及につ 2 2 うになっていて、また、誰もが集える居場所があるとい 2015.1 ● 35 ● 3 う内容となっている。 地域包括ケアの構築こそ現状を良くする構想 としっかりまとめられている 4 4 1 4 大船渡共生まちづくりの会が主催 『助け合い活動創出 ブック』 で勉強会 けて、自立した活動を始めた。 新地域支援事業については、 月のフォーラム後、厚生労 働省からガイドラインが出さ れ、生活支援コーディネータ ーの中央研修も行われるなど、 制度の具体的な内容と方向が その中で県も参加して行わ れるこの時期の勉強会はタイ 明らかになってきている。 部長寿社会課参事兼統括課長の齋藤昭彦氏を招き、大船 委員、NPOなど地縁組織の のほか、生活協同組合、企業、 15 その後、大船渡共生まちづくりの会は、 月にNPO法 たい。 (丹 直秀) ステップとなることを期待し 方も多く見られた。この勉強 大船渡市では、昨年 月 日に全国に先駆けて、新し い地域支援のあり方を考えるフォーラムを開催している。 会が協議体づくりへの力強い づくりであることを強調した。 て『助け合い活動創出ブック』を基に説明し、今回の介 地域福祉課長など行政関係者 名ほどの参 ミングが良く、 ブロックリーダーの阿部かおり氏と筆者が参加し 70 事業者、そして公民館、民生 九州 渡市総合福祉センターを会場に新地域支援事業の勉強会 岩手県大船渡市の住民組織「大船渡共生まちづくりの 会」(近藤均会長)は、昨年 月 日に岩手県保健福祉 3 加者には、市の生活福祉部長、 13 を開催した。当財団からは、さわやかインストラクター 11 護保険制度改正の目指す地域像は、助け合いのある地域 1 人の認証を受け、地域包括ケアのあるまちへの復興に向 9 3 会場の様子 近藤会長(右)と筆者 大 船 渡 市 ● 36 ● 2015.1 東日本大震災 活動の幅が広がる 寄らいん牡鹿 昨年 月 日、宮城県石巻市鮎川浜のホテルニューさ か井にて牡鹿会議(助け合いの会「寄らいん牡鹿」の事 9 らのしっぽ」(障がいの ある方の就労支援をして いる事業所)と連携し、 くじらのしっぽの利用者 と寄らいん牡鹿の利用者 が一緒にわかめの芯抜き 等の軽作業も実施してい 寄らいん牡鹿副代表の武田千春さん、事務局長の遠藤 秀喜さんから移動サービス(助け合い移送)についての 辺恵司さんと共に参加した。 る。今後、牡鹿全体の助 区に偏っている現状があ このような様々な活動 を実践している寄らいん るとの報告があった。 報告があった。現在、市から委託を受けた事業者が10 け合い活動であることを 集まるまでの間「寄らいん牡鹿」の広報も兼ねてメンバ 合い移送で対応することを検討している。住民の要望が をまとめ市に陳情し、バスで対応できないところを助け いる住民等は利用できない。使い勝手を含め住民の要望 支援を続けていきたい。 体に活動が広がるように を企画する予定。牡鹿全 員を含めた会員の研修会 認識してもらうため非会 (柘植 克真) ーがボランティアで移送サービスを行うとのこと。 牡鹿だが、活動が鮎川地 円バスを運行しているが、交通の不便な場所に住んで 務局会議)が開催され、さわやかインストラクターの渡 11 地域経済活性化と高齢者の社会参加の目的で、「くじ 牡鹿会議の様子 2015.1 ● 37 ● 石 巻 市 0 東日本大震災 これからの楢葉町 福島ふるさと交流会 45 3 と今後の政策をパワーポイント資料も用いて丁寧に説明 してくれた。家屋の修繕についての行政対応、日常生活 に必要な物品を購入するための店舗状況、現在の医療機 関の運営状況など、住民が帰町したときに困ることがな いように整備が進んでいるという報告があった。質疑応 答では、やはり除染状況についての質問があった。現状 参加であった。毎月開催している福島県被災者同行会世 ている遠藤氏が印象的であった。 を伝えながらも、住民の不安な声に対して真摯に対応し 話人会において、福島県の自治体の担当者の方から現状 講演後は、災害復興まちづくり支援機構と東京しごと センターの皆さんによる個別相談会と並行しながらの交 回目の個別相談会であるが、 回と比較すると相談件数が増えている。