広視野ヘテロダイン検波による 高速平面振動の一括計測 副題:「普通のカメラで高速な振動が撮れる技術」 新潟大学 工学部 電気電子工学科 助教 崔森悦 新潟大学 産学地域連携推進機構 准教授 小浦方 格 1 新技術の概要 ・工業製品や生体組織の振動を撮るニーズ ・従来の振動計測装置は課題がある ・新技術は、以下の特長がある → 普通のカメラで数10kHz以上の振動を計測 → カメラに映る範囲すべてを一括計測 → 生体内部の断層の振動も計測 → 振動感度は、数十nm、今後改善予定 2 従来技術とその問題点 既に実用化されている技術: ➀レーザ振動計 ・高い周波数まで測定可能 ・信号感度がよい ・測定範囲が狭い ・広範囲測定は時間がかかる 図1.従来のドップラー計 受光器 干渉計 レーザ 機械的可動部 を有する干渉計測 X軸走査 空間走査 点計測 Y軸走査 z軸 y軸 x軸 振動物体 3 従来技術とその問題点 既に実用化されている技術: ②ホログラム法 ・広範囲の一括計測可能 ・振動モード解析に利用 ・空間的な位相差は測定不能 ・装置が複雑で表面のみ計測 図2.ホログラム法 レーザ 振動物体 車体振動モード 楽器の振動モード計測 4 提案する新技術 図3.広視野ヘテロダイン法 広視野ヘテロダイン干渉法 CCDカメラ ・広範囲の一括計測可能 レーザ ヘテロダイン (周波数、振幅、位相、形状) 光波発生機構 z軸 ・空間的な位相差も測定可能 全視野 一括計測 ・装置が簡便(干渉計) y軸 x軸 測定物体 ・表面と内部断層も計測可能 ・普通のCCDカメラで10 kHz級の振動が撮れる 5 新技術の特徴・従来技術との比較 レーザ振動計 ホログラム法 新技術 カメラで一括撮像 カメラで一括撮像 位相検出 x-y軸走査 (点計測) O 不可 × ○ 1回の計測範囲 1点のみ 面全体(長時間露光) 面全体(数秒) 断層面計測 不可 × 不可 × ○ 価格 高価(1千万以上) 安価 安価 走査方式 6 新技術の適用例 1kHzで振動する円形ミラーの計測1 生体試料の内部平面振動計測2 [1] S. Choi, Y. Maruyama, T. Suzuki, F. Nin, H. Hibino, and O. Sasaki, Opt. Commun., Vol. 356, pp. 343-349 (2015) [2] S. Choi, T. Watanabe, T. Suzuki, F. Nin, H. Hibino and O. Sasaki, Opt. Exp., Vol. 23, No. 16, pp. 21078-21089 (2015) 7 想定される用途 • 本技術の特徴を生し、MEMSの製造検査から 大型装置の振動検査に適用することができる • 上記以外にもあらゆる振動物体に適用可。 • また、光コヒーレンス断層撮像装置と組み合 わせることで生体、医療、バイオイメージング 分野に展開することも可能と思われる。 8 実用化に向けた課題 • 現在、ミラーの振動や生体試料の内部の振動 が1kHzまで可視化可能なところまで開発済み。 • しかし、計測感度や測定精度の改善が課題。 • 実用化に向けて、振動の測定精度を1nm精度 まで向上できるよう技術を確立する必要あり。 重要なポイントは 光源と光学装置のレベルを上げること (光コムレーザの導入と専門的なレンズ設計等) 9 企業への期待 • 未解決の感度向上については、光コムと精密 光学設計技術により克服できると考えている。 • 光学設計技術または、画像処理ソフト開発技 術を持つ、企業との共同研究を希望。 • また、OCTを開発中の企業、医療画像分野へ の展開を考えている企業には、本技術の導入 が有効と思われる。 10 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :平面振動計測装置及び平 面振動計測方法 • 出願番号 :特願2015-116904 • 出願人 :国立大学法人新潟大学 • 発明者 :崔森悦 産学連携 産学連携の 連携の経歴 • 20015年JSTマッチングプランナープログラムに採択 • 20014年-2015年 JST A-step FSステージ探索課題に採択 11 お問い合わせ先 問い合わせ先 新潟大学 産学地域連携推進機構 TEL 025-262-7554 FAX 025-262-7513 e-mail [email protected] 12
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