こちら - 一橋大学大学院金融戦略・経営財務コース

平成 27(2015)年度
金融戦略・経営財務コース(暫定版)
開講予定授業科目
時間割
各科目の概要
※いずれも 2015 年 1 月 23 日現在での案です。新設科目、単位数の変更,開講曜日と時間な
どいずれも最終的な決定事項ではない(2 月中旬の会議で審議予定)ことをお断りしておきま
す。またいずれの内容についても今後何らかの変更が生じる可能性があることをご承知くださ
い。
【学年暦】※主な日程は以下の通り
春学期 授業開始 4/2(木)~
※後半 1 単位科目開始は、火曜授業 6/9(火)~,水曜授業 6/17(水)~,
木曜授業 5/28(木)~,金曜授業 5/29(金)~
(いずれもその前週が、前半 1 単位科目の試験日)
期末試験(2 単位科目・後半 1 単位科目) 7/27(月)~ 7/31(金)
※6 月 4 日(木)は入試説明会のため、金融戦略・経営財務コースの授業はありません。
秋学期 授業開始 9/28(月)~
※後半 1 単位科目開始は、火曜授業 12/1(火)~,水曜授業 11/25(水)~,
木曜授業 11/26(木)~,金曜授業 11/27(金)~
(いずれもその前週が、前半 1 単位科目の試験日)
期末試験(2 単位科目・後半 1 単位科目) 2/1(月)~ 2/5(金)
※土曜日に開講予定の科目については、具体的な開講スケジュールは追って連絡いたします。
※両学期ともに、前半 1 単位の補講日は土曜・日曜に設定されます。
※祝日対応のため、各学期末に春学期は月曜ゼミと火曜・水曜授業が、秋学期は月曜ゼミと火曜授業の
日程が多少変則的になります。
1
平成 27 年度 開講授業科目一覧
【 授業科目一覧 】
(春/秋は開講予定学期。前/後は開講が学期の前半か後半か。集中は集中講義。カッコ内の数字は単位数。
網掛けは 27 年度の純新設科目。※は注意事項参照)
〔基礎科目〕
ファイナンス理論の基礎(春・2)
コンピュテーショナル・ファイナンス(春・2)
金融データ分析の基礎(春・2)
会計・バリュエーションの基礎(春・2)
ファイナンス理論(秋・2)
コーポレート・ファイナンスの基礎(秋・2)
金融数理の基礎(秋・2)
〔専門科目〕
◆入門的内容
金融数理入門(春前・1)※
線形モデル入門(春前・1)※
金融リスク計量入門(集中・1)
◆標準的内容
アントレプレナー・ファイナンス(春・2)
ファイナンシャル・リスク・マネジメント(春・2)
コーポレート・ファイナンス(春・2)
M&Aストラクチャ論(春・2)
金融機関経営論(春・2)
金融数理(春・2)
資産価格の実証分析(春・2)
M&A実践論Ⅰ(春前・1)
M&A実践論Ⅱ(春後・1)
ファイナンスにおける諸問題(春前・1)
国際財務管理(春前・1)※
金融経済学(情報とインセンティブ)
(春後・1)
新設科目(正式名称は未定)
(春後・1)
アカウンティング(秋・2)
グローバル・リーダーシップ(秋・2)
金融データ分析(秋・2)
経営戦略論(秋・2)
ポートフォリオ投資論(秋・2)
企業財務政策(秋・2)
派生証券理論(秋・2)
ニッセイアセットマネジメント資産運用論(秋・2)
企業価値向上論Ⅰ(秋前・1)※
企業価値向上論Ⅱ(秋後・1)※
統計科学の数理(回帰分析)
(秋前・1)※
統計科学の数理(推定手法・モデル選択)
(秋後・1)※
データモデリング入門(秋前・1)※
エナジー・ファイナンス(秋前・1)
新設科目(正式名称は未定)
(秋前・1)
金融リスク計量における諸問題(秋前・1)
ベイズ統計学(MCMC 法)
(秋後・1)
企業税務の実務と実証研究(集中・2) 金融データの時系列分析(集中・1)※
◆発展的内容(博士後期課程向け科目)
資産価格理論(春前・1)
2
◆演習
修士論文演習1
