年 頭 所 感 - 社団法人・日本アルミニウム合金協会

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年
頭
所
感
一般社団法人 日本アルミニウム合金協会
会
長
北
山
悟
平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員の皆様並びに関係各位の皆様におかれましては、日頃より
弊協会の運営に際し、ご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げ
ます。
安倍政権が発足して 3 年目となった2015年の我が国経済
の状況は、アベノミクスの効果もあり、個人消費や設備投資の改
善が緩やかに進展するなかで、生産面でもそれに対応した弱さが
みられる状況が続く一方、企業収益は過去最高水準にあり、雇
用・所得環境の改善傾向も続いており、緩やかな回復基調が続い
ているところです。
他方、わが国がTPP交渉に参加して2年余り、精力的に交渉がなされ、昨年10月に合意を見
たことは、当業界にとっても歓迎すべきことであり、関係者のご尽力に心から敬意を表するところ
です。TPPは21世紀型の画期的な経済連携協定とされ、世界のGDPの約40%をカバーし、
これまでにない高いレベルの自由化を実現するとともに、非関税分野(投資、競争政策、知的財産
等)や新しい分野(環境、労働等)についても共通ルールを定めた協定となっています。我が業界
と関係の深い自動車業界などとともに、成長著しいアジア太平洋地域に高度なバリュー・チェーン
を構築するための制度インフラとして、TPP が活用出来るものと期待しているところです。
こうしたなか、当業界における懸念材料としては、中国経済の変調に伴う非鉄価格の大幅な下落、
アルミ合金製品の輸入の増加、更にはアルミスクラップ資源の海外への流出などであり、また今後
については、アメリカの金融政策の変更が見込まれる中、中国を始めとするアジア新興国等の景気
が下振れし、我が国の経済に影響が及ぶリスクについても十分留意していく必要があると考えてい
ます。
今や地球環境保全が人類にとって必須かつ喫緊の課題となっている状況下で、重要基礎素材であ
るアルミニウム二次合金の供給とアルミニウムリサイクルの一翼を担う当業界の果たすべき役割
と責任の重要性は揺るぎないものと確信しているところです。
協会と致しましては、今後とも経済や環境対策など、施策や関連する情報の早期の収集、伝達に
努めると共に、個別企業では対応が困難な諸問題に取り組んで参る所存です。
最後になりましたが、関係各位の一層のご支援、ご鞭撻をお願い申し上げるとともに、皆様のま
すますのご発展とご健勝を祈念いたしまして私の年頭の挨拶とさせていただきます。