多摩市読書活動振興計画

多摩市読書活動振興計画
市民の読書活動を支える取り組みと
土台となる図書館の運営について
(原案)
平成 27 年 12 月 24 日時点のものです。
今後、文言の整理等修正する場合があります。
12/24
加筆修正(「はじめに」、p.40~41 のマーク部分)
平成28年 月
多摩市教育委員会
教育部図書館
はじめに
読書は、国語教育と並んで、人間性をより豊かにする、読み・書き・話すなどの国語
の力を向上させるための最も有効な手段とされています。しかし近年の社会状況の中で、
深く考察する力や自分の思いを言葉で伝える力の低下が懸念されています。
このため、平成 13 年には「子どもの読書活動の推進に関する法律」が、また平成 17
年には「文字・活字文化振興法」が制定されるなど、読書の重要性を高める取り組みも
進められてきました。個人的な読書や読書活動を支えるには、読書活動を支える様々な
取り組みのほか、「文字・活字文化振興法」にうたわれているように、地域における文
字・活字文化を振興する手段としての公立図書館の運営の改善及び向上が重要です。
多摩市立図書館は、昭和 48 年の開館以来、貸出サービスを中心に、多摩市民の読書
を支えてきました。
『図書館年鑑 2015』(日本図書館協会発行)によると、人口 10 万~15 万の 105 の市
区町村の中で、個人貸出冊数が第 2 位、予約受付件数が第 1 位と、全国的にみても多く
の利用があります。平成 26 年度の個人貸出冊数は、1,725,153 冊で、減少傾向も見え
ていますが、市民一人当たり 11.7 冊、貸出利用者一人あたり延べ 46 冊と、多摩地域
26 市の同程度の人口規模の団体と比較しても、活発に利用されています。
また、図書の貸出は利用しないけれども、来館して新聞や雑誌を読んだり、子ども向
けのおはなし会に参加したり、市民一人ひとりの様々なスタイルで利用されています。
しかし、開館以来 40 年が経ち、課題も見えてきています。
図書館の施設の面では、ニュータウンの開発とともに建てられてきた数多くの老朽化
する施設の更新や維持費の問題が、今まさに直面する課題です。また、職員についても
常勤のベテラン職員が退職を迎える時期にきており、業務の継承、後継職員の育成は大
きな課題です。運営にかかる費用の中で、職員人件費の割に、資料費は十分に確保でき
ていない状況もあります。市議会の事業評価でも、「今後の持続可能な図書館運営を考
えるとき、現状を存続していくことはもはや不可能である。」と指摘されています。
i
一方、近年、読書活動を振興する取り組みとして、ビブリオバトル 1や一箱古本市 2
など、個人でただ読書をするだけでなく、人と人との交流の中で、その読書経験を共有
することで、社会的な活動とすることが注目されてきています。また、まちづくりに読
書活動を取り入れる自治体も現れています。
その読書を支える図書館も、地域の課題解決に役立つ「これからの図書館」が求めら
れています。課題を解決する力や、読書活動における交流によるコミュニケーション力
を養い、社会の様々な問題に丁寧に向き合うことは、多摩市が取り組んでいる 2050 年
の大人づくり「持続発展教育・ESD」 3に重なるものです。
この計画は、図書館として、読書活動を活発にする様々な取り組みの到達点や、読書
活動を支える土台となる図書館運営全体の課題解決の方向性を提示することで、今後の
読書活動の振興につなげるものです。
読書活動の必要性を前提に、主に機能(ソフト)面から、読書活動を支える図書館の
現状と課題、目指すべき姿を市民の皆さんと共有するために策定します。
施設全体の老朽化や安全確保の持続性、時代の変化に対応した施設の再構築など、ハ
ード面からの課題と対応については、本計画の方向性を踏まえ、居場所機能など他の行
政分野との整合性を図った上で、別途「公共施設の見直し方針と行動プログラム」の更
新の中に反映させる予定です。
1
ビブリオバトル:5 分間で参加者が面白いと思った本を紹介して、「どの本が一番読みたくなったか?」
を基準として投票を行い「チャンプ本」を決定するコミュニケーションゲームです。「人を通して本を知
る、本を通して人を知る」をキャッチコピーに日本全国に広がっています。
2
一箱古本市:地域のさまざまなお店の軒先等を使って、「店主さん(出店者)」が段ボール箱ひとつ分
の古本を販売するもので、現在全国各地で開催されています。
3
持続発展教育・ESD:「ESD」とは Education for Sustainable Development の略で、課題を解決する力
やコミュニケーション力を育み、持続発展可能な社会の担い手を育成する教育を言います。「持続発展教
育」は ESD の訳語として併記しています。多摩市では平成 25 年に市内の小中学校が ESD の推進拠点である
ユネスコスクールに登録し、「2050 年の大人づくり」をキャッチフレーズに ESD に取り組んでいます。
ii
この計画の目的、目標像、計画期間
1 目的
読書という行為は、最初は本人の自主性に基づく個人的なものです。読書によって
国語の力がつき、知識を得られるだけでなく、読書を楽しむことで、豊かな心も育ま
れます。
また、読書は、単なる個人の楽しみに留まらず、地域課題の解決などにつながる社
会的な営みに発展する可能性を持っています。人とひととの交流につながり、そのつ
ながりがさらに読書活動を広げるなどの考え方も広がりつつあり、自治体による様々
な取り組みも行われつつあります。多摩市では、子どもの分野で二次にわたる子ども
の読書活動の推進に関する計画を策定し、推進することで、一定の成果を上げつつあ
ります。
図書館は市民の読書活動を支えていく上で、大きな役割を担っています。しかし現
在のサービスや課題を抱えた運営では十分とはいえない状況です。
この計画は、「文字・活字文化振興法」に基づき、読書活動の振興を図るとともに、
その土台となる図書館の運営の改善を行うことを目的とします。
iii
2 計画の目標像
平成 23 年に策定した「多摩市立図書館の基本方針・運営方針」で掲げた基本方針
「市民の『知る』を支援する」を踏まえながら
市民の「知る」を支援し、
自ら考え、共に課題を解決できる、心豊かな地域を育みます
を目標像とします。
多摩市立図書館は、市民の読書活動の振興を図り、これからも必要とされる図書館
をめざします。
持続可能な社会を目指し、すべての市民が必要とする資料や情報を得ることを支援
します。そして、社会の様々な問題に向き合い、自ら考え、コミュニケーションによ
り共有して課題を解決する、心豊かな地域を育みます。
心豊かな地域
読書活動の振興
自ら考
える
地域
課題
自ら考
える
自ら考
える
図書館運営の改善
iv
3 計画期間
この計画は、読書活動振興と図書館運営の改善を目指すものです。
計画の期間は、平成 28 年 4 月から平成 33 年 3 月までの 5 ヵ年とします。
4 多摩市子どもの読書活動推進計画との関係
多摩市では、「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、平成 18 年に「多
摩市子どもの読書活動推進計画」(第一次)を策定しました。また、平成 24 年には、
この計画を大きく見直し、第二次の計画を策定し、取り組みを進めてきました。
現時点では、主に 18 歳以下を対象とするこの計画はさらに更新し、本計画との二
本立てとしますが、将来的には、本計画との統合をめざします。
子どもの
読書活動
推進計画
本計画
v
vi
多摩市読書活動振興計画
目次
はじめに
この計画の目的、目標像、計画期間
Ⅰ
現状
第1 読書活動や図書館をとりまく状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1 国の読書に関する動向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 読書活動を支える「これからの図書館」・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
3 読書活動における様々な事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
4 関連する多摩市の計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
第2 多摩市立図書館の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1 沿革・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2 施設の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
3 利用の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4 資料の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
5 担い手の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
6 情報システムの状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
7 市民からみた図書館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
8 これまでの成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
Ⅱ 課題
第1 多摩市立図書館の抱える課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
第2 国の基準等と比較した多摩市立図書館のサービス等の課題・・・・・・・・ 16
第3 とりまく状況や課題を踏まえた読書活動と多摩市立図書館の方向性・・・・ 21
1 課題のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
2 とりまく状況や課題を踏まえた求められる取り組み・・・・・・・・・・・ 23
Ⅲ
取り組み
第1 取り組みの体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
第2 読書活動振興を支えるサービス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
1
基本目標(1)だれもが使える図書館・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
2
基本目標(2)子どもへのサービスの充実・・・・・・・・・・・・・・・ 30
3
基本目標(3)市民や地域に役立つ図書館・・・・・・・・・・・・・・・ 32
4
基本目標(4)しらべるを支え、つながる図書館・・・・・・・・・・・・ 36
第3 読書活動を支える運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
5
基本目標(5)弾力的な管理・運営・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(巻末資料)
主要課題の考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
1
暫定活用も含めた施設の老朽化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
2
資料費の確保と人件費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53
多摩市における中央図書館検討経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
多摩市読書活動振興計画の構成
Ⅰ
現状
第1
第2
読書活動や
多摩市立
図書館を
図書館の
とりまく状況
現状
第1
第2
多摩市立図書館
国の基準等と
の抱える課題
比較した
多摩市立図書
館のサービス
Ⅱ
等の課題
課題
第3
とりまく状況や課題を踏まえた
読書活動と多摩市立図書館の方向性
第1
取り組みの体系
Ⅲ
取り組み
第2
第3
読書活動振興を支える
読書活動を支える
サービス
運営
Ⅰ 現状
第1 読書活動や図書館をとりまく状況
近年の社会状況の中で、国語教育の重要性や読書の有効性に関する様々な提言がなされ、法の
整備などが行われています。また、図書館法の改正など、図書館にも、貸出サービスだけではな
い、新たな方向への舵取りが求められており、読書活動にかかわる様々な取り組み事例も現れて
きています。
1 国の読書に関する動向
(1)子どもの読書活動の推進に関する法律
平成 12 年の「子ども読書年」を契機とし、平成 13 年に「子どもの読書活動の推進に関する
法律」が成立しました。また、平成 25 年には「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計
画」が第三次基本計画として策定されました。
第三次基本計画では、国、地方公共団体、家庭、地域、学校間の連携をさらに強化し、社会
全体で子どもの自主的な読書活動の推進を図ることの重要性が強調されています。
(2)国民の読書推進に関する協力者会議
平成 22 年を「国民読書年」とする決議が衆参両院で行われ、その取り組みの一環として設
置された「国民の読書推進に関する協力者会議」において、「人の、地域の、日本の未来を育
てる読書環境の実現のために」という報告書がまとめられました。
この中で、

