週刊原油

週刊原油
世界の原油情報がここに凝縮されています。
毎週木曜日午後発行
原油価格下落中20ドル台に
発行日
:
2016/1/14
1月13日のNY原油2月限は∔0.04ドル高の30.48ドル。米エネルギー情報局(EIA)統計での石油製品在庫の予想
以上の急増などが嫌気されるなか、期近は前日付けた2003年12月2日以来の水準を割り込むまでには至らなかった
ものの、供給過剰の長期化懸念などから、安値修正の動きは限定された。夜間取引から期近ベースで2003年12月2
日以来の水準(29.93ドル)へ値を沈めた前日の流れに対する修正となるも、立会い開始後に31.71ドルへ上昇した
のが精一杯。米石油協会(API)統計での原油在庫の減少や、複数のOPEC(石油輸出国機構)加盟国が3月初めの緊
急総会の可能性を要請しているとの報なども決め手を欠いた。一方、16日にもイランへの制裁が解除される見込みの
なか、米東部時間午前10時30分に発表されたEIA統計で原油在庫は予想されたほど増加しなかったが、受渡場所とな
るオクラホマ州クッシング原油在庫が3週連続して2004年の統計開始後の最高水準を更新し、石油製品在庫が予想以
上に急増したため、発表直後には30.10ドルへ急落。その後、前日の安値を試すまでには至らなかったが、レンジ内
で戻りの限られる展開が続いた。
石油製品は期近が大幅続落。EIA統計での留出油とガソリン在庫の予想以上の急増を受けた需給面のさらなる悪化
を受け、発表直後に期近ベースでヒーティングオイル2月限が2004年6月30日以来、改質ガソリン2月限は2009年
2月24日以来の水準へ一段と下落した。
ブレント原油期近2月限は続落。EIA統計に対する失望感から、一時、29.96ドルと期近ベースで2004年4月2日
以来の水準へ値を沈めた。
イラン石油省が運営するシャナ通信によると、ザンギャネ石油相は、イランは今のところ、OPEC緊急総会を求め
る要請を何も受け取っていないと述べた。同相は、OPEC緊急総会を開くためには、加盟国の合意が必要であり、合
意がなければ開催されることはないと語った。
一部メディアによると、昨年2月9日付のリポートで、原油相場が「しばらく20ドルのレンジまで下げる恐れがあ
る」と予想していたシティグループの商品調査責任者エド・モース氏は12日にカルガリーで、世界は今「20ドルの
相場展開に向き合っている」と述べた。同氏は、次に話題になるのは20ドルという数字だと指摘し、「10ドル下落
を目の当たりにした後、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が30ドルをぎりぎり上回って推移して
いる現状では、可能性はかなり高いと言ってよい。30ドル割れの状態があまり長期化し得ないことは明らかだが、問
題はどの程度続くかだ」と語った。(つづく)
EIAは13日、1月8日までの週の石油統計を発表。事前予想は、原油在庫が前週比200万バレルの増加、ガソリン
在庫は250万バレルの増加、留出油在庫が150万バレル増加だった。
前週比原油 4億8255万8000バレル 23万4000バレル増加ガソリン 2億4043万4000バレル 843万8000バレ
ル増加留出油 1億6555万4000バレル 613万6000バレル増加 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)
の原油受け渡し場所となるオクラホマ州クッシング原油在庫は6400万7000バレルと、前週比9万7000バレル増加
した。
今日の材料
・イラン石油相、OPEC緊急総会開催の要請受けていない-シャナ通信
・シティグループ、20ドルはもはや幻想にあらず
・API、原油在庫は前週比390万バレル減
クッシング原油在庫は前週比30万バレル減 ガソリン在庫は前週比700万バレル増 留出油在庫は前週比370万バ
レル増・EIA、原油生産は日量922万7000バレル、前週比0.1%増
原油生産は昨年8月21日の週以来の高水準 原油輸入は日量818万8000バレル、前週比9.0%増 原油輸入は昨年
