「1 か月予報と異常天候早期警戒情報」 気 象 ひとくちメモ

平成27年12月28日
熊 本 地 方 気 象 台
気 象 ひとくちメモ
「1 か月予報と異常天候早期警戒情報」
今年は、10月の下旬から時々寒気の流れ込みがあるものの平年より暖かい日が続いていま
す。今回は、次の寒波はいつごろ来るのか、現在の暖かい気温がいつごろまで続くのかなどを
知るための気象情報である「1か月予報」と「異常天候早期警戒情報」について説明します。
これらの気象情報は全国を11に分けた予報区(図1)ごとに発表されます。熊本県を含む九
州北部地方は福岡管区気象台が担当してい
ます。1か月予報は向こう1か月のおおまかな
天候を予報するもので、毎日の天気を予報す
るものではありません。予報する内容は 1 か月
間の平均気温、合計降水量、合計日照時間
などです。異常天候早期警戒情報は情報発
表日の5日後から14日後までを対象として7
日間平均気温が「かなり高い」または「かなり
低い」となる確率が30%以上と見込まれる場
合に発表されます。1か月予報は毎週木曜日、
異常天候早期警戒情報は原則月曜日と木曜
図 1 地方季節予報の予報区分
日に発表されます。
図2は、11月2日(木)に発表された場合の 1 か月予報の予報期間を示しています。図の中の
点線は予報区の平年の気温変化を示しています。実線は予想される気温変化のイメージです。
このような状況の場合、1か月予報は図3のように向こう 1 か月の1週目、2週目、3~4週目につ
いての大まかな天候を3つの階級(図4)に分けて予報します。ここで使用される「高い」、「平年
並」、「低い」という区分は平年値に使われる30年間の値の出現率が等分(33パーセント)になる
図2 予報対象期間
図3 平均気温の予報
ように分けるように区切られています。また、
確率の数値は予報が100回発表された場
合に出現する回数となります。
図3は1か月予報の平均気温の予報で、
1週目の気温は平年より高くなる確率が高く、
2週目は平年より低い確率が高いことを示し
ています。また、3~4週目は平年並か低い
の出現率が高いよりやや高いことを示して
います。この予報からは1週目の平年より高
い気温が2週目にはぐっと低くなることを予
想しています。
また、図2の例では8日先(11月10日)以
降の低温に対して異常天候早期警戒情報
を発表しています。発表の基準となる「かな
り高い」、「かなり低い」という階級(図4)はそ
れぞれ上位10パーセント、下位10パーセ
ントの出現率の区分になります。この時期と
しては10年に1度程度しかおきないような
図4 階級区分
高温または低温を予想しています。異常天
候早期警戒情報が発表された場合、2週間後までに、時期はずれの暑さや寒さが30パーセン
ト以上の確率で発現します。
このように、1か月予報や異常天候早期警戒情報は、日毎の予報ではありませんが週間天
気予報の予報期間を超えて向こう 1 か月の平均気温、降水量、日照時間の傾向や2週間後ま
での著しい高温や低温を知るための気象情報として、気温の急変に対する体調管理や衣替え
のタイミングまた、旅行の計画などに有効な情報です。予報の特徴をご理解のうえご利用いた
だければ幸いです。
本件に関する問い合わせ先:熊本地方気象台
(096-352-0345)
※バックナンバーは熊本地方気象台ホームページに掲載しています。
(http://www.jma-net.go.jp/kumamoto/kishoumemo/kishoumemo.htm)