読書で人を育てる、『読書を支える人』を育てる

住民参加で自治体ごとの『読書環境プラン』(仮称)を策定し、実現する

読書の新しい可能性や将来像を構想し、推進するためのプラットフォーム(基盤となる
「場」)をつくる
という3つの提言がされています。
そこでは、図書館司書の専門性の充実、図書館によるボランティア活動の支援などの人材育
成や、図書館の機能強化や学校などの読書環境の充実、住民の協働・参画などの自治体ごとの
取り組み、単に本を読むだけではない、人と人とをつなぐ知的コミュニケーションのプラット
フォーム作りなどが提言されています。
1
2 読書活動を支える「これからの図書館」
(1)文字・活字文化振興法
平成 17 年に、「文字・活字文化振興法」が定められました。これは、我が国における文字・
活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、知的で心豊かな国民生活及び活力ある社
会の実現に寄与することを目的とし、市町村などの地方公共団体に対し、地域における文字・
活字文化の振興のため、人員体制の整備、図書館資料の充実、情報化の推進等、公立図書館の
運営の改善及び向上のために必要な施策を講ずるよう求めています。
(2)これからの図書館像~地域を支える情報拠点をめざして~(報告)
平成 18 年 3 月、文部科学省生涯学習政策局に設置された「これからの図書館の在り方検討
協力者会議」は、『これからの図書館像~地域を支える情報拠点を目指して~(報告)』を発
表しました。報告では、これからの公立図書館は、社会や制度の変化、新しい課題に対応する
ため、「趣味や娯楽のための施設、本を無料で貸し出す場所、学生が勉強するための空間」か
ら、地域の課題解決を支援し、地域の発展を支える情報拠点として「地域や住民に役立つ図書
館」となることを目指すべき方向として提案し、それを実現する具体的な方策を示しました。
この報告以後、公立図書館においては、「課題解決型図書館」の実現に向け、新たなサービ
スや事業を実施する取り組みが増えています。
また、この協力者会議からは、「図書館職員の研修の充実方策について(報告)」(平成
20 年)により、図書館職員の資質向上が不可欠であることや、具体的な充実方策などが述べら
れています。
(3)図書館法(平成 20 年改正)
図書館法は社会教育法の精神に基づき、昭和 25 年に図書館の設置及び運営に関して必要な
事項を定めたものです。
平成 20 年に改正され、図書館の運営状況について評価を行い、その情報を地域住民等へ提
供することなどが、新たに盛り込まれました。
(4)図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成 24 年改正)
平成 13 年に文部科学省が告示・施行したものを、図書館法の改正、社会の変化や新たな課
題への対応の必要性などを受けて平成 24 年に改正しました。図書館は地域の情報拠点として
重要な役割を担うことが明記されました。主な改正内容は、レファレンスサービス等の情報サ
ービス、地域の課題に対応したサービスの充実、学習の成果を活用して行う多様なボランティ
ア活動等の機会・場所の提供をしていく等です。
2
3 読書活動における様々な事例
ビブリオバトルは、参加者が面白いと思った本を紹介しあうコミュニケーションゲームで、
「人を通して本を知る、本を通して人を知る」という触れ込みで全国に広がっており、多摩市
でも試験的に取り組みを始めました。このほか、一箱古本市やブクブク交換 4など、交流イベ
ントにより読書経験を交換しあう取り組みが広がってきています。
また、インターネット上でも、読書記録の管理や読書経験の共有ができるサービスが提供さ
れています。
地方自治体でも、「読書のまち宣言」や読書条例の制定、まちかどに本がある場を作る取り
組みなど、読書活動や図書館をまちづくりに取り入れる事例が出てきています。
4 関連する多摩市の計画
(1)第五次多摩市総合計画第2期基本計画(平成 27 年 4 月)
多摩市が、おおむね 20 年後を目指すまちの姿を表したビジョンで、基本構想では『みんな
が笑顔 いのちにぎわうまち 多摩』を将来都市像としています。そして“市民の暮らし”等
「目指すまちの姿」を実現するための取り組みや、市民が果たすことの役割、財政の見通し等
を基本計画で示しています。4 年ごとに改定し、平成 27 年 4 月に第 2 期基本計画がスタートし
ています。
第 2 期基本計画では、「健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造」「市民がデ
ザインするまち・多摩の創造」「発信!未来へつなぐまち・多摩」の 3 つの柱で取り組んでお
り、持続発展教育・ESD も、多摩市が目指す 2050 年の大人づくりとして、重点的な取り組みの
ひとつとなっています。
(2)行財政刷新計画
行財政刷新計画は、「新生 TAMA・行財政刷新プログラム」の柱のひとつにあたるもので、
平成 24 年度~平成 27 年度までの 4 年間を計画期間とし、行財政運営のしくみの転換や内部改
革の取り組みなどを通じて、計画期間の 4 年間で見込まれる約 74 億円の財源不足の解消を目
的とした計画です。
(3)多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム(平成 25 年 11 月)
多摩市では、多摩ニュータウンの開発に伴う急激な人口増加に対応するため、新しいまちに
必要な都市基盤(インフラ)とともに、一度に多くの公共施設(建築物)を整備してきた結果、
今後一斉に公共施設の更新時期を迎えます。一方、少子化・超高齢社会を迎え、市税収入が減
るなど厳しい財政状況の中、今後も公共施設を安全に維持するため、また将来世代の負担を極
力減らし、健全な財政運営を維持するため、公共施設の縮減等の見直しを推進するプログラム
を策定しました。
4
ブクブク交換:テリー植田氏が平成 22 年に発案したブックトークイベント。決められたテーマにあった本を持参して自
己紹介をかねた本の紹介をした後は、本の交換をします。本を通じて参加者の人柄を知る絶好のチャンスになることから、
新しいコミュニケーションツールとして注目されています。
3
(4)第3次多摩市生涯学習推進計画(平成 23 年 11 月)
この計画は、生涯学習の視点に立ち、「第五次多摩市総合計画」の将来都市像『みんなが笑
顔
いのちにぎわうまち 多摩』を実現するために策定したものです。計画の特徴は、
① 「まちづくり」につながる事業を推進する。
② 孤立状態に陥りがちな人に対しても社会参加を働きかける。
③ 主たる「まちづくり」の担い手である「大人世代」の活動に主眼をおく。
の3点です。図書館については、市民や活動グループがより自主的な学習活動をしやすくな
るように既存施設や機能を有効活用するよう努める個別施策に位置づけられています。
(5)多摩市教育振興プラン(平成 27 年 3 月
改訂版)
この計画は、「第五次多摩市総合計画」の「人と学びを未来につなぐまちづくり」に関連し
て子どもたちの「生きる力」を育む計画です。平成 22 年に策定され、平成 27 年に改訂されま
した。「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」の育成を目指し、学校、家庭、地域それぞ
れの教育力の育成を支援するための施策を掲げています。学校、家庭、地域が連携して教育を
行う支援や子どもが安心して学べる環境づくりのための支援などです。図書館に関わる取り組
みは「確かな学力」の育成に位置づけられ、事業としては図書に関する学校支援・連携にあた
ります。学校図書館の運営や充実への協力、学校図書館司書を通した調べ学習支援を行ってい
ます。
4
第2 多摩市立図書館の現状
1 沿革
多摩市立図書館・本館は昭和 48 年に開館し、翌年 3 月に自動車図書館やまばと号の運行を
開始し、市内 20 箇所を巡回しました。その後、昭和 54 年に諏訪・永山地区に分館が開館して
から順次整備され、平成 23 年に唐木田図書館が開館し、7 館 1 分室となりました。
この間、自動車図書館やまばと号は、生活時間等の変化により利用が減少したことから平成
16 年に運行を終了しました。
多摩市立図書館・本館は、耐震上の問題のため、平成 20 年 3 月に市役所の敷地内から、現
在の旧西落合中学校跡地施設に移転しました。暫定利用で期間は 10 年程度とされています。
2,000,000
1,500,000
本館開館
やまばと号運行開始
諏訪図書館
開館
個人貸出冊数
東寺方図書館開館
聖ヶ丘図書館開館
唐木田図書館開館
やまばと号運行終了
豊ヶ丘図書館開館
1,000,000
500,000
関戸図書館開館
関戸こども分館閉館
永山図書館開館
諏訪図書館閉館
本館移転
行政資料室
開室
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元年
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
平成23
平成24
平成25
平成26
0
関戸図書館開館に伴う関戸こども分館の閉館や、永山図書館の開館に伴う諏訪図書館の閉館
など、施設の老朽化などに対応しながら、新たな拠点を開設してきました。
関戸図書館に続いて駅前に開館した永山図書館により、貸出冊数が大きく伸びました。
また、本館が多摩センター駅近くに移転することで、本館機能のほか、市の西側の地区の拠
点館としての機能を担い、貸出冊数も伸びています。
5
2 施設の概要
多摩市は、昭和 48 年の本館の開館以来、500~1,000 ㎡規模の中規模図書館を市内各所に整
備してきました。現在、分室である行政資料室を含め、7 館 1 分室の体制で図書館サービスを
提供しています。
多摩市では、図書館の規模・役割に応じて、図書館全体の選書や目録への登録、リクエスト
や協力貸出のとりまとめなどのバックヤード機能を担う「本館」の他、「分館」、「分室」の
3 つに区分しています。また、「分館」については、広域的な図書館サービスを行う「拠点館」
と、各地域における日常的な図書館サービスを行う「地域館」に分けています。「拠点館」は、
駅前に立地し、約 1,000 ㎡規模を有する関戸図書館と永山図書館の 2 館があり、本館も多摩セ
ンター地区の拠点館としての機能を兼ねています。「地域館」は、地区の複合施設やコミュニ
ティセンターに設置され、約 500 ㎡規模の東寺方図書館、豊ヶ丘図書館、聖ヶ丘図書館、唐木
田図書館の 4 館です。
図書館の規模は、近隣市と比較してみると、調布市は、中央図書館と分館が 10 館あります
が、分館の規模は約 500 ㎡以上が 3 館で、7 館は約 300 ㎡です。府中市は中央図書館と分館が
12 館あり、うち 9 館は約 200 ㎡です。多摩市は分館の規模が大きく、蔵書も多いと言えます。
【立地および開館時間と休館日】
多摩市立図書館(本館)
「多摩市の図書館 平成 26 年度版」より
東寺方図書館
所在地
多摩市落合 2-29
東寺方 626-7
延床面積
6,960.52 ㎡(書庫・団体貸 551.14 ㎡
豊ヶ丘図書館
豊ヶ丘 5-6
508.47 ㎡
出図書室を含む)
開館時期
昭和 48 年 8 月
昭和 56 年 6 月
昭和 57 年 5 月
東寺方複合施設の 2 階
豊ヶ丘複合施設の 1 階
平成 22 年 3 月(移転)
形態
単独施設
開館時間
月~金
9:30~18:00
月~金 10:00~17:00
月~金 10:00~18:00
土日
9:30~17:00
土日
土日
休館日
10:00~17:00
10:00~17:00
第一木曜日、祝・休日
毎週木曜日、祝・休日
毎週木曜日、祝・休日
年末年始
年末年始
年末年始
6
関戸図書館
聖ヶ丘図書館
永山図書館
所在地
多摩市関戸 1-1-5
聖ヶ丘 2-21-1
永山 1-5 ベルブ永山 3 階
延床面積
1044.81 ㎡
842.14 ㎡
2,039 ㎡
開館時期
昭和 59 年 8 月
平成 7 年 10 月
平成 9 年 4 月
形態
ショッピングセンター内
聖ヶ丘コミュニティセン
ベルブ永山(公民館、消
2階
ター1 階
費生活センター、ワーク
プラザ、商業施設を併設)
開館時間
月~金
10:00~19:30
土日・祝休日
月~金 10:00~18:00
月~金 9:30~19:30
土日
土日・祝休日
10:00~17:00
9:30~17:00
10:00~17:00
休館日
毎週木曜日
年末年始
毎週木曜日、祝・休日
年末年始
唐木田図書館
行政資料室
所在地
多摩市鶴牧 6-14
関戸 6-12-1
延床面積
577.06 ㎡
100.00 ㎡
開館時期
平成 23 年 4 月
平成 20 年 3 月
形態
からきだ菖蒲館1階
市役所第二庁舎内
開館時間
月~金
10:00~18:00
月~金 8:30~17:00
土日
10:00~17:00
休館日
毎週月曜日、祝・休日
毎週土・日曜日、祝・休
年末年始
日年末年始
7
毎週木曜日 年末年始
3 利用の状況
多摩市立図書館は、図書館サービスの基本ともいえる貸出や予約のサービスで、非常に多く
の利用があります。『図書館年鑑 2015』(日本図書館協会、2015 年)によると、全国の人口
10 万以上 15 万未満の 105 の区市町村の中で、個人貸出冊数が第2位、予約受付件数が第1位
でした。(平成 25 年度の統計に基づく。)
平成 26 年度の利用状況では、本館、関戸、永山の 3 館で全体の約 70%を占めています。
(表1)利用の状況
館
名
貸出者数
(人)
個人貸出
冊数(冊)
予約受付件数
構成比
構成比
(件)
134,963
388,930
22.5%
88,149
18.5%
東寺方図書館
32,536
92,342
5.4%
26,344
5.5%
豊ヶ丘図書館
61,474
164,180
9.5%
47,091
9.9%
147,720
353,393
20.5%
100,007