修士論文演習2
修士論文演習3
修士論文演習4
【注意事項】
※平成 25 年度までに次表左欄に掲げる授業科目を履修した者は、同表右欄に掲げる授業科目を全て履修したも
のとして取り扱う。
旧授業科目名(単位数)
金融数理入門(2)
統計解析入門(2)
M&A実践論(2)
計量経済学(2)
証券化と財務戦略(2)
企業価値向上論(2)
金融市場の計量分析(2)
金融計量経済学(2)
新授業科目名(単位数)
線形代数入門(1)
微積分学入門(1)
線形モデル入門(1)
データモデリング入門(1)
M&A実践論Ⅰ(1)
M&A実践論Ⅱ(1)
計量経済学Ⅰ(1)
計量経済学Ⅱ(1)
ファイナンスにおける諸問題(1)
金融経済学(情報とインセンティ
ブ)(1)
企業価値向上論Ⅰ(1)
企業価値向上論Ⅱ(1)
金融市場の計量ファイナンス(1)
金融計量経済学Ⅰ(2)
※平成 26 年度に次表左欄に掲げる授業科目を履修した者は、同表右欄に掲げる授業科目を全て履修したものと
して取り扱う。
旧授業科目名(単位数)
微積分学入門(1)
コーポレート・ファイナンス(ケース
分析)(1)
統計科学の数理(2)
新授業科目名(単位数)
金融数理入門(1)
国際財務管理 (1)
統計科学の数理(回帰分析)(1)
統計科学の数理(推定手法・モデ
ル選択)(1)
「金融数理入門」は平成 26 年度までは 2 単位科目であったが、平成 27 年度以降は 1 単位科目となる。
※ 平成 26 年度に開講したが平成 27 年度には開講しない科目
「線形代数入門」 「計量経済学Ⅰ」 「計量経済学Ⅱ」 「金融市場の計量ファイナンス」
「キーストーン・パートナース 企業再生の実践」 「投資戦略論」 「金融計量経済学 I」
3
平成 27 年度 時間割
(※2014 年 12 月 24 日時点の案と曜日・時限が変わっているところがあるのでご注意ください)
[春学期]
入門科目
基礎科目
月
火
水
木
(計)コンピュテーショ (計)金融数理(藤田
ナル・ファイナンス(中 )
村)
M1推奨
M2推奨
博士科目
☆1単位科目
春学期(前半)
M1ゼミ
1限
☆(経)M&A実践論
Ⅰ(佐山)
金
土
(共)金融データ分析
の基礎(横内)
(経)M&Aストラクチャ ☆(共)ファイナンスに (経)金融機関経営
論(服部)
おける諸問題(本多) 論(土岐)
☆(経)国際財務管理
(伊藤)
※4月・午前
☆(博)資産価格理
論(大橋)
M1副ゼミ(佐山)
(経)アントレプレ
(共)ファイナンス理
ナー・ファイナンス(山 論の基礎(本多)
本)
(経)会計・バリュ
☆(共)金融数理入
エーションの基礎(野 門(青木)
間)
M2ゼミ
(計)フィナンシャル・
リスク・マネジメント
(中川)
(経)コーポレート・
ファイナンス(伊藤)
月
火
M1ゼミ
(計)コンピュテーショ (計)金融数理(藤田
ナル・ファイナンス(中 )
村)
2限
☆線形モデル入門(横
内)
※4月・午後
(共)資産価格の実
証分析(祝迫)
春学期(後半)
1限
☆(経)M&A実践論
Ⅱ(佐山)
水
木
金
(共)金融データ分析
の基礎(横内)
(経)M&Aストラクチャ ☆新設科目(正式名 (経)金融機関経営
論(服部)
称未定)
論(土岐)
☆(共)金融経済学
(情報とインセンティ
ブ)(大橋)
M1副ゼミ(佐山)
(経)アントレプレ
(共)ファイナンス理
ナー・ファイナンス(山 論の基礎(本多)
本)
(経)会計・バリュ
エーションの基礎(野
間)
M2ゼミ
(計)フィナンシャル・
リスク・マネジメント
(中川)
(経)コーポレート・
ファイナンス (伊藤)
2限
※集中講義
☆(共)金融リスク計量入門(中
8月下旬で検討中
9月上旬で調整中
「企業税務の実務と実証研究」
(担当:外部講師、大沼 宏東京理科大学准
教授)
