ナノ・材料 No. 3-13 シリサイド析出強化型の高耐久性 Ni基耐熱合金超高純度（Extra High Purity: EHP)溶製技術により、有害不純物を極力取り除き偏析を抑制した900℃の実用温度域で、耐食性、耐放射線性、耐摩耗性が要求される環境に適用できる高 Cr-W-Si系のNi基耐熱合金技術の特徴耐熱合金のナイモニックPE16TMやインコネル TM は、析出相（ γ ‘ や M6C）により強化されています。開発合金の析出強化相は G 相（W リッチ、Siリッチ、Niシリサイド）であり、下図に示すように高温での安定性が優れており、高温での延性低下を抑制できます。下図は、高速増殖炉の照射環境を模擬したイオン照射試験の結果です。改良SUS316鋼（PNC316)には、照射により多量の空孔が、 γ’系Ni基耐熱合金でも空孔が生成しました。本Ni基耐熱合金では、空孔生成が抑制され体積膨張（スエリング）はほとんどなく、良好な耐照射性を示します。 1100 空孔空孔 700 600 γ’安定域 800 γ’粗大化域 900 G相安定域時効温度、℃ 1000 200nm 100nm PNC316鋼スエリング量3.4% γ‘系Ni基EHP合金（PE16相当）スエリング量0.2% 500 Ni基耐熱合金の析出強化相の安定域空孔 50nm 耐照射性の比較評価例 G系Ni基EHP合金スエリング量0.01%以下従来技術との比較１耐食性２耐放射線性３耐摩耗性研究のステージ試作検討段階利用分野１高放射線下使用材料２高温部材知財関連情報特許第5572842号共願：神戸製鋼所特許第5463527号共願：神戸製鋼所、コベルコ科研 [email protected]