ラブライブ!皆で輝かせる夢 トランサミン ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ 幼き頃に誓った約束。 それを蔑ろにしてでも努力をし続けた少年細貝和生は綺羅々とい う芸名でアイドルをやっていた。 そんな彼は約束を作り続け、それをすべて守るべく、努力を続ける。 相方は幼き頃の約束を話すべくアイドルとなった少年、由夢こと佐 藤伊織。 彼は再開を夢見て自分を磨き続けた。 2人がアイドルをするなか2人と約束を誓った少女たちがスクー ルアイドルとして立ち上がる。 これは2人のアイドルと9人の女神たちが送る甘くて切ない青春 の記録である。 物語の始まり │││││││││││││││││││││ 目 次 スクールアイドル ││││││││││││││││││││ ファーストライブ │││││││││││││││││││ 私たちの歌 │││││││││││││││││││││││ クールで可愛いピアニスト ││││││││││││││││ ずるいですよことり⋮ ││││││││││││││││││ バレる素性 │││││││││││││││││││││││ 1 37 32 22 17 13 7 ! 物語の始まり 会場には満員の観客たち、輝かしい照明。 身を焦がすような熱気、鳴り響く歓声。 それら全てが今俺たちに集まっている。 ﹁由夢、ここで俺達の物語は始まったんだよな﹂ sの物語はここから始まったんだ ﹁ああそうだな綺羅々、俺達と9人の女神の物語がな﹂ そう、俺達とμ !! のように深い青の髪をした少女、そして可愛らしい純粋な笑みを浮か べる少女がいる。 黒髪の少年が2人の少女にリングのようなものを渡している。 1 ﹂ ! ﹂ ﹁2人ともこれあげるよ ﹁これですか ﹁なぁにこれ ﹂ 全ての始まりは十数年前から。 ' 夕焼けに包まれる公園に黒髪の少年と落ち着いた雰囲気を放つ海 ? ? ﹂ ﹁うーん、母さんがずっと守りたい人にあげなさいって ﹂ ﹁それが私たちですか ﹂ ﹁ことりたちなの ﹁うん ? ﹁うん ﹂ ! ﹂ ! だ。 ﹂ ﹂ 全国大会で配線を喫し、涙ながらに会場をあとにしようとした時 ここで人生に転機が訪れる。 彼の努力は実り最後の全国大会でのベスト4入りも果たしたのだ。 になっていった。 中学生になってもその生活は続き約束を誓った少女たちとも疎遠 幼馴染との時間を削ってまで彼は努力をし続けた。 やした。 もともと音楽が好きだったこともあり、たくさんの時間をそこに費 小学生になり、日本舞踊を習い始めた。 はここから始まった。 幼い頃の意味もわかっていない約束、綺羅々こと、細貝和生の全て ことりもずーっと大切にするね ﹁ありがとうございます。大切にしますね﹂ ? ﹁お前、俺のパートナーにならないか ﹁は ? 視線を上げるとそこには長身でメガネをかけた少年がいた。 2 ! ! 負けた悔しさと苛立ちでぶっきらぼうな言い方になってしまった。 ? ﹁何言ってるんですか パートナーとか﹂ 1位の奴とかの方が踊りは上手いでしょ ど、相方がいなくてさ。それでお前を誘ったわけだ﹂ ﹁なんで俺なんです ? ﹁マ、マネージャー ていた。 数人の大人達が話し合った後、ジロジロと観察されたのだけは覚え それが終わったあとのことはよく覚えてはいなかった。 訳のわからぬまま書類にサインをさせられる。 ﹁あ、えっと、はい﹂ ﹁サインをお願いします﹂ がやって来る。 少年の後ろからどこに隠れてたんだと言わんばかりの人数の人々 ﹂ ﹁よし、マネージャー。いいってよ﹂ ﹁そこまで言うならいいけど⋮﹂ 真剣な面持ちで語る少年の言葉に和生の気持ちが動いた。 表情、真剣ながらも楽しそうだったからな﹂ ﹁顔だよ。アイドルは歌と踊りだけじゃない。踊っていた時のお前の ﹂ ﹁俺は佐藤伊織。来年由夢って芸名デビュー予定のアイドルなんだけ ? 家に帰ると親が騒いでいて、なんか電話で言われたとか。 3 ? ? 学校に連絡をして学校を休みがちになる事を伝えた。 そしてクラスには公表しないことなども求めた。 そこからは地獄のような生活が始まった。 食生活をしっかりと管理し学校を休んで歌とダンスの練習、家に 帰った後は筋トレにランニング、キャラ作りのために髪も濃いピンク 色に染めた。 ﹂ 休 日 は 相 方 の 伊 織 と 共 に フ ァ ー ス ト ラ イ ブ を 行 う 場 所 の 確 認 や 様々な場所を巡って仲を深めた。 ある時彼に聞いたことがあった。 ﹁伊織たんがアイドルをやろうとしたきっかけは それでアイド ﹁んー、ガキの頃に中の良かった子が引っ越しちゃってさ。再開を約 束したんだが日本中を回れる仕事なんて少ないだろ ルになろうって決めたんだ﹂ ﹁へー﹂ 夢のファーストライブが行われた。 そんな日々が2ヶ月続き、六月の半ば俺と伊織のいや、綺羅々と由 かったのはいい思い出だ。 ウィッグと伊達メガネをかけて生活していた為、ことりの視線が痛 ていった。 学校に行ける時間は殆ど無く、幼馴染たちとは関わりがさらに減っ もちろん幼馴染たちも同じ学校だ。 