四日市市まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案) 参 考 資 料 四日市市人口ビジョン ( 素 案 ) 四 日 市 市 目 次 Ⅰ 人口ビジョン策定にあたって .................................................. 1 1.人口ビジョン策定の趣旨 ........................................................ 1 2.対象期間 ...................................................................... 1 3.人口の変化が地域に与える影響 .................................................. 1 (1)産業への影響 .............................................................. 1 (2)自然増減・子育て環境への影響 .............................................. 1 (3)市民の生活環境への影響 .................................................... 2 (4)人の移動に関する影響 ...................................................... 2 4.人口ビジョンの位置づけ ........................................................ 2 Ⅱ 総論 人口の推移と将来展望 .................................................. 3 1.人口の推移 .................................................................... 3 (1)総人口 .................................................................... 3 (2)年齢3区分別人口 .......................................................... 3 (3)男女別5歳階級別人口 ...................................................... 4 (4)世帯数・世帯人員 .......................................................... 5 2.国の人口に関する将来展望 ...................................................... 6 3.四日市市の人口に関する将来展望(目標人口) .................................... 7 (1)本市の果たすべき役割 ...................................................... 7 (2)将来人口の目標 ............................................................ 7 Ⅲ 各論 人口に関する現状分析 .................................................. 9 1.産業に関する分析 .............................................................. 9 (1)産業別人口 ................................................................ 9 (2)通勤・通学動向 ........................................................... 13 (3)年齢階層別労働力 ......................................................... 14 2.人口の自然増減に関する分析 ................................................... 16 (1)出生・死亡 ............................................................... 16 (2)合計特殊出生率 ........................................................... 17 (3)若年女性人口と出生数の状況 ............................................... 18 (4)6歳未満の子どものいる世帯類型 ........................................... 