21.0%
40,998
106,611
6.2%
31,909
6.7%
207,710
487,572
28.3%
144,093
30.3%
48,671
127,218
7.4%
34,672
7.3%
2,495
4,907
0.3%
3,439
0.7%
676,567
1,725,153
100.0%
475,704
100.0%
本
館
関戸図書館
聖ヶ丘図書館
永山図書館
唐木田図書館
行政資料室
合計
「多摩市の図書館
平成 26 年度版」より
個人貸出のほか、利用登録をした団体に対し、長期間まとまった資料を貸し出す団体貸出サ
ービスを行っています
平成 26 年度に団体貸出サービスを利用した団体は、111 団体(貸出点数:24,790 点)ありま
した。主な団体は、市立小中学校が 26 団体(貸出点数:9,284 点)、読書会・サークルが 33
団体(貸出点数:4,246 点)、幼稚園・保育園が 17 団体(貸出点数:3,981 点)、児童館・学
童クラブが 20 団体(貸出点数:6,305 点)でした。
8
4 資料の状況
拠点館と位置づけられる本館、関戸、永山は、それぞれ約 10~11 万冊の開架スペースを有
しています。地域館である東寺方、豊ヶ丘、聖ヶ丘、唐木田は、それぞれ約 5 万冊の開架スペ
ースがあります。
全館の書庫と団体貸出室は、本館と同じ施設内に設置しています。
(表2)図書館別資料数
館名
全館合計
本館
冊
東寺方
豊ヶ丘
関戸
聖ヶ丘
永山
唐木田
行政資料室
書庫
団体用書庫
774,550
111,057
42,850
58,897
102,714
49,879
110,666
46,763
9,943
168,751
73,030
100%
14.3%
5.5%
7.6%
13.3%
6.4%
14.3%
6.0%
1.3%
21.8%
9.4%
548,488
78,223
28,211
40,462
78,130
34,741
79,814
30,352
9,785
168,107
663
70.8%
70.4%
65.8%
68.7%
76.1%
69.7%
72.1%
64.9%
98.4%
99.6%
0.9%
児童・
10代向
210,168
28,254
13,764
16,979
22,835
13,809
26,203
15,373
0
642
72,309
27.1%
25.4%
32.1%
28.8%
22.2%
27.7%
23.7%
32.9%
0.0%
0.4%
99.0%
視聴覚
13,160
4,537
852
1,432
1,721
1,295
2,152
1,013
156
2
0
(AV)
1.7%
4.1%
2.0%
2.4%
1.7%
2.6%
1.9%
2.2%
1.6%
0.0%
0.0%
障がい者向
2,734
43
23
24
28
34
2,497
25
2
0
58
0.4%
0.0%
0.1%
0.0%
0.0%
0.1%
2.3%
0.1%
0.0%
0.0%
0.1%
合
計
分野別内訳
一般向き
※
「多摩市の図書館 平成 26 年度版」より
※全体に占める割合
9
5 担い手の状況
多摩市立図書館は、平成 7 年 10 月の聖ヶ丘図書館の開館時から、嘱託職員(専門職)制度
を導入し、常勤職員と嘱託職員の他、非常勤一般職が窓口等の補助的な業務を行っています。
人件費の抑制の必要性から、窓口業務役割分担を見直し、平成 22 年から東寺方図書館におい
て、平日について嘱託職員が運営する方法を試行しています。
(表3)職員体制(図書館別職員数)
(人)
東寺方
本館
豊ヶ丘
関戸
聖ヶ丘
永山
行政資
唐木田
合計
料室
サービス係
その他の係
※
一部業
常勤
務委託で
再任用
再雇用
6
19
2
6
2
6
3 運営
44
スタッフ
嘱託
8
4
4
6
3
9
9人
34
非常勤
一般職
※
合計
4.2
3.3
0.7
1.6
4.5
1.0
5.9
18.2
22.3
4.7
7.6
16.5
6
20.9
21.2
3
「多摩市の図書館 平成 26 年度版」より
うち司書有資格者 常勤職員(常勤・再任用・再雇用)23 人(52.3%)、嘱託職員 34 人(100%)
※その他の係・・総務係、企画運営係、地域資料係、子ども読書支援係
※非常勤一般職は年間 1500 時間を 1 人として換算(少数点第 2 位を四捨五入)
10
99.2
6 情報システムの状況
現在使用している第Ⅳ期コンピュータシステムは、平成 18 年 3 月から稼動しており、利用
者がインターネットから蔵書検索・予約、利用照会(貸出予約・予約状況の確認)等ができる
ようになっています。予約などの連絡についても、電子メールを活用するなど、業務の効率化
も進んでいます。
また、学校図書館についても、これまで各学校がそれぞれ単体で行ってきた業務が、市立図
書館のシステムに統合され、ネットワーク化されました。市立小中学校の学校図書館と市立図
書館の蔵書を一元管理し、所蔵情報の共有と資料の共有化を図りました。
インターネット
本館
データセンター
関戸図書館
(サーバ)
永山図書館
東寺方図書館
豊ヶ丘図書館
学校図書館
聖ヶ丘図書館
(平成 27 年 4 月 1 日現在)
中学校 9 校
唐木田図書館
行政資料室
小学校 18 校
(平成 27 年4月1日現在)
7 市民からみた図書館
施設の認知度・利用度について、第 35 回多摩市政世論調査(平成 25 年 7 月実施)では、
市施設の利用状況を調査しています。図書館の認知度は、
「パルテノン多摩(認知率 94.9%)」
に次ぐ 89.9%でした。また、利用したことのある施設としては、
「パルテノン多摩(76.0%)」、
「聖蹟桜ヶ丘駅・多摩センター駅出張所(72.4%)」に次ぐ 67.9%でした。
11
8 これまでの成果
(1)全域サービス、開館時間
多摩市立図書館は昭和 48 年に本館が開館し、多摩市のどこに住んでいても図書館を利用で
きるよう、自動車図書館やまばと号を導入し、週 3 日、20 箇所の巡回を行いました。その後、
分館が整備され平成 23 年に唐木田図書館で 7 館となり、この間平成 16 年に自動車図書館やま
ばと号は、生活時間の変化等により利用が減少したことから廃止されました。
開館時間は、関戸図書館が京王線の聖蹟桜ヶ丘駅に至近であったことから、昭和 59 年の開
館を機に午後 7 時 15 分まで開館し、利便性の向上を図りました。永山図書館も永山駅に近い
ことから、平成 9 年の開館時に午後 7 時 30 分までとし、この時、関戸図書館も合わせて午後 7
時 30 分までとしました。また、平成 15 年から関戸・永山図書館で祝日・休日の開館を開始し
ました。
(2)児童サービス
子ども時代に本の楽しさを知り生涯を通じての読書の習慣につなげてほしいと、開館当初か
ら、おはなし会や読み聞かせ講座を積極的に行ってきました。
平成 18 年に「多摩市子どもの読書活動推進計画」(平成 18~23 年)を策定し「すべての子
どもに読書のよろこびを」をスローガンに基本目標を定め、家庭、学校、地域、図書館におい
て読書活動を進めるよう具体的施策を設けました。現在は「第二次」(平成 24~28 年)計画
のもと、図書館だけでなく、市民のボランティアや、子育て支援課や小中学校など、関連する
機関と連携しながら推進しています。
(3)障がい者サービス
昭和 56 年の国際障害者年から障がい者サービスを開始し、活字が読みにくい方のために録
音図書の作成、対面朗読、点訳図書の作製を音訳者(行政協力員)の協力を得ながら行ってい
ます。
視覚等の障がいがある方の読書を支援するため、合成音声ソフトを導入したパソコンや点字
ディスプレイ・プリンタ、音声拡大読書器などの情報機器を設置しています。
また、図書館に来館することが困難な利用者が希望する図書などを自宅へ届ける宅配サービ
スも実施しています。
(4)七市連携
平成 14 年に日野市、稲城市との間で開始した相互利用は、市内の図書館利用に不便な地域
を補うことができると共に、市民が利用できる資料、施設の幅が広がることなどから、広域サ
ービスのさきがけとして開始しました。平成 20 年 4 月から、東京都市長会政策提言「広域連
携の勧め~多摩の魅力を高める 18 の連携~」に基づいて、京王線沿線七市(八王子、府中、
調布、町田、日野、稲城、多摩市)の図書館へと相互利用が拡大されました。
平成 26 年の相互利用実績は、多摩市民が他市の図書館を利用している実績が 69,675 冊で、
そのうちの 59%の 41,021 冊が稲城市立図書館からの貸出冊数となっています。
12
Ⅱ 課題
多摩市立図書館は、「Ⅰ 現状」でみてきたように、貸出サービスを中心に活発に利用され
てきました。しかし、様々な課題をかかえているのも事実です。
運営面では唐木田図書館の窓口業務の委託に関連して、選書や窓口業務などの基幹業務を直
営で行うべきかどうかが問われました。また、平成 24 年 9 月に行われた決算審査の中では、
様々な課題が指摘されました。さらに、「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」で
は、暫定活用中の本館の問題や、地域館の集約ができるかどうかが問われています。サービス
面を見ると、これまで貸出中心で日常に追われ、これからの図書館に求められるような、市民
の読書活動や調べ物を支える様々なサービスに手が回っていない状況もあります。
ここでは、多摩市固有の課題や多摩市の図書館サービスに不足しているものなどを見ながら
課題の整理をし、その中の主要な課題について考察を加えた上で、当面の取り組みへとつない
でいきます。
多摩市立図書
館の抱える課
題
課題の
当面の取り組み
整理
取り組
みの方
これからの図
向性
書館に求めら
れる、読書活
動を支える施
策と現状との
かい離
13
第1 多摩市立図書館の抱える課題
1 暫定活用も含めた施設の老朽化
多摩ニュータウンへの初期入居から 40 年以上経過した現在、急激な人口の増加に対して整
備してきた公共施設の多くが老朽化し、今後一斉に更新時期を迎えるため財政負担は今以上に
重くなり、必要な維持管理と更新ができなくなる恐れが出てきました。そこで、平成 25 年 11
月に「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」が策定されました。図書館については、
本館が平成 20 年から概ね 10 年間の暫定利用として整備した施設であり、サービスの充実・向
上を図る上で制約が多いため、利便性の高い所へ移転、再整備を検討することとしました。そ
して本館の再整備に合わせ、東寺方、豊ヶ丘、聖ヶ丘、唐木田図書館を廃止するという方針を
出しました。
また、図書館が分散してしまっているために一度の来館で必要な資料が得られず、課題を解
決するために十分な役割を果たせていないという問題もあります。
以上のことから、地域館で分散してきたサービスを新たな本館と駅前拠点館に集約させるこ
とが、図書館として求められています。
2 資料費の確保と人件費
図書館費は約 637,092 千円(平成 26 年度)で内訳は資料費が 8%、運営経費が 18%、職員
に係る経費が 74%です。資料費は 50,491 千円で、多摩地域の人口 10~20 万人規模の 13 市と
比較すると 5 位です。現状より、資料費を増額して確保していくには効果的、効率的な図書館
の運営が必要となっています。嘱託職員による運営の拡大をさらに進めるなど、人件費の構造
改革をしていく必要があります。
3 職員の先細り
市民のニーズを踏まえた図書館資料の組織化や図書館経営に従事する職員は、経験と知識が
求められます。常勤職員が高齢化し定年を迎えていく中、職員集団としての専門性を維持・確
保するためのしくみづくりが必要です。
4 ICT の活用による新たな情報提供や業務効率化
電子書籍の導入、貴重な地域資料のデジタルアーカイブ化など電子媒体の利用環境は十分整
備されていません。
また、図書館システムの更新により、業務を効率化し、図書館利用環境の改善をはかること
は、サービスの改善や職員の問題の解決にも関連する重要な分野です。
5 書庫
書庫については、これまで学校跡地などに分散していたものを本館に集めることができまし
たが、床の荷重の問題や空調など、持続可能な環境とはいえません。
14
6 蔵書の適正管理
図書の亡失は以前からの課題であり、拠点館2館には不正持出し防止装置を設置し、効果が
見られます。しかし、本館では、書架の見通しの悪さもあり、亡失対策は大きな課題です。近
年では、IC タグを用いて自動貸出と組み合わせるなどの取り組み例もあります。
また、水濡れは本の大敵であり、書き込みや汚損の事例もある状況です。次の利用者に気持
ちよく使っていただくため、返却時に1冊1冊点検をしていますが、負担の大きい作業となっ
ています。
7 図書館の運営に対する指摘
平成 22 年 7 月、市は教育委員会に対し、図書館の機能、運営方法等全般についての抜本的
な見直しが必要との見解を示し、今後の図書館運営についての考え方を示すよう求めてきまし
た。
また、多摩市議会は、平成 23 年度決算における事務事業評価において、「現状維持による
図書館行政の発展向上は考えにくい。(中略)施設総量見直しの視点から、全図書館で同一均
質のサービスを提供する必要性についても検討を要する。『目指すべき図書館像』を明らかに
し、具体的な処方箋を描くべきだ。
(中略)財源のみでなく人的資源も先細りの現実を直視し、
公立図書館の質向上につながる最適サイズを考えるべきだ」と評価しました。
なお、主要課題である「暫定活用も含めた施設の老朽化」と「資料費の確保と人件費」につ
いては、巻末資料に「主要課題の考察」としてまとめました。
15
第2 国の基準等と比較した多摩市立図書館のサービス等の課題
「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」が平成 24 年 12 月に文部科学省から告示されま
