展示リスト・後期(PDF) - 石洞美術館

財団法人美術工藝振興佐藤基金
石洞美術館
古染付展
会 期 : 2007 年 1 月 16 日 ( 火 ) ~ 12 月 24 日 ( 月 )
古染付とその時代背景
古 染 付 が 焼 か れ た の は 明 朝 末 期 の 天 啓 時 代 ( 1621~ 27 年 ) を 中 心 と し て 、 崇
禎 時 代 ( 1628~ 44 年 ) の 初 め こ ろ 迄 の 10 年 余 り の 間 で す 。
こ の 頃 明 朝 は 長 く 謳 歌 し て き た 王 朝 の 歴 史 に も 陰 り が 見 え 始 め 、各 地 で 民 変 と
呼 ば れ る 民 衆 の 反 乱 が 相 次 ぎ 、北 方 で は ヌ ル ハ チ が 金 国 を 起 こ し( 1616 年 )、そ
の 子 ホ ン タ イ ジ が 国 号 を 大 清 と 改 め ( 1636 年 ) そ の 勢 力 を 拡 大 し て い ま し た 。
明 朝 が 滅 び 、 大 清 国 が 北 京 に 首 都 を 移 す 1644 年 は 目 前 に 迫 っ て い ま し た 。
一 方 、景 徳 鎮 窯 は 江 南 の 華 や か な 文 化 の 中 で 、そ の 一 翼 を 担 う 華 麗 な 磁 器 を 生
産 し て き ま し た が 、宮 廷 か ら の 大 量 発 注 に 官 窯 だ け で は 対 応 し き れ な く な り 、民
窯 へ も 依 託 し て 焼 造 を 行 う よ う に な り ま す 。 特 に 万 暦 期( 1573~ 1620 年 )は そ
の 焼 造 数 が ピ ー ク に 達 し て 、 上 質 の 粘 土 が 入 手 困 難 に な り 、「 虫 喰 い 」 等 が 生 じ
る 粗 雑 な 磁 器 も 造 る よ う に な り ま し た 。万 暦 帝 の 死 に よ っ て 、宮 廷 用 磁 器 の 焼 造
が中止されると、民窯は自由な作風の磁器を焼造することが出来るようになり、
海外からの注文にも応えて、ヨーロッパへも大量の民窯製品が輸出されました。
目 を 日 本 に 転 じ る と 、 1615 年 に 豊 臣 家 が 滅 ん で 徳 川 幕 府 が 盤 石 の 体 制 を 整 え
始 め た 時 期 に あ た り 、茶 の 世 界 で は 織 部 好 み と 呼 ば れ る 、独 特 の 焼 き も の が 流 行
っていました。
こ の 様 な 中 で 、景 徳 鎮 民 窯 で は 日 本 か ら の 注 文 に 応 え 、織 部 好 み の 器 を 模 し た
製品(例えば手鉢や扇形向付など)を造り、日本に輸出したのです。
景 徳 鎮 民 窯 の 焼 造 環 境 と 、日 本 の 茶 人 の 好 み と が う ま く か み 合 っ て 、短 い 時 間
ではありましたが、自由奔放な作りの古染付は日本の茶人を魅了したのです。
※ 染 付 と は 、酸 化 コ バ ル ト を 主 成 分 と す る 顔 料 を 用 い 、素 焼 き し た 素 地 の 上 に 文 様 を 描 き 、
そ の 上 か ら 透 明 釉 を か け て 焼 成 す る 陶 磁 器 の こ と で す 。 染 付 は 、 少 な く と も 14 世 紀
中 頃( 元 時 代 )に は 完 成 し て い ま し た 。そ の た め 、
「 古 染 付 」と い う 名 前 は 付 い て い ま す
が、特に古い時代の染付というわけではありません。
66
笠絵茶碗
62
鶏形向付
五客のうち
古染付の見所
虫喰い
「虫喰い」とは、器の口縁や角の釉薬が剥げ落ちた様子を指した言
葉です。生地の胎土と釉薬との収縮率の違いから、薄くかかりやすい
口縁部の釉薬は、焼造中に小さなガラス体の気孔を作ります。焼き上