院に進学した。 俺はそんな日々を過ごしながら共学になったばかりの音ノ木坂学 これがスターの素質なのだろうか。 こんな他愛のない話でさえも彼が話せは凄みが生まれる。 ? 曲は3曲、事務所が有名ということもあり大きな会場でやらせても らえた。 4 ? ライブは見事成功、輝かしいデビューを飾ることが出来た。 それからは更に大変だった。 テレビ出演やライブのツアー。新曲のレコーディングやダンスの 練習。 更にハードな日々が続いた。 一番ハードだったのは学校の定期テストとツアーが重なった時だ。 どうにか学校に交渉して別日に受けさせてもらったり、近い会場な らライブの後に受けに行ったりした。 ﹂ 順調にアイドル活動を続けていた時、この事がある人物にバレた。 ﹁なんでことりに言ってくれなかったの ﹁事務所に黙ってろって言われてるんだ。喋っちゃったら俺も相方と ﹂ 全然話しかけてくれないし学校にもあんま 同じ芸能人が通ってる学校になるかもしれなかったしね﹂ ﹁うー、それでもだよっ り来ないから心配してたんだよっ ﹁うっ⋮ごめん﹂ 俺はことりに携帯の番号とアドレスを教え、自分のやっていること をすべて話した。 ﹂ そして最後に海未にだけは言わないで欲しいことを言った。 ﹁どうして海未ちゃんには秘密なの じゃあ約束ね ツアーとかでお休みする時 ? か﹂ 頑張ってるよっ ﹁あ い つ が 頑 張 っ て る の 邪 魔 し た く な い よ。弓 道 凄 い ら し い じ ゃ ん ? 5 !! 昔からそうだ俺は涙目のことりにはめっぽう弱い。 !? ! ! ﹁うん ! は小鳥に教えること﹂ ﹁ありがとう。いつか3人をライブに招待するよ﹂ でも和くん穂乃果ちゃんと仲良かったっけ ﹂ ? ﹁やったぁー ﹂ ﹁話したことないけど仲間はずれは可哀想だから﹂ ﹁和くんは変わってないね。ずーっと優しいねっ ﹁あはは、さんきゅな﹂ ! そうしてこの事件も何とかした後、俺はどうにか2年に進級するこ とが出来た。 ﹂ そんな時ことりからメールが入る。 その内容は ﹁音ノ木坂学院が廃校 !? ここから俺の人生は加速して行くのであった。 6 ! スクールアイドル ことりから廃校を知らされた俺は廃校の危機という事で仕事を無 理を言って開けてもらい、学校に来ていた。 もちろん黒髪のウィッグと伊達メガネは装備している。 これがないと騒がれかねないからだ。 学校にいる時間が少ない俺には友達は数人しかいない、俺が久しぶ りに学校に来るとその数少ない友人が話しかけてきた。 ﹁細貝∼またサボリかよ。そんなんで良く進級できるよな﹂ ﹁海斗か、成績優秀なお前から比べれば俺なんてな⋮﹂ 俺はわざと落ち込むような演技をする。 7 アイドルをやってるうちに勝手についていった演技力は意外と役 立つと思ってる。 ﹁落ち込むなって。お前だってテストはそこそこ取れてるじゃんか﹂ そんな事を話していると教室の扉が開いて海未たちがやってくる。 穂乃果ってこはことりの言う通り朝はよわそうだ、今もあくびをし ている。 ﹂ しかしながらあの手に持っている大きな雑誌は何なのだろうか、A │RISEが載ってるように見えるが。 そんな思考を巡らせていると海斗が茶々を入れてくる。 ﹁また南さんたちをみてんのかよ。そういや幼馴染なんだっけか 幼馴染ではあるけどな﹂ ﹁別にアイツらを見てたわけじゃないさ。まぁ海未もことりも自慢の ? 学校生活では関わることが少なくなっているが、少なくとも俺はそ う思っている。 ﹂ ことりはライブの度に応援メッセージをくれるし、海未は弓道の名 人と言ってもいいな。 スクールアイドルをやろう そんな時だ、穂乃果から衝撃の発言が飛び出したのは。 ことりちゃん おいことり、こっちを見るな。 今の俺はアイドルなんかじゃないぞ 海未とことりがアイドルだぞ ことりはわからなく !? ﹁あぁ∼ ﹁和生﹂ そりゃダンスとか決めゼリフとかだよ。 しかしその時呼び止めれらた。 放課後、下校時間になったので校門をでる。 ? 暫くは休みだからゆっくり出来るか﹂ 何の練習かって の練習をして帰った。 気付けば放課後で俺は学校に来た時は欠かさずやっている屋上で えてしまった。 もないが海未は恥ずかしがって出来ないんじゃないかといろいろ考 だってほら そのお陰で今日の授業は全然頭に入らなかった。 難儀な正確だよほんと。 して上げたくなってしまう。 海未が穂乃果を宥めているがキラキラと輝く目を見ると俺は応援 ! ! ﹂ ﹁海未ちゃん ﹁ぶっ⋮ ! アイドルという単語に過剰に反応してしまった。 ! ! 8 !! ! ﹁海未 ﹂ 俺の幼馴染の園田海未にだ。 家が比較的近いため一緒に帰る事にした。 こういうのもなんだが海未みたいな可愛いこと歩くと少し緊張す る。 ﹂ これはあれだ、某番組で全員分の食事代を払わされそうになった時 位の緊張だ。 ﹂ジ│ ﹁中学3年から学校を休みがちになりましたが、どうしたんです ﹁い、色々だよ﹂ ﹁なにか隠していませんか そう言って海未は俺を見つめてくる。 ﹂アセアセ 照れるからに決まってるだろ 正直やめて欲しい。 何でかって ﹁俺が海未に隠し事する分けないだろ ? ますか ﹂ 海未もことりも可愛いんだしさ﹂ ? ﹁ア、アイドル ﹁か、可愛い⋮なんて⋮///﹂ いいんじゃないか ﹁そう言えば朝聞いていたようですが、スクールアイドル。どう思い 海未を騙しているのが心に痛い、しかし隠すしかないのだ。 ! ? ﹁そうですね。和生はいつも真っ直ぐでした﹂ ? ? ? 9 ? ? そうやって照れるところが可愛いんだよ海未。 こう言いたくなるのをぐっと堪える。 そんな話をしているといつの間にか海未の家の前だ。 ﹁もう着いてしまいましたか﹂ 可笑しいですね﹂クスッ ﹁意外と近いもんだな。まぁ、明日から休みだし学校にはちゃんと行 くから﹂ ﹁休みなのに来るんですか ﹁ああ、いや、こっちのはなしだw﹂ 10 あぶねぇ、上手く誤魔化せたか ﹁じゃあ俺は帰るよ 海未side 明日からも学校だし、早めに帰って練習だな 俺は海未に手を振って走っていく。 ﹂ またな海未 ? ! ? ! ! 久しぶりに和生が学校に来ました。 やはり私たちには話しかけてくれません。 昔はあんなに遊んでいたのにちょっぴり寂しいです。 そんなことを思いながら矢を放ったからでしょうか 全然当たりませんでした。 心の乱れがわかりますね。 今日は的に 穂乃果のスクールアイドルのこともありますし少し混乱している のでしょうか、いつもなら声をかけられない私が和生が1人で歩いて いるところを見た途端に声をかけていました。 おかげで2人で帰ることが出来ましたし、その⋮か、可愛いとも 言ってもらえました⋮/// だから今日はよく眠れそうです。 明日からも頑張らなくては。 ﹂ ? ですが私は翌日、驚愕の光景を目の当たりにしました。 それは穂乃果たちと練習場所を探していた時のことです。 まだ探してないとこもあるよっ ﹁どこも借りられなかったね⋮﹂ ﹁穂乃果ちゃん元気だしてっ 使用許可もいりませんし﹂ 11 ? ﹁そうですよ穂乃果。屋上ならどこの部活は使っていないでしょう、 ! 私はそういって屋上への階段を上り始めました。 ﹁海未ちゃん、屋上はちょっと⋮﹂ ﹂ ﹂ 私は扉を開けて屋上へ出まし 場所は選んでられないよっ ﹁ですが他に場所はありませんよ ﹁そうだよことりちゃん ﹂ ことりは何故とめたのでしょうか た。 そこで私が見たのは⋮ ﹁赤い糸が見えた⋮かい まるで何故来たんだと言わんばかりに。 そして穂乃果が叫びました。 ﹁君ってもしかしてアイドルの綺羅々くん ﹂ と慌てるばかり、和生はポーズを取ったままことりを見ています。 私が固まっていると穂乃果が私を押して屋上へことりはあうあう した和生の姿でした。 決めゼリフと手を銃のようにしたポーズを決めるピンク色の髪を ! ? ですが和生が只者ではないことだけは理解できました。 私は穂乃果が言っていることがわかりませんでした。 !? 12 ? ! ? バレる素性 和生side ﹂アタフ 見られてしまった。恥ずかしさよりもヤバイと思ってしまってい 俺は綺羅々なんかじゃないよ る俺は最低な奴なんだろうな。 ﹁えっと⋮高坂さんだっけ タ だって穂乃果アイドルのこと昨日調べた時﹃由夢と綺羅々﹄っ ﹂ ライブの映像も見たけど君にそっくりだし、決めゼ リフも同じだったもん て出てきたよっ ﹁えー ? ﹁あー⋮海未 ﹂ い逃れできないぞ。 そこには顔を真っ赤にしてこっちを睨んでいる海未が⋮これは言 俺は高坂さんから視線を海未へと移す。 何も言い返せない⋮ ? ﹂ ﹁やっぱり綺羅々くんだったんだ ﹂ す。事情があって素性は隠しています。なので話したりしないでね ﹁は、はい。俺は綺羅々って名前でアイドルをやっている細貝和生で ﹁和生⋮これ以上嘘はつかないでください⋮﹂ ? れを海未が阻止した。 13 ! ? ! 高坂さんは興味津々といった様子でこちらに歩いてくるのだが、そ ! ? ﹂ どうして私に言ってくれな その様子だとことりには話していたようですし ﹁そんな事を聞いてるのではありません いんですか 海未が言っていることは何も間違っちゃいない。 分になっているのだろう。 ﹁ちゃんと理由があるんだ ﹁海未ちゃん⋮おねがぁい 聞いてくれ海未っ ﹂ 和くんの話を聞いてあげて ﹂ウルウル ? ! れる。 高 坂 さ ん も こ れ が 修 羅 場 な の じゃないよ ﹂ ﹁海未の生活の邪魔したくなかったんだ ﹁言いたいことはそれだけですか ? ﹁海未はあの時の約束⋮憶えてくれてる ﹁⋮はい。もちろんです﹂ ﹂ いる優越感を感じながら、俺は最後の切り札を使う事にした。 普段は男と全く話せない海未が自分に向かって歩いてきてくれて 海未がどんどん歩いてくる。 ﹂ なんて言ってるけどそれどころ 困ったような、悲しそうな顔を浮かべる海未に俺の心が締め付けら どうやら海未は話を聞いてくれるようだ。 ﹁ことり⋮わかりました。怒るのはそれからでもいいでしょう﹂ ! ! 幼馴染の片方だけ知っていて、自分は仲間はずれにされたような気 ! ! ! !? ? 