した。これは、図書館法第7条の二の規定に基づくものです。図書館はこの基準を踏まえ、図
書館サービスの実施に努めなければならないとされています。
ここでは、この基準の「図書館サービス」の部分を中心に多摩市立図書館の現状と比較し、
体系立てて多摩市立図書館のサービス等の課題を抽出します。
1 「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の構成
この基準は、以下のように構成されています。
第一
総則
第二
公立図書館
一
市町村立図書館
1
管理運営
2
図書館資料
3
図書館サービス
4
職員
二
第三
都道府県立図書館
私立図書館
16
2 図書館サービスについての基準との比較
基準の項目ごとに多摩市立図書館の現状と課題を見ていきます。下線を施している部分が、
特に現状として大きな課題となっているものと考えられます。
基準
現状と課題
貸出サー
貸出サービスの充実、多様な資料
貸出や予約については、これまでも
ビス等
要求に答えることとしています。
非常によく利用していただいていま
す。
情報サー
インターネットや商用データベー
簡単な所蔵案内などの問い合わせに
ビス
スの活用なども含め、レファレン
は答える件数が多くなっています
スサービスの充実に努めるものと
が、課題解決や組織的なレファレン
しています。
スサービスや他の機関の紹介等につ
いては大きな課題です。
また、利用案内やテーマ別資料案
小学生による図書館訪問など、子ど
内、資料検索システムの供用等を
ものときから図書館の利用に親しむ
充実することとしています。
ことを学校とも連携して取り組んで
いますが、テーマ別の資料案内など
は、その充実が必要です。
さらに、インターネット環境の提
インターネット端末は各館で提供し
供や他機関の紹介などにも努める
ています。引き続きさらなる活用を
こととしています。
検討します。
地域の課
利用者の生活や仕事、地域の課題
行政資料室における情報提供や行政
題に対応
解決に向けた支援が必要とされ、
課題に関する展示、資格取得や医療
したサー
そのために就職、起業、子育て、
情報提供のためのコーナーの設置な
ビス
自立支援、健康・医療、法律、地
ど、一部取り組んでいますが、職員
方公共団体の政策などについての
体制の整備や他機関との連携など、
資料提供をすることとしていま
より積極的な取り組みが必要です。
す。
利用者に
児童・青少年、高齢者、障がい者、 これまで「多摩市子どもの読書活動
対応した
乳幼児と保護者、外国人など、多
推進計画」などにより、市民のボラ
サービス
様な利用者が図書館を利用できる
ンティアの方のご協力もあり、赤ち
よう努めることとしています。
ゃんから絵本に親しむ環境づくり
や、おはなし会、小中学校との連携
などを進めてきました。
障がい者サービスについては、これ
までも力を入れて取り組んでおり、
宅配サービスなども行ってきていま
す。
しかし、赤ちゃんを連れた保護者が
図書館を利用しやすい環境や、図書
館の利用が低下する中学校卒業後の
17
層への対応などについては、課題と
認識しています。
外国語の利用案内なども作成してい
ますが、外国語資料などの収集は今
後の課題です。
多様な学
利用者及び住民の学習活動を支援
子どもの本に関連した講座や、読書
習機会の
するため、資料提供のほかにも、
のきっかけになるような催しなどを
提供
関係機関とも協力しながら、講座
主催してきましたが、課題解決型の
などの学習機会の提供をすること
情報提供などとからめて、より積極
としています。
的な取り組みが求められています。
ボランテ
図書館サービスの充実のため、住
おはなし会や絵本かたりかけ事業、
ィア活動
民の学習成果の活用のため、ボラ
障がい者サービスなど、これまでも
等の促進
ンティア活動の機会や場所を提供
多くのボランティアの方々に支えら
することとしています。
れて実施してきました。今後も、こ
れまでの活動の充実とともに、それ
以外の分野についてもサポートして
いただけるよう検討する必要があり
ます。
18
3 図書館サービス以外でのギャップ
基準
現状と課題
基本的運
基本的な運営の方針を策定し
平成 23 年4月に「多摩市立図書館の
営方針及
公表すること、またそれに基
基本方針・運営方針」を策定し公表
び事業計
づく指標や目標を設定し、年
しました。これは内部に検討組織を
画
度ごとに事業計画を策定し公
設置し、利用者にアンケートを行う
表することとしています。
とともに、図書館協議会での意見を
いただきながらまとめたものです。
運営の状
況に関す
また、達成状況についての自
指標や目標としては、「第五次多摩
る点検及
己点検、図書館協議会などに
市総合計画第二期基本計画」は、年
び評価等
よる評価、改善のための必要
間個人貸出冊数等の目標を掲げ、
「多
な措置、公表などについて記
摩市教育振興プラン」でも、毎年度
されています。
目標を掲げて教育委員会において成
果を評価しています。
ただし、図書館としての年度ごとの
事業計画については、試行の段階で
あり、公表や自己点検に至っていま
せん。
開館日時
多様な生活時間等に配慮する
駅前拠点館について平日は午後7時
等
こととしています。
30 分までとし、逆に一部地域館につ
いては午前 10 時からのところを午前
9時 30 分からとするなど、館の特性
に応じた改善を図っています。さら
に拠点館での開館時間の延長などの
要望があります。職員体制などとの
兼ね合いがあるため、メリハリをつ
けた運用の導入などを課題としてい
ます。
施設・設備 開架、閲覧、レファレンス、
貸出等に必要な設備等はこれまでも
展示などの基本的な設備のほ
整備してきましたが、乳幼児を連れ
か、高齢者、障がい者、乳幼
た保護者や青少年が、赤ちゃんの声
児とその保護者、外国人など
やグループ学習などで周りが気にな
への配慮や、児童・青少年の
らないような施設上の工夫について
専用スペースの確保などが示
も、課題として認識しています。
されています。
図書館資
図書館資料の収集方針の策定
資料収集要綱を定め、公表していま
料の収集
と公表、十分な量の資料の計
す。
画的な整備に努めることとし
資料費については、改善の余地があ
ています。
ると認識しています。
19
また、地域資料や視聴覚資料
地域資料について、行政資料やニュ
など多様な資料の整備と、地
ータウン資料など、積極的に収集し
域資料の電子化について努め
ています。電子化については費用面
ることとしています。
や著作権にも配慮しながら検討する
必要があります。
電子書籍についても、図書館に来る
ことのできない市民へのサービスな
どの観点から、検討していく必要が
あります。
職員の配
司書資格を有する職員の確保
これからのレファレンスの充実や課
置等
や、能力向上、人事交流など
題解決のサポートのできる人材を育
に努めることとしています。
てるため、司書資格を有する職員の
また、必要に応じて外部の専
比率の充実や育成が課題です。
門的人材の協力についても述
また、専門的分野については、外部
べています。
委託等の手法も検討が必要です。
職員の研
職員の資質・能力の向上のた
国や都の派遣研修の活用や、内部で
修
め、計画的に研修を行うこと。 のテーマ別の研修なども行っていま
その際には、国や都道府県主
すが、計画性や効果の検証、職層別
催の研修への派遣なども検討
に修得すべき能力に応じた取り組み
することとしています。
など、見直しの余地があります。
20
第3 とりまく状況や課題を踏まえた読書活動と多摩市立図書館の方向性
1 課題のまとめ
「第1 多摩市立図書館の抱える課題」と「第2 国の基準等と比較した多摩市立図書館の
サービス等の課題」から主な課題を抽出し、サービス面と運営面とに分けてまとめ、今後の方
向性について整理すると、以下のようになります。
【サービス面】
項
課題項目
課題の内容
今後の方向性
番
1
利用者に対応し ・赤ちゃんを連れた保護者へ 子どもの読書活動推進や障
たサービス
がい者サービスなどは継続
の配慮
・中学校卒業後の層の利用が しながら、乳幼児を連れた
低下すること
保護者への配慮や、図書館
・外国語資料の収集
の利用が低下する世代への
サービス、外国人などへの
多文化サービスを充実
2
地域の課題に対 ・地域の課題に対応したサー 読書活動を振興するための
応したサービス
3
4
5
ビスへのより積極的な取り
事業やイベントの実施や団
組み
体の支援、地域資料の活用
多様な学習機会 ・課題解決型情報提供などと など
の提供
絡めた講座や催しなど
図書館資料の収
・地域資料等の電子化
地域課題解決のための資料
集
・電子書籍によるサービス
の充実や調べもの機能の向
ICT の活用
・ICT の活用による新たな情 上、コンピューターを使っ
たサービス拡充など
報提供
6
情報サービス
・課題解決や組織的なレファ
レンスサービス
・テーマ別の資料案内など
21
【運営面】
項
課題項目
課題の内容
今後の方向性
暫定活用も含めた施
・新たな本館を設置し、
新たな本館と拠点館によ
設の老朽化
分散から集中へ
るサービス展開
・書庫の問題
拠点館を補完する機能の
・開館時間の見直し
検討
番
1
・グループ学習ができる
ような工夫
2
3
資料費の確保と人件
・職員体制の見直しと資
職員構成や職層ごとの役
費
料費の確保
割の見直し
職員の配置、研修等
・司書資格を有する職員
研修等による育成
の比率の充実
・専門的分野の外部委託
の検討
・計画的な実施や効果の
検証
・職層別取り組み
4
ボランティア活動等
・ボランティア等の活動
これまでになかった分野
の促進
機会や場所の提供
でのボランティア活動の
可能性検討
5
運営の状況に関する
・年度ごとの事業計画や
年次計画と評価による図
点検及び評価
自己評価の公表
書館運営の計画的実施と
改善
6
7
ICT の活用
資料の適正管理
・ICT の活用による業務効 IC タグなど、ICT 技術を
率化
活用した運営の効率化
・図書の亡失対策
IC タグなどによる亡失対
・貸出図書の汚損や水濡
策
れ防止の働きかけ
汚損等を防ぐための取り
組み
22
2 とりまく状況や課題を踏まえた求められる取り組み
「Ⅰ
現状」の「第1 読書活動や図書館をとりまく状況」で見てきたように、読書活動の
振興のためには、ボランティア活動の支援や知的コミュニケーションのプラットフォーム作り
など、単に本を読むことだけでなく、一人ひとりの読書経験を結びつけるような取り組みが求
められています。
また、読書活動の振興のためには、読書環境の充実のための図書館の機能強化が必要です。
一方で、地域を支える情報拠点としての図書館も求められており、課題の解決に役立つ図書
館など、これまでの貸出中心の図書館からの変化が求められています。
多摩市では、「2050 年の大人づくり」を掲げ、「持続発展教育・ESD」に重点的に取り組ん
でいます。課題を解決する力やコミュニケーション力を養い、環境・国際理解・エネルギー・
平和・福祉・人権等、社会の様々な問題に向き合い、未来のために行動し続けることのできる
取り組みを進めています。
今後に向けて、読書活動や新たな図書館作りを、多摩市らしく進めていくことが必要です。
読書活動の必要性
これからの図書館像
自ら考え、共に課題を解
ESD
2050 年の大人づくり
決できる、心豊かな地域
読書活動振興の取り組み
図書館運営の改善
23
Ⅲ 取り組み
第1 取り組みの体系
「Ⅱ
課題」の最後に整理した方向性に沿って、取り組みを体系的に整理したもの
が、次のページの図です。この体系は、市民のアンケート回答を反映させ、平成 23
年に決定した「多摩市立図書館の基本方針・運営方針」の中の五つの運営方針の柱を
基にしたものです。
「(1)だれもが使える図書館」、「(2)子どもへのサービスの充実」、「(3)
市民や地域に役立つ図書館」、「(4)弾力的な管理運営」の4つを「第2
読書活
動振興を支えるサービス」、「(5)弾力的な管理・運営」を「第3 読書活動を支
える運営」として、これらの取り組みについて、現状を踏まえながら、具体的な取り
組みや時期、評価の指標等について掲げます。「第2 読書活動振興を支えるサービ
ス」は読書活動と関わりの深いものであるため、重点項目として取り組みます。
(1) だれもが使える図書館
読書活動振興を支える
(2) 子どもへのサービスの充実
サービス
(3) 市民や地域に役立つ図書館
(4) しらべるを支え、つながる図書館
(5) 弾力的な管理・運営
読書活動を支える運営
24
目標像 市民の「知る」を支援し、自ら考え、共に課題を解決できる、心豊かな地域を育みます
(3) 市民や地域に役立つ図書館
取り組み 1 より利用しやすくするための配慮
取り組み 2 若年世代の図書館利用の促進
取り組み 3 多文化サービスの充実
取り組み 5
取り組み 6
取り組み 7
取り組み 8
(2) 子どもへのサービスの充実
(4) しらべるを支え、つながる図書館
取り組み 4 「多摩市子どもの読書活動推進計画」の推進
取り組み 9 地域課題解決の支援
取り組み 10 デジタル資料の提供
読書活動に取り組む団体の支援
読書活動振興のためのイベントの開催
読書活動に関心を高めるための事業の実施
地域資料の活用による地域文化の継承
25
取り組み 11 本館の機能強化
取り組み 12 図書館コンピュータシステムの見直しによる
サービス向上
取り組み 13 職員体制の見直し
取り組み 14
取り組み 15
取り組み 16
取り組み 17
ボランティア活動の促進
事業計画の策定と点検評価
ICT の活用
蔵書の適正管理
読書活動を
支える運営
(5) 弾力的な管理・運営
読書活動振興を
支えるサービス
(1) だれもが使える図書館
第2
読書活動振興を支えるサービス
基本目標(1) だれもが使える図書館
【多摩市立図書館 運営方針 1 だれもが使える図書館】
本館を中心にして分館及び分室を運営することにより、身近なところで気軽に利
用できる図書館を目指します。また、だれもが図書館を利用できるよう、高齢者や
