税金読本(8-4)配当・利子・分配金の源泉徴収口座への受入れ

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特定口座での取得費・譲渡損益の計算方法
● 特定口座における株式・債券・投資信託と税金
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配当・利子・分配金の源泉徴収口座への受入れ
特定口座における取得費や譲渡損益の計算方法等は、基本的に、通常の株
式等の取引と同様ですが、いくつかの点で特定口座特有の取扱いとなります。
源泉徴収口座に設定される特定上場株
には、所定の手続きが必要となります。
同じ銘柄の取得費は、別々の口座で取引していても合算し、総平均法また
式配当等勘定において上場株式等の配当
一方、源泉徴収口座内で保有している
は総平均法に準ずる方法で計算するのが原則です。しかし、特定口座内の上
金や公募株式投資信託の収益分配金を受
国内公募株式投資信託の普通分配金や株
場株式等については、同じ銘柄を他の特定口座や一般口座で保有している場
け入れることができます。ただし、大口
式ミニ投資の配当金などは、特段の手続
合でも、これらとは区分して計算されます。
株主が受ける配当金については、源泉徴
なしに、源泉徴収口座に受け入れられま
収口座に受け入れることができません。
す。
◆総平均法に準ずる方法で計算
源泉徴収口座を開設している投資家で
平成28年1月1日以後は、これらに加
特定口座内で同一銘柄を2回以上にわたって取得した場合、取得費は「総
あれば、同一の証券会社の営業所の一般
え、特定公社債の利子と公募公社債投資
平均法に準ずる方法」で計算します。取得費には購入の際にかかった手数料
口座で管理されている上場株式等に係る
信託の分配金も源泉徴収口座に受け入れ
配当金や公募株式投資信託の分配金につ
られます。
いても、原則として、源泉徴収口座に受
なお、証券会社により取扱いが異なる
◆他の証券会社などの特定口座から移管した上場株式等の取得費
け入れることができます。
場合がありますので、くわしくは証券会
譲渡原価の計算の基となる取得費は、移管元の特定口座の移管日における
源 泉 徴 収 口 座 に 上 場 株 式 の 配 当、
社にお問い合わせください。
取得費を引き継ぎます。取得日は移管元の特定口座での移管前の譲渡実績に
ETF・REITの分配金を受け入れるため
(消費税含む)、名義書換料等を含めます。
基づき、先入先出法により判定した取得日を引き継ぎます。
◆特定口座で同じ銘柄を1日に2回以上譲渡した場合
同一銘柄を1日に2回以上譲渡した場合には、その日に譲渡した上場株式
等のすべてを、その日の最後の譲渡の時にまとめて譲渡したものとして取り
扱います。
特定口座
◆特定口座での取得費は別計算
●配当・利子・分配金の源泉徴収口座での受け取り
源泉徴収口座での受け取り
国内上場株式の配当
(ETF・REITの分配金を含む)
株式数比例配分方式に限り○
国内公募株式投資信託の普通分配金
外国公募株式投資信託の分配金
○
株式ミニ投資・るいとう・外国株式※の配当金
○
特定公社債の利子
平成28年1月1日以後○
公募公社債投資信託の分配金
平成28年1月1日以後○
※ 国内上場外国株式を含みます。
配当等を源泉徴収口座に受け入れるための手続き
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上場株式等の配当等(ETF・REITの
開始届出書を提出する必要があります。
分配金を含みます。詳しくは上記図表を
この源泉徴収選択口座内配当等受入開
参照)を源泉徴収口座に受け入れるため
始届出書は、源泉徴収口座に受入れよう
には、投資家は、まず、証券会社などと
とする上場株式等の配当等の支払確定日
の間で、上場株式配当等受領委任契約を
までに提出しなければなりません。
締結し、源泉徴収選択口座内配当等受入
国内上場株式の配当(REIT・ETFの
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● 特定口座における株式・債券・投資信託と税金
分配金を含む)を源泉徴収口座に受け入
で受け取ることになります。
って取扱いが異なる場合がありますの
れるには、これに加え、配当金の受取方
ただし、保有する上場株式の一部を特
で、くわしくは証券会社にお問い合わせ
法について、株式数比例配分方式を選択
別口座
する必要があります。
数比例配分方式を選択することはできま
株式数比例配分方式とは、上場株式の
せん。
配当金を、証券会社の取引口座の株式数
したがって、株式数比例配分方式を選
源泉徴収口座において上場株式等の譲
に行われます。
(配当基準日現在の株式数)に応じて、
択するためには、特別口座に預けている
渡損失がある場合には、上場株式等の配
平成28年1月1日以後は、「上場株式
証券会社を通じて受け取る方法です。
上場株式を証券会社の取引口座に振り替
当等との損益通算が行われます。投資家
等」の定義が特定公社債や公募公社債投
この方式を選択した場合は、保有する
え、特別口座を閉鎖する手続き等を行う
は原則として確定申告を行わなくても、
資信託を含むものに改正された(67ペー
国内上場株式の配当金はすべてこの方式
必要があります。
証券会社が損益通算を適用して納税額の
ジ)上で、源泉徴収口座内の「上場株式
計算および納付を行います。
等」の譲渡損失と特定口座に受け入れた
損益通算は、年末時点で譲渡損益が確
配当・利子・分配金(受け入れ対象とな
定した後に行われます。年の中途に、上
るものは207ページ参照)の損益通算が
行われます。
(注)
に預けている場合には、株式
◆ 平成28年1月1日以後の扱い
ください。
上場株式等の譲渡損失と上場株式等の配当等との損益通算
また、平成28年1月1日以後に上場
場株式等の配当金の受入れを終了した場
座を開設し、上場株式配当等受領委任契
株式配当等受領委任契約を締結し源泉徴
合も、同様に年末時点の譲渡損益確定後
約を締結し源泉徴収選択口座内配当等受
収選択口座内配当等受入開始届を提出し
入開始届を提出している場合、平成28
た場合、上場株式の配当および公募株式
年1月1日以後、特段の手続きを行わな
投資信託の分配金だけでなく特定公社債
くても、保有する特定公社債の利子およ
および公募公社債投資信託の分配金も源
び公募公社債投資信託の分配金は源泉徴
泉徴収口座に受け入れることになります。
特定口座
平成27年12月31日までに源泉徴収口
収口座に受け入れられます。
配当等の受け入れをやめるための手続き
源泉徴収口座において上場株式等の配
ては、源泉徴収口座で受け入れることに
当等(ETF・REITの分配金を含みます。
なります。
くわしくは前ページ図表を参照)の受入
ただし、上場株式等の銘柄ごとに配当
れをやめたい場合には、証券会社に対し
等について源泉徴収口座へ受け入れる、
て源泉徴収選択口座内配当等受入終了届
あるいは、受け入れないかを選択するこ
出書を提出する必要があります。
とはできません。
終了届出書の提出日以後に支払いが確
なお、
「源泉徴収選択口座内配当等受
定する上場株式の配当金や公募株式投資
入終了届出書」を証券会社に提出した場
信託の収益分配金から、受入れをやめる
合でも、特定口座を廃止しない限り、当
ことができます。
該特定口座における上場株式等の譲渡所
したがって、終了届出書の提出前に支
得等の計算は引き続き行えます。
払が確定した上場株式等の配当等につい
この点についても、証券会社などによ
(注)特別口座は、株券電子化の際に、ほふり(証
券保管振替機構)に預託されていない株式の
権利を保全するために信託銀行などに開設さ
れた口座です。特別口座に入っている株式は
そのままでは譲渡できず、証券会社などの取
引口座に移す手続きが必要です。
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