19 (5)初婚年齢 ................................................................. 20 (6)有配偶率 ................................................................. 21 3.人口の社会増減に関する分析 ................................................... 22 (1)転入・転出 ............................................................... 22 (2)性別年齢別人口移動 ....................................................... 23 (3)県内外の移動 ............................................................. 24 (4)3大都市圏との移動 ....................................................... 25 (5)近隣市町との移動 ......................................................... 27 4.自然増減・社会増減による総人口に対する影響の分析 ............................. 30 Ⅰ 人口ビジョン策定にあたって 1.人口ビジョン策定の趣旨 わが国の総人口は、平成 20 年(2008 年)の約 1 億 2,800 万人をピークに減少局面に入っ ています。国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)の推計によると、人 口減少は今後加速度的に進み、平成 72 年(2060 年)には約 8,674 万人になると見込まれて います。合計特殊出生率は低下傾向から横ばいとなっているものの、若年女性人口が減少し ているため出生数は減少し、少子高齢化が一層進行し超高齢社会になると推計されています。 このような人口減少に歯止めをかけるため、平成 26 年に制定された「まち・ひと・しご と創生法」に基づき、国レベルの人口ビジョンとして「まち・ひと・しごと創生長期ビジョ ン」が策定され、人口問題に関する国民の認識の共有を目指すとともに、今後、取り組むべ き将来の方向性が示されました。 四日市市においても、平成 20 年をピークに人口は減少傾向にあり、社人研の推計では、 何も対策がなされなかった場合、今後、減少幅が徐々に拡大していくものとされています。 本市では、少子高齢化の進展を見据えて策定された「四日市市総合計画(平成23年度~ 平成32年度)」及び「推進計画」において様々な取り組みを進めてきましたが、「まち・ ひと・しごと創生法」に基づく地方版総合戦略(「四日市市まち・ひと・しごと創生総合戦 略」)を策定し、これまで進めてきた取り組みを強化する契機とすることで、新たな展望を 拓き、持続的な発展と交流人口の増加、ひいては定住人口の増加を図っていくこととしまし た。 この「四日市市人口ビジョン」は、本市の人口に関する資料を集成するとともに、本市の 長期的な人口の推移と展望を描くことで、地方版総合戦略策定にあたっての基礎的な資料と するものです。 2.対象期間 国の長期ビジョンの期間に準じて平成 72(2060)年を対象期間として推計します。 3.人口の変化が地域に与える影響 (1)産業への影響 本市の強みである製造業等については、臨海工業地帯等での再生高度化、新産業の競争力 強化などが進んでいますが、人口減少に伴う内需低下による国内市場の縮小など、産業構造 の転換も予想されます。また、生産年齢人口が減少することにより、企業の存続に必要な人 材を市内外で確保することが困難となり、人材不足が企業業績に影響する恐れがあります。 このため、本市の産業の競争力を一層強化するとともに、新規産業・創業の支援や、多様 な人材の育成と活用が求められます。 (2)子育て環境への影響 人口減少と合計特殊出生率の低下に加えて未婚・晩婚化の進展により出生数が減少し、少 子化がより一層進むものと予測されます。また、核家族化、共働き世帯の増加などの家庭環 境の多様化、社会におけるつながりの希薄化など、子育てに対する経済的・心理的負担が増 1 加しており、きめ細かな支援が求められています。 このため、安心して子育てができるように、行政、学校、地域、家庭などの多様な主体が 連携し、地域が一体となった子育て環境の充実、良好な住宅環境の循環利用促進、ワーク・ ライフ・バランスの考え方の普及など、人口の自然増につながる取り組みが必要とされてい ます。 (3)介護・医療への影響 高齢者数の増加は、認知症高齢者をはじめ、介護を必要とする高齢者の増加、老老介護の 増加、在宅医療の増加など、家族による介護・医療の負担が増えることになります。 このため、きめ細かな介護・医療サービスの充実、地域包括ケアシステムの確立、在宅医 療体制の充実などを推進することが必要です。 (4)人の交流に関する影響 人口減少は、にぎわい減少をもたらし、都市としての活力の低下をもたらします。また、 中心市街地においては、交流人口の増加を目指し、魅力を高め、活性化を図るための取り組 みがより一層求められます。 このため、本市の地域資源を活用した多様な魅力の発信や、中心市街地における新たな魅 力の創出が求められます。 4.人口ビジョンの位置づけ 人口の変化が本市に与える影響に歯止めをかけるとともに、本市の優位性をさらに伸ばす ことによって目標人口を設定し、これを市民、企業・団体などと共有することによって、本 市が目指すべき方向性および総合戦略の策定に反映するものです。 《参考:四日市市まち・ひと・しごと創生総合戦略における4つの基本目標》 2 Ⅱ 総論 人口の推移と将来展望 1.人口の推移 (1)総人口 住民基本台帳によると、総人口は平成 20 年頃まで増加していましたが、平成 20 年の 314,805 人をピークに人口減少傾向となっています。 図表1-1 総人口の推移(各年3月 31 日現在) ピーク 314,805 350,000人 300,000人 247,001 257,284 264,890 276,788 288,654 293,781 310,966 314,393 312,734 250,000人 200,000人 楠町合併 増加傾向 減少傾向 150,000人 100,000人 50,000人 0人 昭和50年 (1975) 昭和55年 (1980) 昭和60年 (1985) 平成2年 (1990) 平成7年 (1995) 平成12年 (2000) 平成17年 (2005) 平成22年 (2010) 資料:四日市市統計書 (2)年齢3区分別人口 年齢3区分別人口割合の推移をみると、年少人口割合と生産年齢人口は減少傾向、老年人 口は増加傾向にあり、平成 22 年時点では、約5人に1人が高齢者となっています。 図表1-2 年齢3区分別人口の推移 ※平成 12 年以前の値は、旧四日市市と旧楠町の合計値。 資料:国勢調査 3 (3)男⼥別5歳階級別人口 平成 22 年国勢調査結果による年齢5歳階級別に現在の人口構成をみると、団塊世代であ る 65 歳前後、団塊ジュニア世代である 40 歳前後の人口が特に多くなっています。しかし、 団塊ジュニア世代の子どもの層である 10 歳代は、比較的少ない人口となっています。 図表1-3 男⼥別5歳階級別人口 団塊世代 団塊ジュニア世代 団塊ジュニアの 子ども層は 比較的少ない 資料:国勢調査 4 (4)世帯数・世帯人員 本市の世帯数及び世帯人員の推移をみると、世帯数は引き続き増加傾向にありますが、一 世帯あたりの世帯人員は減少傾向にあり、平成5(1993)年には3人を下回り、平成 26(2015) 年には 2.4 人/世帯となっています。 これは、単身世帯や核家族世帯の増加、三世代同居世帯の減少によるものと考えられます。 図表1-4 世帯数、世帯人員推移 1世帯当り 3人以下に 資料:四日市市統計書 5 2.国の人口に関する将来展望 社人研の推計によると、日本の人口減少は今後加速度的に進み、平成 72 年(2060 年)に は約 8,674 万人になると見込まれています。これは、約 60 年前(1950 年代)の人口規模に 逆戻りすることを意味しています。 仮に、合計特殊出生率が 2030 年に 1.8 程度、2040 年に人口置換水準の 2.07 程度まで上昇 すると(目標人口) 、2060 年に総人口1億人程度を確保し、その後、9,000 万人程度で概ね 安定的に推移するものと推計されており、国においてはこの水準を目標としています。 図表2-1 社人研推計による人口推計のケース設定 区 分 合計特殊出⽣率 国の人口ビジョン 備 考 ・2030 年に 1.8 ・2040 年に 2.07、以降 2.07 (出⽣率の上昇) 2040 年に人口置換水準(2.07)を 達成する想定 図表2-2 日本の人口の⾒通し(人口推計及び目標人口) 日本の人口の見通し 人口(万人) 13,000 国の人口ビジョン 2060年 10,194万人 ※1億人を保つ水準 12,000 11,000 2013年 12,730万人 2008年 12,808万人(概ねピーク) 10,000 9,000 8,000 社人研推計 このまま減少した場合 2060年 8,674万人 7,000 6,000 合計特殊出生率が上昇した場合(2030年に1.8程度、2040年に2.07程度) 5,000 社人研推計(「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」出生中位(死亡中位)) 4,000 2 010 20 15 202 0 2 025 20 30 2 035 6 20 40 204 5 2 050 20 55 206 0 年 3.四日市市の人口に関する将来展望(目標人口) (1)本市の果たすべき役割 本市は、これまで築いてきた優位性や独自施策を活用し、さらに伸ばすことで、都市とし ての魅力向上を図ります。 〔※詳しくは、総合戦略基本目標1~4を参照。 