14 !? ! だから⋮さ⋮海未とことりとの約束のために黙ってたんだ﹂ ﹁アイドルってさ⋮恋愛とかそういうの厳しいのはわかってくれるよ な メール もっと早くから和生の事 ﹁それは⋮。ですがなかなか話しかけてくれません出したし アドレスも電話番号も私は知りませんよ を応援したかったです⋮﹂ ああ、なんて優しいんだろう。 ﹁ごめんな 心配かけて。お詫びと言っちゃなんだけど﹂ それと同時にそんな海未を騙していたことの罪悪感が酷かった。 う。 海のようにすべてを包んでくれる彼女の優しさについ甘えてしま ! ﹁これは⋮ ﹂ ? ? ﹁とりあえず、練習しよ ﹂ そんな中高坂さんが口を開いた。 俺も申し訳なさそうに2人に頭を下げた。 ことりが海未を慰めている。 ﹁海未ちゃん⋮ごめんね。ことりが教えてあげれば良かったのにね﹂ ﹁⋮狡いです。こんなの﹂ に来てくれよな ﹁俺のライブイベントの招待券。一番いい席を取ってもらったから見 ﹂ 俺は鞄からライブのチケットを3枚海未に渡す。 ? ? 15 ! ? ことりと海未はハッとしたように顔を上げて彼女に振り向いた。 穂乃果って呼んでね ﹂ 俺のことは和生でいいよ﹂ ﹂ 穂乃果たちにアイド 高坂さんは苦笑いしていてなんだか悪い気がする。 ﹁私は高坂穂乃果 わかった ﹁よろしく、穂乃果 ﹁うん ルについて教えてください ! それでなんだけど和生くん ! 俺はこの時心底思ったよ。 ! ! ! どうしてこうなった⋮ 16 ! ! ずるいですよことり⋮ ことりside 海未ちゃんに和くんのことがバレちゃった⋮ でもどうにか仲直りできてみたいでことり嬉しいよっ♪ それで今度は穂乃果ちゃんが和くんにアイドルについて教えて欲 しいって言ってるみたいなの たしかに和くんは人気アイドルだし⋮歌も踊りも上手だけど⋮い いよって言ってくれるのかな 和生side ﹁穂乃果は今なんて言ったの ﹂ 海未ちゃん ことりちゃ 穂乃果たちにアイドルについて教えて欲しいのっ ﹂ ! ﹂ ! ﹁だーかーらー ﹂ 先ずは歌から た⋮のだが ﹁えっと歌は⋮ ﹂ ﹁私は知りませんよ⋮ ﹁あ、あはは﹂ ﹂ ? ? 17 ! ? ? 今から練習するから見てアドバイス頂戴 ん ﹁は、はいっ ﹁う、うんっ ! ! ! そう言って3人は俺の返事も聞かずに一列に並んで俺の方を向い ! ! ! 3人は顔を見合わせて苦笑い。 ﹂キラキラ その後穂乃果に聞いた話だと、作曲が出来そうな女の子は心当たり があるらしい。 それで作詞についての話になったのだが。 ﹁海未ちゃんって中学生の時ポエムとか書いてたよねっ ﹂ ﹂ 言い出したのは穂乃果なんで ﹁見せてくれたこともあったよねっ♪﹂キラキラ ﹁お断りします ﹁穂乃果まだ何も言ってないよっ ﹁私は作詞なんてしたくありませんっ すから穂乃果がやればいいでしょう ﹁穂乃果ちゃんはちょっと⋮﹂ ﹂ ﹃お饅頭、うぐいす団子、もう飽きた﹄ ﹂ 3人の顔が俯いたぞ。これは助け舟が必要かな ﹁⋮そうでしたね﹂ ん ﹂﹂﹂ ﹁俺が書いてあげようか ﹁﹁﹁えっ 作ってるんだろうし、海未は嫌なら俺がやるよ。まぁ、条件付きだけ 18 ? ? ! ? !? ! ﹁だ っ て 穂 乃 果 は 作 曲 者 の ス カ ウ ト。こ と り は 家 庭 的 だ か ら 衣 装 を !? ? ? ど﹂ ﹁条件 ﹂キョトン ﹁家庭的⋮えへへ﹂ ﹁⋮﹂ 穂乃果はキョトンとしてるし、ことりは意識をどこかに飛ばして る。 海未は黙ってるけど、これなら動いてくれるでしょ ! ﹁条 件 は 海 未 が 中 学 生 時 代 に 書 い た ポ エ ム を 全 部 見 せ て く れ る こ と ﹂ ﹂ ﹂ ! ﹁嫌です でもここまでは俺の思惑通りだ。 海未のポエム﹂ さり気なくことりを現実に引き戻す。 ﹁ことりは読んだことあるんだろ ﹁うん、あるよっ♪海未ちゃんすごく上手なんだぁ ? ﹂ ﹁俺も忙しいしさ、海未のポエムを参考にして書くよ﹂ ﹁そ、それは⋮﹂ ﹁じゃあ海未が自分で書く ? 19 ? 海未⋮否定するの早すぎだよ。 ! ! ﹁で、ですが⋮﹂ ﹁俺は聴きたいな、海未の創った歌を﹂ニコッ ﹁⋮っ﹂ ﹂ ﹂ウルウル ﹁海未ちゃん⋮﹂ ﹁ことり⋮ ﹁おねがぁい⋮ ズキューンと言う効果音がした気がした。 ことりの涙目お願いは俺と海未には効果が抜群だ。 海未の反応を見て穂乃果も顔を輝かせている。 ﹂﹂ ﹁⋮ずるいです、ことり。わかりました⋮私が作詞を担当します﹂ ﹁﹁やった∼ 渋々ながらに了承する海未、それを聞いてハイタッチする穂乃果と ことり。 やっぱりことりの可愛さは反則級のようだ。 ﹂ ﹁じゃあ次はトレーニングだな﹂ ﹁トレーニング そんな彼女に海未が言葉をかける。 俺の言葉に穂乃果が首をかしげた。 ? 20 ! ? ! ﹁そうですね。歌いながら踊るんです、それも笑顔を保ったまま。で すから弓道部で鍛えている私はともかく穂乃果とことりはトレーニ ングが必要です﹂ ﹁そっか∼﹂ ﹁ことりたちは普段運動してないもんね﹂ ﹁そういうこと、じゃあメニューは海未に任せるよ。