障がい者、多様な文化を持つ人々へのサービスに努めます。
【現在実施している主なサービス】
障がい者サービス
・対面朗読サービス 5の実施
・DAISY(デイジー)図書 6・雑誌及び点字図書の作成と提供
・国立国会図書館視覚障害者等用データベースへの提供
・てんじ付資料(点字絵本)による、点字の普及
・視聴覚等障がい者用情報機器の設置
・宅配サービス 7の実施
・「ふじゆうってなに」コーナー設置(永山)による、児童への「障がい」についての
啓発
・音訳者研修会の実施
高齢者サービス
・大活字資料 8の提供
・本館にシニアコーナーを設置
多文化サービス
・外国語資料の提供
・外国語のおはなし会の実施
・外国語利用案内の作成
5
対面朗読サービス:視覚障害の方を対象に、利用者が希望する図書館資料を音訳者が対面式で音訳する
サービスです。
6 DAISY(デイジー)図書:カセットの代わりに CD-ROM などにデジタル録音した資料で、読みたい箇
所が容易に探せることが大きな特徴です。
7 宅配サービス:図書館に来館することが困難な利用者が希望する図書等を宅配サービスボランティアの
方が、自宅へ届け、回収するサービスです。
8 大活字資料:通常の活字の大きさでは読みにくい人に向けて、原本の内容はそのままに文字の大きさや
行間等に考慮して作られている図書のことです。
26
【課題】
・乳幼児を連れた保護者への対応、図書館の利用が少ない若年世代への PR、多文化に
対応した資料の提供などが、利用者へのサービスの中では不十分とされています。
・未利用者への働きかけや 10 代後半から 20 代の利用促進が不足しています。
【取り組み内容】
取り組み 1 より利用しやすくするための配慮
現状
具体的な取り組み
乳幼児を連れた保護者のために、授
・乳幼児を連れた保護者の利用を配慮し、書架の配
乳室を設置している
置を工夫する等実施します。
現状
具体的な取り組み
未利用者のために、図書館のホーム ・未利用者を視野に入れた、講演会、講座等を開催
ページに情報を掲載している
します。
効果
乳幼児とその保護者が利用しやすくなることで、来館者が増え、より多くの本と出合うこ
とができるようになります。未利用者への積極的な働きかけで図書館の利用につながりま
す。
27
取り組み 2 若年世代の図書館利用の促進
現状
具体的な取り組み
10 代後半から 20 代の利用が少なく
・図書館ホームページの充実をはかり、サービスや
課題となっている
資料紹介など、図書館からの情報発信を積極的に行
います。
・SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)9
の活用を検討します。
効果
来館しなくても図書館の情報を得ることができ、図書館が身近な存在であると感じてもら
うことで、来館や読書の機会が生まれます。
取り組み 3 多文化サービスの充実
現状
具体的な取り組み
外国語資料の提供や外国語の利用案 ・市内に定住する外国籍の方に向けて外国語資料の
内を作成している
収集を強化します。
・図書館資料の貸出や関係機関のパンフレット配布
により情報提供を行います。
効果
日本語を読むのが難しい方にも図書館で情報を得ることができるようにし、生活を支援し
ます。
【実施時期】
取り組み
計画前期(平成 28~30 年度) 計画後期(平成 31~32 年度)
1
乳幼児を連れた保護 書架配置の検討
者への配慮
実施
2
若年世代の図書館利 情報発信方法の検討
用の促進
実施
3
多文化サービスの充実
実施
ニーズの調査など
9
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
:インターネット上の交流を通して人と人とのつな
がりを促進する、社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築するサービスのことです。代
表的なサービスとして Facebook(フェイスブック)や Twitter(ツイッター)があります。
28
【評価指標】
平成 26 年度実績
評価指標
0~5 才の利用率
平成 32 年度末の目標
0.79
1.0 以上
10 代後半と 20 代の利用率
10 代後半:1.72
2.0 以上
(同上)
20 代:1.75
外国語資料所蔵冊数
4,423 冊
(年度延べ貸出者数を年齢
別人口で割った数値)
8,000 冊
29
基本目標(2) 子どもへのサービスの充実
【多摩市立図書館 運営方針 2 子どもの読書環境の整備】
一人ひとりの子どもが、感性や人間性を育み、大きく変化する社会情勢にも対応で
きるよう、生きる力を支援する図書館を目指します。また、子どもたちが読書に関心
を持ち、いつでも読みたいときに興味ある本に出会えるよう、読書環境の整備に努め
ます。
【現在実施している主なサービス】
子どもへのサービス
・図書の情報提供
・市立図書館・学校図書館の PR、利用者指導
・おはなし会の実施
・子ども読書まつり「ほんともフェスタ」 10をはじめとしたイベントの実施
・絵本かたりかけ事業の実施
・学校図書館の調べ学習・読書などの資料の「一時移管」
・廃棄図書の配布会の実施
・市内小学校 2 年生を対象とした図書館訪問の実施
・中学校職場体験の受入
・読み聞かせボランティア育成のための講座の実施
・市民ボランティアとの協働(おはなし会、文庫展 11等)
【課題】
・
「第二次多摩市子どもの読書活動推進計画」では課題として、私立保育園・幼稚園へ
の働きかけ、配慮が必要な子どもへの支援、10 代の子ども向けサービスを挙げてい
ます。
10
子ども読書まつり「ほんともフェスタ」
:
「子どもと本を結びつける日常の活動を多くの人に知ってもら
う」ことを目的として、おはなし会の PR 強化、特別おはなし会及び講座の開催、市内小中学校の成果物
展示等を実施しています
11 文庫展:多摩市文庫連絡協議会が主催で、子どもの読書環境を整備し、絵本の原画のもつ芸術性を間近
で鑑賞できる機会を提供し、作者が絵本にこめた思いを知ることで創造力、思考力、社会性を高め、子ど
もに本のすばらしさを伝えることを目的に開催されています
30
【取り組み内容】
取り組み 4 多摩市子どもの読書活動推進計画の推進
現状
具体的な取り組み
平成 24 年度に「第二次多摩市子ども
・第二次計画の推進と、第三次計画の検討、策定を
の読書活動推進計画」を策定した
行います。
計画期間は平成 24~28 年度
効果
多摩市のすべての子どもが、あらゆる機会とあらゆる場所において、自主的に読書活動が
できるようにし、読書の喜びを感じ、豊かな心を育み、未来への可能性を広げます。
【実施時期】
取り組み
4
計画前期(平成 28~30 年度) 計画後期(平成 31~32 年度)
多摩市子どもの読書活 第二次計画の推進
動推進計画の推進
第三次計画の推進
第三次計画の検討、策定
【評価指標】
※評価指標については、
「第三次多摩市子どもの読書活動推進計画」の策定時に検討し設定
します。
31
基本目標(3) 市民や地域に役立つ図書館
【多摩市立図書館 運営方針 3 市民や地域に役立つ図書館】
暮らしや地域の課題解決、豊かな読書を支える情報拠点として、多様な資料や情報
を収集・提供し、市民や地域に役立つ図書館を目指します。また、多摩市と多摩市に
関係する地域資料の活用を通じて、地域文化の継承と新たな創造を支えます。
【現在実施している主なサービス】
豊かな読書を支える情報拠点
・各館で企画展示の実施
・読書関連団体の活動の場として、本館講座室・活動室や関戸図書館活動室を提供
・市民参加による読書週間企画「TAMAICHI」 12を実施
・事業報告「多摩市の図書館」の発行
・図書館報「やまばと通信」の発行
・図書館ホームページによる情報提供
・利用者懇談会の実施
・団体貸出サービス 13の実施
地域資料
・地域・行政資料の収集・提供
・「たま市民文庫」を設置、多摩市民や多摩市ゆかりの人の著作を収集、紹介
・多摩市に関する新聞記事の収集
・本館に「ニュータウン資料コーナー」や「へなそうるのへや」 14を設置
・文化財行政と連携した本館の展示
【課題】
・企画展示等により情報提供をしてきましたが、地域の課題に対応したサービスに、よ
り積極的に取り組む必要があります。
・これまでの貸出やリクエスト中心のサービスから、地域の課題解決や学習機会の提供
などができるように、方向を修正していきます。
・課題解決のための情報提供などと絡めた講座や催しの開催が求められています。
12
TAMAICHI:読書週間(10 月 27 日から 11 月 9 日)の企画のひとつとして、読書のきっかけとなるよ
う市民参加により「私が薦める本」を投票してもらい、結果発表を冊子にまとめ配布しました。
13 団体貸出サービス:子どもの読書推進活動を行う市民グループや、児童館、学童クラブ、保育園などの
子どもの施設、コミュニティセンターなどの地域施設を対象に、長期間まとまった冊数を貸し出すサービ
スです。
14 へなそうるのへや:多摩市に暮らした子どもの本の作家渡辺茂男さんの著書等を紹介するコーナーです。
32
・地域資料はニュータウン資料をはじめ積極的に収集していますが、今後は収集した資
料の保存や提供方法を、電子化も考慮しつつ検討する必要があります。
【取り組み内容】
取り組み 5 読書活動に取り組む団体の支援
現状
具体的な取り組み
平成 26 年度は 85 団体に 15,506 冊を
・団体貸出サービスを通じて、図書館以外でも資料
貸出(市内小・中学校を除く)
を提供できる場所をつくります。
・除籍資料や寄贈で受入しない資料を「リサイクル
資料」として団体へ提供します。
・団体への資料の提供がよりスムーズにできるよう
に方法を検討します。
効果
図書館に来館しなくても本を読める場所をつくることで、より多くの方が読書をできるよ
うにします。
それぞれの団体の活動に合わせた資料を提供することで、課題解決を支援します。
取り組み 6 読書活動振興のためのイベントの開催
現状
具体的な取り組み
「ビブリオバトル」や「一箱古本市」16などの本を
平成 27 年度に「ビブリオバトル」 15 ・
を本館と唐木田図書館で実施
介した市民参加型の交流イベントを開催します。
効果
新たな本との出合いの場を提供することで、市民の生活の充実や課題解決のきっかけをつ
くります。
図書を通じて他者と交流することで、地域住民のつながりが生まれます。
15
ビブリオバトル:5 分間で参加者が面白いと思った本を紹介して、
「どの本が一番読みたくなったか?」
を基準として投票を行い「チャンプ本」を決定するコミュニケーションゲームです。
「人を通して本を知る、
本を通して人を知る」をキャッチコピーに日本全国に広がっています。
16 一箱古本市:地域のさまざまなお店の軒先等を使って、
「店主さん(出店者)
」が段ボール箱ひとつ分の
古本を販売するもので、現在全国各地で開催されています。
33
取り組み 7 読書活動に関心を高めるための事業の実施
現状
各館で企画展示を実施
具体的な取り組み
・地域の課題に合わせた企画展示を実施します。
・企画展示とともに、テーマに合わせた情報を掲載
した配布資料を作成し、図書館ホームページ上でも
閲覧できるようにします。
平成 21 年度に市民企画展示を実施
・市民企画による資料の企画展示を実施します。
平成 25、26 年度に「TAMAICHI」
・市民による資料紹介のリストを作成・配布すると
を実施
ともに、図書館ホームページ上でも閲覧できるよう
にします。
効果
展示されている図書館の資料を読むことや、市民自らが企画展示を行い情報提供をするこ
とで、読書への興味関心を高めるとともに課題解決を促します。
取り組み 8 地域資料の活用による地域文化の継承
現状
具体的な取り組み
本館に「ニュータウン資料コーナー」 ・本館の移転整備の際に、地域資料コーナーを拡大
や「へなそうるのへや」を設置
し設置します。
・行政資料、郷土資料の収集・保存の強化に努めま
す。
未実施
・資料の保存や、図書館ホームページ上からの閲覧
のため、地域資料のデジタル化を検討します。
効果
地域の情報を得やすくすることで、より多くの市民が地域に関心を持ち、地域の文化が後
世に継承される環境を整えます。
34
【実施時期】
取り組み
5
計画前期(平成 28~30 年度) 計画後期(平成 31~32 年度)
読書活動に取り組む団 継続実施
継続実施
体の支援
6
読 書活動振 興のた め 実施
実施
のイベントの開催
7
読書活動に関心を高 準備
実施
め るた め の事業 の 実
施
8
地域資料の活用による 準備
実施
地域文化の継承
【評価指標】
評価指標
団体への貸出冊数及び提供
平成 26 年度実績
15,506 冊(貸出冊数のみ)
平成 32 年度末の目標
18,000 冊
(平成 32 年度実績)
したリサイクル資料点数
(市内小中学校を除く)
ビブリオバトル開催回数/
10 回/200 人
未実施
(平成 28~32 年度の累計)
参加者数
市民による企画展示回数
未実施
1回
デジタル化資料公開点数
未実施
検討
35
基本目標(4) しらべるを支え、つながる図書館
【多摩市立図書館 運営方針 4 しらべるを支え、つながる図書館】
図書館資料は、身近なところで多くの人が便利に利用できるよう、全館で共有管理
しているメリットをさらに活かします。また、より高度で専門的な調査研究に関する
要望に応えるため、レファレンスサービスの充実を図るとともに、他の図書館、大学、
専門機関との連携を推進します。
【現在実施している主なサービス】
レファレンス 17
・相談コーナーの設置(本館・関戸・永山)
・レファレンス事例の公開
・インターネット検索用端末の設置
・オンラインデータベース 18の提供
他との連携
・京王線七市連携 19による相互利用
・協力貸出による都立図書館、都内市区町村立図書館、国立国会図書館、都外図書館か
らの資料の借用による提供
・他図書館、専門機関の紹介
・大学図書館利用のための紹介状の発行
・大学司書課程実習生の受入
【課題】
