プレススリリースH27-028 (PDF/131KB)

Iwate Industrial Research Institute
PRESS RELEASE
技術で復興を
お手伝いします
2015.12.22(H27-028)
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
第1回ウッドデザイン賞2015を受賞!
~県産木材の利用と木製品開発に関する三つのテーマ~
地方独立行政法人岩手県工業技術センター(理事長 小田島智弥)では、木材加工
に関するこれまでの成果(3テーマ)が「ウッドデザイン賞2015」を受賞しました。
受賞した内容は、いずれも県産木材の活用や木製品開発に関する取り組みについて
です。今回の受賞を励みとし、今後もさらなる技術支援、研究、技術開発を続けてま
いります。
受賞名
ウッドデザイン賞2015
作品名
圧縮処理木材による曲木技術を活用した岩手県沿岸地域の木製品製造企業のた
めの製品開発に関する調査研究
受賞者
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
阿部工房 阿部正伸(岩泉町)
内
当センターの曲木技術シーズを県内企業が活用する提案。平成26年度さんりく
基金調査研究事業の成果
容
(ソーシャルデザイン部門)
受賞名
ウッドデザイン賞2015
作品名
凸状模様体および模様構造製造方法
受賞者
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
(株)わしの尾、(有)二和木材、滝沢市山岳協会
内
木材の木口(輪切り面)に着目した当センター独自の加工技術(特許)
容
(ソーシャルデザイン部門)
受賞名
ウッドデザイン賞2015
作品名
いわて型木製学校用家具(机・いす)
受賞者
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
内
県産木材(アカマツ)を学校家具に活用し地域で生産するため独自開発したもの
容
(ハートフルデザイン部門)
『ウッドデザイン賞2015(新・木づかい顕彰)』とは?
「木」に関するあらゆるモノ・コトを対象に、暮らしを豊かにする、人を健やかにす
る、社会を豊かにするという3つの視点から、デザイン性が優れた製品・取組等を表彰
するもの。今年度創設され、第1回目は受賞作品397点が選出された。本県からは当セン
ターを含め4者が受賞。
主催/ウッドデザイン賞運営事務局【(特)活木活木森ネットワーク、(公社)国土緑化推進機
構、(株)ユニバーサルデザイン総合研究所】
後援/林野庁
<裏面では、概要と写真をご紹介します。>
※ ご不明な点がございましたら、電話またはメールにてお問い合わせください。
地方独立行政法人岩手県工業技術センター
http://www.pref.iwate.jp/~kiri/
〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡2-4-25 TEL:019-635-1115 FAX:019-635-0311
E-mail: [email protected]
担 当: デザイン部 有賀康弘、内藤廉二、浪崎安治
概要
圧縮処理木材による曲木技術を活用した岩手県沿
岸地域の木製品製造企業のための製品開発に関す
る調査研究
小規模な木工メーカーが商品開発を活発に行うには、人材・設
備も限られます。これに対して、地域の公設試験研究機関のシー
ズを活用しながら連携することで最小限のコストで新しい技術を
導入できます。岩手県工業技術センターの技術シーズであるコン
プウッドシステム処理(デンマーク製装置による縦圧縮前処理
法)した広葉樹の曲木は、<コールドベンディング可能>、<曲
げ半径を小さくできる>、<曲げられる状態で保存できる>など
の特徴があるため、小規模メーカーでも曲木製作に取り組みやす
くなります。岩手県沿岸地域の木工工房がこのシーズを活用し、
豊富な森林資源に恵まれながらもこれまで作られなかった新しい
曲木製品を開発しました。
凸状模様体および模様構造製造方法
発端は、県内の木材チップ製造業から「大径、小径かまわず多
種多様な木材をチップに粉砕している。これらの木材をもっと有
効に活用したい」と相談があったことです。そこで利用頻度の少
ない木材の木口に着目した加工技術を開発し特許を取得しました。
この技術は、まず木材の木口面にデザイン模様に切り抜いた金型
を圧入して凹状の模様を作ります。その周囲を削り取り、温水に
浸けると押しつぶされていた模様が復元して凸状に盛り上がると
いうものです。これは、樹種に関係なく枝や端材など様々な木材
に利用できるので、地域資源を無駄なく活用できます。加工方法
も容易で専門的知識を必要としませんから多くの人に利用してい
ただけるものです。
いわて型木製学校用家具(机・いす)
教育現場で教室用家具を選ぶ主な理由には、学習環境への配慮、
機能性、木製であることなどがあり、木製への理解も進んでいま
す。学校の家具を学校のある地域で作れば地元の木材に接する機
会も増え、地域の新しい製品にもなります。岩手県工業技術セン
ターでは、アカマツ材を中心とした県産木材を学校用家具に活用
するために試験研究をすすめ「いわて型木製学校用家具」を開発
しました。これには、つぎのような特徴があります。
□より製作しやすい部品で構成されています。
□単純化したデザインで生産製が良く、コストをおさえています。
□高さ調整ができます。
□十分な強度があります。
□学校のある地域の木材を使い、地域の技術で生産ができます。