9月 7日から 18日の間のどこか
☆(計)金融データの時系列分析
(沖本)
※集中講義の日程は変更の可能性があります。
4
(共)資産価格の実
証分析(祝迫)
土
[秋学期]
秋学期(前半)
月
M1ゼミ
火
(計)金融数理の基
礎(中川)
水
木
(共)金融データ分析
(※2015年4月着任
予定教員)
☆(経)企業価値向
上論I(佐山)
☆新設科目(正式名 (経)経営戦略論(楠 (共)ポートフォリオ投
称未定)
木)
資論(本多)
1限
M2ゼミ
2限
(共)グローバル・
(経)アカウンティング (共)ファイナンス理
リーダーシップ(※外 (野間)
論(大橋)
部講師)
☆(計)統計科学の
数理(回帰分析)(大
上)
金
(経)コーポレート・
ファイナンスの基礎
(伊藤)
土
☆(計)金融リスク計量
における諸問題(中
川)※10月・午前
(共)ニッセイアセット ☆(共)エナジー・ファイ
マネジメント資産運用 ナンス(大橋)
論(伊藤)
※10月・午後
(経)企業財務政策 (計)派生証券理論
(※2015年10月着任 (藤田 )
予定教員)
秋学期(後半)
月
M1ゼミ
火
(計)金融数理の基
礎(中川)
水
☆(計)データモデリ
ング入門(横内)
1限
☆(経)企業価値向
上論Ⅱ(佐山)
M2ゼミ
2限
木
(共)金融データ分析
(※2015年4月着任
予定教員)
金
(経)コーポレート・
ファイナンスの基礎
(伊藤)
土
(経)経営戦略論(楠 (共)ポートフォリオ投
木)
資論(本多)
(共)グローバル・
(経)アカウンティング (共)ファイナンス理
リーダーシップ(※外 (野間)
論(大橋)
部講師)
☆(計)統計科学の
数理(推定手法・モデ
ル選択)(大上)
(共)ニッセイアセット ☆(共)ベイズ統計学
マネジメント資産運用 (MCMC法)(青木)
論(伊藤)
(経)企業財務政策 (計)派生証券理論
(※2015年10月着任 (藤田 )
予定教員)
※集中講義の日程は変更の可能性があります。
5
各授業科目の概要
基礎科目
基礎科目では、現代のファイナンス全体の理解に必要な基礎知識を、投資と価格決定の理論、統計的方法に基づ
くデータ分析と実証、企業金融と財務の 3 分野に分割し、以下の講義で網羅します。
○ ファイナンス理論の基礎(春・2 本多)
:
ファイナンス理論の基礎では、資産価格、投資、資金調達の決定に関するファイナンスの基本的な考え方を広く
学びます。全体像の体系的な理解と専門への基礎知識の習得のために、ファイナンス理論の基礎、ファイナンス理
論双方の履修を推奨します。
概要:基礎では、まず、ファイナンス理論の全体像の中で機軸となる幾つかの基礎理論の位置付けを鳥瞰します。
その後、無裁定による資産価格の決定とその応用、マルチンゲール価格理論の基礎、Black-Scholes オプション価
格公式等を学びます。最も単純な 1 期間モデルにおいて基本的な結果を網羅的に理解した後、それらを多期間モデ
ルの枠組みへと拡張します。
○ コンピュテーショナル・ファイナンス(春・2 中村)
:
ファイナンスのモデル検証では数値解法、数値計算が重要な要素技術である。本講義では、まず、簡単にプログ
ラミング技法のガイダンスを行った後、ファイナンスで現れる事例を通じて、プログラミングに慣れてもらう。続
いて、ファイナンスの代表的数値計算法(オプション評価、格子法、モンテ・カルロ法など)を順次、解説してい
く。その他に、数値計算技術の観点からリスク管理、金融市場の計量分析に繋がる入門的話題も取り上げる。
○ 金融データ分析の基礎(春・2 横内)
:
経済・ファイナンスデータの分析に必要となる統計学と計量経済学の基礎理論について解説します。また、パソ
コン実習を適宜行い、R の基本的な使い方を学ぶとともに、実際の経済・ファイナンスデータを分析することも行