〕 ① 中部圏のものづくり産業の拠点都市として産業の集積と競争力を高め、併せて人材育 成にも取り組むことによって多くの雇用を確保し、三重県北勢地域において、本県か らの人口流出に歯止めをかけるダム機能を担います。 ② 安心して子育てできる環境を整えるとともに、既成住宅地の循環利用などによる移 住・定住の促進を図ることにより、少子化に歯止めをかけます。また、高齢化に対応 した医療・福祉サービスの提供などにより、安心して地域で住み続けられる環境を確 保します。 ③ これら本市の魅力を磨き上げ、効果的に発信することによって、交流人口の増加、ひ いては定住人口の増加を図ります。 (2)将来人口の目標 社人研の推計では、合計特殊出生率、社会増減がこのまま推移したとすると、2060 年には 約 22 万人となり、現況の約 70%の人口になると推計されます。 また、仮に国の人口ビジョンの仮定と同様に、合計特殊出生率が 2030 年に 1.8 程度、2040 年に人口置換水準の 2.07 程度まで上昇すると、2060 年には約 26 万人まで回復すると推計さ れます。 ただし、国の想定では社会移動による人口の増減を含んでいません。本市の社会増減は、 平成 20 年には約 1,000 人の社会増でしたが、その後は減少に転じています。 本市においては、都市としての集積のメリットを生かし、魅力を高め、社会増による上乗 せを図ることが十分可能であり、2020 年には毎年 600 人程度の社会増を見込むものとし、そ の効果の累積によって、2060 年に約 28 万人の人口規模を保つことを目指します。 図表3-1 四日市市の人口推計のケース設定 区 分 合計特殊出⽣率 移 動 率 ・現況(2008~2012 年)は 1.53 ・全国の移動率が、今後一定程 度縮小すると仮定 ・2003~2007 年は 1.46 社人研推計 国の人口ビジョンの想定を 適用した場合 四日市市 目標人口 (社会増を上乗せ) ・推計条件は、2003~2007 年の ・四日市市では、2005(平成 17) 年~2010(平成 22)年の社会 実績をベース。2015 年 1.47、 増加と同水準と仮定 2020 年 1.44、以降 1.41 ・国の人口ビジョン合わせて、 2030 年に 1.8、2040 年に 2.07 ・同 上 ・同 上 ・2020 年以降、毎年 600 人程度 の社会増を見込む 7 図表3-2 四日市市の人口の⾒通し(人口推計及び目標人口) 四日市市の 人口 見通し 人口(人) 350,000 四日市市 目標人口j 2060年 28万人 国想定より社会増を上 乗せ 300,000 2010年 30.8万人(実績) 250,000 (参考) 国の人口ビジョンの想 定を適用した場合 2060年 22万人 200,000 150,000 社人研推計 このまま減少した場合 2060年 22万人 独自推計(合計特殊出生率が国の想定と同様に2030年に1.8程度、2040年に2.07程度に上昇。30歳代まで が社会増になった場合。) 参考 (合計特殊出生率が国の想定と同様に2030年に1.8程度、2040年に2.07程度に上昇。) 社人研推計 100,000 2 010 20 15 202 0 2 025 20 30 203 5 8 2 040 20 45 2 050 20 55 206 0 年 Ⅲ 各論 人口に関する現状分析 1.産業に関する分析 (1)産業別人口 平成 22 年の国勢調査より、本市で働く従業者について、男女別産業別にみると、男性で は「製造業」が最も多く、次いで、「建設業」、 「卸売業・小売業」、「運輸業,郵便業」とな っています。女性では「卸売業・小売業」が最も多く、次いで、「医療、福祉」、「製造業」 となっています。 産業別の従業者比率を全国と本市とで比較した特化係数1をみると、特化係数が1を越えて いるのは、男性女性とも、「建設業」、「製造業」、 「電気・ガス・熱供給・水道業」と「運輸 業、郵便業」で、女性では、 「卸売業・小売業」 、 「金融業,保健業」も 1 を超えています。 図表1-1 従業地における男⼥別産業別従業員数及び特化係数 (従業者数:人) (特化係数) 30,000 2.00 男性 特化係数(男) 女性 特化係数(女) 1.80 25,000 1.60 特化係数、従業 特化係数、従業 者数と 者数とも大 特化係数のみ大 特化係数のみ大 1.40 20,000 1.20 15,000 1.00 0.80 10,000 0.60 0.40 5,000 1次産業 2次産業 T分類不能の産業 Rサービス業(他に 分類されないもの) S公務(他に分類 されるものを除く) Q複合サービス事業 P医療,福祉 O教育,学習支援業 N生活関連サービス業, 娯楽業 M宿泊業,飲食サービス業 L学術研究,専門 ・技術サービス業 K不動産業,物品賃貸業 J金融業,保険業 I卸売業,小売業 H運輸業,郵便業 G情報通信業 F電気・ガス・熱供給・水道業 E製造業 D建設業 C鉱業,採石業,砂利採取業 B漁業 うち農業 0 A農業,林業 0.20 0.00 特化係数が小 特化係数が小 3次産業 資料:平成 22 年国勢調査 1 特化係数:産業別の従業者比率を全国と比較したもの。