13 太陽光と可視光応答型 酸化チタン薄膜光触媒を用いる 水からの高効率水素生成系の構築 大阪府立大学 SP <研究の目的と概要> 近年、酸化チタン光触媒を利用する環境浄化に向けた製品が多く市場に出回りつつある。しかし、 従来タイプの酸化チタン光触媒は紫外光の照射を必要とするため、太陽光や可視光の照射下で 機能する光触媒系の開発が望まれている。 安保研究室では、イオン注入法やマグネトロンスパッタ法などのイオン工学的手法を用い、紫外 光から可視光までの全光域を吸収し機能する第二世代の酸化チタン光触媒の開発に関する研究 を行っている。これにより、太陽光の照射による環境保全、また、水素エネルギーの安定供給を可 能とする光触媒系の構築が可能になると期待される。 太陽光照射下で機能する酸化チタン薄膜光触媒による 水からの水素エネルギーの製造 →最も理想的なエネルギーサイクル 太陽光 H2 + 1/2O2 可視光応答型 酸化チタン光触媒 ΔGO = 238 kJ / mol エネルギー 出力 H2O 特 許 関連分野 パートナーへの要望 ハ トナ への要望 出願中 共同研究先 有 無 技術段階 研究段階 実用化段階 小型燃料電池へのオンサイトでの水素供給システム 全固体型太陽電池への応用 お互いの得意分野を活かして 次世代エネルギーである水素の供給システムをともに開発しましょう。 次世代エネルギ である水素の供給システムをともに開発しましょう。 工学研究科・物質・化学系専攻 安保正一 松岡雅也 竹内雅人 E-mail:anpo@chem.osakafu-u.ac.jp TEL:072-254-9282 FAX:072-254-9910 13 大阪府立大学 太陽光と可視光応答型 酸化チタン薄膜光触媒を用いる 水からの高効率水素生成系の構築 水 高効率水素 成系 構築 P1 <研究の目的と概要> 近年、酸化チタン光触媒を利用する環境浄化に向けた製品が多く市場に出回りつつある。また、酸化チタン光触媒は、 水の直接分解による水素製造、二酸化炭素の水による還元固定化反応など、エネルギー貯蓄型の反応を誘起する。し かし、従来の光触媒は紫外光の照射を必要とするため、太陽光や可視光の照射下で機能する酸化チタン光触媒の開発 が望まれている 安保研究室では イオン注入法やマグネトロンスパッタ法などのイオン工学的手法を用い 紫外光から が望まれている。安保研究室では、イオン注入法やマグネトロンスパッタ法などのイオン工学的手法を用い、紫外光から 可視光までの全光域を吸収し機能する第二世代の酸化チタン光触媒の開発に関する研究を行っている。これにより、太 陽光の照射による環境保全、また、水素エネルギーの安定供給を可能とする光触媒系の構築が可能になると期待される。 (2)可視光応答型酸化チタン薄膜を用いた 水素と酸素の分離生成 (1)マグネトロンスパッタ法 マグネトロンスパッタ法による による 可視光応答型酸化チタン薄膜光触媒の創製 マグネトロンスパッタ法を用い 各種基板上に基板温度を873Kに制 マグネトロンスパッタ法を用い、各種基板上に基板温度を873Kに制 御して成膜することで、紫外光から600 nm以上の領域の可視光までを 吸収する可視光応答型酸化チタン薄膜の創製に成功した。TEM、SIMS 測定の結果、薄膜は表面から内部にかけてO/Ti比が傾斜的に減少す る異方的構造を有しており、この特異な結晶構造が可視光応答性に寄 与していることがわかった。 Ti基板上に成膜した可視光応答型TiO2薄膜光触媒を2槽型セルに 適用することで、太陽光の照射で水を水素と酸素に完全分解し、かつ 水素と酸素を分離して生成する光触媒プロセスの創製に成功した。 太陽光追尾型 集光装置 光触媒 Pt TiO2薄膜 O2 H+ ヒーター 基板 e- OH- H2 Ti基板 Arプラズマ 雰囲気 磁 場 S N N S 磁 場 石英 ターゲット (TiO2) 光ファイバー 太陽光 イオン透過膜 図. マグネトロンスパッタ法の概念図 473K 673K 873K TiO2薄膜の色 表面 100 O/Ti = 2.00 透過率 / % 473 K 673 K 50 873 K 0 200 400 600 800 波長 / nm TiO2薄膜の紫外・可視光吸収特性に及ぼす C.B. C.B. V.B. V.B. O/Ti = 1.933 石英基板 1 µm Amounts of evolved H2 and O2 / A μmol 二槽型反応セル(ステンレス製) マグネトロンスパッタ装置 Relative intensity of solar light / a. u. N S h+ 25 Solar beam intensity H2 20 15 10 O 2 5 0 0 2 4 可視光応答型TiO2薄膜光触媒の断面TEM像 6 8 (17:30) (9:30) Time / h 成膜時の基板温度の影響 簡便な1段階のドライ成膜プロセスで可視光応答型酸化チタン 薄膜光触媒の創製に世界で初めて成功 可視光応答型TiO2薄膜光触媒を2槽型セルに適応し、太陽光照射下で水を 分解し水素と酸素を分離生成した1日の経時変化(ケミカルバイアス存在下) 2槽型セルに可視光応答型薄膜光触媒を適用することで 太陽光照射下での水からの水素と酸素の分離生成に成功 工学研究科・物質・化学系専攻 安保正一 松岡雅也 竹内雅人 E-mail:anpo@chem.osakafu-u.ac.jp TEL:072-254-9282 FAX:072-254-9910 13 太陽光と可視光応答型 酸化チタン薄膜光触媒を用いる 水からの高効率水素生成系の構築 大阪府立大学 P2 本研究の用途 副次的効果 太陽光照射下で機能する 酸化チタン薄膜光触媒による 電力源のない 山頂での環境浄化 水からの水素エネルギーの製造 室内で利用可能な 光触媒材料への展開 アジア地域での 汚染水の浄化システム 携帯電話 携帯情報端末 ノートパソコン モバイル機器用小型燃料電池への クリーンな水素供給 クリ ンな水素供給 養殖池 宇宙ステーション オンサイトでのクリーンな 酸素の利用(病院や養殖産業など) 実用化に向けた課題 さらなる可視光応答型光触媒の活性向上 大面積基板への可視光応答型光触媒薄膜の成膜 より高効率な太陽光照射を可能とする大型太陽光集光システムとの複合化 お問合せは・・・・・大阪府立大学 産学官連携機構 リエゾンオフィスへ TEL:072-254-9872 FAX:072-254-9874 E-mail:[email protected] 〒599-8570 大阪府堺市中区学園町1番2号
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