俺もアドバイス はするから﹂ ﹁はい、お任せ下さい﹂ こうして穂乃果たちのスクールアイドル活動への1歩が踏み出さ れた。 21 クールで可愛いピアニスト 穂乃果side 和生くんと友達になって色んなことをお話したよっ よぉ∼。 でもまさか同じ学校に綺羅々くんがいるなんておもってなかった ! あの子にお願いしなくちゃ 今度聞いてみよっかな あ、でも1つ気になったのは海未ちゃんと話してた約束ってなんな んだろ ﹂ でもとりあえずは曲だよね ﹁失礼します ? ﹁μ 西木野真姫さんはいますか ﹂ sという名前でスクールアイドルをやっている高坂穂乃果です 訪れた。 私はあの子を探して一年生の教室を海未ちゃんとことりちゃんと ! ! うしてだろ ﹁お断りします ﹂ ﹁学校のためなんだよ ﹂ ? ! ﹁興味ないですっ ! その曲で生徒が集まれば⋮﹂ そこで作曲について頼んだんだけど⋮ 私は彼女のものへと駆け寄り、手を引いて屋上に向かった。 そう考えてると西木野さんが教室に入ってきた。 ? 22 ! ! ? ' 私がそういうと海未ちゃんにいきなり過ぎだと怒られました。ど ! あ っ さ り と 断 ら れ ち ゃ っ た ⋮ 西 木 野 さ ん は 教 室 に 戻 っ て い っ ちゃったよぉ⋮ ﹂ ﹁せっかく海未ちゃんがいい歌を書いてくれたのに⋮﹂ ﹁だ、だめですっ そういって海未ちゃんが歌詞カードを取り上げようとしてくる。 でもライブの時はみんなの前で歌うんだよ て頑張らなくちゃ 私は放課後、もう一度西木野さんに頼んでみることにしたのっ 真姫side だけどその⋮恥ずかしい ! 今日は和生くんはお仕事みたいだから相談できないけど⋮私だっ 海未ちゃんとことりちゃんも一緒になって考えてくれた。 私はお昼の時もずっと考えてた。 中途半端な気持ちでやらないで欲しいって言われちゃった⋮。 言われたのは本気なのかってことだったよ。 私たちが言い合っていると後ろに生徒会長が立っていました。 ? またスクールアイドルをやってる人たちが私のところに来た。 だから追い返しちゃったわ。 た し か に 学 校 が 無 く な る の は い や よ じゃない ? わ。 23 ! ! 私はモヤモヤした気持ちを落ち着けるために音楽室にやって来た ! ピアノを弾くと心が落ち着くの。 それに⋮歌も大好きだから。 私が1曲目を弾き終えた所で廊下から拍手が聞こえてきたわ。 あの人がいたの、それでたくさんの事を言われたわ。 生半可な気持ちでやってないこと、アイドルが意外と大変なこと。 ﹂ 腕立てをやらされた時は何事かとおもったわよ⋮もう。 それで歌詞も受け取っちゃったわ。 ﹁それでもダメなら諦めるから、お願いねっ あの人はそれだけ言って去っていった。 イミワカンナイ ﹂ 大丈夫、まだ望みはあるから﹂ 私は気になってあとを付けてみたわ、そしたら神社の階段で必死に トレーニングをしていたの。 ﹂ 思わずじっと見ちゃってたら⋮ ﹁きゃあぁぁぁぁっ ﹁まだ成長途中と言ったところかな ほんとなんなのよ でもその人は言ったの。 sだっけ そこに送ればいいのよね。 ? 24 ! ﹁恥ずかしいならこっそりってやり方もあるんよ ! 巫女服を着た人に胸を揉まれたわ⋮/// ? それを聞いた私は作曲して見ることにしたわ。 渡すのが恥ずかしいならμ 待ってなさい ! ' ? ! ! この真姫ちゃんが最高の曲にして上げるんだから よね ! 和生side 俺は今日はライブの打ち合わせと新しくやる学園ドラマ出演のオ ファー対応の仕事をしている。 学校で穂乃果たちがちゃんとやっているか気になるけど、今の俺は 細貝和生ではなく綺羅々だからね 伊織たんは打ち合わせの後はバラエティ番組の撮影に行ったよ。 アイツは本当に仕事が多い、俺はドラマとかCM、雑誌の取材とか の仕事が多いけど⋮アイツはバラエティ番組のMCや映画なんかも やってる。 俺はバラエティが苦手なんだよね。あの空気がなんというかさ。 聞いてますかっ ﹂ だからいつも仕事を一緒にしてるわけじゃないけど、アイツの凄さ はよく分かってるよ ﹁綺羅々さん、綺羅々さん ? への連絡をお願いしますね﹂ ﹁わかりました。それでどんな役なんですか ﹂ ? ﹂ ﹁ヒロインである女の子が想いを寄せる男の子役です。キスシーンな どもありますが大丈夫ですか ? 25 ! ﹁そうです。主演ですのでハードなスケジュールになりますので学校 ﹁あ、はい。ドラマの話ですよね﹂ ! ! キスシーン⋮俺が一番苦手なシーンだよ。 ﹂ なんて言うかあれだ、フリとはいえ好きでもない相手とはしたくな いじゃないか。 でもこれは仕事、断るわけにはいかないからね。 ﹁大丈夫ですよ。役づくりに置いてやっておくことはありますか 先ずは穂乃果からだ。 ﹃もしもし、穂乃果だよ ﹁穂乃果、作曲は頼めたの ﹂ ﹂ ﹄ 連絡先は機能交換したしね。 3人に連絡入れておこうかな。 から暫く時間がある。 現在の時刻は18:00。