地域の産業の日本国内における強みを表す。 算出式:A部門の四日市市の従業者割合 ÷ A部門の全国の従業者割合 9 本市で働く従業者について、男女別産業別に平成 12 年からの推移をみると、男性女性と も「農林業」 、 「建設業」 、 「製造業」 、 「卸売業・小売業」等多くの業種で減少傾向となってい ますが、女性は「医療,福祉」で増加傾向となっています。 図表1-2 従業地における産業別人口推移 図表1-3 (男) 従業地における産業別人口推移 (⼥) (人) 0 A農業,林業 うち農業 B漁業 C鉱業,採石業, 砂利採取業 10,000 1,675 1,698 1,263 1,664 1,693 1,250 189 135 73 37 21 32 20,000 L学術研究,専門 ・技術サービス業 M宿泊業,飲食 サービス業 N生活関連サービス業, 娯楽業 O教育,学習支援業 P医療,福祉 Q複合サービス事業 Rサービス業(他に 分類されないもの) S公務(他に分類 されるものを除く) B漁業 C鉱業,採石業, 砂利採取業 D建設業 29,598 27,677 28,392 F電気・ガス・ 熱供給・水道業 G情報通信業 8,889 10,642 8,049 15,211 13,402 10,430 1,896 1,944 1,591 743 862 1,128 0 0 2,752 0 2,340 2,328 0 0 1,983 0 2,402 2,143 0 2,283 2,521 0 722 330 5,163 2,205 2,365 2,182 10,000 1,356 1,239 862 1,356 1,238 860 40 20 12 6 7 3 2,880 2,562 2,113 H運輸業,郵便業 I卸売業,小売業 J金融業,保険業 減少傾向 K不動産業, 物品賃貸業 L学術研究,専門 ・技術サービス業 M宿泊業,飲食 サービス業 N生活関連サービス業, 娯楽業 O教育,学習支援業 P医療,福祉 Q複合サービス事業 15,020 12,605 Rサービス業(他に 分類されないもの) S公務(他に分類 されるものを除く) 20,000 30,000 H12 H17 H22 減少傾向 12,049 9,783 8,612 E製造業 980 825 766 0 1,168 1,277 I卸売業,小売業 K不動産業, 物品賃貸業 うち農業 14,476 13,996 10,539 H運輸業,郵便業 J金融業,保険業 A農業,林業 減少傾向 E製造業 G情報通信業 0 H12 H17 H22 D建設業 F電気・ガス・ 熱供給・水道業 (人) 30,000 121 99 96 0 551 531 2,593 2,413 2,533 19,485 15,172 13,033 2,190 2,472 2,183 490 減少傾向 542 800 0 0 1,353 0 4,601 4,848 0 0 3,468 0 3,931 3,631 0 9,217 10,168 0 461 318 19,418 9,752 2,786 737 999 1,083 ※ 図中の「-」は、分類が変更になっており、データがないもの L 学術研究,専門・技術サービス業や N 生活関連サービス業,娯楽業、サービス業は、平成 14 年と 平成 19 年の産業分類改訂で区分が変更された、必ずしも連続性が保たれていない 平成 12 年の値は、旧四日市市と旧楠町の合計値。 資料:国勢調査 10 男女別年齢別産業別にみると、男女とも農業は 60 歳以上が半数以上を占め、後継者不足 が懸念されます。男女とも特化係数の高い産業については、比較的年齢バランスがとれてい ます。 図表1-4 年齢別産業人口(男性) 資料:平成 22 年国勢調査 11 図表1-5 年齢別産業人口(⼥性) 資料:平成 22 年国勢調査 12 (2)通勤・通学動向 平成 22 年の国勢調査より、近隣市町との通勤・通学動向をみると、本市から近隣市町へ と通勤・通学している人は、名古屋市の 8,331 人が最も多く、次いで鈴鹿市 7,590 人、桑名 市 5,175 人となっています。 近隣市町から本市に通勤・通学している人は、鈴鹿市の 15,524 人が最も多く、次いで菰 野町 6,803 人、桑名市 6,625 人、津市 5,106 人となっています。 図表1-6 近隣市町への通勤・通学者 図表1-7 近隣市町からの通勤・通学者 資料:平成 22 年国勢調査 図表1-8 近隣市町の通勤・通学者 資料:平成 22 年国勢調査 13 (3)年齢階層別労働力 平成 22 年の国勢調査結果より、年齢5歳階級別の女性の労働状態について昭和 60 年と比 較してみると、20 代後半から 40 代前半にかけて就業状態が低くなる、いわゆるM字カーブ がかなり改善しています。 図表1-9 ⼥性の労働⼒状態⽐較(昭和 60 年との⽐較) M字カーブ が改善 ※平成 12 年の値は、旧四日市市と旧楠町の合計値。 