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Spring, 2003
空力騒音
Sandeep Sovani (Fluent Inc ),Bipin Lokhande(Fluent India)
用しています.さらにFLUENT には,2種類の空力音響
モデルが実装され,検証を受けています.FLUENT 6.0
のLighthill-Curle音響モジュールは,壁境界の圧力変
動で発生した音が遠方場の観測点まで伝搬する様子
を扱うことができます.FLUENT 6.1に内蔵されている
音響モジュールはFfowcs-Williams-Hawkinsの理論に
基づくもので,境界面や内部面で放射された音が観測
点に向かう様子を計算することができます.しかも,観
騒音を発生する物体近傍のメッシュが,CFDシミュレーションの結果を大
測 点 は 計 算 領 域 の 内 部 か 外 部 か を問 い ま せ ん.
きく左右する.
FLUENT 6.1 の 結 果 は す で に ,SYSNOISE(LMS
Internationalの音響モデリングツール)でインポートでき
流体力学的には,自動車のサイドミラーは高速の気
るようになっています.
イドミラー後流の流れ構造は極度に非定常で,ドアや
ウィンドウといった近傍の車体面は著しく非定常な圧力
変動を受けます.この非定常な圧力変動は最終的に,
実験値[1]
音圧レベル (dB)
流にさらされるブラフボディー(非流線型物体)です.サ
車体の内部および周囲に騒音(ノイズ)となって伝搬しま
す.
流体領域で発生する音や,伝搬する音は,次の2つ
の手法でシミュレーション可能です.
周波数(Hz)
■計算空力音響学(CAA)の手法:流れによって発生す
CAAと空力音響モデルの結果は,いずれもミラーからそれほど離れてい
る音場と流れとの相互作用を直接シミュレーションで扱
ない受信点での測定値とよく
一致している[2].
います.ここでいう直接とは,計算が物理の基本法則だ
けに基づくもので,経 験 則を使用しないという意味で
サイドミラーについて,後流乱流場で発生する音のシ
す.
ミュレーションを実施しました.FLUENT で利用したのは,
■空力音響モデルの手法:音源から受信者に伝搬する
CAAとFfowcs-Williams-Hawkinsの定式化です.一般
音を扱います.
的なミラー形状として,半円筒の先に円筒と同一半径
FLUENT ではこれらの両方で空力音響シミュレーション
の4分の1球が付けられたものとしました .CAAを実行
が実施でき,CAAには,十分に確立され,かつ広範な
するため,ミラー周りにおける流れの非定常シミュレー
検証を受けてきたFLUENT の非定常流解析機能を利
ションをLES乱流モデルで実施しました.観測点は,参
Copyright© 2003 Fluent Asia Pacific
JPNNL392
掲載の会社名,製品名およびサービス名 等は,それぞれ 各社の 商標または 登録商標です.
考文献1の実験でマイクロホンが設置された位置にあり,
そこで静圧の時間変化を記録します.記録された静圧
の時間変化は,FLUENT 6.1に新しく導入された高速フ
ーリエ変換(FFT)ツールで周波数スペクトル に変換され
ます.
Ffowcs-Williams-Hawkinsモデルによる解析は,ミ
ラー周りにおける流れの非定常シミュレーションからは
じまります.シミュレーションを開始するにあたり,音源
と受信者(マイクロホン)の位置を入力し,ミラーとそれが
速度分布にミラー周りの流れの非定常性が見られる.
装着されている平板を音源として設定します.計算が
進行するにつれ,音圧の時間変化を含むプロットやファ
イルが作成されます.
流体領域で発生する音や,伝搬する音は,次の2つ
音圧スペクトルを確認したところ,2つの手法のいず
の手法でシミュレーション可能です.
れでも,傾向および値が実験とよく一致していました.
■計算空力音響学(CAA)の手法:流れによって発生す
空力音響シミュレーションの精度は,基礎となる非定常
る音場と流れとの相互作用を直接シミュレーションで扱
流シミュレーションによって大きく左右されます.時間き
います.ここでいう直接とは,計算が物理の基本法則だ
ざみやグリッドの解像度と質によって,音圧レベルの予
けに基づくもので,経 験 則を使用しないという意味で
測精度ばかりでなく
,結果の物理的に意味のある周波
す.
数帯域までも決まってしまうのです.
■空力音響モデルの手法:音源から受信者に伝搬する
音を扱います.
References
FLUENT ではこれらの両方で空力音響シミュレーション
1 Siegert R., Schwarz V., and Reichenberger J., AIAA Paper
が実施でき,CAAには,十分に確立され,かつ広範な
no. 99-1895, 5th AIAA/CEAS Aeroacoustics Conference,
検証を受けてきたFLUENT の非定常流解析機能を利
Seattle WA, May 10-12, 1999.
用しています.さらにFLUENT には,2種類の空力音響
モデルが実装され,検証を受けています.FLUENT 6.0
2 Lokhande B.S., Sovani S.D., and Xu J.,
のLighthill-Curle音響モジュールは,壁境界の圧力変
“Computational Aeroacoustic Analysis of a Generic Side
動で発生した音が遠方場の観測点まで伝搬する様子
View Mirror,” Paper no. 2003-01-1698, SAE Noise and
を扱うことができます.FLUENT 6.1に内蔵されている
Vibration Conference, Traverse City, MI, May 6-8, 2003.
音響モジュールはFfowcs-Williams-Hawkinsの理論に
基づくもので,境界面や内部面で放射された音が観測
点に向かう様子を計算することができます.しかも,観
測 点 は 計 算 領 域 の 内 部 か 外 部 か を問 い ま せ ん.
FLUENT 6.1 の 結 果 は す で に ,SYSNOISE(LMS
Internationalの音響モデリングツール)でインポートでき
るようになっています.
Copyright© 2003 Fluent Asia Pacific
JPNNL392
掲載の会社名,製品名およびサービス名 等は,それぞれ 各社の 商標または 登録商標です.