「帰町か定 容に変化していると感じた。次回以降も福島県の自治体 現在は復興が進んでいく中で将来の展望に対する相談内 住かの悩み」「賠償問題」など相談内容は様々である。 した。 遠藤氏は、 による情報発信の講演を予定している。 また、今年も福島県主催の福島ふるさと大交流会が 月 日に東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催され 年春に帰町 宣言をする見 込みの楢葉町 の復興の現状 1 る。 (中澤 将人) 12 15 主幹兼課長補佐兼復興推進 第 3 避難当時は目の前の生活に対する相談が多かったと思う。 1 係長の遠藤俊行氏が講演を は福島県楢葉町復興推進課 と今後の展望を直接聞きた 15 流会が行われた。今年度 11 いという要望があり、今回 昨年の 月 日、東京・秋葉原で、2014年度第 回福島ふるさと交流会を開催した。関係者を含め 名の 県外避難者支援活動 遠藤氏の講演の様子 ● 38 ● 2015.1 東日本大震災支援 復興応援地域通貨への 寄付で応援してください! さわやか福祉財団は現在、「復興応援地域通貨」を 被災地で進めています。ぜひご協力ください。 東日本大震災被災者支援のうち、特に、地域通貨を使った復興まちづくり支援に 特定して活用させていただきます(地域通貨義援金)。 実施予定地域:大槌町、釜石市、大船渡市、南三陸町、塩竃市 振込先 口座名義:公益財団法人さわやか福祉財団 郵 便 払 込 00120 - 0 - 764352 ※ みずほ銀行 浜松町支店 普通預金 口座番号1418298 東日本大震災義援金 東日本大震災の復興まちづくりをご支援ください。 主にさわやか福祉財団が重点地域として定める地域が対象となります。 重点地域:大槌町、釜石市、大船渡市、気仙沼市、南三陸町、石巻市、塩竃市、 山元町、及び福島県(福島県は現在は主に県外避難者支援を実施) 振込先 口座名義:公益財団法人さわやか福祉財団 郵 便 払 込 00110 - 7 - 709627 ※ 三井住友銀行 浜松町支店 普通預金 口座番号7479690 ※手数料不要の専用用紙をご用意していますのでお申し出いただければご郵送します。 それ以外のお振り込みは恐れ入りますが、振込手数料のご負担をお願いいたします。 【お願い】銀行振込の場合、お振込の詳細がわかりませんため、当財団発行領収書をご希望の方は、 お手数ですが、振込日、振込銀行名、振込金額と併せてお名前とご住所をご連絡ください。 さわやか福祉財団への寄付は、所得税・法人税等の控除対象となります。 一 般 の ご 寄 付 は 52頁 を ご 覧 く だ さ い ● 39 ● 2015.1 ご支援ありがとうございます。 根本 良一 鈴木 正良 今田 かおる 福島県 広山 麗子 北海道 東京都 橋本 邦義 田中 達夫 鈴木 勝利 勝又 烈 薄 幸夫 千葉県 富山県 山中 一彦 松岡 紀雄 大阪府 初田 隆史 京都府 前岡 陽子 愛知県 高知県 池本 侃一 広島県 五味 信子 兵庫県 件) 三浦 和彦 室崎 希彦 高橋 度 福沢 千恵子 吉田 薫 中村 益久 岐阜県 さわやかパートナー法人(7件) 野口 喜久子 長野県 三輪 正善 森 保 森本 恵子 森 恒俊 山口 浩一郎 横堀 佳代子 渡邉 正之 神奈川県 一般ご寄付(2件) 高橋 滋之( 万円) 栃木県馬頭中学 第 回卒業生有志(22,694円) 万円) (被災者・被災地復興義援金) 東日本大震災義援金ご寄付(1件) 匿名希望( ■これまでの義援金のご報告 株式会社アバン (2011年 月 日〜2014年 月 日) 今井 荘三 河崎運輸機工株式会社 NPO法人鎌ヶ谷たすけあいの会 株式会社三省社印刷所 川口 浩平 社会福祉法人矢祭町社会福祉協議会 日財団受付分) ※なお、自動振替の場合等、処理日と財団受付日にずれが出て掲載時期がずれる場合がありますことをご了承ください。 さわやかパートナーは、本財団の趣旨にご賛同いただき、財政的・精神的にご支援くださる 賛助会員の皆様です。会費は寄付金の一種として大切に活用させていただきます。 新規ご入会の会員の方、会員をご継続いただきました皆様も毎号ご紹介いたします。 