資料:国勢調査 図表1-10 ⼥性の労働⼒状態⽐較(三重県、全国との⽐較) 資料:国勢調査 14 平成 22 年の労働力状態を男性と比較してみると、すべての年齢層で男性よりも低くなっ ています。 また、女性は男性と比較して非正規雇用が多く、全国や三重県と比較しても非正規雇用率 が高い事から、女性の活躍できる場については、まだ改善の余地があると考えられます。 図表1-11 平成 22 年の男⼥の労働⼒状態⽐較 すべての年齢層で 男性より低い 資料:国勢調査 15 2.人口の自然増減に関する分析 (1)出⽣・死亡 本市の平成 18 年以降の自然増減をみると、平成 22 年までは出生数が死亡数を上回る自然 増の状況となっていましたが、平成 23 年以降は出生数が死亡数を下回る自然減の状態が続 いています。 図表2-1 自然動態 資料:四日市市統計書 16 (2)合計特殊出⽣率 合計特殊出生率をみると、三重県や全国値よりは高い出生率で推移しており、平成 20 年 ~24 年にかけては、全国よりも 0.15 ポイント高くなっています。 図表2-2 合計特殊出⽣率 1.9 1.84 1.8 1.7 1.81 1.61 1.54 1.6 1.53 1.49 1.61 1.5 1.46 1.51 1.4 1.51 1.46 1.3 三重県 1.2 全国 1.1 四日市市 1.42 1.38 1.31 ※2005年以前は旧四日市市の値 1.0 1983~ 1987年 1988~ 1992年 1993~ 1997年 1998~ 2002年 2003~ 2007年 2008~ 2012年 資料:人口動態保健所・市区町村別統計 17 (3)若年⼥性人口と出⽣数の状況 住民基本台帳より、20~39 歳の若年女性人口の推移をみると、平成 17 年度以降減少傾向 が続いています。若年女性人口と出生数の推移では、若年女性人口の減少に伴い出生数も減 少しています。 また、母親の5歳階級別出生数の推移をみると、晩産化の傾向が強くなってきている読み 取れます。 図表2-3 若年⼥性人口の推移 資料:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査 図表2-4 若年⼥性人口と出⽣数推移 (出生数:人) (女性人口:人) 50,000 45,000 4,000 40,740 40,407 40,096 39,423 38,791 40,000 3,800 38,063 37,230 36,236 35,110 34,381 35,000 33,487 30,000 3,400 3,200 25,000 3,000 3,026 20,000 15,000 3,600 2,895 2,826 2,889 2,886 2,800 2,847 2,843 2,825 2,600 2,746 10,000 若年女性人口合計 出生数 5,000 0 2,400 2,200 2,000 H17 (2005) H18 (2006) H19 (2007) H20 (2008) H21 (2009) H22 (2010) H23 (2011) H24 (2012) H25 (2013) H26 (2014) H27 (2015) 注:出生数には外国人を含む 資料:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(若年女性人口) 四日市市統計書(出生数) 18 図表2-5 ⺟親の5歳階級別出⽣数の推移(H11・H15・H20・H25) (人) 1,200 1,000 出生数減少 出生数減少 800 600 出生数増加 400 200 0 15~19歳 20~24歳 H15(2003) 25~29歳 30~34歳 H19(2007) 35~39歳 H22(2010) 40~44歳 45~49歳 H25(2013) 資料:三重県 衛生年報 (4)6歳未満の子どものいる世帯類型 国勢調査結果から、6歳未満の子どものいる世帯類型をみると、6歳未満の子どものいる 世帯数が減少している中で、特に、三世代同居世帯は7割以上減少しています。 図表2-6 6歳未満の子どものいる世帯類型 3世帯同居世帯は、 7割以上減 ※平成 12 年以前の値は、旧四日市市と旧楠町の合計値。 資料:国勢調査 19 (5)初婚年齢 初婚年齢の推移をみると、男女とも上昇傾向にあり、平成 25 年(2013 年)時点では、男 性 30.5 歳、女性 28.7 歳となっており、晩婚化の傾向が顕著になっています。 図表2-7 平均初婚年齢推移(三重県) (歳) 36 34 男女とも上昇 男女とも上昇 32 29.2 30 28 26 26.1 26.8 27.0 26.7 26.8 28.2 28.3 28.4 28.6 28.7 28.0 28.1 28.2 27.7 27.7 27.5 25.3 24 22 27.5 27.7 27.8 22.6 23.2 23.8 23.9 23.7 24.7 24.2 24.5 30.5 30.0 30.2 30.3 29.6 29.6 29.8 29.8 25.2 25.8 26.5 男(三重県) 女(三重県) 男(全国) 女(全国) 20 資料:人口動態調査 20 (6)有配偶率 有配偶率の推移をみると、男性は、昭和 55(1980)年以降、20~49 歳までのすべての層 で有配偶率は低下しており、特に、25~29 歳と 30~34 歳(S55 年比で約 29 ポイント減)で 落ち込みが大きくなっています。 