います。
講義を通じて、統計学と計量経済学の基礎理論を理解するとともに、授業で学んだモデルを推定し、結果を正し
く解釈できるようになることを目標とします。
○ 会計・バリュエーションの基礎(春・2 野間)
:
金融戦略・経営財務コースにおける計量分析に最低限必要なアカウンティングの知識の習得、財
務諸表分析の技法、そして財務・会計情報を用いた企業評価フレームワーク(DDM、DCF、EVA、残余利益モ
デルなど)を正確に理解することが、本科目の目標である。それによって、株価などの市場系データと、企業が公
表する財務会計データとの統合的な分析が可能となることを期待したい。レクチャーとともに、関連するケースを
とりあげて、分析・ディスカッションを行うことにより理論に関する理解を深めたい。
○ ファイナンス理論(秋・2 大橋)
:
ファイナンス理論の基礎で扱えなかった証券価格及び投資決定に関する基礎理論を広く学びます。ここでは、投
資の最適化と資産価格及び 情報の非対称性が金融活動に与える影響を中心に学びます。具体的には、不確実性下に
おける投資決定問題、平均分散アプローチと CAPM、代表的個人と CCAPM、APT、多期間最適化問題とダイナミック・
プログラミング、情報の非対称性と資金調達、インセティブと金融契約、流動性等の問題を扱います。
○ コーポレート・ファイナンスの基礎(秋・2 伊藤)
:
本講義の目的は、コーポレート・ファイナンスの基礎的な概念や理論について学習し、実際的な意思決定問題へ
の応用力を養うことである。本講義では、経営上の重要な課題がコーポレート・ファイナンスの観点からどのよう
に分析されるかを議論していく。具体的には、
(1)価値評価(valuation)と投資の意思決定、
(2)資本構成に関
するトレードオフ理論、
(3)利益還元政策(配当と自社株買い)
、
(4)エイジェンシー問題と経営者のインセンティ
ブ、
(5)情報の非対称性と財務的意思決定について論じていく。
〇 金融数理の基礎(秋・2 中川)
:
確率モデルを用いて金融市場を理論的に分析する学問である「数理ファイナンス」の基本的な概念を理解するた
めに必要な数学(確率解析)の基礎的な内容を理解してもらうことがねらいです。具体的には、離散時間モデルに
おけるデリバティブの価格付け理論の理解を最終的な目的としますが、そのために必要となる確率論の知識・考え
方および、さらにその前提となる論理・集合論・測度論・積分論などの基本的な知識・考え方にまで立ち戻って理
解してもらうことを目指します。
6
専門科目(講義)
専門科目の講義では、特定の分野に関する専門的な知識を習得します。講義科目名は以下の通りです。扱う内容
の水準に応じて「入門的内容」
「標準的内容」
「発展的内容(博士後期課程向け科目)と整理しています。
◆入門的内容
○ 金融数理入門(春前・1 青木)
:
本講義では金融戦略・経営財務コースの各授業で用いられる基本的な数学の理解を目的としており,特に関数の
微分に焦点を絞って解説します.具体的には,関数の極限,微分・偏微分,テーラー展開の理解を通じて,関数の
極値,最大値・最小値問題を解くことを目標としております.講義では,直観的な理解を助けるような解説と考え
る力を養うための問題演習を行う予定です。基本的な数学を理解している学生や理工系学部出身の学生は「金融数
理の基礎」からの受講を強く勧めます。
○ 線形モデル入門(春前・1 横内)
:
本講義では,ベクトルや行列の演算,数列とその和のような数学の基礎知識を一通り復習した後,単回帰分析,
重回帰分析の基礎理論を解説します.また,理解を深めるために,統計ソフトウェア R を使ってデータ分析の実習
を適宜行う予定です.なお,R の使い方については授業中に解説するので前提知識は不要です.