また、個別のご寄付をいただきました皆様もご紹介させていただきます。 茨城県 石関 里英 宮武 光吉 (敬称略)(2014年 月 日〜 月 内田 恵子 石森 陽子 さわやかパートナー個人( 内田 雅久 宇田川 龍一 岡本 隆夫 古山 均 野崎 照子 洲﨑 一雄 清水 卓 有限会社サンハート NPO法人 東海市在宅介護家事援助の会ふれ愛 合計 7 ,589,052円 24 小林 勝輔 須部 佳春 田中 裕 時田 純 11 24 前田 達也 15 埼玉県 田代 守 細川 佳代子 1 5 3 1 弘津 英輔 5 相川 巌 佐藤 実以子 田邉 貴 原 昌文 6 11 54 11 ● 40 ● 2015.1 あなたの意見を社会へ生かそう 『さぁ、言おう』 は皆様の声を社会につなげる 問題提起型情報誌です ぜひ皆様の声をお寄せください 『さぁ、言おう』では、取り上げたテーマに対する読者の皆様から のご意見・ご感想、あるいは普段気になるテーマに基づいた体験記 や提言などを随時募集しています。 常設テーマ 地域の助け合い活動について 制度・施設について ふれあいボランティアやNPOの活 動から得たとっておきのエピソード、 あるいは活動上の問題・疑問など。 この制度・施設のここがいい、ここ を直してほしいなど、体験談や具体的 なアイデアなど。 生き方について その他自由随筆 年齢に関係なく前向きに意欲的な人 生を過ごしている方、波瀾万丈の人生 の中でも負けずに新たな道に進もうと している人など、皆様の身近にいる素 敵な方々をご紹介ください。 投稿の方法 ● 字数や回数制限はありません。ただし、掲載にあ たっては誌面の都合上、編集要約する場合がありま すので予めご了承ください。 ●一般投稿は形式は問いません。本誌添付の投稿ハガ キなどもご自由にご利用ください(ただし原稿はお 返しできません) 。 ● 投稿は、事情が許す限り本名でお願いします。 ただし掲載時には匿名、あるいはペンネームの使用 も可能ですので、その旨お書き添えください。 ● 投稿時には、お名前のほかに、ご住所、連絡先お電 話番号をご記入ください(内容により質問させてい ただく場合があります) 。性別、年齢もよろしけれ ばお書き添えいただければ、大変参考になります。 ● 41 ● 2015.1 送付先 〒105-0011 東京都港区芝公園 2 - 6 - 8 日本女子会館 7 階 公益財団法人さわやか福祉財団 『さぁ、言おう』編集部宛 FAX 03(5470)7755 E-mail [email protected] 2015.1 ● 42 ● 月 日〜 月 日〉 【 月6日】 和歌山市の県民交流プラザ和歌山ビ ッグ愛での、 月 日開催の新地域支 日】 (NPO法人福祉NPO支援ネット北 た。関東ブロックの研修会同様のプロ 九州・沖縄ブロックの 修会を福岡市で開催し、 月 〜 海道事務局長)と協議した。生活支援 グラムで、 ブロック研 委員会に参加した。 (中澤) 以下、新地域支援フォーラム)の実行 援のあり方を考えるフォーラム(総称。 18 コーディネーター及び協議体に関する 日間、参加者は県ごとの 名が参加し 83 8 〈2014年 24 澤出桃姫子さん(NPO法人ホームヘ 【 11 ル パ ー ノ ア 理 事 長 )、 山 本 純 子 さ ん 11 【 月6日】 (関連→P 月 日】 ) 展開について意見交換をした。保健福 祉局の中島正信局長にも挨拶。以前に (鶴山) ブロック研修会に関する参加状況 気で頑張っていた。(丹) 躍してくれた人たちが元 スケジュールを、近畿ブロックのさわ の確認、役割分担、実施までのタイム の 大阪市中央区のナルク本部ビルで、 月 〜 日に開催する近畿ブロック 田俊夫課長と、新地域支援事業の県内 【 堀田力会長と共に神奈川県庁を訪問 した。保健福祉部の石黒敬史部長、荘 らに結束を強め、動き出す勢いだった。 道内の状況を確認した。 (中澤) 連携を深めた。