12月11日の週以来の高水準 石油精製は日量1642万3000バレル、前週比1.2%減 石油精製は昨年11月20日の週
以来の低水準 製油所稼働率は91.2%、前週比1.3%低下 製油所稼働率は昨年11月13日の週以来の低水準 クッシン
グ原油在庫は統計開始後の過去最高を更新 ガソリン在庫は昨年2月13日の週以来の高水準 ガソリン需要は日量850
万バレル、前週比4.2%増 留出油在庫は2011年1月14日の週以来の高水準 留出油需要は日量283万2000バレル、
前週比6.7%減。(日本先物情報ネットワーク)
TOPICs Short Terms Energy Outlook
Highlight 2016年1月号
by
EIA
1月12日発行
2016年のWTI原油価格は38ドル、17年は47ドル
★ この短期エネルギー予測は2017年までを予測した初
めてのものである。
WTI原油価格予想
★ 2015年12月の北海ブレント原油価格は平均38ドル
と11月より▲6ドル下落した。これは2004年6月以来最
も安い原油価格である。2015年全体のブレント原油平均
価格は、52ドルで、2014年平均価格より▲47ドル下落
した。これは世界の石油在庫が増加し、年間を通して下方
圧力がかかったためである。
★ 2016年の北海ブレント原油価格は平均40ドルと予
想し、2017年は50ドルと予想する。
★ 2016年のWTI原油先物価格はブレント価格より2ド
ル(38ドル)安く、2017年は3ドル安い見込み(47ド
ル)。
★ 現在の先物オプション価格は先行き不透明である。
WTI原油先物価格が95%の確率で入る価格の範囲は25ド
ル~56ドルとなっている。
★ 米国のガソリン小売価格は2016年は平均2.03ドル/
ガロン、2017年は2.21ドル/ガロンと予想する。2015
年12月の平均価格は2.04ドルで、11月より▲12セント
下落している。2016年春に値上がりする前に、2月には
1.90ドルと7年ぶりの安値に達すると予想している。
全米ガソリン小売価格予想
2015年の原油生産量は940万バレル、16年は870万バレル、17年は850万バレル
★ 2015年の米国の原油生産量は平均日量940万バレルであった。2016年には日量870万バレルに減少し、
2017年には日量850万バレルに減少すると見ている。2015年12月は11月に比べて日量▲8万バレル減少した。
★ 1月1日時点の天然ガスの稼働在庫は、3兆6430億立法フィートで前年同期比+17%多い水準だった。また
2011年~15年の過去5年平均よりも+15%多い水準だった。EIAは天然ガス在庫は暖房シーズンが終わる3月末に
は2兆430億立方フィートに減少すると見ているが、これは前年同期比+38%多い水準である。2016年の天然ガス
スポット価格は平均2.65ドル/百万British Thermal Unit(MMBtu)、2017年は3.22ドル/MMBtuと予測して
いる。2015年の平均価格は2.63ドル/MMBtuであった
★ 化石燃料による発電量は減少し、再生エネルギーに代替されている。天然ガスによる発電シェアは、2015年の
33%から2017年には31%に減少する。石炭も34%から33%に減少する。水力発電は6%から7%に増加。再生可
能エネルギーは7%から9%に拡大する。
2015年の原油生産量は940万バレル、16年は870万バレル、17年は850万バレル
★ 2015年の米国の原油生産量は平均日量940万バレルであった。2016年には日量870万バレルに減少し、
2017年には日量850万バレルに減少すると見ている。2015年12月は11月に比べて日量▲8万バレル減少した。
★ 1月1日時点の天然ガスの稼働在庫は、3兆6430億立法フィートで前年同期比+17%多い水準だった。また
2011年~15年の過去5年平均よりも+15%多い水準だった。EIAは天然ガス在庫は暖房シーズンが終わる3月末に
は2兆430億立方フィートに減少すると見ているが、これは前年同期比+38%多い水準である。2016年の天然ガス
