2015 年度後期 化学反応論 第14回「特殊反応の解析(1)」 復習問題

2015 年度後期 化学反応論 第14回「特殊反応の解析(1)」 復習問題 ※他人の解答を丸写ししない。
「なぜその答えになるのか」自力で説明できなければならない。
学籍番号___________ 氏名___________ 1. エタンの熱分解によるエチレンの生成について、下のような反応機構が提案されている。
CH3CH3
k1
CH3• + CH3CH3
k3
CH3CH2•
2 CH3•
k2
H• + CH3CH3
CH4 + CH3CH2•
H• + CH3CH2•
k4
k5
H2 + CH3CH2•
CH3CH3
CH2=CH2 + H•
3つのラジカル中間体に対して定常状態近似を
適用すると、エチレンの生成速度は右の式で表
される。この式を導きなさい。
d[CH2=CH2 ] !# k1
k2 k k k
=# + 1 + 1 3 4
dt
4
k5
"2
$
&[CH3CH3]
&
%
2. ある加工食品の品質を保持するため、酸化防止剤を添加して、さらにガスバリア袋に密封
した。この食品の品質劣化は主に自動酸化によるもので、酸素と反応してラジカルを発生
するのが開始段階である(反応速度=k1[O2])。酸化防止剤はこのラジカルと速やかに反応
することで自動酸化を抑制する。また、ガスバリア袋の内部の酸素分圧は、空気中の酸素
の透過によりゆっくりと上昇する(時刻 t における内部の酸素分圧は [O2] = [O2]ex(1 –
exp(–k2t)) とする。[O2]ex は大気中の酸素分圧)。品質保持期限を T にしたい場合、添加す
べき酸化防止剤の量を求めなさい。
(ヒント:時刻0から T までに開始段階で生成するラジ
カルの総量を求めればよい。)