4.新技術説明会について(実施後フォローアップ、来年度の実施) 【産連展開部(産学連携支援G)】 新しい植物細胞二次細胞壁可溶化技術を 用いた農産物の高度利用 大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 教授 笠井 尚哉 1 新技術の概要 ● 難分解性糖タンパクからなる種子・果実など の二次細胞壁を非酵素的かつ簡便に可溶化する方 法を見出した。 ● 可溶化物は良好なゲル化特性・ボディ形成 能・起泡性・乳化性・プレバイオティクス特性が 期待できる。 ● また、本技術を利用した植物性残渣の減容化 が簡単にできるため、食品などの製造プロセス改 良、環境負荷低減、バイオマスの効率的分解も可 能と考えられる。 2 従来技術とその問題点 ● 植物細胞や残渣の約30 植物細胞や残渣の約30~ 30~80%を占める二 80%を占める二 次細胞壁は難分解性であり、これまでは廃棄 されていたが、一部のペクチナーゼで低分子 化され可溶化できることを明らかにしていた。 ● しかしながら酵素の使用と低分子化され ることが問題となる場合もあった。 ● 本法では「酵素を使用することなく」 本法では「酵素を使用することなく」、 「酵素を使用することなく」、 「簡便に可溶化」できることから機能性素材 「簡便に可溶化」できることから機能性素材 としての活用などへの展開が期待される。 3 新技術の特徴・従来技術との比較 ● 従来技術の問題点であった、高価な酵素 を使用せずに可溶化することに成功した。 ● 本技術の適用により、簡便に可溶化でき、 セルラーゼ処理との併用で「細胞壁」群は、ほぼ 完全に可溶化できる。 A D C 2CW 難分解繊維と思われていた二次細胞壁 を簡便に可溶化・素材化・減容化可能 B Residual % (w/w) ) 100 C D 細胞壁群は可溶化 96 58 13 4 想定される用途 ● 天然物由来新規食品加工用剤 天然物由来新規食品加工用剤: 由来新規食品加工用剤: ゲル化剤・増粘剤・起泡剤 ゲル化剤・増粘剤・起泡剤・ ・増粘剤・起泡剤・ pH機能性乳化剤 機能性乳化剤など 機能性乳化剤など ● 新規プレバイオティクス 新規プレバイオティクス ● 機能性食品素材 機能性食品素材 など ● 残渣減容化・抽出・消化改善など 残渣減容化・抽出・消化改善など ● 残渣減 残渣減容化・バイオマス関連改善 容化・バイオマス関連改善 などへの展開 高い起泡性の例 乳化性の例 5 実用化に向けた課題 ● 現在、基本技術は開発済み。 ● 今後、色々な農作物・植物での可溶化物の 実際的な利活用できるかどうかが課題 6 企業への期待 ● 可溶化物の利用や応用を希望する企業 との共同研究を希望。 の共同研究を希望。 ● また、植物性の食品素材開発企業や 飼料分野へ 飼料分野への新しい展開を考えて の新しい展開を考えている を考えている 企業には、本技術の導入が有効 企業には、本技術の導入が有効と には、本技術の導入が有効と 思われ期待したい。 7 本技術に関する知的財産権 ●発明の名称:二次細胞壁の可溶化法 ●出願番号 :特願2015−205135 2015 205135 ●出願人 :大阪府立大学 ●発明者 :笠井尚哉・大谷直輝 8 産学連携 ● 平成23 平成23年度 23年度JST 年度JST A Stepシーズ探索 Stepシーズ探索 「ポリフェノール・タンニンと塩基性繰り返しペプチ ドの親和性を利用する高選択的識別表示」 ● 平成24 平成24年度 24年度JST 年度JST A Stepシーズ探索 Stepシーズ探索 「新しい食品加工・発酵食品のためのダイズ一段階液 化法の開発」 ● 平成25 平成25年度 Stepシーズ探索 25年度JST 年度JST A Stepシーズ探索 「難分解繊維とされてきた植物二次細胞壁を利用でき る細胞壁分解可溶化酵素を生産する微生物の探索」 る細胞壁分解可溶化酵素を生産する微生物の探索」 9 お問い合わせ先 ● 大阪府立大学 ● 統括コーディネーター 鈍宝 宗彦 TEL 072-254-9128 FAX 072-254-7475 e-mail [email protected] 10
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