スポット価格は平均2.65ドル/百万British Thermal Unit(MMBtu)、2017年は3.22ドル/MMBtuと予測して
いる。2015年の平均価格は2.63ドル/MMBtuであった
★ 化石燃料による発電量は減少し、再生エネルギーに代替されている。天然ガスによる発電シェアは、2015年の
33%から2017年には31%に減少する。石炭も34%から33%に減少する。水力発電は6%から7%に増加。再生可
能エネルギーは7%から9%に拡大する。
米国の石油生産
(前年比日量百万バレル)
米国の再生エネルギー燃料供給
(1015Btu)
2015年の世界の石油在庫は+190万バレル増加し、2017年第3四半期まで増加が続くだろう
★ EIAは世界の石油在庫は2015年に190万バレル増加したと推定しており、2年連続の積み増しとなっている。
この供給過剰が原油価格が2004年中盤以来の安値に下げている原因と考える。在庫は2016年+70万バレル増加し、
2017年に需給がバランスするまで在庫増は続くだろうと予測している。おそらく2017年第3四半期に初めて原油在
庫は取り崩しに転じるものと予想している。
OECD民間原油その他石油在庫日数
世界の原油需給バランス(日量百万バレル)
2015年の石油消費量は前年比日量+140万バレル、16年・17年も+140万バレル
★ EIAは世界の原油及びその他の石油消費量は、2015年に前年比+140万バレル増加し日量9380万バレルに
なったと推定している。2016年と17年もともに日量+140万バレル増となるだろう。国内総生産GDPに占める石
油消費量は2015年は∔2.4%、2016年は+2.7%、2017年は+3.2%となる見込み。
★ 2014年の非OECD諸国の石油消費量は前年比+140万バレル増加したが、2015年は主にユーラシア諸国の
消費減退と中国の景気後退により+80万バレルに留まり、2016年と2017年の非OECD諸国の石油消費の伸びは
∔110万バレルになると予想している。これには中近東とユーラシア諸国の高い伸びが含まれている。
★ OECD諸国の石油消費量は2015年日量+60万バレル増加したが、2016年は+30万、2017年は+40万バ
レル増加すると見込まれる。主に米国の増加である。欧州は2015年の+30万バレル増よりも減速する。米国は
2016年+20万、17年は+30万バレル増で、日本は両年とも▲10万バレル減となる。
世界の原油消費の伸び
(日量百万バレル)
世界の原油消費量前年比
(日量百万バレル)
OEC
中国
米国
非OECDアジア
その
旧ソ連邦
その他
非OPEC諸国からの石油供給量は2015年日量+130万バレル、
2016年は日量▲60万バレル、2017年は▲10万バレル
★ EIAはOPEC諸国以外からの原油供給量は2015年に前年比日量+130万バレル増加したと推定している。主に
北米によるものであった。2016年は2008年以来初めて減少に転じて▲60万バレル減少するがその大半は米国であ
る。2017年はさらに▲10万バレル減少すると予測している。米国のタイとオイル生産は短期的な投資であるため、
世界の産油国の中でも、価格に対する反応性が高い。米国の生産量は2016年▲40万バレル減少し、2017年はほぼ
横ばいとなるだろう。原油価格の値下がりにより稼働リグ数は現状の生産量を維持する水準以下となっている。
★ 米国以外では、2016年の減産量は日量▲20万バレル、2017年は▲10万バレルとなるだろう。原油価格が下
がっても高い時期に投資したプロジェクトは比較的減産が行われないだろう。石油企業は投資を手控えているが、主
に開発投資資金の減少となっており、将来の生産に影響するものであろう。またドル高により生産コストは下がって
おり、海外の国では手取りの減少はやや抑えられている。ドル高により現地通貨での購買力が増しているためである。
15年に増加した北海油田とロシアの生産は2016年・17年に減少するだろう
★ 非OPEC諸国における最も大きな減産が見込まれるのは北海油田とロシアである。北海油田は2015年に少し生
産が増加したが、2016年と17年は再び長期的な現象傾向に入るものと思われる。いくつかの新規プロジェクトが始