がった後にこの気孔はかきくだかれるため、口縁部に小さな穴ができ
ま す 。 こ の 様 子 に 風 情 が あ る と し て 、「 虫 喰 い 」 は か え っ て 日 本 の 茶
人に喜ばれました。
自由奔放な絵付け
器面には人物や動物、風景などの文様がおおらかな筆致で描かれて
います。自由奔放な絵付けは、染付けの鈍い発色とあいまって素朴な
味わいをみせています。
人物文
羅漢や松仙人などの仙人、中国の官人姿の人物、唐子などがあり
ます。中でも、仙人の飄逸とした表情や凛とした姿が好まれてい
ます。
動物文
馬 や 鹿 な ど 動 物 の み を 描 い た も の か ら 、瓜 に 栗 鼠 、象 に 唐 子 な ど 、
動物に植物や人物を組み合わせた文様もあります。動物の動きや
表情の特徴を的確に捉えながら、のびのびとした筆致で愛嬌のあ
る様子を表現しています。
風景文
主に山川を中心とした風景を描き、人物や舟などが点描されるも
のもあります。なかには詩文が書かれる皿もあり、器面に一幅の
山水画を見るようです。
日本の茶人好みの器形・文様
古染付の中には、花生、水指、茶碗、手鉢、向付など、日本の茶人
が注文した作品が多く見られます。中でも、織部焼の器形を倣った手
鉢や、菅笠などの日本の文様を取り入れた作品は、これらが日本から
の注文品であることを明確に示しています。古染付は中国で生産した
磁器でありながら、日本の器形や文様を取り入れた特異な磁器である
と言えるでしょう。また、向付には、象、仔馬、兎、蝶、桃、法螺貝
などを模した独創的な器形があります。その自由な造形感覚は、現代
の私達にも新鮮な驚きを与えてくれます。
展示作品リスト
作品
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
作品名
角形絵替り向付 五客
小判形山水人物文向付 五客
口唇形岩兎山水文向付 五客
桃花人面物語図向付 五客
兎図七寸皿 四牛図七寸皿 鶏図七寸皿
梅鶯図七寸皿 鷹図七寸皿 果樹詩入七寸皿 五客のうち
百足図七寸皿 五客のうち
瓜図七寸皿 十客のうち
牡丹唐草文七寸皿 五客のうち
雲鶴文七寸皿
鞠挾香合
兜巾茄子香合
捻酒盃
吹墨魚付貝形酒呑
釉裏紅葡萄図角筆筒
水滴 桃・柘榴 一対
釣魚図段皿
象童子図大皿
象童子図鉦鉢
舟行送客図八寸皿
釉裏紅網魚文平鉢
五彩猿鹿文七寸皿
鶏耳青磁花入
蟹童子図袋形掛花入
鷹図水丞
葡萄棚水指
花鳥文水指
菊花栗鼠図絞手徳利
三馬図手鉢
山水人物文水注
瓜栗鼠図阿古陀小壺
井戸のぞき獅子蓋置
海浦文吹墨四方筒
鳳文筆洗
作品名(ふりがな)
かくがたえがわりむこうづけ
こばんがたさんすいじんぶつもんむこうづけ
こうしんがたいわうさぎさんすいもんむこうづけ
とうかじんめんものがたりずむこうづけ
うさぎずななすんざら しぎゅうずななすんざら にわとりずななすんざら うめうぐいすずななすんざら たかずななすんざら かじゅしいりななすんざら
むかでずななすんざら
うりずななすんざら
ぼたんからくさもんななすんざら
うんかくもんななすんざら
まりばさみこうごう
ときんなすこうごう
ねじしゅはい
ふきずみうおつきかいがらぐいのみ
ゆうりこうぶどうずかくふでづつ
すいてき もも・ざくろ ちょうぎょずだんざら
ぞうどうじずおおざら
ぞうどうじずどらばち
しゅうこうそうかくはっすんざら
ゆうりこうあみぎょもんひらばち
ごさいえんろくもんななすんざら
けいじ せいじはないれ
かにどうじずふくろがたかけはないれ
たかずすいじょう
ぶどうだなみずさし
かちょうもんみずさし
きくかりすずしぼりでとっく り
さんばずてばち
さんすいじんぶつもんすいちゅう
うりりすずあこだこつぼ
いどのぞきししふたおき
かいほもんふきずみしほうづつ
おおとりもんひっせん
高さ
(cm)
直径
(cm)