グループワーク終了後 は、県ごとのチームが戦略を立て、さ 2 ふれあい推進事業 1 11 生活支援コーディネーター養成プロジェクト 8ブロック研修会開催 県ごとに戦略を立てる 11 11 研修生として当財団で活 12 月5日】 10 14 【 クターの長井巻子さん(医療法人社団 KKRホテルで、さわやかインストラ 称 ブロック研修会)の内容を、札幌 助け合い活動推進に係る研修会」(通 月 〜 月 日に開催する北海道 ブロックの「新地域支援事業における 1 豊 生 会 本 部 ・ 地 域 包 括 ケ ア 推 進 部 )、 2015.1 ● 43 ● 12 11 11 6 15 30 11 12 8 11 11 8 日】 名が参加した。講演や講義で 22 出し物が行われ、一挙に結束を深めた した。初日夜の交流会では、県ごとの ーに求められる役割を理解し、グルー は制度全体や生活支援コーディネータ で、夢を持ち活動している地縁組織、 が参加した。過疎化も進む置賜エリア を開催し、置賜エリアから約130名 名が登壇し、 プワークでは各県の情報を共有し、今 日】 メンバーは、翌日のグループワークで ) 5 て学び合った。(関連→P ) (鶴山) 、 (翁川) 様々な助け合い活動について報告した。 ) 住民参加の仕組みのまちづくりについ した。関係者を含めて267名が参加 気づいたというアンケートもいくつか 和歌山市の県民交流プラザ和歌山ビ (鶴山) ッグ愛で新地域支援フォーラムを開催 月 日】 ) (中澤) 清水肇子理事長と共に長野県庁を訪 問した。阿部守一知事、健康福祉部の 、 はじめ、NPO、地縁組織、生活協同 小林透部長、村山隆一課長、油井法典 満席の盛況であった。参加者は、市長 東京都多摩市で新地域支援フォーラ した。 (関連→P ムを開催し、169名の参加で会場が 【 月 日】 【 あった。(関連→P 9 業への取り組みについて説明し、今後 ) (丹) 18 18 21 組合、大学関係などバラエティーに富 期待できそうだ。 (関連→P 16 14 による助け合いを広げていく必要性に 【 月 NPO法人のパネリスト 践者ら 11 山形県高畠町の中央公民館で、新し い地域支援を考えるフォーラム 置賜 やかインストラクターと確認した。 【 月 〜 日】 の協力体制について意見交換をするこ (中澤) 中国・四国ブロックの ブロック研 とができた。 (丹) 修会を岡山市で開催し、行政、社会福 【 月 日】 【 月 〜 8 祉協議会、NPO等、助け合い活動実 18 後の連携体制を模索する場となった。 東北ブロックの ブロック研修会を 宮城県仙台市内で開催し、 名が参加 11 11 補佐と面談し、当財団の新地域支援事 17 16 んでおり、協議体づくりの母体として 13 8 11 しっかりとチームとしての戦略を立て in 17 84 15 (関連→P 62 14 た。この研修会に参加して、住民参加 8 11 11 さわやか福祉財団活動報告 ● 44 ● 2015.1 復興支援プロジェクト 「被災地支援活動から」 コ 勉強会も兼ね、熱心な質疑が交わされ コ されたKOKO会議にさわやかインス た。(関連→P ) トラクターの永末厚二さん(NPO法 人さわやか福祉ネットたすけあい伊奈 相談役) 、 中戸幹郎さん(NPO法人 いずれも地元住民組織の主催である ところに大きな意義がある。 (丹) 月 日】 宮城県南三陸町で、復興応援地域通 貨地域運営会議準備会を開いた。準備 青葉台さわやかネットワーク理事長)、 【 さんが新地域支援事業の概要や、当財 会のコアメンバーで 新地域支援事業を 地域づくりに活かそう 団が作成した『助け合い活動創出ブッ タートを目標にスケジュールについて ) ) (鶴山) を進めることにした。(関連→P る」という目標を確認しながら、準備 (柘植) 会員管理など、これまでの試行の資料 を基に、「助け合いをしっかり促進す 渡辺さん、國生さんと参加した。永末 ク』等の情報提供を行い、今後の地域 話し合った。規約を整え、会員向けの 月の本格運営ス 日、さわやかインストラクターの 渡辺恵司さん(NPO法人こうとう親 づくりに活かしてほしいと説明した。 日】 子センター代表理事)と、宮城県石巻 区長宅等を訪問し、現状の確認と寄ら いん牡鹿の広報をした。 月 参加した。(関連→P 午後、岩手県大船渡市で 名規模の 新地域支援事業の勉強会が開催され、 その後、牡鹿会議に参加した。