・全館で資料を共有しているメリットを活かしつつ、本館に機能を集約し調査・研究面
の強化が必要です。
・課題解決のための組織的なレファレンスサービスの実施や、テーマ別の資料案内の充
実が必要です。
17
レファレンス:利用者が求める情報・資料を調査し、その資料の提供・紹介をするサービスです。
18
オンラインデータベース:各館のインターネット検索用端末で、図書館が契約している新聞記事や法律
情報等のオンラインデータベースが検索できます。データベースにより、利用できる図書館に制限がある
ものもあります。
19 京王線七市連携:東京都市長会政策提言「広域連携の勧め~多摩の魅力を高める 18 の連携~」に基づ
き平成 20 年 4 月 1 日に八王子、府中、調布、町田、日野、稲城、多摩の京王沿線 7 市の図書館で相互利
用を開始しました。
36
取り組み 9 地域課題解決の支援
現状
具体的な取り組み
企画展示により地域課題について情 ・地域の課題解決に対応した行政資料・行政情報の
報提供を行っている
収集・整備を行います。
・多摩市の行政課題に対応した企画展示、先進事例
の紹介等情報提供します。
レファレンス事例をデータベース化 ・レファレンス事例のデータを蓄積し業務に役立て
し、図書館ホームページ上に公開
るとともに、ホームページ上で公開します。
・国立国会図書館のデータベースに登録を行います。
多摩市立図書館ホームページ内 に ・多摩市立図書館ホームページの「調べもの Q&A・
「調べもの Q&A・質問集」を掲載
質問集」のページを更新します。
・レファレンス資料の探し方や使い方や、オンライ
未実施
ンデータベースの利用方法の講座を実施します。
効果
組織的なレファレンスサービスを提供することで、市民の地域の課題・問題への探究心に
こたえ、利用者の情報活用能力の向上を支援し、地域や個人の課題解決に導きます。
取り組み 10 デジタル資料の提供
現状
具体的な取り組み
インターネット検索用端末、オンラ
・国立国会図書館の図書館向けデジタル資料送信サ
インデータベースの提供
ービス 20に参加し、図書館内で閲覧できるようにし
ます。
未実施
・地域資料のデジタル化を検討します(取り組み 8
の再掲)。
未実施
・電子書籍サービスを導入します。
効果
入手困難な資料の閲覧を可能にし、より高度な課題解決や調査研究を可能にします。
デジタル情報として保存し提供することで、紙資料の劣化を防ぎます。電子書籍サービス
は図書館に来られない人や、図書館の場所・開館時間に関係なく利用することができて利
便性の向上が図れます。
20
図書館向けデジタル資料送信サービス:国立国会図書館がデジタル化した資料のうち、絶版等の理由で
入手が困難な資料について、最寄りの公共図書館等でインターネットを通じて利用できるサービスです。
37
【実施時期】
取り組み
計画前期(平成 28~30 年度) 計画後期(平成 31~32 年度)
9
地域課題解決の支援
実施
実施
10
デジタル資料の提供
準備
実施
【評価指標】
評価指標
多摩市立図書館ホームペー
平成 26 年度実績
192 件
平成 32 年度末の目標
220 件
ジ上のレファレンス事例公
開件数
38
第3
読書活動を支える運営
基本目標(5) 弾力的な管理・運営
【多摩市立図書館 運営方針 5 弾力的な管理・運営】
利用者サービスのより一層の向上のため、新しい技術や他の図書館及び異業種の発想
や手法を積極的に学び活用することにより、弾力的かつ効果的な管理・運営に努めます。
【課題】
・現在の本館は暫定利用の施設で 10 年間という期限があり、図書館としての整備が不
十分であることから、移転を含めた整備の検討が必要とされています。
・新たな本館建設の際には、中心館として、これからの図書館に求められる新たなサー
ビスを支える施設上の工夫や、市内の図書館全体のサービスを支える機能が必要です。
・開館時間については、職員人件費などの兼ね合いもありますが、メリハリをつけた運
用などの検討が必要とされています。
・図書館コンピュータシステムの更新時期を迎えていることから、関連するサービス改
善などの課題に優先的に取り組みます。
他にも
・資料費と人件費の比率、職員の構成、配置、育成
・ボランティア活動の促進
・ICT のより一層の活用による効率化
・図書の亡失、汚損、水濡れ対策
の課題があります。
【取り組み内容】
取り組み11 本館の機能強化
現状
現在の本館は暫定利用施設である
具体的な取り組み
・これからの図書館に求められる新たなサービス
を展開し、市全体の中心館としての機能を満たす
ような新たな本館を整備します。
効果
新たな本館を整備することにより、これまでの貸出中心のサービスから、これからの図
書館に求められるサービスへの転換に取り組みます。
39
図書館の目指す再構築のイメージ
【新たな本館】~多摩市の中心館~
分散から集中へ転換し、新たなサービスを展開
利便性
資料
・来館しやすい立地
・開架書架の充実(開架蔵書 25 万冊)
・駐車場の確保
・デジタル化資料の提供
・開館時間の延長(20 時まで開館)
バックヤード
空間
・資料の保存、管理に適した書庫
・広い開架
・学校図書館や、文庫活動との連携
・学習スペース(個人、グループ)
・読書活動を支える新たなサービスの展開
・展示スペース
システム
・喫茶コーナー等の休憩スペース
・新しいシステムの導入
・バリアフリーに配慮した設計
・IC タグや自動貸出機の検討
【拠点館を補完する
身近な場所】
施設や利用状況に応じて
【拠点館】
新たな本館
交通の利便性を生かし
た駅前図書館としての
蔵書や運営の見直し
全域サービスを実施
(新聞・雑誌、子どもの本や行
政資料、読み物などの蔵書、利
現在の
用実態に応じた開館時間や運
本館
・蔵書冊数 10~11 万冊
・20 時まで開館
営体制等)
拠点館を
補完
関戸図書館
永山図書館
現在の地域館
施設の老朽化対応
資料や職員の集約
※ 施設面からの整理は、別途「公共施設の見直し方針と行動プログラム」の中で明確化
40
本館は、平成 20 年に現在の場所に移転し、概ね 10 年間の暫定利用を行っています。
この本館を「新たな本館」として再構築し、現状の分散型から、資料や職員を集約し、
全体としてメリハリのあるサービスを展開します。
超高齢社会を迎え、成熟した文化都市を目指す本市にとって、現状の図書館の課題に
対応し、今求められる図書館サービスを実現していくためには、運営の中核となる新た
な本館の整備と、図書館の仕組み全体の見直しが不可欠です。
蔵書については、新たな本館の開館に合わせて、現在の拠点館や地域館から、調べも
の用資料などを中心に集約する方向で、蔵書構成の見直しを行います。地域館の蔵書に
ついても、利用状況に応じた一定割合について、新たな本館に集約します。
また、職員についても、これまで取り組めなかったレファレンスや地域課題を解決する
ための資料提供など、新たなサービスに取り組むため、拠点館や地域館から集約し、職層
ごとの役割の見直し、業務委託の見直しなどを行います。
地域館については、図書館機能の全域サービスが担保できるように、地域にある身近な
施設と連携し、柔軟な対応をしていきますが、施設のあり方については、他の行政領域の
機能とのすり合わせも絡むため「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」の更新
の中に、本計画の方向性を反映していきます。
多摩市の「中央図書館」については、これまでに市の総合計画で触れられ、多摩市図書
館協議会の答申でも必要なサービスなどについて提言がなされています。また、平成 19 年
に市民で行った「多摩市まちづくり討議会」でも、今後の図書館に望むもの、中央図書館
で必要な機能などについて、たくさんの意見をいただきました。立地についても一貫して、
多摩センター地区が望ましいとされています。
(巻末資料 多摩市における中央図書館検討
経過 参照)
これらの経過を踏まえ、今後も市民の皆さんの意見を取り入れながら、長年の課題で
あった新たな本館の整備について、必要な機能をさらに具体化していきます。
41
取り組み 12 図書館コンピュータシステムの見直しによるサービス向上
現状
具体的な取り組み
書名、著者名等による資料検索がで
・業者作成の目録データをより活用して、資料検索
きる
等を充実し、レファレンス機能等を向上できるよう、
図書館コンピュータシステムを見直します。
利用者用端末、インターネットから ・利用者が館内の端末やインターネットからの検索
の目録検索ができる
や予約がより便利になるよう見直します。
パソコン、携帯電話からの目録検索 ・スマートフォンからの検索に使いやすい画面を導
ができる
入します。
図書館ホームページで情報発信実施
・よりタイムリーに情報発信できるよう見直します。
効果
より正確かつ迅速に情報が得られるようにして、課題解決がスムーズに行われるようにし
ます。
取り組み 13 職員体制の見直し
現状
具体的な取り組み
常勤職員、嘱託職員、非常勤一般職 ・常勤職員数の見直しと専門性の向上、窓口業務、
等により図書館運営を行っている
バックヤード業務等における役割を見直します。
年度ごとに研修計画を策定している
・嘱託職員を含めた職層ごとの長期的育成を考えた
計画を検討し実施します。
不定期でレファレンス研修を実施
・レファレンス研修を定期的に実施し、職員のレフ
ァレンス能力の向上を図るとともに、組織化による
ノウハウの向上を図ります。
効果
常勤職員数の見直しによる人件費比率の改善を行いながら、研修等による専門性の向上と
職層ごとの役割の見直しをすることで、組織的な運営によるサービスの向上を図ります。
取り組み 14 ボランティア活動の促進
現状
具体的な取り組み
子ども向けおはなし会や障がい者サ ・読書活動振興のための催しなどで活躍していただ
ービス等でボランティアの協力によ くなど、より多様なボランティア活動促進に向けた
りサービスを提供している
検討を行います。
効果
これまでに取り組んでいない新たな分野で、ボランティア活動に参加していただくことで、
市民相互による読書活動の振興を進めます。
42
取り組み 15 事業計画の策定と点検評価
現状
年度ごとに計画を作成している
具体的な取り組み
・評価して改善につなげられるような事業計画作り
を検討します。
・事業計画及び評価について、公表に向けた検討を
行います。評価については、外部評価も検討します。
効果
図書館のよりよい運営を目指し、計画策定だけでなく、点検、評価と改善マネージメント
サイクルに沿って取り組みを進めます。
取り組み 16 ICT の活用
現状
具体的な取り組み
学校図書館と連携できる図書館コン ・IC タグの導入により、業務量の非常に多い貸出作
ピュータシステムを導入している
業や予約図書受取などを自動化することで、業務の
効率化やサービスの質の改善ができないか、費用対
効果も含めて検討します。
効果
量の多い単純作業部分を自動化することで、職員を新たなサービスの充実等に振り向け、
業務の効率化とサービスの向上を図ります。
取り組み 17 蔵書の適正管理
現状
具体的な取り組み
図書の亡失が継続的に発生して お ・IC タグの活用などによる亡失対策を検討します。
り、また、水濡れや書き込み等が発 水濡れや書き込みなどの状況を市民の皆さんに知っ
生している
ていただくところから啓発をはじめ、利用者マナー
の向上をはかり、防止につながる取り組みを検討し
ます。
効果
図書館の蔵書の保全により、限られた資料がより活用できるように努めます。
43
【実施時期】
取り組み
計画前期(平成 28~30 年度) 計画後期(平成 31~32 年度)
11
本館の機能強化
検討
実施
12
図書館コンピュータシ 検討
実施
ステムの見直しによる
サービス向上
13
職員体制の見直し
検討
実施
14
ボラ ンテ ィア 活動の 検討
促進
実施
15
事業計画の策定と点検 事業計画の策定と公表
自己点検と結果の公表
評価
16
ICT の活用
IC タグの導入を検討し、財源や費用対効果等の見極め
17
蔵書の適正管理
亡失や水濡れ、書込みなどの防止に向けた啓発活動等の実施
【評価指標】
評価指標
平成 26 年度実績
平成 32 年度末の目標
本館の開館時間の拡大
18 時まで
20 時まで
本館の開架冊数
11 万点
25 万点
国立国会図書館の図書館向
未実施
50 件
けデジタル資料送信サービ
(導入から平成 32 年度末ま
ス利用実績
での累計)
図書館費に占める人件費の
約 80%
75%
未実施
毎年実施
比率(唐木田図書館の窓口
業務委託含む)
事業計画の策定と自己評価
の実施、公表
44
巻末資料 主要課題の考察
「Ⅱ課題 第1 多摩市立図書館の抱える課題」で触れた中で、
「暫定活用も含めた施設の
老朽化」と、
「資料費の確保と人件費」の2点について、統計の数字等も見ながら考察を加
えていきます。
1
暫定活用も含めた施設の老朽化
「多摩市公共施設の見直し方針と行動プログラム」では、平成 20 年~30 年まで暫定
活用中である本館について、新たな本館として再構築する必要があるとしています。多
摩市立図書館では、これまで地域館を整備してきており、最後に地域中心館を整備する
ことが目標とされてきました。現在の館の分散した構成では、開架図書約 53 万冊のうち、
どの館に行っても多くてその 20%ほどしか目にすることができず、たとえば、ある分野
の入門書を何冊か見たいという要求にはなかなか答えることができていません。新たな
本館にたとえば 30 万冊の開架スペースを確保できれば、全開架資料のうち 50%の中か
ら選ぶことができます。
また、多摩市では、永山図書館など拠点館に参考図書を重点的に所蔵することで調べ
物に対応しようとしましたが、職員体制を含め、現時点では十分な対応ができていませ
ん。今後新たな本館が一定の規模で整備できれば、課題解決型の図書館を目指したメリ
ハリの利いたサービスができる基盤となります。
一方、昭和 48 年以来順次開館してきた本館を含めた地域図書館も、30 年を経過する
