ネットワークシンプレックス法に対する Bland規則 同志社大学 渡辺扇之介 同志社大学 渡邊芳英 最小費用流問題を解く方法 はじめに 負閉路除去法,逐次最短路法 最小費用流問題 ネットワークシンプレックス法 全域木 (基底) の更新 B 巡回 A D 解1 解2 解3 解4 最適解 巡回 C 解5 費用 巡回を防ぐ方法 各頂点には需要・供給量 各辺には (下限容量,上限容量)と費用 制約条件 ・ 容量制約 ・ 需要供給制約 目的 費用を最小にする. 最終(第一)閉鎖辺選択規則 主結果 Bland規則が巡回を防ぐ. シンプレックス法における巡回 を防ぐ規則として有名. 1 シンプレックス法と巡回 補足 線形計画問題 ⑤ ① ② ③ ④ ① 初期解 ④ ② 最適解 ⑤ 巡回発生!! ③ 1’ 以下の2つの条件を満たす 最小費用流問題 を考える. フロー 有向グラフ ・ 容量制約 :需要供給量 頂点 を満たす. ・ 需要供給制約 :下限容量 辺 :上限容量 を満たす. に対して ※ , :単位費用 フロー の費用 B が最小となるフロー A D を求める. 費用 B A D C C 2 ネットワークシンプレックス法 (1) ネットワークシンプレックス法の更新 1. 初期解 2. 最適性の判定 3. 更新 省略 B 全域木の更新 全域木の更新 A D C 1. 初期解 (何とかして見つけたとする.) B A 費用 D C 3 ネットワークシンプレックス法 (2) 費用 全域木 B A B D C A 最適性の 判定より 閉鎖辺 D C 費用 B A B D C 閉路の 向き A D C 4 巡回のメカニズム (1) ・・・ 1. 全域木を選ぶ. 2. 最適性の判定より,加える辺を選ぶ. 3. 閉鎖辺を選ぶ. 選ぶ辺に自由度がある !! 巡回の原因 1. 全域木を選ぶ ?? B A D C 5 巡回のメカニズム (2) 2. 最適性の判定より,加える辺を選ぶ ?? B B A D A D C C 3. 閉鎖辺を選ぶ ?? B A B D C A D C 6 巡回を防ぐ規則 ~最終閉鎖辺選択規則~ 1. 全域木の選び方 : 上限に達する辺 : 下限に達する辺 : 上限にも下限にも達しない辺 B B A D B A C D A D C 2. 全域木に加える辺の選び方 C 自由 3. 閉鎖辺の選び方 B A B D C A D C 7 新しい巡回を防ぐ規則 ~Bland規則~ ◎ 辺の間に順序を決める : 1. 全域木の選び方 自由 2. 全域木に加える辺の選び方 & 3. 閉鎖辺の選び方 決めた辺に関する順序について,最小の辺を選択する. B A B A D C B D A D C C B B A D C A D C 8 おわりに ◎ ネットワークシンプレックス法の更新において Bland規則 (迷ったら小さい辺を選ぶ) を用いることで,巡回を防ぐことが出来る. 最小費用流問題 ネットワークシンプレックス法 帰着可能 線形計画問題 シンプレックス法 ◎ 全域木の更新(グラフの組み合わせ論的更新)を シンプレックス法の更新と完全に対応させることは難しい(と思う). ◎ このBland規則による計算量の改善は期待できない. ◎ 実装は簡単. Thank you very much!! 9
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