(関 【 連→P ) 日はさわやかインストラクターの 國生美南子さん(NPO法人たすけあ その後、中澤と釜石市平田仮設住宅 へ移動し、夜、新地域支援事業の勉強 月7日】 「県外避難者支援」 と共に、牡鹿(大谷川、寄磯、鮫浦、 会に参加した。こちらは、仮設の集会 【 いの会ふきのとう副代表)と渡辺さん 4 【 月9〜 日】 33 市牡鹿(泊、大原、大原団地)の行政 24 ルールや加盟店向けのルール作り、広 会議終了後、雄勝地区の波板地域交 流センターを訪問し、現状を確認した。 報、パンフレット、申し込みリスト、 11 当財団において、福島県被災者同行 泊)の行政区長宅等を訪問した。 名ではあったが、地域通貨の 所で約 70 10 37 その後、石巻市の牡鹿清優館で開催 2015.1 ● 45 ● 36 32 13 30 11 11 9 11 10 は「お年寄りが幸せに暮らせる社会を こととなった。 の経緯を吉田成良専務理事が説明する 回 創る活動」としてJKAから補助を受 会世話人会を開催した。今年度第 秋葉原の役割分 トラクター養成研修会、ブロック全国 担などの最終確認をした。 (中澤) けて事業を実施している。評価作成部 会では、情報誌発行、さわやかインス われ、基本は投稿者の意向を尊重する うかの判断基準等を決定する論議が行 広報委員会では、寄せられた原稿を 高連協ホームページ上に掲載するかど 社会人地域参加応援プロジェクト 社会参加推進事業 秋葉原を開催した。 月5日】 月 日】 堀田会長が記念講演 地域参加への呼びかけ いうルールにした。 (野島) (加藤) 員会の全員一致の承認を前提にすると 協働戦略会議、各種マニュアル作成、 楢葉町の現状等を 復興推進担当者が説明 【 月 日】 した。(関連→P 月 日】 その他 【 日に憲政記念館第一 東京で行われ、参加した。この団体の 前身は「1984(昭和 月 会議室で開かれることとなり、樋口恵 連(当時)加盟企業を中心に企業退職 )年、経団 子共同代表と堀田力共同代表の挨拶の 新年集会は た。検討課題は、2015年新年集会 公 益 社 団 法 人 日 本 産 業 退 職 者 協 会 ・賀詞交歓会の時期とテーマについて。 (JARP)の創立 周年記念行事が をした。参加者及び関係者 名が参加 高 齢 社 会 N G O 連 携 協 議 会( 高 連 (中澤) 協)役員会、及び広報委員会に出席し 【 ) 福島県楢葉町の復興推進担当者が講演 【 ふるさと交流会 東京・千代田区のジーニアスセミナ ールーム秋葉原で、今年度第 回福島 3 45 東京・港区にある公益財団法人JK Aで、第 回補助事業・評価委員会、 8 者を含むシニアの『生きがいづくり』 1 後、高連協の設立から今日までの活動 59 38 評価作成部会が開催された。当財団で 3 30 15 11 13 11 11 11 in した。 ものの、一定の判断基準として広報委 in 研修会の開催の成果等について説明を 福島ふるさと交流会 3 11 さわやか福祉財団活動報告 ● 46 ● 2015.1 て設立」された。理念は、「急速な高 としてこの種の他の民間団体に先駆け を目指し、労働省(当時)を主務官庁 んが参加してくれるようにと、地域参 地域支援事業の支える側に会員の皆さ (石川) する意識向上につなげることができた。 民間支援創出プロジェクト 月7日】 ナルク市民後見人研修会」が東京・港 ク)の東京事務所主催の「関東地区・ NPO法人NALC(ニッポン・ア ク テ ィ ブ ラ イ フ・ ク ラ ブ。 通 称 ナ ル 【 市民後見人研修会開催 市民後見人プロジェクト 加への呼びかけを行った。 (野島) 応を迫られているなかで、退職者を含 ◎助け合い基金推進チーム 齢者社会の到来に伴い社会が新しい対 むシニアの生活の安定・向上を図り、 『生きがい』を提供して高齢者の心身 新しい寄付文化で 地域を幸せに さわやかインストラクターの渡辺恵 司さんの主催により、東京都江東区で 名 不特定多数の個人から寄付を集めるク て講演した。インターネットを介して しい寄付文化で地域を幸せに」と題し しあわせなみだ代表中野宏美氏が「新 を目指して活動をしているNPO法人 回)が開催された。