【ビジネスニュースレター2016年1月号】「障害者

ビジネスニュースレター
2016 年 1 月号
日頃は「ビジネスニュースレター」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今月号は、【障害者雇用に関する法改正について】 と 【コーポレート・ガバナンスを考える】をテーマ
にとりあげています。
障 害 者 雇 用 に関 する法 改 正 に つい て
すでに公表されている事項ですが、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律が、
2016 年(平成 28 年)4月1日(一部は 2018 年(平成 30 年)4 月 1 日)から施行されます。今回
の改正では、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっ
ての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に
関する状況に鑑み、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置が設けられました。
以下、今回の改正ポイントです。
精神障害者の追加にかかる法定雇用率の引き
(2016 年 4 月 1 日から施行。(4)のみ 2018 年 4 月
上げ分は、計算式どおりに引き上げないことも
1 日から施行)
可能です。
(従来どおりということ)
(1) 障害者に対する差別の禁止
なお、
『障害者雇用納付金制度』の適用対
雇用の分野における障害を理由とする差別
象範囲が 2015 年(平成 27 年)4 月 1 日から
的取扱いを禁止。職業能力等を適正に評価した
変更となっていますので、以下の事項にも
結果といった合理的な理由による異なる取扱
ご注意ください。
いが禁止されるものではありません。
(2) 合理的配慮の提供義務
事業主に、障害者が職場で働くに当たって
の支障を改善するための措置を講ずること
を義務付けます。例えば、肢体不自由者など
◆ 障害者雇用納付金制度とは
障害者雇用納付金とは、法定雇用数(一般
事業主は常用労働者数の 2.0%)に不足のある
事業主に対するペナルティの仕組みであり、
には「机の高さを調節することなど作業を可能
2010 年(平成 22 年)7 月から、常用労働者
にする工夫を行うこと」などが指針で示されて
200 人を超え 300 人以下の事業主に適用され
います。ただし、当該措置が事業主に対して
ていました。これは、法定雇用数に不足して
過重な負担を及ぼす場合を除きます。
いる場合、不足数1人あたり月額 5 万円の
(3) 苦情処理・紛争解決援助
事業主は、障害者である労働者から苦情の申
納付金を納める制度ですが、制度適用 5 年間
(平成 22 年 7 月~平成 27 年 6 月)は納付
出を受けたときは、その自主的な解決を図るよ
金の減額特例(月額4万円)で運用されてい
う努めます。解決しない場合は、都道府県労働
ました。
局長が必要な助言、指導又は勧告をすることが
でき、新たに創設する調停制度の対象とします。
(4) 法定雇用率の算定基礎の見直しについて
法定雇用率の算定基礎の対象に、新たに精神
障害者を追加します。法定雇用率は原則 5 年ご
とに見直しし、施行後 5 年間は猶予期間とし、
2015 年(平成 27 年)4 月から、常用労働
者 100 人を超え 200 人以下の事業主にも本
制度が適用されています。こちらも上記同様
に制度適用 5 年間(平成 27 年 4 月~平成 32
年 3 月まで)については、同様の減額特例(月
額 4 万円)が適用されることになっています。
コーポレート・ガバナンスを考 え る
2015年は多くの企業不祥事が発生した年
では、どういったガバナンスが考えられる
ではないでしょうか。東芝の不適切会計処理
のでしょうか。難しく考える必要はなく、
問題、東洋ゴム工業のデータ改ざん問題、海
まずはステークホルダーに対する情報開示
外ではフォルクスワーゲンの排ガス不正問
がコーポレート・ガバナンスの第一歩です。
題と企業のガバナンスに起因した問題をよ
株主や経営陣だけではなく、従業員、取引先、
く目にします。
金融機関などに対して、定量的・定性的な経
今回は、「コーポレート・ガバナンス」に
ついて少し考えてみたいと思います。
まず、コーポレート・ガバナンスとは、
「株主・役員・従業員・取引先・金融機関、
さらには地域住民といった企業を取り巻く
利害関係者(ステークホルダー)がバランス
よく利益を享受できるように経営をうまく
コントロールする仕組み」と言えます。
新聞紙上をにぎわせた企業は、グローバル
展開する大企業ばかりです。一方で、非公開
会社、とりわけ多くの中小企業にとって、コ
ーポレート・ガバナンスは無関係なものでし
営情報を積極的に開示することが重要です。
全てに同じ情報を開示する必要はありません
が、企業側から積極的な情報開示を行うこと
で、企業自体の緊張感も高まりますし、ステー
クホルダーからも積極的な関与が期待でき
ます。そうした好循環を形成することで、
組織を活性化することができるでしょう。
みらいコンサルティンググループでは、
内部統制・内部管理体制の構築、コーポ
レート・ガバナンス構築等の支援を行って
おります。詳しくは、弊社担当者へお声掛
けください。
ょうか。中小企業では、所有と経営が一致し
たオーナー企業も多く、コーポレート・ガバ
ナンスは無縁、というのが実情かと思います。
トップの強力なリーダーシップのもとで迅速
な意思決定ができることが中小企業の大きな
強みであることは間違いありませんが、企業
の持続的成長を考えると、どんな企業であっ
てもコーポレート・ガバナンスを意識しなく
て良いわけではありません。
弊社ビジネスニュースレターでは、毎号、ビジネスシーンで欠くことのできない
法制度や海外進出などの最新動向、及び対応手法などを発信しております。
本書がビジネスの最新情報入手のための一助になれば幸いです。
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