団塊ジュニア世代対応のマーケティングのお話 神戸市年齢別人口(H27

団塊ジュニア世代対応のマーケティングのお話
1.団塊ジュニア世代とは
・1971年から74年生まれの第2次ベビーブーマーで、父親は団塊世代以前、母親は
団塊世代が多くなっています。
・この年代層は2015年時点で、41~44歳になり、神戸市においてもこの世代を含
む40~44歳の人口構成比が7.9%を占め、5歳階級別の年齢別人口では最も
大きなボリューム層を形成しています。
(平成27年10月末、住民基本台帳)
・また、1975年から79年生まれで、両親とも団塊世代以降が多い世代を元三菱総
合研究所の三浦展氏が真性団塊ジュニア世代と命名しました。
神戸市年齢別人口(H27/10/31)
49歳
17,032
48歳
22,397
47歳
22,543
46歳
23,576
45歳
23,849
44歳
43歳
団塊ジュニア世代
42歳
41歳
40歳
39歳
真性団塊ジュニア
世代
38歳
37歳
36歳
35歳
24,388
24,747
25,606
24,792
23,445
21,824
21,100
20,463
19,421
18,640
34歳
18,311
33歳
18,054
32歳
18,367
31歳
18,191
30歳
17,372
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2.団塊ジュニア世代の特徴
1) 幼少期から独立した子供部屋を与えられているケースが多い
・自分の部屋を持つということは、自分にとって快適に過ごせる空間で
育ってきたことを意味します。
・これは、大人になってから、店舗選択動機においてデザイン性や居心
地の良さが自分の価値観に合っているかどうかの判断基準に大きな影
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響を与えました。
・また、団塊世代の両親に比較して、幼少期より家族でのファミリーレ
ストランの利用や友人とのファーストフード店の利用等、外食経験が
豊富で、大人になってからも外食やテイクアウト商品の利用に抵抗が
ありません。
2)バブル期を経験せず、就職氷河期を経験している
・団塊世代の次に多い人口数は、経済の低成長時代において、厳しい就
職活動を余儀なく強いられた世代となりました。
・これは、例えば、両親の世代の様にマイカーを年齢とともにより高級な
ものに買い換える様なライフスタイルを余り好まず、大都市圏であ
れば、別に自家用車は不要と考えるといった身の丈に合う堅実な生活
を好み、その代わり部屋の中は好みのインテリアや雑貨でゆっくりと
過ごしたいと考える人も多いものと考えられます。
3)団塊ジュニア世代を含む40代世帯の消費性向
・平成23年度の家計調査によると、「40~49歳世帯」は「50歳以
上の世帯」に比較して、可処分所得に対する消費支出の割合が、68.
0%と全世帯平均の72.5%を下回りました。
・この世代の消費支出の傾向を平成24年1~3月期の産業活動分析か
らみると、教育費や通信費の支出が他の年代を大きく上回っています。
3.団塊ジュニア世代へのマーケティング戦略の取り方のヒント
1) モノ発想から、ライフスタイル発想へ
・団塊ジュニアを単一ターゲットとして対応を図ることは困難です。例
えば、この世代が好む無印良品の婦人服をみると、モノトーン系の無
地かボ―ダー柄が中心で、眺めていても、そこから彼らの嗜好を汲み
取ることは、まず難しいでしょう。
・では、我々作り手や売り手側はどう考えればよいのでしょうか。その
ヒントは、
<モノそのものではなく、生活者がそのモノを買う理由を想像
すること>
にあります。
・具体的に説明すると、
「このお客様は年収800万位のサラリーマンで
子供が高校生と中学生の2人で、教育費には十分お金をかけたいので、
自分達夫婦のための出費は削りたい。しかし、あまり安いものを購入
して、1年で使い捨てる様なことはしたくない。そこそこの品質で飽
きがこない服を選びたいと考えておられるのではないか」という様な
ライフスタイル仮説を立ててみることが有効です。
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・これを自社の製品やサービスに当てはめて、
「どの様なお客様がどの様
な理由で購入・利用されるのか」を検討することが商品開発や販売促
進策の立案において重要です。
2)団塊ジュニアマーケットを細分化する
・年齢は同じ40代前半でも、未婚か既婚か、未婚で親と同居か一人暮
らしか、既婚で、共働きか専業主婦か、子供の有無は等、その条件によ
ってライフスタイルや消費行動は異なります。
・例えばオーダー家具であれば、「夫婦共働きで、子供はなく、夫婦でホ
-ムシアターを楽しむためのテレビボード、リビングのインテリアに
合わせたデザインの商品がほしい」との要望があるとします。
・そうした場合にテレビの大きさは勿論、お客様が好まれる音量や音質、
場合によっては音質よりもデザイン性が最優先される場合もあり、こ
うしたそれぞれのご要望に合わせたAV機器の購入アドバイスまでを
含む対応が必要になり、これがライフスタイルの提案になります。
・また、「36歳~40歳の真性団塊ジュニア」は団塊ジュニア以上に、
自分らしさやデザインへのこだわりが先鋭化する傾向があります。
・自社が対応を図るべき需要について、絞り込みを行うことが有効です。
但し、「こんなお客様に、こんな場面で自社の製品をお使い頂きたい」
というイメージターゲット像を明確にすることは必要ですが、利用客
層を無理やり狭めることは避けましょう。こちらが想定した利用動機
と違う動機であっても、お客様のご要望をお聞きする中で、作り手が気
づかなかった利用場面が見つかる場合もあります。理想は、
<標的顧客は絞り込むが、利用客層や利用機会は幅広く>
と、少し矛盾する位の状態が成立することが他社への差異化と客数の
最大化につながるからです。
・消費行動をパターン化するのが困難と云われている団塊ジュニア世代
ですが、こうしたアプローチにより仮説を立てて実行し、その実施結果
を検証する積み重ねが他社には容易に追随できない競争力の強化にな
ります。
有限会社 実践マーケティング研究所
中小企業診断士
赤部 佳夫
〒563-0022
大阪府池田市旭丘3-3-29
Tel・Fax 072-762-3466
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