まるが、減産を補うほどではないだろう。
★ ロシアの生産もまた2015年に増加した。ロシアに対する経済封鎖はそれ程石油の生産に影響しなかった。しか
し、2016年と2017年には日量▲10万バレルずつ減産となるだろう。ただ、通貨ルーブルがドルに対して大きく切
り下がっているため、ルーブル建ての生産コストは大きく下がっており、石油業界に対する税制の改定も石油生産を
支援している。
カナダとブラジルの生産は増加
★ カナダやブラジル等の非OPEC諸国の生産は引き続き増加するものと思われる。2015年に日量+5万バレル増
加したカナダは、2016年も+5万バレル増となり、Imperial OilやCenovus等開発中の多くのオイルサンドプロ
ジェクトが2016年末までに生産を始めるだろう。こうしたプロジェクトは、価格が下落する前にコミットされてい
る。
★ 2015年日量+2万バレル増加したブラジルでは、2016年日量+4万バレル、2017年日量+2万バレルの増産
となるだろう。これらはいくつかの海上油田によるものである。貯蔵施設や搬送施設も完成している。Petrobrasの
負債の増加や汚職問題の暴露により将来の投資は減少するものと思われる。
非OPEC諸国の生産の伸び
世界の消費量の伸びと
非OPEC諸国の生産の伸び
予期せぬ生産の支障は日量▲40万バレルで、前月よりも▲30万バレル減少した
★ 非OPEC諸国内の予期せぬ生産の支障は、12
月時点で日量40万バレルであった。これは先月の
見込みの70万バレルより▲30万バレル減少してい
る。これはシリアとイエメンの生産能力を過大評価
していたものを修正したためである。生産の支障と
は、生産能力から実際の生産量を差し引いた計算と
なっているため生じたものである。
非OPEC諸国の予期せぬ生産の支障
(日量百万バレル)
OPEC諸国の原油生産、2015年は+90万バレル。イラクやサウジが増加。
2016年は+50万バレル増、
★ OPEC諸国は12月4日の総会でインドネシアが7年ぶりにOPECに復帰することを決めた。EIAは今回の短期予
測からインドネシアをOPECの生産量に含めることとした。
★ OPEC諸国による2015年の原油生産量は、日量3,160万バレルだった。2014年から比べると日量+90万バレ
ル増加している。主にイラクの増産によるもので、イラクは2015年日量+70万バレルの増加であった。サウジアラ
ビアもシェアを守るために2015年は日量+30万バレルの増産を行っている。
★ 2016年のOPEC諸国の生産量は+50万バレル増加する見込み。2017年は+70万バレル増加。主な要因はイ
ランの経済封鎖が解除である。
TOPICs イラン大統領は数日中に経済封鎖は解除されれると述べた。
1月12日 NHK
1月12日 核開発問題を巡る最終合意に基づき、経済制裁が解除される時期につ
いて、イランのロウハニ大統領は「数日中」という見通しを示したが、欧米側
からは慎重な見方も出ている。核開発問題を巡る欧米など関係6か国とイラン
の最終合意を受けて、イランは、核兵器の原料になり得る濃縮ウランを国外に
移すなど、核開発の制限に向けた取り組みを進めていて、いつ最終合意が履行
され、欧米側が経済制裁を解除するのかが、大きな焦点となっている。
こうしたなか、イランのロウハニ大統領は11日、ガス田開発の式典で演説し、「厳しい経済制裁は数日中に解除され
るだろう」と述べ、合意が履行され、数日中に制裁が解除されるという見通しを示した。一方、6か国側の調整役を務
めてきた、ヨーロッパ連合のモゲリーニ上級代表は、訪問先のチェコで記者団に対し、この数日の間にイランのザリー
フ外相やアメリカのケリー国務長官と電話会談を行ったことを明らかにした。そのうえで、合意の履行に向けた取り組
みは順調に進んでいると評価しつつも、「日付はまだ決まっていない」と述べ、制裁解除の時期については慎重な見方
を示した。イランでは来月、議会選挙が行われることから、ロウハニ政権には、早期の制裁解除を実現させ、政権の支
持派への追い風にしたいという思惑もあるとみられ、制裁解除の時期を巡る動向が注目されている。米国国務省のカー