今回は性暴力ゼロ 部の山田稔理事によると、現状の体制 見の取り組みをしているが、ナルク本 同士の助け合いの中で法人での任意後 心に受講してくれた。ナルクでは会員 題して講演をし、参加者の皆さんは熱 「成年後見人制度の近況について」と の 参 加 が あ っ た。 こ の 研 修 会 の 中 で 区で開催され、関東各地区から約 ラウドファンディングについての実体 「 助 け 合 い 基 金 推 進 研 究 会 」( 第 11 では法定後見ができない状況とのこと。 3 の健康増進と積極的な社会参加の場づ くりに寄与すること」(JARPのホ 【 月 日】 ームページより) 。 堀田力会長が「超高齢社会と我々の 生き方」と題して記念講演を行い、新 21 験に基づいた話で、出席者の寄付に対 2015.1 ● 47 ● 35 11 一方、新地域支援事業を進める上で、 ナルクの助け合いの精神・活動を地域 で活かすためには、行政、社会福祉協 議会等と地域での連携が必要なことか ら、関東の拠点(宇都宮市、横浜市な ど)では地域と連携した取り組みが始 日】 まっている。 (野島) 【 月 千葉県の我孫子市民向け講演会「自 分らしく生きる ─人間の尊厳を守る成 年後見制度 ─」が認定NPO法人東葛 市民後見人の会主催で開かれ、参加し た。来賓挨拶では、我孫子市の星野順 の必要性についてわかりやすく説明を した。 ほぼ満席で、東葛市民後見人の会が 地域に根付きつつあることを感じ、頼 もしさを感じた。 (野島) 情報・調査事業 政策提言プロジェクト 生活支援・介護予防サービスの 創出を積極的に推進 【 月 日】 市民の取り組みを支援する体制づくり 東葛市民後見人の会に対する期待と、 川後見センターの齋藤修一センター長 実務の第一人者であり先駆者である品 かりやすく話した。講演②では、後見 年後見法のポイントと課題についてわ された。それは、市町村が中心となっ のための取り組みの基本的考え方が示 支援・介護予防サービスの開発・発掘 その中で厚生労働省老健局から、生活 東京・千代田区の灘尾ホールで全国 介護保険担当課長会議が開催された。 一郎市長が登壇し、我孫子市の高齢化 に着手している等の説明があった。 が、実践経験に基づき、新たな地域コ て、元気高齢者をはじめ住民が担い手 率や成年後見の必要性などの説明の上、 講演①では、成年後見制度の第一人 者である日本成年後見法学会の新井誠 ミュニティーの一翼を担う市民後見人 10 14 理事長(中央大学法学部教授)が、成 11 11 さわやか福祉財団活動報告 ● 48 ● 2015.1 として参加する住民主体の活動(地縁 分の能力を活かしたいきがい活動と生 も希望すれば、この手帳を活用して自 と」「仕事を丁寧に行うこと」の 「指示された手順通りに仕事をするこ 点 組織)を中核とし、NPO、社会福祉 を挙げて、それぞれ、福島ふるさと交 3 日目は緊張していたが、 キットのカードセットの作業などを実 きる。 (加藤) 流会の準備、申込書の印刷作業、パソ コンの入力作業、時間通貨体験ゲーム 協議会、生活協同組合、農業協同組合、 活支援サービスを結び付けることがで 民間企業などの多様な主体による多様 なサービス提供体制を構築し、高齢者 を支える地域の支え合い体制づくりの 習した。 人とも 1 日目からは、しっかりと手順を確認 2 なで頑張ろう! 堀田会長の俳句は裏表紙裏をご覧ください。 「陽」の文字。さてこの選択はだあれ? ちなみに「明るいあたたかさ、思いや り、積極性」などの意味があるのだとか。変革の2015年、原点に戻ってみん ー ト と し て 全 職 員 名 が 掲 載 さ れ ま し た。 そ し て 真 ん 中 に ど 〜 ん と 赤 い 「ボクの俳句じゃなくていいよ」との話。清水理事長の発案で新たなスタ ● 年 賀 状 の デ ザ イ ン が 変 わ り ま し た。 理 事 長 交 代 に よ り、 堀 田 会 長 か ら 目標として、「物を丁寧に扱うこと」 これからも頑張ってほしい。 (高橋) 取れていた。今回の体験実習を活かし、 するなど、コミュニケーションもよく できた。