3.4
4.8
4.5
4.0
3.9
4.0
3.5
3.8
3.5
3.7
3.1
3.4
2.8
4.4
4.0
4.7
3.3
3.0
11.4
(桃) 6.3
3.2
3.8
3.2
5.0
4.0
2.7
27.7
18.7
8.4
17.9
14.5
19.5
11.2
12.1
10.1
7.1
7.3
6.6
12.8
19.2
19.5
18.4
21.9
21.6
21.3
21.1
20.4
20.8
20.3
21.6
21.2
20.9
4.4
5.7
7.3
7.9
4.6
9.5
25.0
28.2
22.5
24.2
21.5
20.7
10.1
11.2
21.7
18.3
21.1
10.0
19.0
12.1
10.5
7.2
6.3
13.9
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
61
62
63
64
65
66
67
68
69
70
71
松竹文酒呑 五客
唐子遊図茶碗
柳人物図茶碗
松竹梅図筒茶碗
腰捻煎茶茶碗 五客
輪宝文火入
芦葉達磨図火入
馬図火入
梅花散輪花茶碗
狩猟図筒茶碗
網文茶碗
鉄青磁瑠璃掛分筒茶碗
芦雁図筒碗
麦藁手筒茶碗
玉章形山水文向付 五客
桃形山水文向付 五客
輪花形吉祥花鳥文深向付 五客
琵琶形向付 五客
筍形向付 五客
菱花形石畳花模様向付 五客
蓮華形向付 五客
貝形花鳥文向付 五客
蝶形向付 五客
鶏形向付 五客
山羊形向付 五客
海老形向付 五客
寄向付海の幸山の幸 八客
笠絵茶碗
龍虎図風字硯
双鹿文輪花鉢
地獄極楽図菱花小鉢
山水騎馬人物瓢形鉢
瓜栗鼠浮文輪花深鉢
しょうちくもんぐいのみ
72
山水文菊花小鉢
天啓五年銘
さんすいもんきくかこばち
てんけいごねんめい
73
74
75
76
唐子図鉦鉢
唐花文銀杏形平鉢
橋人物図深鉢
釉裏紅柳下舟行図七寸皿 五客
からこずどらばち
からこあそびずぢゃわん
やなぎじんぶつずぢゃわん
しょうちくばいずつつぢゃわん
こしねじせんちゃぢゃわん
りんぽうもんひいれ
あしばだるまずひいれ
うまずひいれ
ばいかちらしりんかぢゃわん
しゅりょうずつつぢゃわん
あみもんぢゃわん
てつせいじるりかけわけつつぢゃわん
あしかりずつつわん
むぎわらでつつぢゃわん
ぎょくしょうがたさんすいもんむこうづけ
ももがたさんすいもんむこうづけ
りんかがたきっしょうかちょうもんふかむこうづけ
びわがたむこうづけ
たけのこがたむこうづけ
りょうかがたいしだたみはなもようむこうづけ
れんげがたむこうづけ
かいがたかちょうもんむこうづけ
ちょうがたむこうづけ
にわとりがたむこうづけ
やぎがたむこうづけ
えびがたむこうづけ
よせむこうづけうみのさちやまのさち
かさえぢゃわん
りゅうこずふうじすずり
そう ろくもんりんかばち
じごくごくらくずりょうかこばち
さんすいきばじんぶつひさごがたはち
うりりすふもんりんかふかばち
からはなもんいちょうがたひらばち
はしじんぶつずふかばち
ゆうりこうりゅうかしゅうこうずななすんざら
6.5
8.5
9.5
7.8
4.9
7.6
7.6
8.3
8.3
8.8
7.5
12.4
9.1
10.7
3.0
4.2
7.7
4.8
4.3
4.5
4.3
4.1
3.8
3.6
4.3
4.0
(蟹) 4.2
8.6
3.9
5.9
5.9
6.7
6.3
6.7
9.8
10.5
9.3
6.0
11.5
9.8
11.1
10.9
9.3
10.3
9.7
6.8
7.4
19.5
14.8
12.6
17.4
16.2
17.6
13.2
19.5
15.6
15.7
16.3
20.1
15.3
13.1
16.2
17.4
20.8
24.3
19.1
4.4
15.5
4.6
3.5
6.6
3.6
17.7
23.2
21.2
20.9