山田線の今後の復旧計画等について 平 成 27年 12月 22日 東日本旅客鉄道(株) 盛 岡 支 社 12月11日(金)19時32分頃、山田線「松草~平津戸」駅間で発生した、土砂 流入による列車脱線により、お客さまがお怪我をされました。また、列車の運 転を見合わせ、大変ご迷惑、ご心配をおかけいたしました。深くお詫び申し上 げます。現在の状況と今後の復旧計画等について以下のとおりご報告いたしま す。 1.これまでの経過 事故翌日より、脱線した車両のサポートや崩壊現場周辺の伐採作業等と並行 して斜面調査を実施していたところ、崩壊した斜面上方に、比較的新しいクラ ックが3箇所確認されました。 クラックについて、伸縮計等による計測を実施してきましたが、現時点にお いて進行は収束しておらず、復旧工事を安全に実施する状況にはないと判断し ております。 2.当面の実施事項 クラックの進行状況や専門家による調査結果等を踏まえ、より詳細な斜面内 の状態や動きを把握するため、ボーリング調査を開始いたしました。 今後、ボーリング調査により得られた地質条件等データを分析し、斜面の安 定性を評価した後、復旧計画を策定してまいります。 3.今後の復旧に向けた作業について ボーリング調査および分析には概ね2ヶ月程度を要する見込みであります。 現地の積雪、融雪状況も踏まえ復旧計画を策定し、復旧工事の再開時期を検討 してまいります。 なお、復旧計画の策定にあたっては、現地は国有地も含まれるため、森林 管理署等の関係機関と連携して進めてまいります。 4.今後の運転計画等 ①盛岡駅~上米内駅間および川内駅~宮古駅間での折り返し運転を継続し て実施します。 ②当面の間、「106急行」への振替を継続して実施いたします。 ③年末年始やイベント開催時などお客さまの混雑が予想される場合は振替 バスを増発できる体制を整えます。 ④宮古観光文化交流協会などとも連携し、イベントに合わせたバスツアーの 実施や宣伝展開などにより、宮古方面への誘客に取り組んでまいります。 【別紙1】 土砂崩壊箇所の斜面の現状 崩壊箇所上部で確認されたクラック A B 約40m C 平成27年12月21日撮影 落石防護ネット跡 崩土 H=25.0m 約12m 国道106号 崩壊土量 約700m3 宮古方 盛岡方 流入土砂 閉伊川 L=32.0m 約26m 約50m 復旧に向けたこれまでの取り組み(12月21日まで) 12/11 (19:32) 12/12 【別紙2】 ①事故発生 ②車両転倒防止措置 ③崩壊現場周辺の伐採作業 ②車両転倒防止措置 12/13 12/13 (13:45) ③崩壊現場周辺の伐採作業 ④斜面にクラック発見 ⑤作業中断 ⑥クラック変位量計測開始 12/17 ⑦車両転倒 防止措置 (土のう積み) 12/21 ⑧ボーリング 作業準備(資 機材運搬) ⑦車両転倒防止措置(土のう積み) ⑨ボーリング 削孔開始 ⑧ボーリング作業準備(資機材運搬) クラック計測の方法とこれまでのデータ 【別紙3】 クラックA~Cの計測箇所 A3 B3 A2 A1 B2 B1 段差 C1 ※斜面上部にて手動計測 幅 盛岡方 宮古方 発見時(12月13日) 長さ 幅 段差 12月13日以降の斜面の移動量 (12月22日8:00現在) クラックA 20m 20cm 60cm 194.4mm[A2] クラックB 10m 20cm 20cm 51.0mm[B2] クラックC 1m 20cm 0cm 56.9mm[C1] ※ 斜面上部で自動 計測したデータ を斜面下部の記 録装置に転送 累積変位(mm) 250 200 クラックA(A2) クラックB(B2) クラックC(C1) 150 100 50 0 12月13日 12月14日 12月15日 12月16日 12月17日 12月18日 12月19日 12月20日 12月21日 12月22日 12月23日 ※ クラック計測結果が2㎜/h以上のときは作業を中断します 復旧に向けた今後の調査(クラック計測およびボーリング調査) 【別紙4】 ボーリング① A ボーリング④ ボーリング⑤ B C クラック計測 ボーリング② 約11m 約5m ボーリング③ 崩壊箇所 A 盛岡方 モノレール 閉伊川 約7.5m 国道106号線 L=約15m B L=約40m C ボーリング②④ 7箇所 ボーリング調査 5箇所 崩落箇所 L=約40m クラック計測 ボーリング① 山田線 国道106号 ボーリング③⑤ 閉伊川 ボーリング調査 【別紙5】 すべり面の位置、地層構造の把握 孔内の変位を計測 ボーリング調査箇所 孔内変位計測 (イメージ) 孔内変位計測器 ボーリング① A 変位量 B ボーリング⑤ ボーリング③ ボーリング作業 ○月○日 ボーリング② △月△日 ボーリング④ C A 盛岡方 L=約40m ※ボーリングの番号は設置の順番 ガイド パイプ C ボーリング ②④ 崩落箇所 計測 機器 L=約40m ボーリング孔を利用 ボーリング ① 国道106号 閉伊川 山田線 ボーリング ③⑤ 傾斜角度 を測定し 変位量を 算定 深さ 宮古方 L=約15m B すべり面 孔内の変位を計測し、時系列で斜面 の動きを把握する 【別紙6】 復旧に向けてのスケジュール 12月 1月 2月 3月~ 12/11 事故発生 融雪期 12/13 崩壊斜面上部クラック発見 簡易変位計測 クラック計測 伸縮計による計測 ボーリング作業 ボーリング調査 データ収集 分析・評価 復旧計画策定 復旧工事
© Copyright 2024 ExpyDoc