○ 金融リスク計量入門(集中・1 中川)
:
本講義の目的は、金融リスク計測の目的や基本的な考え方を 90 年代に開発された RiskMetrics(市場リスク計量
モデル)および CreditMetrics(信用リスク計量モデル) に基礎づけられたリスク分析ツール(RiskManeger,
CreditManager)のアウトプットや使用例を通じて修得してもらうことです。モデルの解説の際には、最小限の数
式や統計的概念を用いることはありますが、数学や統計の側面を深追いしません。リスク管理分野に現在・将来携
わっていく方にとどまらず、ふだん金融リスクと関係ない業務に従事している人が、金融リスク計測の重要性が金
融機関にとどまらなくなっていることを認識して、各自が携わるビジネスシーンで「どのような金融リスクを考慮
する必要があるか」
「またそれをどのようにマネジメントすべきか」を自然に考えてくれるようになることを期待し
ています。
(日程・講義内容については、予定している外部講師の方と調整中)
◆標準的内容
○ アントレプレナー・ファイナンス(春・2 山本)
:
バリュエーションやディール・ストラクチャーなどのファイナンスの知識なくして、ベンチャー企業を成長させ
ることも、リスクに応じたリターンをアントレプレナーが享受することも難しい。本講義ではこうした問題意識か
ら、コーポレート・ファイナンスの理論を基礎としたアントレプレナー・ファイナンスの基礎について解説します。
○ ファイナンシャル・リスク・マネジメント(春・2 中川)
:
市場リスク計測と信用リスク計測に関連するトピックをいくつか選び解説します。市場リスク計測では、Value at
Risk(VaR)、Expected Shortfall(ES)、リスク尺度、リスク資本配賦、などに関係する話題を扱いたいと考えていま
す。また、信用リスク計測においては、信用ポートフォリオのリスク計測のための統計モデルや、クレジット・デ
リバティブやカウンターパーティリスクの評価のための確率解析モデルに基づく評価法も扱いたいと考えています。
これらの話題に関連して数本の論文の講究も行う予定です。
○ コーポレート・ファイナンス(春・2 伊藤)
:
「コーポレート・ファイナンスの基礎」で習得した知識をベースとしつつ、コーポレート・ファイナンスのいく
つかの主要なトピックについて理論・実証の両面でこれまでの研究成果を概観することで、コーポレート・ファイ
ナンスに関してより深い理解を得ることを目的とする。あわせて実証研究におけるメソドジー(研究目的に見合っ
た仮説の設定、適切な推定方法や検証方法の選択)にも焦点をあてる。具体的なトピックとしては、
(1)株主構成
と企業価値、
(2)資本構成の調整速度とダイナミクス、
(3)機関投資家のコーポレート・ガバナンス、
(4)パネ
ル・データ分析、
(5)自己選抜バイアスの調整、など。
○ M&A ストラクチャ論(春・2 服部)
:
国内外の企業合併・買収(M&A)市場における案件設計と交渉の概要を議論し、実務的な M&A ノウハウの理
解・習得を目指す。特に株式買収・合併・株式交換・営業譲渡・公開買付・会社分割・敵対買収防衛策などのテー
マを取り上げ、海外との比較から商法・税法・証券取引法・会計原則など多岐にわたる M&A 関連の日本の諸制度
に対する理解を深め、現行制度に関する問題点も議論する。加えて標準的な企業売却プロセスの理解を通じて M&A
実施に当たっての交渉・案件設計ノウハウを考える。
7
○ 金融機関経営論(春・2 土岐)
:
この講義は、過去の意思決定事例、将来の意思決定要素、経営資源、実務経験者との討議から構成される。過去
の事例として、変化が激しかった投資銀行業界と大きく拡大した資産運用業界を中心に、1990 年以降の資本市場変
化、金融危機における意思決定パターンを分析する。BRICs 他の新興国への投資は、金融機関及び事業会社の将来
の戦略的意思決定と考えられ、それらの国の経済成長要因と投資意思決定要素を整理する。戦略的意思決定の実行
に必要な金融機関の主要経営資源についてまとめ、実際の金融機関等の経営意思決定に携わった方々と討議する。
○ 金融数理(春・2 藤田)
:
金融工学、数理ファイナンスに必要な金融数理(初等的な確率論、各種の確率分布、ランダム・ウォークなど)
について講義するとともに、自分で手を動かすことによって理解し、計算力をつけることをねらいとする。履修の
ための条件は特にはないが高校数学をよく理解し正しく運用できることが望ましい。大学1,2年程度の数学を理
解しているとなお可。しかし、高校数学、大学数学ともに授業内で十分復習する。
○ 資産価格の実証分析(春・2 祝迫)
:
この授業は資産価格論の実装分析に関するコースであり、マクロ経済・行動ファイナンスについても若干とりあ
げる。主なトピックは以下の通り。
*ランダム・ウォーク仮説の厳密なテストと Brownian motion の推定
*CAPM,Fama-French 等の株式市場のクロスセクションのテスト
*確率割引ファクターの概念を用いた実証分析
*行動ファイナンスの実証分析
*現在価値関係の実証上の含意
実例として取り上げるのは主に株式市場に関する分析で,債券市場と派生証券のトピックに関しては原則扱わな
い。
○ M&A 実践論 I(春前・1 佐山)
:
1970 年代から欧米では日常茶飯事の M&A も、日本経済に本格的に定着し始めたのは 1990 年代に入ってからの
バブル崩壊後である。しかし、
「やらざるを得ない M&A」は起こるようになってきたものの、
「やった方がいい
M&A」はまだまだ十分に起こっているとは言い難いのが、日本の M&A 市場である。欧米企業は大型のグローバ
ルな M&A を繰り返し企業規模を拡大し、時価総額で日本企業に大きく水をあけてしまった。どの業界をみても、
M&A 戦略抜きには生き抜けない状況になってきているのは間違いなく、経営者にとって正確に M&A についての
理解を深めることは極めて重要である。本講座では、企業の価値とはどう考えればいいのか、M&A はどうすすめ
るべきなのか、ゼロから実践的なレベルまで、M&A についての理解を深めることを目的としている。
M&A 実践論Ⅰでは、
「M&A の進め方」
、具体的には、いかに対象企業を探し、交渉するか等中心に考える。
○ M&A 実践論Ⅱ(春後・1 佐山)
:
M&A 実践論Ⅱでは、
「企業評価」について、基本的な考え方と実践的に使用されている方法も諸問題も考察する。
○ ファイナンスにおける諸問題(春前・1 本多)
:
目的:ファイナンスの基礎的な論文をいくつか取り上げ、その文献でどのような 分析が行われ、分析結果を著者
がどのように解釈、説明しているのかを読み解く ことに重点をおきます。基礎的な文献ということで古典的な立場
を強調する論文 をとりあげる予定ですが、必要に応じて、行動ファイナンスなど、別の立場を強調する文献もとり
あげて比較します。
取り上げるテーマは、
1. 効率的市場、
2. 金利の期間構造、
3. 株式リターンの予測可能性、
4. CAPM
の実証研究、5. ファ クターモデル、6. 投資信託のパフォーマンス評価など。
○ 国際財務管理(春前・1 伊藤)
:
「コーポレート・ファイナンスの基礎」で習得した知識をベースとしつつ、コーポレート・ファイナンスのいく
つかの主要なトピックについてケース討論を通じて理解を深めることをめざす。特にグローバル化の時代であるこ
とを意識して、国際財務の諸問題を中心に扱う予定である。具体的には、
(1)為替リスクのヘッジ、
(2)クロス・
ボーダーの価値評価、
(3)国際的な資金調達活動、
(4)国際的なM&A、などである。
○ 金融経済学(情報とインセンティブ)
(春後・1 大橋)
:
情報の非対称性とインセンティブの問題が金融市場に与える影響を分析します。具体的に、今回は、証券化金融
商品の仕組みについて学んだ後、証券化とレポ市場を利用したシャドウ・バンキングがどのようにしてリーマン・
ショック以降の金融危機を引き起こして行ったか、またより一般的に金融市場において流動性がいかに決定される
か等について、近年急速に発展したこの分野の研究結果を紹介しつつ、情報とインセンティブの観点から理解しま
す。
8
○ アカウンティング(秋・2 野間)
:
本講義では、企業評価・分析を行ううえで必須の財務諸表に関する知識を獲得することを目的とします。会計は
「事業の言語」
(language of business)と呼ばれますが、会計に対する理解が深まれば、会計の観点から企業を分
析できるようになり、企業評価・分析もより深く行えるようになります。本講義では会計制度についても説明しま
すが、特にその背後の理論、また会計制度が企業行動へ与える影響などについての説明に重点をおきます。
したがって、各回の授業で実際の企業の財務諸表を用います。必ずしも毎回、ケース・スタディを行うわけでは
ありませんが、ミニケースは多用する予定なので、受講生には授業への積極的な参加を要求します。
○ グローバル・リーダーシップ(秋・2 ※外部講師)
:
本講義の目的は、世界で活躍しているリーダーが持つスキルとマインドセットを、講義、ケース・スタディ、課
題、プロジェクト、ゲストスピーカーとの対話を通じて身につけていただくことです。金融や経営財務分野でのキャ
リアデザイ ンの構築につながるでしょう。
○ 金融データ分析(秋・2 ※2015 年 4 月着任予定教員)
:
「金融データ分析の基礎」で学んだ内容を踏まえて、経済・ファイナンスデータを用いた実証分析に必要となる
計量経済学の発展的な理論について解説します。具体的には、内生性の問題への対処、制限従属変数モデル、パネ
ル推計などを取り扱います。
こうした理論の習得に加えて、
計量分析ソフトウェアを用いたデータ分析も行います。
計量経済学的な知識の習得とデータ分析のトレーニングを通じて、実証分析の作法を身に付けることを目標としま
す。
○ 経営戦略論(秋・2 楠木)
:
競争戦略に軸足を置いて戦略論の考え方を習得することが目的です。金融戦略専攻の学生にとって、
「戦略」に注
目して優れた経営や企業を評価するための視点を提供したいと思っています。
○ ポートフォリオ投資論(秋・2 本多)
:
代表的資産運用モデルの習得を行います。具体的には、平均分散アプローチ、CAPM、APT、ベルマンのダイナ
ミック・プログラミング(DP)法の基礎(確率制御)
、マートンの動学的最適投資問題と ICAPM、CCAPM、さ
らに代表的数理計画法として、線形計画法、最適 2 次計画法等を学びます。また、簡単なソフトウェアを用いてポー
トフォリオのリスク管理を実習します。
○ 企業財務政策(秋・2 ※2015 年 10 月着任予定教員)
:
コーポレート・ファイナンスに関する企業の財務政策を取り上げ、その理論的・実証的研究成果を概観すること
で、コーポレート・ファイナンスの理解を深めることを目的としている。具体的なトピックとしては、
(1)エクイ
ティファイナンス政策(公募,第三者割当,割当,新規株式公開)
、
(2)株主政策(分割,単元株変更,株主優待)
、
(3)配当政策(配当,自社株買い)
、
(4)コーポレート・ガバナンス政策、など。
○ 派生証券理論(秋・2 藤田)
:
金融工学、数理ファイナンスで重要なデリバティブの価格付けについて講義するとともに、自分で手を動かすこ
とによって理解し計算力をつける。
ランダム・ウォークと離散確率解析(離散伊藤公式、ドゥーブ・メイエ分解など)から始まり、ブラウン運動、
ブラウン運動に関するマルチンゲール、確率微分方程式、伊藤の公式などを解説して、マルチンゲールに基づくブ
ラックショールズモデルでのデリバティブの価格付け、ブラウン運動汎関数とエキゾティックオプションの価格理
論までを目指す。
○ ニッセイアセットマネジメント資産運用論(秋・2 伊藤)
:
資産運用は高度に知識集約的であるとともに、高い倫理が求められるビジネスです。また法制的枠組み、投資家、
企業側に求められるコードを正確に理解することは、資産運用ビジネスを展開していく上で不可欠な課題の一つで
す。本寄附講義では、資産運用ビジネスに携わる実務家を講師として招聘し、①職業倫理 ②金融法制と資本市場、
というユニークな切り口で資産運用論を展開します。
○ 企業価値向上論 I(秋前・1 佐山)
:
日本経済の活性化は各企業の企業価値向上努力の集積に負っているといえる。ビジネスの世界で活躍されている
経営者と直接話をする講義をできるだけ増やし、いろいろな経営者の経営理念に実際に触れることによって、
「よい
経営者」とは、働く者にとっての「理想の会社」とは、について考察する。本講義では、何名かの一線で活躍され
ている経営者をお招きし、企業価値向上を実践的に考えることを主な目的としている。
企業価値実践論Ⅰでは、
「よい経営者」とはどういう経営者であるかを中心に考察する。
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○ 企業価値向上論Ⅱ(秋後・1 佐山)
:
企業価値実践論Ⅱでは、
「理想の会社」とはどういう会社かであるかを中心に考察する。
○ 統計科学の数理(回帰分析)
(秋前・1 大上)
:
回帰分析は、自然科学、社会科学、工学、ファイナンスなどの様々な分野で重要な役割を果たすデータ分析の手
法である。本講義では、線形回帰モデル、一般化線形モデル、生存分析などの理論的構造を説明し、データを用い
たモデルの推定手法を解説する。データの挙動や特徴がモデルに与える影響を理解し、プロフェッショナルのデー
タ分析者として、受講者がこれらの分析手法を使いこなすために必要な知識を身につけることを目標とする。
○ 統計科学の数理(推定手法・モデル選択)
(秋後・1 大上)
:
ビッグデータのムーヴメントを背景として、様々な分野において、モデルはより複雑化する傾向がある。また、
シミュレーションとデータ解析を組み合わせるデータ同化という複雑なアプローチも注目を集めている。こうした
手法を使いこなすためには、データを利用した推定手法の一般理論を理解していなければならない。また、複雑な