財団職員にクラブ活動の話を しながら落ち着いて作業を行うことが 2 財団運営グループ 日間、当財団で就業体験 1 推進である。さらに「生活支援コーデ 名が各 年生の生 就業体験 都立永福学園より 20 ィネーター(地域支え合い推進員)」 や「協議体」の設置を通じて、互助を 〜 日・ 〜 日】 18 東京都立永福学園高等部 基本とした生活支援・介護予防サービ 【 月 徒 11 を行った。 13 3 スの創出を積極的に進めるとの考え方 が示された。 その他、介護予防手帳(仮)の導入 が紹介された。これは、要支援者が現 在していることや趣味、活動記録など を記載し、さらに支援する側とされる 側の垣根を取り払い、要支援者であっ ても生活支援活動に参加しやすくする ための介護支援ボランティアポイント を手帳に記入できるようになっている。 要支援者だけではなく、元気高齢者で 2015.1 ● 49 ● 11 2 歳 人が楽しく笑顔で 生活できる大切さ 石井 篤子さん 歳 山梨県 78 頁もなかなかわかりやすかったです。 「巻頭言」の新担当、清水理事長の わかって良かったと思います。 自分の住居地の自治体以外の様子が 地の取り組みがよく理解できました。 け合い)が、特に印象的でした。各 支え方のあり方 ─地縁組織による助 ーラム」の事例報告(新しい地域の 2014年 月号を読んで、「新 しい地域支援のあり方を考えるフォ っとやさしく楽しく話し合えるとい 各県の取り組みも具体的でわかり やすいです。今、家族のあり方、も ました。 ることの大切さを学ばせていただき でなく、人が楽しく笑顔で生活でき 用して、ベッドに寝かせておくだけ ディスカッションでは、空き家を利 2014年 月号を送ってくださ りありがとうございました。パネル しあわせ した。映画は、どの場面も笑顔で優 ざいました。お話も映画も感動しま 留市に来ていただき、ありがとうご in いですが、難しいです。 「幸福なまちづくり考 つる」で都 今後とも、よろしく 久し振りに読みましたが、みな大 変、興味深い中身でした。 11 各地の取り組みが よくわかりました 匿名希望さん 東京都 52 ● 50 ● 2015.1 Tsutomu Hotta 8 ワーポイント(ロゴ無し、 ロゴあり) 》 《PDF(ロゴ無し、ロゴあり)》 したいです。 優しさは、生きる力の源です があります。ロゴとは当財団のロゴで、「無し」は入っていない版 月『さぁ、言おう』を読んで、人間 クしてください。《マスター版》と、項目ごとに分かれている《パ しく寄り添っている生き方に、私も 上段の真ん中「新地域支援 助け合い活動創出ブック」をクリッ として守り合いこそ一番助け合いに http://www.sawayakazaidan.or.jp/ ほっとして涙が止まりませんでした。 当財団のホームページからダウンロードできます。 と、常に心がけて生きることを活か 助け合い活動を広げるために、どうぞご活用ください もっと多くの人に参加してもらいた 『助け合い活動創出ブック』 かったです。 、 月号も読んで、皆さんにも 読んでもらっています。堀田会長、 清水理事長のご指導を学びながら都 留市を元気にしようと努力します。 ! 幸せなまち都留へ 優しい言葉、 温かい言葉 岩村 誠さん 栃木県 優しい言葉、温かい言葉、どちら も助ける言葉です。安心させるよう 2015.1 ● 51 ● な言動を目標にしていくことが大切 ここをクリック! 10 と思います。個人会員になって、毎 になります。必要なものをダウンロードしてお使いください。 9 私たちはふれあいあふれた地域づくりを支援しています さわやか福祉財団の活動をぜひご支援ください。 『さぁ、言おう』はみんなで新しい社会のあり方を考える問題提起型の情報誌です ■さわやか福祉財団の活動をさわやかパートナーとしてご支援ください。 個 人 年会費 Aコース 法 人 年会費 Aコース ▲ Bコース ▲ 『さぁ、言おう』を毎月お手元に お届けいたします。 さわやかパートナーは、さわやか 福祉財団の理念と活動に共感して 会員としてご支援いただく賛助協 力者の皆さんです。 (1 口) Bコース 10,000 円 3,000 円 100,000 円 20,000 円 公益財団法人さわやか福祉財団の会費は、特別な特典を付与するもの ではない賛助会費であり、寄付金の一つの形です。 ■寄付金は税金の控除対象となります。 さわやか福祉財団へのご寄付は、所得税、法人税等の控除対象となります(所 得税の寄付控除額の上限は所得の40%−2000円)。 一般ご寄付を いただく場合の お振込口座 口座名義:公益財団法人さわやか福祉財団 郵便払込 00120- 9- 668856※ 三菱東京UFJ銀行 浜松町支店 普通預金 口座番号3731714 りそな銀行 芝支店 普通預金 口座番号1174297 ※手数料不要の専用用紙をご用意していますのでお申し出いただければご郵送します。 *いずれもお問い合わせは、編集部あるいは社会支援促進チームまでお気軽にご連絡 ください。 ([email protected]) はり絵・池田げんえい 編集後記●2015年新春、いかがお過ごし 「夢に向かって」 でしょうか。新春巻頭言で清水理事長が書 いているように、 15年度から新地域支援事 業が本格的に始動します。全国のさわやか インストラクターと力を合わせて、全国津 々浦々に〝ふれあい・助け合い が広がる 〝 よう、強力に推進していきます。本誌でも 協議体づくりに向けた各地の動きや、先駆 的な地域の助け合い等を紹介し、誰もが生 き生きと住み慣れた土地に最後まで暮らせ るための助け合いの仕組みを提案していき ます。「新しいふれあい社会」に向けて、 今年もよろしくお願い申し上げます。 2015.1 ● 52 ● 原点に 戻る覚悟を 初詣 迷う時は 原点に戻って考える その結果 零からやり直すのが よいと判断した時は これまでの実績を捨てて 零に戻る それはおそろしいことであり 大変な勇気が要る だから 祈る 自分をみつめるために No.229 1月号 通巻257号 2015年1月10日発行 (毎月1回10日発行) 表 紙 絵 池田げんえい イ ラ ス ト 福島康子/細馬一紀 吉村美穂 レイアウト 菊池ゆかり 印 刷 所 日本印刷株式会社 編 集 担 当 鈴木裕子 発 行 人 清水 肇子 発 行 元 公益財団法人さわやか福祉財団 〒105 - 0011 東京都港区芝公園2- 6 - 8 日本女子会館 7 階 Tel(03) 5470 - 7751 Fax(03) 5470 - 7755 E-mail [email protected] http://www.sawayakazaidan.or.jp Printed in Japan 無断複写・無断転載はご遠慮ください© すべての人の 尊厳ある暮らしを目指して 1 平成 年 月 日発行 ︵毎月1回 日発行︶ 27 10 1 10 通巻 号 257 助け合い活動をどう創出し、 そのネットワークをどう広げていくか、 それがこれから求められる地域づくりの核となります 新地域支援事業における助け合い活動推進に係る研修会 要支援者の皆さんをはじめ、地域で日常的な生活支援を必要としている人 たちをどう助け合いで支えていくのか、4月からの介護保険制度改正を前に、 さわやか福祉財団では全国都道府県を8つに区分けして、関係する方々に具 発行人 清水肇子 体的に議論してもらう1泊2日の研修会を昨年 10月から1月まで開催しています。関東ブロッ クを皮切りに、現在、北海道、東北、中部、近 畿、中国・四国、九州・沖縄の各ブロックで研 発行元 公益財団法人さわやか福祉財団 修会を開きました。研修会後、助け合いのある まちづくりに向けて動き出した地域もあります。 「この町に暮らしていて良かった」とそんな声 が全国に聞こえる地域づくりを目指して取り組 んでいきます。詳細は本誌6頁をご覧ください。 助け合い活動を広げる意味を語る 堀田力会長 東京都港区芝公園2︲6︲8 日本女子会館7階 〒105 -0011 『助け合い活動創出ブック』を用いて、各地の さわやかインストラクターが講義を進めた (於・北海道ブロック) 各県から地域づくりを担う人々が集まった。 県ごとに分かれたグループワークの様子 (於・中国・四国ブロック)
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