次の仕事は19:00からの写真撮影だ プロデューサーさんが部屋を後にする ﹁こちらこそよろしくおねがいします。では私はこれで﹂ ﹁大丈夫ですよ。よろしくおねがいします﹂ てもらってもいいですか ﹁ライブの3日後から撮影が始まりますのでそれまでに髪を黒に染め ? ﹃う ー ん ⋮ 一 応 海 未 ち ゃ ん が 書 い た 歌 詞 は 渡 せ た か ら き っ と 大 丈 夫 ﹄ 26 ? ? ! ﹁そっかそっか、穂乃果が大丈夫っていうなら大丈夫だね﹂ ! ﹃えへへ、和生くんは今お仕事中 ﹄ ﹁まぁね、ドラマの打ち合わせをして次は写真撮影、後は歌のレッスン ? あ、ことりちゃんたちいるけど代わる 帰りは22:00くらい﹂ じゃあ頑張ってね とダンスの練習かな ﹃そっか ﹄ ! ? ﹃なぁに ﹃すごいね和くん それでそれで ﹄ ? しょ ならことり応援するよっ♪﹄ ﹁ありがとうことり、じゃあ海未に代わってくれる ﹂ ﹃あ、あ は は ⋮ 和 く ん 苦 手 だ も ん ね。で も お 仕 事 だ か ら 頑 張 る ん で ﹁キ、キスシーンの撮影があるんですよ⋮﹂ ! 撮影とかの打ち合わせとかがあってね﹂ ﹁明日から暫くは忙しくてあんまり学校には行けないんだ。ドラマの ﹄ ﹁ことり、話しておかなきゃいけないことがあってさ﹂ ﹃もしもし、代わったよ和くん♪﹄ ﹁うん、頼むよ﹂ ナイスタイミングだったみたいだ。 ! ? ﹃はーい♪海未ちゃーん和くんがお話したいって ⋮⋮はい代わりま ? ! ? 27 ? した。海未です﹄ ﹁海未、作詞してくれてさんきゅな﹂ ﹄ ﹃はい、ありがとうございます。和生もお仕事お疲れ様です。それで 何か御用ですか ﹂ ? 和生は昔から頑張ると周りが見えなくなりますから﹄ また﹂ ﹃はい、また。頑張ってくださいね﹄ 俺はその言葉を聞いて電話を切った。 3人の声を聞いたらヤル気が出てきたよ 俺はその後の仕事のためにスタジオへ移動した。 ! ﹁あ、あはは⋮わかってるよ。あ、そろそろ時間だから切るよ。じゃあ ね ﹃母にですね、わかりました。ですがあまり無理はしないでください えておいてくれない ﹁今日、帰りがかなり遅いんだけど日舞の練習をしたいから師匠に伝 ? 21:40 園田家前。 28 ? 俺は思いのほか歌の練習が早く終わったのでダンスの練習、もとい 日舞をやるために海未の家にやって来ていた。 ここは俺が日舞を学んだ場所で師匠と地獄の特訓をした場所だ。 アイドルを始めてからはあんまり来れてはいないため、久しぶりの 訪問だ。 海未さんは気づいてい 俺が道場の方に向かうと師匠である海未のお母さんが待っていた。 ﹁和生さん、お久しぶりです﹂ ﹁はい、師匠。なかなか来れずすみません﹂ ﹁いいのです。芸能活動が忙しいのでしょう ませんでしたが、私と主人はすぐ気づきましたから﹂ ﹁そ、そうですか⋮﹂ アイドルの時の俺はかなりイメージ変わってると思ってたんだけ どなぁ⋮ まぁ、今は仕事帰りだからウィッグをしてるけど。 日舞をする時は外さないといけないし、ピンク色の髪が舞踊とは少 し合わないのは目を瞑って欲しい。 ﹁では、和生さん。お願いします﹂ ﹁お願いします﹂ 俺は踊り始める。 時に激しく、時に穏やかに。 流れるように舞っていく。 1時間ほど練習をした所で師匠から声がかけられた。 29 ? ﹁流石です。あの頃の泡沫のような舞は健在ですね﹂ ﹁ありがとうございます﹂ ﹁今日はここまでです。家でゆっくりと休んでください﹂ ﹁わかりました﹂ ﹂ 実は明け方から仕事なのだがそれは黙っておく。 俺は一つだけワガママを言うことにした。 ﹁師匠、海未の顔を一目見てもいいでしょうか ﹂ ﹁海 未 さ ん は も う お や す み に な ら れ て い ま す が そ れ で も 良 い で す か ? ﹁はい。お願いします﹂ ﹁わかりました。ではこちらへ﹂ 俺は師匠に連れられて家屋の方へと歩みを進める。 木造和風の大きな家を歩いていき海未の部屋へと通される。 ﹁ではお帰りになられる時は仰ってください﹂ 師匠はそういって離れていった。 俺は眠る海未の元へと静かに歩いていった。 ﹁すぅ⋮すぅ⋮﹂ 安らかな吐息を漏らしながら眠る彼女を見て思わずドキリとする 30 ? が、俺の目的は海未の顔を見ることではない。 昔の約束で渡した指輪は今の海未には少し小さいだろう。 この前屋上で泣きそうに 俺は彼女の指の大きさなんて分からないから、あるプレゼントを用 意したんだ。 まぁ、簡単なブレスレットだよ。 ちょっと高かったけどなw な ん だ 海 未 買 っ た の か は わ か る よ な なってた海未をみて罪悪感が酷かったからだよ⋮俺はメッセージ カードとブレスレットを置いて帰ることにした。 帰るといってもまた仕事なのだけど。 31 ? てか思ったんだが、自分の可愛い娘が寝ているところに男をなんの 躊躇もなく入れて良かったのかな !?!? 私たちの歌 海未side 今朝起きたら机の上に小さな箱が置いてありました。 最初は何なのか分からなかったのですが、メッセージカードの差出 人名を見てわかりました。 