ビー報道官は11日、記者会見で、「合意の履行に向けて、イラン側の進展が見られており、ケリー国務長官が先週、
イランのザリーフ外相との電話会談のあとに話したように、まもなく合意が履行されるとみている」と述べ、最終合意
の履行が迫っているという認識を示した。その一方で、「イランはほかの挑発的な行動をやめていない。アメリカ海軍
の空母の近くにロケットを発射し、弾道ミサイルの開発も続けている」と述べて、イランをけん制した。
イランは2016年+30万バレル、17年に+50万バレル増産見込み
★ イランの原油生産量は、2016年日量+30万バレル増加し、2017年には日量50万バレル増加するとEIAは予想
している。ただし、イランの原油生産が技術的に復興できることや、安値でも喜んで売る体制にあることが前提とな
る。
★ OPEC諸国による非原油からの原油生産量は、2015年に平均日量670万バレルだったが、2016年、17年とも
に日量+30万バレル増加する見込み。イランとカタールによる。
OPEC諸国における予期せぬ生産の支障は日量▲280万バレル
★ 12月にOPEC諸国における予期せぬ生産の
支障量は、日量280万バレルであった。ク
ウェートとサウジアラビアの中立地帯における
WafraとKhafji油田の支障が日量50万バレルと
なっている。
OPEC諸国の原油生産の支障量
OPEC諸国における余剰生産能力は
2015年日量160万バレル、2016年は
200万バレル、17年は190万バレル
★ 2015年に日量160万バレルだったOPEC
諸国における余剰生産能力は2016年には200
万バレルに増加し、2017年には190万バレル
★ 2015年に日量160万バレルだったOPEC
に減少する見込み。
諸国における余剰生産能力は2016年には200
万バレルに増加し、2017年には190万バレル
★
イランの原油生産能力は日量360万バレル
に減少する見込み。
としており、現状の生産量よりも+80万バレル
OPEC諸国の余剰生産能力
多い。EIAは、この80万バレルを経済封鎖によ
★ イランの原油生産能力は日量360万バレル
る予期せぬ生産の支障として分類している。
としており、現状の生産量よりも+80万バレル
★ 余剰生産能力は通常、250万バレル以下だ
とタイトな状況を表す指標として使われてきた
が、世界の石油在庫が積みあがっている現状で
はそれほど意味を持たないと見ている。
2015年末のOECD諸国による石油在庫は30億6百万バレル、16年末も17年末も31億3千万バレル
★ 2015年末OECD諸国における石油在庫量は、30億6百万バレルで消費量の66日分相当である。2016年末に
は31億3千万バレル、2017年末には同じく、31億3千万バレルになると思われる。
TOPICs 米国のシェール油田における稼働リグ数と生産量の推移
by EIA Drilling Productivitiy Report月11日号
地域
Permian
Eagle Ford
Bakken
Niobrara
Utica
Haynesville
Marcellus
合計
原油生産量
(日量千バレル)
2,035
1,217
1,122
394
78
52
50
4,948
★ EIAのDrilling Productivity Reportによれば、生産
量の最も大きいPermian油田では、最も稼働リグ数が多
かった2014年11月は565基が稼働して178万バレル
が生産されていた。2015年12月にはそれが212基と
▲353基減少し、▲37%になっているが、生産量は
202万バレルと+35万バレル、19.5%増加している。
地域
★ 2位のEagle Ford油田では、2014年10月に稼働
リグ数は268基と最大になり、生産量は150万バレル
だったが、昨年12月末は86基と▲182基▲67%減少
し、生産量は129万バレルと▲15%減少している。稼
働リグ数の減少がそのまま生産量の減少には結びついて
いないことがわかる。他の油田でも生産量は稼働リグ数
の減少ほどには落ちていない。