なかで、ニュータウン開発とともに建ててきた施設の老朽化に対し、すべてを大改修又
は建て替えの対応ができない財務状況になっています。そのため、地域館についてはこ
れまでどおりの規模では維持できない課題があります。
以上のことから、図書館は地域館で分散してきたサービスを、新たな本館と駅前拠点
館に集約させつつ、図書館の運営方針を実現していくことを求められています。
図書館としては、できるだけ全域にサービスを届けるという基本をおさえつつ、集約
することでサービスが継続できるのかどうか検証しておく必要があります。
45
利用密度 ( 平成 2 6 年 度 )
7館 +1分 室
0
1km
1/32000
凡例
06以 上 ∼ 1
申
02以 上 ∼ 06未 満 国 駆建堅凶
▼ヤヤ
01以 上 ∼ 02未 満 陥 ・ ・ J
対象者僅少
利用密度 ( 平成 2 6 年 度)
3館 +1分 室
0
府 中市
1k冊
1/32000
軍ゝ《f革i軽
:!i!i:ii者
iを
くi!こ
官
・
:・ :::・
:・ :・ i声 ど
凡例
06以上 ∼ 1
-l
02以上 ∼ 06未満 沼 冨「昼研
0,1以
上 ∼ 02未満 L・ ュ・。・』
01未満 =正 三耳
対象者僅少
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13兼
野
46
発
川 崎市 麻 生 区
ヽ
,
(1)全域サービス
まず、現時点で、多摩市全域にサービスが提供できているかを見てみます。
この図は、平成 26 年度の図書館の全域サービスの度合いを地図上に落としたもので
す。多摩市在住の平成 26 年度の貸出利用者数延べ約 60 万人を地区別に分け、さらに
人口(平成 27 年 4 月 1 日付け)で除した数値により、地区別で人口と比較した貸出利
用者の多さを地区ごとに出します。この数値を「図書館への来やすさ(利用密度)」と
見立てます。
次に、その中で、一番利用密度の高いところを「1」とし、それとの比較の数値を出
して比率をあらわしたものです。たとえば、もっとも利用密度の高い関戸 1 丁目の 1.00
に対し、聖ヶ丘 2 丁目は 0.87 と、図書館に近い、あるいは行きやすいところほど、数
値が高くなります。
上の図は、平成 26 年度の全図書館の延べ利用者数で見たもので、下の図は、現在の
本館、関戸図書館、永山図書館の3館の延べ利用者数で見たものです。
これを見ると、まず現在の 7 館により、ほぼ全域が少なくとも関戸 1 丁目の 10 分の
2 程度の割合でカバーできていることがわかります。次に 3 館でのカバーの状況を見る
と、現在の地域図書館の周辺など、多くの場所で利用密度は下がりますが、それでも関
戸1丁目の 10 分の1程度と、
広域的に 3 館を使っていただいていることがわかります。
これは、買い物、通勤などのため、聖蹟桜ヶ丘、永山、多摩センターの各駅が生活導線
の中心となる利用者が多く、その近くにある恵まれた立地の図書館を利用できるという
ことだと思われます。
一方、それをも下回るデータが出ている地域があります。
これは現在の地域館が全てある中での数値です。今後の新たな本館の整備と分散か
ら集中により、拠点館を魅力あるものにし、さらにコミュニティセンターなどにおける
拠点館を補完するような機能により、全域をカバーしていく検討が必要です。
次に視点を入れ変えて、地域館周辺にお住まいの方がどの図書館を利用されている
かをグラフ化し、全年齢と小学生(6 歳から 11 歳)とを比較してみて見ます。
全年齢の場合、駅前の拠点館もある程度利用されています。その一方で、サンプル
数値は小さくなりますが、小学校に通う児童は主な移動手段が徒歩であるため、やはり
自宅に近い図書館を利用していることがわかります。
47
地域館周辺住民の図書館利用割合(平成 26 年度)
凡例
【東寺方図書館周辺】
(全年齢)
(6 歳~11 歳)
【豊ヶ丘図書館周辺】
(全年齢)
(6 歳~11 歳)
48
【聖ヶ丘図書館周辺】
(全年齢)
(6 歳~11 歳)
【唐木田図書館周辺】
(全年齢)
(6 歳~11 歳)
49
このことから、3 館の体制になったとしても、コミュニティセンターなどに拠点館を補
完する機能を構築し、少なくとも児童書を中心とした蔵書や本の貸出機能が必要と考え
られます。
(2)蔵書回転率
館ごとの蔵書冊数に対する貸出冊数(蔵書回転率)を見てみます。
開架蔵書冊数
貸出冊数
回転率
本館
106,477
388,930
3.65
関戸
100,965
353,393
3.50
永山
106,017
487,572
4.60
東寺方
41,975
92,342
2.20
豊ヶ丘
57,441
164,180
2.86
聖ヶ丘
48,550
106,611
2.20
唐木田
45,725
127,218
2.78
(平成 26 年度)
単純計算で、駅前拠点館の蔵書は平均して 3.5 回以上(永山については 4 回以上)借
りられているのに対し、地域館では 3 回未満ということがわかります。
近年では、本館と関戸、永山の 3 館で、個人貸出冊数の 70%以上を占めています。
蔵書を駅前拠点館に集めることで、これまで以上に活用できる可能性があることが見
て取れます。
(3) 年齢別で見た利用の状況
次に、7 館の利用者と、本館、関戸、永山の 3 館の利用者について、年齢による傾向
があるかどうかを見てみます。
全体に占める3館
年齢
7館+1分室
3館合計
合計 ・・・①
・・・②
利用者の比率
・・・②÷①
0~9
23,828
17,000
0.713
10~19
30,881
21,739
0.704
20~29
26,580
20,427
0.769
30~39
81,516
62,437
0.766
40~49
130,299
98,281
0.754
50~59
100,685
72,419
0.719
60~69
159,103
109,464
0.688
70~79
98,189
68,929
0.702
80~
22,670
17,364
0.766
平成 26 年度貸出延べ利用者数
50
いずれの年齢層においても、約 7 割の方が、本館、関戸、永山を貸出で利用している
ことがわかります。
次の表は、平成 26 年度の年齢別延べ貸出者数を、同じく年齢別の人口で割ったもの
です。
全年齢
80以上
70代
60代
50代
40代
30代
20代
15才~19才
12才~14才
6~11才
0~5才
0.00
1.00
2.00
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
8.00
全年齢の平均は 4.56 ですが、年齢帯別に見ていくと、明らかな傾向が見られます。
まず、学齢前の 0 才~5 才が 1 を下回る低い数字になっています。これは、本人が登
録せず、ご両親といっしょに図書館に来るときに、家族のカードで借りるなどの状況
が想像されます。まだひとりで図書館に来ることがあまりないのかもしれません。赤
ちゃんから絵本へという考え方からいうと、最初に絵本に触れてから、その後もおか
あさんと一緒に図書館に来られるような環境づくりや、保育園・幼稚園などで絵本に
触れるようなさらなる取り組みも必要です。
次に、小学校、中学校の年代については、平均してひとり年 3 回以上は図書館を利用
する状況です。小学校 2 年生による図書館訪問など、学校図書館との連携により、児
童が市立図書館に親しむきっかけ作りなどに取り組んできた成果が見えます。
次に、中学校卒業後、20 代までは、図書館利用の谷間になります。グループでわい
わい調べものをしたいけれど、静かな図書館ではしづらい、そもそも若者向けの情報
やサービスが不足している、インターネットと絡めた情報提供が図書館ではできてい
ない、など、様々な要因が考えられます。
年齢別にさらに見ていくと、30 代からは図書館の利用も復活し、50 代へと続きます。
中学校卒業以降の年代も含め、たとえば駅の近くの図書館の開館時間がもう少し延び
れば利用できるのに、という声もあります。
そして、60 代の皆様にもっとも利用されますが、80 歳以上になると、図書館へ来る
のが減る状況が見られます。
これらから見て取れることとしては、小学校に行く前と中学校卒業後、ここで読書が
51
途切れないようにするためにはどうしたらよいか。また、高齢になって図書館に来ら
れなくなる方々のニーズは何か、考える必要があります。
52
2
資料費の確保と人件費
資料費と人件費を見る前に、改めて多摩市のサービス水準を他市と比較してみます。
比較対象は、比較的規模が揃っている多摩地域 26 市の中から、人口規模で 10 万~20
万の 13 市とします。
(比較数値は、
『日本の図書館 統計と名簿 2014』日本図書館協会、
2015 年より)
(1)個人貸出冊数、予約受付件数
13 市の中で単純な貸出冊数では武蔵野市、西東京市に次いで 3 位、人口ひとりあた
りに換算すると、武蔵野市に次いで 2 位となり、比較的図書館に恵まれている 26 市の
中でも非常に高いレベルにあることがわかります。
個人貸出数(千冊)
市民ひとりあたり個人貸出数(冊)
1 武蔵野市
2,327
1 武蔵野市
16.6
2 西東京市
2,213
2 多摩市
12.0
3 多摩市
1,755
3 西東京市
11.2
4 立川市
1,658
4 立川市
9.3
5 日野市
1,649
5 日野市
9.2
13市平均
1,384
13市平均
9.1
また、予約受付件数は、26 市中 13 市との比較では、件数、市民ひとりあたり件数と
も、西東京市に次いで 2 位。市民ひとりあたりでは 3 件以上と、3 位の 2.39 件、4 位
の 1.7 件を大きく引き離しています。
予約受付件数(千件)
市民ひとりあたり(件)
1 西東京市
693.4
1 西東京市
3.52
2 多摩市
480.9
2 多摩市
3.29
3 日野市
427.3
3 日野市
2.39
4 小平市
313.6
4 小平市
1.70
5 立川市
296.1
5 立川市
1.66
13市平均
266.3
13市平均
1.67
個人貸出冊数と予約受付件数からわかることは、多摩市立図書館が非常に高いレベル
で市民の方に利用されていることです。
53
(2)蔵書冊数、資料費
蔵書冊数は、市民ひとりあたりに換算すると、13 市中で 3 位と、貸出が多いのに比
例して多いということが言えると思います。
蔵書冊数(千冊)
市民ひとりあたり蔵書冊数(冊)
1 小平市
6.2
902
2 武蔵野市
6.0
3 武蔵野市
838
3 多摩市
5.3
4 日野市
789
4 立川市
5.1
5 西東京市
787
5 国分寺市
5.1
6 多摩市
777
6 東村山市
4.7
1 小平市
1,152
2 立川市
13市平均
701
13市平均
4.6
一方で資料費については、13 市中で市民ひとりあたり 349 円で 5 位と、貸し出し冊
数と比較して順位が少し下がります。また、蔵書全体のうち新規購入冊数の割合が
3.2%と、13 位中 10 位となり、貸出冊数の多い割には新しい資料を購入できていない
実態が見られます。
資料費
市民ひとりあたり資料費
購入冊数/蔵書冊数
1 武蔵野市
90,434
1 武蔵野市
646.0
1 小金井市
5.3%
2 立川市
71,110
2 立川市
399.5
2 昭島市
5.3%
3 西東京市
70,756
3 小金井市
366.1
3 三鷹市
4.7%
4 三鷹市
61,144
4 西東京市
359.2
4 西東京市
4.3%
5 日野市
56,285
5 多摩市
349.0
5 武蔵野市
4.2%
6 小平市
57,452
7 多摩市
50,948
13市平均
52,131
10 多摩市
13市平均
345.2
13市平均
(3)人件費
職員人件費についても、多摩市立図書館の課題とされています。
多摩市の図書館は、平成 26 年度現在、開館業務を委託している唐木田図書館を除く
6 館と行政資料室の運営にあたり、常勤職員 38 人、再任用短時間職員 5 人、再雇用職
員 1 人、嘱託職員 34 人、非常勤一般職員 21.2 人(年間 1500 時間を 1 人として換算)
の計 100 人を配置しています。唐木田図書館に受託会社が配置している 9 人のスタッ
フを加えると、109 人の体制になります。
運営にかかる経費に占める人件費の割合は、約 74%です。唐木田図書館の委託料は
人件費ではありませんので、これを加えると約 80%が運営に関わる職員等に要する費
用です。多摩市の職員は、近隣市と比べ、常勤職員の人数が多く、嘱託職員や非常勤
54
3.2%
3.9%
一般職などの非常勤職員が少ない傾向にあります。
歳出決算額に占める人件費等の比率(平成 26 年度決算額)
決算額
構成比
(単位:千円)
資料費関係
54,081
8.5%
人件費等
471,116
73.9%
その他運営に関する経費
111,895
17.6%
637,092
100.0%
人件費の構造改革は、図書館運営の効率化にとっては避けられない課題です。多摩市
においては、常勤職員と非常勤職員の比率の見直しが必要であると考えます。ただし、
非常勤職員の増加に際しては、核となる常勤職員の専門化及び職種ごとの役割分担と
責務の明確化、それに応じた研修などの職員の育成が不可欠となります。
55
巻末資料 多摩市における中央図書館検討経過
平成
2年12月『多摩市立中央図書館基礎調査報告書』(図書館計画施設研究所)
1
多摩市の図書館サービスのあらまし
2
市民は図書館をどのように利用しているか
3
図書館に貸出登録をしていない市民に聞く
4
多摩市の図書館サービスの課題とサービス目標
5
中央図書館に求められるもの
 多摩市の図書館網のサービスセンター(資料の収集・保存、資料の流通、専門職
員による助言・指導・援助、障害者サービス、視聴覚資料、業務の集中化《統計、
サービス評価、PR、研修、情報提供》
)
 資料(開架資料 36 万冊、新聞 80 紙、雑誌 700 誌、視聴覚資料 4 万点以上)
 これからの図書館

