(独)種苗管理センターは会計検査院による平成26年度決算検 査報告

独立行政法人種苗管理センターにおける不適正な会計経理について
平成27年12月22日
独立行政法人種苗管理センター
(独)種苗管理センターは会計検査院による平成26年度決算検
査報告において、調査研究用物品の購入等にあたり不適正な会計
経理を行っていたものとして、不当事項として掲記された。
1.経緯
・会計検査院は平成25年度決算検査報告において、農林水産省所管の独立行政
法人(2法人)における不適正な会計経理の事態について、不当事項として掲
記したところである。
上記の状況を踏まえ、会計検査院は合規性等の観点から、研究用物品の購入
等は会計規程に基づき適正に行われているかなどに着眼して、平成18年度から
平成25年度までの間に当センター本所等が締結した研究用物品の購入等に係る
契約を対象として、会計実地検査を行った。
2.検査結果
・平成18年度から平成25年度までの間に、会計規程等に違反して研究用物品の
購入等に係る代金を支払っていたものとして計3,624,118円が不当として指摘
された。
(注1)
(注2)
指摘の態様及び金額については、差替え 1,260円、翌年度納入 187,425円、
(注3)
(注4)
(注5)
先払い 843,570円、前年度納入 13,230円、契約前納入 2,578,633円であった。
(注1)差替え
納品された研究用物品の支払いを異なる契約をした研究用物品の単価に上乗せし
た虚偽の内容の関係書類を作成させ代金を支払っていたもの
(注2)翌年度納入
研究用物品が翌年度に納入されていたのに、関係書類に実際の納品日より前の日
付を検査日として記載するなどにより、研究用物品が現年度に納入されたこととし
て代金を支払っていたもの
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(注3)先払い
関係書類に実際の納品日より前の日付を検査日として記載するなどにより、実際
に研究用物品が納入されるよりも先に代金を支払っていたもの
(注4)前年度納入
研究用物品が前年度に納入されていたのに、関係書類に実際の納品日より後の日
付を検査日として記載するなどにより、研究用物品が現年度に納入されたこととし
て代金を支払っていたもの
(注5)契約前納入
契約手続きが行われないまま納入されていたのに、関係書類に実際の納品日より
後の日付を検査日として記載するなどにより、研究用物品が契約締結後に納入され
たこととして代金を支払っていたもの
3.調査委員会の設置
・会計検査院の指摘を踏まえ、当センターに外部有識者(弁護士)及び監事か
らなる調査委員会を設置し、指摘事案の原因分析、再発防止策の妥当性の検証
等を行った。
(1)調査委員会の構成
委
員
小菅
稔
(弁護士
委
員
一川
邦彦
(監事)
委
員
碓井
憲男
(監事)
小菅総合法律事務所)
(2)調査委員会の開催状況
平成27年11月11日
第1回調査委員会
・会計検査院による不当事項事案の報告
・発生要因の分析・再発防止策の検討
平成27年12月17日
第2回調査委員会
・調査報告書(案)の決定
・公表事項(案)の検討
4.発生要因
・契約担当職員は、事実に基づく適正な会計経理を行うという基本的な認識が
欠けていたこと。
・当センターは契約担当職員及び検査職員に対し、調査研究用物品の購入等を
会計規程等に基づき適正に行うことなどの指導が十分でなかったこと。
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5.再発防止策
(1)会計規程等の遵守の徹底
会計規程等の原則である物品購入等の発注にあたっては、契約決議書によ
る契約責任者決裁を受けてから業者に連絡することを全契約担当者に徹底す
る。
(2)契約担当職員に対する研修の実施
当センター本所において、全契約担当職員を対象に契約事務研修を実施し、
再発防止の徹底を図る。(平成27年11月26日実施)
(3)検査職員の複数の任命
検査職員を複数名任命することにより、納品検査における現物との照合等
が確実・迅速に行われる体制とする。
(4)納品検査方法の見直し
検査職員による納品検査の際は、契約責任者の承認済み契約決議書の写し
を用いた納品検査を実施するとともに、検査職員の確認を記す等による検査
方法に改正することにより、不適正な会計経理を防止する。
6.今後の対応
・調査研究用物品の購入に係る経理については、従来からその適正を図るよう
努めてきたところであるが、指摘を受けるような事態があったことは、誠に遺
憾である。
・今後とも、このようなことのないよう、①会計規程等の遵守の徹底、②職員
に対する指導・教育の徹底、③納品検査確認の徹底等を行い、調査研究費の適
切な執行管理に努めてまいる所存である。
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