女性についても、昭和 55(1980)年以降、20~49 歳までのすべての層で有配偶率は低下 しており、特に、25~29 歳(同 40 ポイント減)で落ち込みが大きくなっています。 図表2-8 有配偶率推移(男性) 100.0% 94.9% 100.0% 93.7% 94.5% 図表2-9 有配偶率推移(⼥性) 91.0% 91.9% 89.3% 91.8% 83.1% 90.0% 90.0% 91.6% 86.4% 87.8% 90.9% 87.4% 88.0% 88.6% 90.0% 81.9% 85.9% 86.6% 92.7% 79.8% 87.1% 80.0% 73.8% 82.8% 82.8% 91.0% 78.8% 80.0% 87.9% 83.1% 75.8% 70.0% 90.0% 86.7% 74.8% 79.8% 81.0% 88.3% 82.0% 78.7% 83.2% 77.0% 77.5% 76.6% 68.8% 72.9% 72.7% 88.2% 89.6% 83.7% 75.2% 74.6% 70.0% 69.7% 66.2% 66.4% 66.5% 63.6% 60.0% 64.7% 60.0% 59.0% 57.1% 55.8% 50.0% 47.9% 53.7% 43.9% 38.7% 40.0% 50.0% 45-49歳 40-44歳 35-39歳 30-34歳 25-29歳 20-24歳 29 ポイントの減少 ポイントの減少 40.0% 35.5% 33.6% 32.1% 45-49歳 40-44歳 35-39歳 30-34歳 25-29歳 20-24歳 30.0% 20.0% 10.3% 29.0% 30.0% 44.6% 42.3% 39 ポイントの減少 ポイントの減少 21.5% 20.0% 10.0% 8.2% 10.0% 27.4% 49.5% 7.5% 8.7% 8.4% 7.2% 15.8% 14.8% 13.7% 13.1% 11.9% 10.0% 0.0% 0.0% S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 ※平成 12 年以前の値は、旧四日市市と旧楠町の合計値。 資料:国勢調査 21 3.人口の社会増減に関する分析 (1)転入・転出 四日市市の社会増減(転入数-転出数)をみると、平成 20 年までは転入超過の傾向とな っていましたが、平成 21 年以降転出超過の社会減となっており、近年転出超過数は増加傾 向となっています。 平成 21 年以前は、転入、転出ともに 13,000 人前後の動きがありましたが、平成 22 年以 降は 11,000 人前後となっており、人口の動きが少なくなってきています。 図表3-1 社会動態推移 資料:四日市市統計書 22 23 85~89歳→90歳~ 80~84歳→85~89歳 就職等による転入 85~89歳→90歳~ 80~84歳→85~89歳 75~79歳→80~84歳 70~74歳→75~79歳 1,500 75~79歳→80~84歳 1,500 65~69歳→70~74歳 60~64歳→65~69歳 55~59歳→60~64歳 50~54歳→55~59歳 45~49歳→50~54歳 40~44歳→45~49歳 35~39歳→40~44歳 30~34歳→35~39歳 就職等による転入 70~74歳→75~79歳 (人) 2,000 65~69歳→70~74歳 60~64歳→65~69歳 55~59歳→60~64歳 50~54歳→55~59歳 45~49歳→50~54歳 40~44歳→45~49歳 35~39歳→40~44歳 25~29歳→30~34歳 -500 30~34歳→35~39歳 20~24歳→25~29歳 15~19歳→20~24歳 10~14歳→15~19歳 5~9歳→10~14歳 0~4歳→5~9歳 (人) 2,000 25~29歳→30~34歳 20~24歳→25~29歳 15~19歳→20~24歳 10~14歳→15~19歳 5~9歳→10~14歳 0~4歳→5~9歳 (2)性別年齢別人口移動 住民基本台帳から、年齢5歳階級別に各階級の増減をみてみると、男性は、15~19 歳⇒20 ~24 歳が進学・就職等による転出が多く、20~24 歳⇒25~29 歳が就職等による転入が多く なっています。 女性についても男性と同様の傾向を示していますが、男性に比べ転出・転入のピークは小 さくなっています。 