モデル同士の比較には、情報量などをつかったモデル選択が必須である。本講義では、ワンランク上のデータ分析
者を目指す受講者を対象に、最尤推定法、ベイズ推定法、フィルタ、AIC などを解説する。
○ データモデリング入門(秋前・1 横内)
:
この講義では,樹形モデル,線形判別分析、サポートベクターマシン,クラスタリング,k-means 法,ランダム
フォレストといった統計的な機械学習法を取り上げる予定です。理解に必要となる数学的な知識や R のプログラミ
ングについては、授業中に適宜解説します。
○ エナジー・ファイナンス(秋前・1 大橋)
:
ファイナンスの知識と手法のコモディティーへの利用として、特にエネルギー商品に関わるプライシング、リス
ク評価・管理、運用等に関して学びます。具体的に、今回は、電力市場を中心に、電力価格の性質と表現モデル、
価格や需要・供給のリスク評価と管理、天候や燃料価格との関係から始め、原油、天然ガス、石炭、排出権等のエ
ネルギー商品についても近年の議論を紹介します。
○ 金融リスク計量における諸問題(秋前・1 中川)
:
金融リスク(市場リスク・信用リスク)の計量に関する数本の論文の講究を通じて、モデルの理論的背景(特に
数学的議論)の理解を深め、実際の金融リスク・マネジメントとの距離感や実用化の方法などについて議論します。
それを通じて、金融リスク計測に関連するモデルの理論的側面について、数学的議論を通じてきちんと理解するこ
とを目指します。くわえてモデルの実証方法を理解し、部分的に論文中の手法を再現することでリスク計測技術の
向上も目指します。さらに、専門学術雑誌に掲載された学術論文をきちんと読む姿勢を身につけることも副次的に
目指します。
○ ベイズ統計学(MCMC 法)
(秋後・1 青木)
:
本講義では,ベイズ的アプローチによるデータ解析法の習得を目的としています.具体的には,伝統的な頻度論
的アプローチと対比させながらベイズ的アプローチの基本概念を解説した後に,
ギブスサンプラーを中心にMCMC
法の理論,統計解析ソフトウェア R によるプログラミングについて解説します.なお,頻度論的アプローチによる
データ解析法と R の基本操作についてはすでに習得しているものとしますので,事前に「金融データ分析の基礎」
などを受講しておくことを勧めます.
○ 企業税務の実務と実証研究(集中・2 明石・大沼)
:
本講義の目的は、制度と実証研究の両側面から企業税務を理解することである。
前半のパートでは、実務の観点から現行法人税制の重要な基礎的項目を解説する。実務編 7 回の講義により企業
課税の基本構造・手順・基本用語とその概念の理解を目指す。後半のパートでは、前半のパートで学習した企業課
税の実務を踏まえ、企業税務がどのように組織行動や企業戦略、企業評価などに影響を与えるかを実証研究の知見
から学ぶ。
○ 金融データの時系列分析(集中・1 沖本)
:
経済・ファイナンスデータの分析に頻繁に用いられる時系列モデルの基礎理論や応用例について解説します。講
義を通じて、経済・ファイナンスデータの分析に必要となる時系列モデルの基礎的な考え方を理解し、それらのモ
デルを実際の経済・ファイナンスデータに応用する方法を取得することを目標とします。
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◆発展的内容(博士後期課程科目)
以下の科目は博士後期課程学生向けの科目ですが、専門職学位課程学生であっても、当該科目担当教員と面接の
上、承認されれば、履修することが出来ます。
○ 資産価格理論(春前・1 大橋)
:
本講義は、ファイナンスに関する博士レベルの基礎理論を学ぶ上級科目であり、主な目的は資産価格や最適投資
の決定に利用される様々なモデルの背景と数学的・経済構造を、自分の手を動かして習得することです。そのため、
受講者には、教科書及び配布される資料に関する報告とディスカッションが毎週求められます。博士の基礎レベル
の授業ですが、優秀な修士学生には受講を許可する場合もありますので、受講希望者は事前に担当教員に相談して
下さい。
専門科目(演習)
演習は必修です。受講者は、以上の講義に加え演習として、特定の教員の指導のもと特定の問題について研究
することを求められます。研究する問題は各自が入試申請時に提出した研究計画書に記述されたものを基本としま
す。授業科目のなかで身につけた方法論と理論的知識、さらに自らの実務経験をもとにして演習を行います。専門
職学位論文は、この演習における学習・研究をもとに作成されます。通常、指導教員を中心とするセミナー形式で
研究が進められ、受講者には積極的な貢献が期待されます。
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