だって﹃綺羅々﹄って書いてあったんですから。 ですが何でここにあるのでしょうか うぅ⋮私は醜態を晒してしまった せっかく貰ったのですから付けないわけにはいきま もしかして私が寝ている間に のでは⋮ で、ですがっ ? ? 学校には付けていけませんから鞄にしまっておきましょう。 せん。 !? 穂乃果たちにも何か届いているのでしょうか 後で聞いておきましょう。 穂乃果side ﹂ ﹁おねぇちゃ∼ん﹂ ﹁なにー 32 ! 私が海未ちゃんたちと合流するために家を出たら、雪穂に声をかけ ? られたの。なんなんだろ ﹂ ! ﹁これお姉ちゃんの ? 確かにμ s宛に届いたみたい。 私はそれを見てビビッときたんだ 頑張らなきゃ これは西木野さんが作ってくれたんだって ファーストライブまであと少し ことりside ﹁いってきま∼す﹂ ! おうちを出たんだけど⋮ビックリしちゃった。 だって⋮ ﹁おはよう、ことり﹂ ﹁おはよう、和くん﹂ だって和くんがいたんだもん♪ 昨日は衣装を夜ふかしして作ってたから最初は夢なのかな って 私はいつものように穂乃果ちゃんたちと一緒に学校に行くために ! ! ! そう言って雪穂が私に手渡したのはCDのようなもの。 sって書いてあるけど μ ? 思ったけど。 ? 33 ' ' ﹁衣装はできた ﹂ ﹁ううん、まだちょっと時間がかかりそう﹂ ﹁そっかそっか、何かあったら相談してよ。美術さんとかにアドバイ ス聞いたりしとくから。それでなんだけど、これを渡し忘れてて﹂ そう言って和くんが渡してきたのは赤い糸。 もしかして運命の赤い糸かなって思ったけど、和くんはアイドルさ んだからそんな事はないかな ﹂ 和くんが言ってたことで思い出したけど じゃあ俺は仕事行くからさ ﹁これを招待したライブの時に持ってきてよ。あ、もうこんな時間か。 ? 近くで和くんの頑張る姿が見られるのは嬉しいなっ♪ 楽しみだなぁ⋮始めてだから緊張するけど。 日なんだよね 私たちのファーストライブの次の日が﹃由夢と綺羅々﹄のライブの ! ! 気づいたら私は集合場所までスキップしちゃってました。 穂乃果side 34 ? ! 私たちは屋上にいつものように集まっていました とピアノに奏でられた海未ちゃんの歌詩だった。 ﹁私たちの⋮﹂ ﹁歌⋮﹂ きっと同じ気持ちのはずだよね ことりちゃんも海未ちゃんも感動しているみたい 私だってそうだもん だよっ 講堂の使用許可も取ってあるし、あとはライブまで全力でふぁいと そんな訳で今日からは練習にチラシ配りが追加されたよっ ! CDを入れたパソコンから流れてきたのは西木野さんの美しい声 ことりちゃんのパソコンでアノ曲を流すことにしたの。 ! ! だから恥ずかしいに慣れるようにチラシ配りを秋葉原でやろうと そしたら1年生の子がライブに来てくれるっ したんだけど、やっぱり無理で。 学校でやったんだ て ! 35 ! ! 海未ちゃんがみんなの前でやるのが恥ずかしいって⋮ ﹁恥ずかしいです⋮﹂ でも⋮ ! やっぱりそういうのってすごく嬉しいんだ ! ! 和生くんはお仕事の関係で来れないかもしれないらしいんだけど ⋮ やっぱり頑張らなきゃね でも穂乃果最近和生くんが出てるテレビとかばっかり見ちゃって ⋮ この気持ちはなんなんだろ⋮ ? 私の疑問は消えないままライブ当日を私たちは迎えました。 36 ! ファーストライブ 穂乃果side ﹁これで新入生歓迎会を終わりにします﹂ 生徒会長の挨拶が終わって新入生歓迎会が終わりました 海未ちゃんが頑張って配ってたんだ あの恥ずかしがり ! これも和生くんのお陰なのかな ? でもね 屋の海未ちゃんがだよ ううん、今はそれよりライブだよっ 3人でファイトだよっ でも⋮そんなに甘くはなかったの⋮ ﹁穂乃果⋮﹂ ﹁穂乃果ちゃん⋮﹂ !! あ、また穂乃果和生くんのこと考えちゃってる⋮。 ? !! ところに1年生が行っちゃってなかなか配れないの。 ことりちゃんと2人でチラシを配ってたんだけど⋮ほかの部活の だよっ 穂乃果たちはこの後ファーストライブのチラシ配りとリハーサル ! ! ! 37 ! 準備が終わって、いよいよステージの幕が上がったの。 だけど客席には誰もいなかった⋮。 私たちのライブを誰も見に来てくれなかったの⋮。 あんなに3人で頑張ったのに⋮無駄だったのかなぁ⋮ ﹁あれ⋮ ライブは⋮ ﹂ ﹂ でも、穂乃果たちが泣きそうになってた時、講堂の扉が開いたの⋮ ? れた1年生の花陽ちゃんと、和生くんだった 和生side ﹁リハーサルお疲れさん﹂ い。 でもしかしたらμ sのファーストライブにも間に合うかもしれな だいぶ時間が掛かる予定だったのだが、思いのほか早く終わったの ていた。 穂乃果たちが学校に行っている頃、俺はライブのリハーサルをやっ ! 私たちのライブに駆けつけてくれたのは、来てくれると約束してく ﹁はぁ⋮はぁ⋮ま、間に合った⋮のか ? 俺は制服に着替えながら伊織たんにあることを尋ねた。 ' 38 ? ? ﹁ああ、伊織たん ﹂ お、俺さ⋮ ﹂ 行かなきゃなんない場所があるから片 まぁ、今日はもう仕事ないからいいけどよ﹂ 付けやっといてくんない ﹁はぁ ﹁さんきゅ ? 足を進めた。 ﹁てかアイツ、変装してなかったけど大丈夫なのか⋮ ? ﹂ ﹁綺羅々くんだよねっ ﹁キャー本物よ ? ﹂ ! ﹁握手してください ﹂ らなぁ⋮意外と行けると思ったんだが⋮捕まった。 ライブの時は由夢を目当てに来るお客さんの方が圧倒的に多いか 自分ではよく分からないが俺は意外と人気らしい。 まさかウィッグと伊達眼鏡を楽屋に忘れてしまうとは⋮ そう、盲点だった。 ﹂ 応援してやれないのは辛すぎる、俺は無我夢中で音ノ木坂学院へと 穂乃果、海未、ことりの晴れ舞台。 俺はその言葉を聞いて楽屋を飛び出した。 !? ! ! 39 ! ? ああ、鬱陶しい ﹂バァン ファンのことをこんな風に思う俺は最低だけど 今はそれどころじゃないんだよ ﹁明日のライブまで、待っててくれよな 学校がバレたんじゃね 俺の今の服装を⋮そう、制服だ。 だが、忘れるな。 俺は手で銃を作り、決めポーズと共にファンサービスを一応する。 ! もう始まっちゃうぞ 俺は疲れのせいか、後にいる女の子に気づかなかった。 ﹂ゼェゼェ ﹁あ、あの⋮﹂ ﹁ん、なに ﹂ ⋮って時間やばいじゃん ﹂ ﹂ ライブのリハーサルの後ということもあり、疲労感が半端ない。 ﹁つ、疲れた⋮﹂ とが出来た。 学校に着く頃には追ってもほぼいなくて、安心して学校へと入るこ ま、まぁこの際それは置いておこう。 !?!? ﹁ら、ライブ行くんですよね ﹁あ、君も ﹁は、走りましょう⋮ !? しかし可笑しい、アイドルがライブをするというのに向かっている 40 ? ! ! 俺は廊下で出会った大人しそうな女の子共にライブへ向かった。 ! ! ? ? ? ライブは⋮ ﹂ 人が誰ひとりとしていない⋮。 ﹁あれ⋮ い。 ﹂ ステージ上には今にも泣きそうな顔をしたμ ことり 観客はここにいるぞっ ﹂ sの3人。 だから 例え俺達しかいな ! ﹁穂乃果 海未 そんな彼女達の姿を見た俺は思わず叫んでしまった。 ' 会場には俺たちと手伝ってくれているクラスメイト以外誰もいな 俺の嫌な予感は的中した。 ﹁はぁ⋮はぁ⋮ま、間に合った⋮のか ? 俺が会場が震えるくらいの拍手でお前らを讃える くても ! 俺達のために歌ってくれ !! ! ! 穂乃果side 今は ! 41 ? ? ! ! 来てくれた⋮穂乃果たちのために来てくれた。 花陽ちゃんは約束を守ってくれた⋮ 和生くんはお仕事の筈なのに来てくれた⋮ ! 観客はここにいるぞっ それにすっごい嬉しいことを言ってくれたの ことり 俺達のために歌ってくれ ﹂ だから 例え俺達しかいな ! 海未 ﹁穂乃果 !! ! 俺が会場が震えるくらいの拍手でお前らを讃える くても 今は ! だからこそ ﹂ ﹂ ﹂ ﹂ ここに立つために私たちは頑張ってきたんだもん 歌いたい それに今日 穂乃果は2人と ! 頑張っている姿を見て欲しいです﹂ 大好きな2人と一緒に歌いたいよっ ! みんなの気持ちが一緒なら、最高のライブが出来るよっ ことりも ﹂ ﹁⋮ふふっ、私もです。穂乃果とことりと一緒に歌いたい。私たちの ! ? ﹁歌おう ﹁穂乃果 ﹁穂乃果ちゃん ? ﹁だってお客さんを待たせちゃったらアイドル失格だよ ! 私たちのことを応援してくれる人がいるなら私はそれに応えたい もう⋮こんな事言われたら⋮嬉しくて涙が出ちゃうよ⋮ !! ! ! ! ﹁うん うん !! ! ! 42 ! ! ! ! ? ! 和生side 圧巻だった。 だからこそ俺は最高の拍手を彼女たちに贈る。 息ぴったりのダンス、美しく可愛らしい歌声、そして何より彼女達 の表情。 思わず呼吸するのを忘れるほどに素晴らしかった。 43 気付けば周りには赤髪でつり目の女の子や、オレンジ色の髪をした 元気一杯の女の子もいたりした。 そして生徒会長までも、彼女は穂乃果に問うた。 まだ続けるのかと、それに穂乃果は答えた。 今の高揚した気持ちをみんなに届けたいと。 誰も振り向いてくれなくても頑張り続けると。 そして、いつかここを満員にしてみせると。 そういった彼女の表情は晴れやかで思わず見惚れてしまった。 これは明日の俺達のライブで最高のパフォーマンスを返さないと な !! 伊織side ガイがあんなに本気になるなんて珍しいからあとを付けてみれば、 アイツの通う高校でスクールアイドルがライブをしているみたいだ。 なかなか筋がよく、何より楽しそうに歌っている。 俺は気付かれないように会場を後にしようとしたのだが⋮そこで 聞いてしまった。 ﹁完敗からのスタートか⋮ふふっ﹂ ﹂ あの頃と変わらぬ可愛らしく、包み込んでくれるような優しい声 を。 ﹁の、希⋮ いおくん ﹂ ﹂ 髪を二つ縛りにした彼女が俺の声に振り返る。 ﹁えっ そう、俺は見つけたんだ。 ﹁やっと⋮やっと⋮見つけられたよ ? 44 ? 再会を誓った少女⋮東條希を。 ! ?
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