TOPICs ファンドの動向
までの週
取組高
9月1日 2,619,781枚
9月8日 2,624,716枚
9月15日 2,618,114枚
9月22日 2,435,709枚
9月29日 2,459,756枚
10月6日 2,534,662枚
10月13日 2,501,950枚
10月20日 2,406,985枚
10月27日 2,500,495枚
11月3日 2,516,868枚
11月10日 2,500,995枚
11月17日 2,215,278枚
11月24日 2,223,349枚
12月1日 2,256,875枚
12月8日 2,381,393枚
12月15日 1,678,527枚
12月22日 2,256,060枚
12月29日 2,248,629枚
1月5日 2,335,212枚
+86,583枚
増減
買い残
売り残
ネット買い残
491,697枚 234,026枚 257,671枚
増減
価格
+2,357枚
$45.4
492,824枚 223,673枚 269,151枚 +11,480枚
$45.9
489,379枚 210,189枚 279,190枚 +10,039枚
$44.6
501,887枚 203,970枚 297,917枚 +18,727枚
$45.8
498,087枚 199,429枚 298,658枚
+741枚
$45.2
502,119枚 199,138枚 302,981枚
+4,323枚
$48.5
502,564枚 186,849枚 315,715枚 +12,734枚
$46.7
507,921枚 197,932枚 309,989枚
▲5,726枚
519,920枚 224,152枚 295,768枚 ▲14,221枚
$45.6
512,938枚 211,328枚 301,610枚
+5,842枚
$47.9
▲7,270枚
511,400枚 252,307枚 259,093枚 ▲35,247枚
490,972枚 246,026枚 244,946枚 ▲14,147枚
$44.2
497,565枚 253,908枚 243,657枚
▲1,289枚
$41.9
▲9,091枚
472,228枚 261,717枚 210,511枚 ▲24,055枚
$37.5
473,870枚 248,918枚 224,952枚 +14,441枚
$36.1
465,111枚 235,589枚 229,522枚
$37.9
520,158枚 225,818枚 294,340枚
502,820枚 268,254枚 234,566枚
+4,570枚
479,540枚 261,293枚 218,247枚 ▲11,275枚
+14,429枚 +25,704枚 ▲11,275枚 ▲15,845枚
$43.2
$40.7
$42.9
$37.4
$36.0
NY原油に対するファンドの建玉は、
1月5日までの週のネット買い残は21
万8247枚と少し減少している。買い
も+1万4,429枚増えているが、売り
の方が多く+2万5,704枚増加してい
る。
売り残は下右のグラフのように、大き
く膨らんでおり、価格との逆相関関係
は▲0.82と高くなっている。
今後の予想
NY原油は30ドルを割るほど下落している。これはファンドが上記のグラフのように大きく売っているからだと思
われる。しかしそれには理由があり、ことにイランの経済封鎖解除が近日中に行わわれるなら、供給過剰に一層拍車
をかける大きな要因となるだろう。ただ、このあたりで材料出尽くしとなる可能性もある。しかし市場のセンチメン
トは弱く、少々反発があるとしても、大きくもとに戻りそうにはない。原油価格はすでに復元力を無くし、30ドル
台が当たり前の世界に入りつつある。資源価格はひとたび落ち込むと容易なことでは底から這い出せないものであ
る。短期的な反発はあるとしても原油価格のレベルが上昇するためには、大きな倒産などによる供給の削減がなけれ
ばどうにもならないだろう。そうしたことはなかなか無いので、反発に賭けるよりはこれ以上下がらない程度であろ
う。
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