図表3-2 5歳階級別別増減数(男性) 1995年→2000年 2000年→2005年 2005年→2010年 1,000 500 0 進学・就職等に よる転出 -1,000 資料:住民基本台帳人口移動報告 図表3-3 5歳階級別増減数(⼥性) 1995年→2000年 2000年→2005年 2005年→2010年 1,000 500 0 -500 -1,000 進学・就職等による転出 資料:住民基本台帳人口移動報告 (3)県内外の移動 日本人の近年の市内への転入者について、従前の居住地別に動向をみると、転入者は 9,000 人前後で、うち約6割の 5,300 人程度は県外からの転入となっています。 男女別にみると、男性の転入者が女性と比較して3割程度多く、男性の転入者の方が県外 からの転入の比率が高くなっています。 また、近年の市外への転出者について、転出先の居住地別に動向をみると、転出者数は 9,200 人程度で、うち、5,400 人程度、約 58%は県外への転出となっています。 男女別にみると、男性の転出者が女性と比較して3割程度多く、男性の転出者の方が県外 への転出の比率が高くなっています。 図表3-4 県内外別男⼥別転⼊者数 県外が 60% 60% 県内が 40% 40% 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 図表3-5 県内外別男⼥別転出者数 県外が 58% 58% 県内が 42% 42% 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 24 (4)3大都市圏との移動 日本人について、3大都市圏(東京圏2、東海圏3、大阪圏4)との転出入の動向をみると、 転入・転出者数とも東海圏が最も多く、東京圏、東海圏で転出超過、大阪圏では平成 25 年 は転出超過でしたが、平成 24 年、26 年では転入超過となっています。 転入・転出の多い東海圏について、男女別に年齢別の動向を見ると、継続して男女とも 20 歳~39 歳の移動が多いことから、進学や就職を機とする移動が多いものと考えられます。 図表3-6 3大都市圏との転出⼊動向 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 2 3 4 東京圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の1都3県 東海圏:岐阜県、静岡県、愛知県、三重県の4県 大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県の2府1県 25 図表3-7 10 歳階級別男性の東海圏の転出⼊動向 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 図表3-8 10 歳階級別⼥性の東海圏の転出⼊動向 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 26 (5)近隣市町との移動 日本人について近隣市町との転出入の動向をみると、平成 24 年、平成 25 年、平成 26 年 とも、鈴鹿市、津市、桑名市、名古屋市からの転出入者が多くなっています。 鈴鹿市は本市からみて平成 24、25、26 年とも転入超過、桑名市と名古屋市、菰野町など は、本市から見て平成 24、25、26 年とも転出超過となっており、近隣市町村との転入出動 向に関しては、転出超過状態となっています。 図表3-9 近隣市町からの転⼊ (平成 24 年) 図表3-10 近隣市町への転出(平成 24 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 図表3-11 近隣市町の転出⼊(平成 24 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 27 図表3-12 近隣市町からの転⼊ (平成 25 年) 図表3-13 近隣市町への転出(平成 25 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 図表3-14 近隣市町の転出⼊(平成 25 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 28 図表3-15 近隣市町からの転⼊(平成 26 年) 図表3-16 近隣市町への転出(平成 26 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 図表3-17 近隣市町の転出⼊(平成 26 年) 資料:住民基本台帳人口移動報告(日本人のみ) 29 4.自然増減・社会増減による総人口に対する影響の分析 平成 10(1998)年以降の自然増減と社会増減の推移をみてみると、平成 22 年までは社会 増減の変動はありますが、自然増減は出生超過の状態で推移していました。しかし、平成 23 (2011)年以降は自然増減も減少状態となったため、全体として人口減少となっています。 自然減を抑制するとともに、社会増の上乗せを図ることで改善を図る取り組みが必要とな っています。 図表4-1 自然増減と社会増減の推移 資料:四日市統計書 30
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