行政不服審査法改正の概要

資料1
行政不服審査法改正の概要
1
法改正の経緯
行政不服審査法は,昭和37年の制定以来,50年以上実質的
な法改正がなされていなかったが,平成5年の行政手続法の制定
(聴聞手続など事前手続の整備)や,平成16年の行政事件訴訟
法の改正(出訴期間延長,義務付け訴訟の法定など司法救済手続
の充実)など関係法制度の整備・拡充を踏まえ,時代に即した見
直しを実施するため,平成26年6月に,関連2法とともに公布
された。
2
主な見直しの内容
改正法では,①公正性の向上,②使いやすさの向上,の観点か
ら,次のような見直しがなされている。
見直しの観点
①公正性の向上
審理を行う者
第三者による
点検
審査請求人の
権利
不服申立て可
能な期間
現行 行政不服審査法
改正 行政不服審査法
( 昭 和 37 年 法 律 第 160 号 )
( 平 成 26 年 法 律 第 68 号 )
・規定なし(処分関係者が ・審理において,職員のうち処分
審理を行うことがありう
に関与しない者(審理員)が,
る)
両者の主張を公正に審理(審査
庁が審議会等である場合など,
審理員が指名されない場合もあ
り 。)
・裁決について,原則として,有
―
識者から成る第三者機関(行政
不服審査会等)が点検
・関係書類は閲覧が可能
・関係書類は,閲覧に加え謄写が
可能
・口頭意見陳述での処分庁への質
問が可能
・60日
・3か月
②使いやすさの向上
・上級行政庁がある
・大臣,首長等への審査請求に一
原
→審査請求
元化
則 ・上級行政庁がない
不服申立
→異議申立て
ての手続
・異議申立て(審査請求に ・再調査請求(審査請求前の選択
の種類
例
前置)
性)
外 ・再 審 査 請 求( 審 査 請 求 後 ) ・ 再 審 査 請 求 ( 審 査 請 求 後 , 出 訴
前)
迅速審理の工
・標準処理期間の設定
―
夫
・争点・証拠を事前に整理
・不服申立てに対する裁決 ・98のうち68法律で廃止・縮
を経た後でなければ出訴
小(※関連法により整理)
不服申立て前
ができない旨(不服申立
置
て前置)を定める個別法
が96
3
審査請求の手続の流れ
行政不服審査会等
附 属 機 関 <事 務 局 >
⑥答 申
⑤諮 問
審 査 庁
⑦裁 決
※現処分又は裁決の際
に他の第三者機関の
関与がある場合や審
査請求を却下する場
合,審査請求の全部
を認容する場合等は,
諮問は不要
<裁 決 担 当 課 室 >
④審 理 員
意見書
①指 名
※審査庁が合議
制の機関であ
る 場 合 等 は ,審
理員の指名や
行政不服審査
会等への諮問
は不要
審理員
(原 処 分 に関 与 していな
いなどの除 斥 事 由 あり)
<補 助 職 員 >
③審 理
②主 張 ・証 拠 資 料 提 出
審査請求人
参加人
処分庁等