図書館は、市民の暮らしに役立ち、市民の幸せをつくり出すところ

図書館は多摩市の頭脳となるところ

図書館は、市民が互いに交流し、文化を創り出すところ
など
平成

3年
3月『第三次多摩市総合計画 基本計画』
図書館ネットワークの整備
中央図書館と地区図書館それぞれが機能を補完する有機的な市立図書館網の構築
に努めます。また、市内公共施設、都立図書館、国会図書館、他市の図書館および
大学とも連携してネットワーク化に努めます。

中央図書館の建設
市民の自発的な学習を資料面から支える中心的施設として多摩センター駅周辺地
区に中央図書館を建設します。

地区図書館の建設
市内のどの地域に住む住民も、図書館を身近に利用できるよう地区図書館を建設
します。
56
平成
4年
1月『多摩市における中央図書館建設に向けての構想案 21世紀への図
書館計画』
(多摩市立図書館)
1
これからの図書館

従来のサービスをさらに発展

新しい図書館サービスを展開
2

中央図書館の役割・機能
多摩市の図書館ネットワークの中枢(地域館バックアップ、他図書館とのネット
ワーク、市内学校・企業とのネットワーク、市の諸施設との連携)

生涯学習の中枢的役割(あらゆる人々に開かれている、高度情報化社会の動きに
応える、市民の居間・くつろぎの場、文化コミュニティ《パルテノン多摩等と連
携して》
)
3
中央図書館のサービス

市民の書斎(館内利用《ブラウジング、調べもの、学習》
、貸出、保存、利用案内・
読書案内、レファレンス・情報提供)

誰もが使える図書館(児童、青少年、高齢者、障がい者、外国人、団体)

こんな資料も(視聴覚資料、地域情報、額入り絵・写真、ニューメディア)

いつでもどこでも(コンピュータ・ネットワーク、地域情報ネットワーク)

本との出合い(行事・集会、展示)
4
中央図書館の資料

図書(開架 40 万冊、閉架 60 万冊)

非図書(CD3 万点、ビデオ 1 万点、ほか)
ほか
5

建築計画
基本方針(多摩センター地区、2000 人/1 日、多摩センター駅からの導線、ワン
フロア 4,500 ㎡、長期滞在型利用、計画への住民参加・職員参加)

スペース(サービス部門 7,230 ㎡、管理部門 5,164 ㎡、屋外施設 1,000 ㎡)

家具・備品
6

管理運営
施設管理の委託、職員数 44、開館時間(夜間、祝日)、業務用駐車場
57
平成

8年
3月『第三次多摩市総合計画 21世紀に向かう新たなまちづくり』
図書館ネットワークの整備
中央図書館と地区図書館それぞれが機能を補完する有機的な市立図書館網の構築に
努めます。また、市内公共施設、都立図書館、国会図書館、他市の図書館及び大学と
も連携してネットワーク化に努めます。

中央図書館の建設
市民の自発的な学習を資料面から支える中心的施設として多摩センター駅周辺地区
に中央図書館を建設します。

地区図書館の建設
市内のどの地域に住む住民も、図書館を身近に利用できるよう地区図書館を建設し
ます。
平成10年
4月『多摩市立中央図書館の施設整備及び図書館サービスのあり方につい
て(答申)
』
(多摩市図書館協議会)
1
中央図書館の必要性

図書館サービスがシステム化される。増大する図書館利用需要に応える。社会
の変化に対応。高度化・専門化する学習要求に応える。長時間の開館(自動貸
出装置の設置)
2
役割と機能

3
図書館システムの中枢、生涯学習を支える基盤施設
中央図書館のサービス

市民の書斎(レファレンス、コンピュータネットワーク、利用案内・情報活用)

誰もが使える図書館(子ども、活字離れ若い世代、高齢者、ほか)

深さと広がりのある資料(専門書・レファレンスブック、新聞・雑誌、視聴覚
資料、外国語資料、電子化資料、地域資料、絵画など)

4
施設・設備・規模

5
本との出合いの場(行事・集会活動、企画展・各種展示)
面積 10,000 ㎡以上、蔵書 32 万冊、書庫 100 万冊程度
ふさわしい場所

交通の便が良く、かつ図書館整備が遅れてしまっている地区としては、多摩セ
ンター地区をおいて他にない。

6
ミニバスの運行等市内の交通網の整備も
建築

市民や議会の意見。経験豊富な建築事務所。単独で個性的な施設。
58
平成13年

3月『第四次多摩市総合計画 基本計画』
図書館ネットワークの充実
(省略)

地域図書館の整備
市民が身近に図書館サービスを利用できる地域図書館として「(仮)唐木田図書館」
を建設します。

中央図書館機能の整備
市民の学習を支える基幹的な役割を持つ図書館については、従来の身近な図書館サー
ビスの充実に加え、高度化、多様化する市民の要求に応えるために、図書館ネットワ
ークの中心的機能、増大する資料を整理・保管する図書館資料センター機能および資
料や情報の収集・提供・調査・研究等の市民の学習を支える機能などを有する中央図
書館機能の整備に着手します。また、既設の地域図書館との図書館サービスの役割分
担や運営について見直しを図ります。
59
平成19年12月『多摩市まちづくり討議会報告書』(多摩市まちづくり討議会実行委
員会)
1日目 今の図書館何が足りない?

サロン的なゆとりある場所、グループ活動、専門書不足、広報・案内を充実、ス
タッフのレベルアップ、ほか
2日目 どんなものを取り揃えましょう

実用書の充実、地域資料(ニュータウン開発、地域のチラシ含む)、専門書とAV
資料
3日目 こんな工夫で利用度アップ

見せる図書館(専用スペースでテーマ展示、図書館自体のPRなど)、利用時間の
延長、サロンのようなコミュニティスペース、コミュニティバスなどのアクセス
面の向上、閲覧室の児童スペースとの分離
4日目 多摩市に中央図書館は必要?

グループで集まれるサロンやコミュニティの場、集うことを目的とした価値の創
造

中央図書館建設よりも蔵書書庫機能を充実、学習支援や相互学習の拠点としての
生涯学習機能の充実、他の図書館に移動しないで望む情報が手に入る

建設よりも現図書館で他施設との連携を充実
5日目 市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス
(1)運営方法

市民の参画度向上、職員の専門性向上、近隣の大学との連携、有料化、外部委託
化
(2)施設・設備

閲覧席拡充、個人専用ブース、駐車・駐輪スペース、AV室、グループ学習室、
バリアフリー化、移動図書館の復活
(3)開館日時

9時10時まで、遅い時間は相談業務なし、休館日をずらす
(4)新たなサービス要望

山坂多いので受取・返却拠点を増やす、サロン空間づくり、蔵書数よりも情報発
信・集積基地
60
平成22年
4月『多摩市における中央図書館機能およびその整備のあり方について
(答申)
』
(多摩市図書館協議会)
1

文化都市にふさわしい「本の館」を(総論)
3つの柱 ①多摩市の図書館システムの中枢 ②パルテノン多摩とも連携し文
化・情報・教養活動の基地 ③学校との連携、生涯学習の拠点、市民のコミュニ
ケーション向上
2
現在の「本館」の問題点
3
中央館はどこに

利用者の利便性に加えて経済効果も考え、多摩センター駅のすぐ近くがもっとも
望ましい

(やむを得ず現在の本館の敷地を活用するのであれば)シャトルバス等の運行や
駐車場の整備、パルテノン多摩とのタイアップ事業、緑に沈む本の館、文化都市
多摩ニュータウンのイメージ
4

役割とサービス
多摩市の図書館システムの中枢(蔵書構築と保存《100 万冊規模の蔵書》、充実し
たレファレンス機能、インターネット・各種DVDなども備えた情報の拠点、移
動図書館復活、バリアフリーなど)

活動の基地として(イベント、展示コーナー、喫茶コーナー)

地域コミュニティの中核として(学校との連携、団体・施設へのサービス、自由
に使える場所の設置、市民参画の向上)

職員のあるべき姿(資質の向上)
61
平成25年
8月『多摩市立図書館の施設とサービスのあり方について(意見)』
(多摩
市図書館協議会)
1
※行動プログラムの協議への回答についての意見
施設のあり方について

…、大規模図書館(開架 30 万冊、閉架 50 万冊、1 万㎡規模)を整備する一方、
分館は拠点館である関戸、永山の2館のみとし、…

整備する場所については、平成 22 年4月の図書館協議会の答申を踏まえ、多摩
センター駅周辺が望ましいと考えます。しかしながら、多摩センター駅周辺に整
備することが困難な場合は、施設の地域バランスや利用圏、生活動線を踏まえ、
適切な場所に建設することを求めます。その際、図書館の配置については、図書
館協議会に改めて諮問することを求めます。
2
サービスのあり方について

開館日、開館時間の拡大・延長を推進すべき

貸出サービスを基盤としながら、地域課題解決支援に資するサービスを展開して
いく必要(特に、多摩市政に関する行政資料の収集・提供)

3
年齢別、対象者別サービスの充実とそのための他機関との一層の連携
運営のあり方について

嘱託職員の比率を高める

市民参画の機会を増やす
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市民の図書館サポーターを導入する

ICタグや自動貸出機の導入
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