海洋再生可能エネルギーの産業集積 (クラスター

寄 稿
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海洋再生可能エネルギーの産業集積(クラスター)形成に向けて
寄 稿
海洋再生可能エネルギーの産業集積
(クラスター)形成に向けて
NPO法人 長崎海洋産業クラスター形成推進協議会
理事長 坂 井 俊 之
1943年 6月 中国 撫順生まれ
1946年10月 敗戦により本籍の佐賀に引揚
1948年10月 長崎で父が創業 長崎に移住
1967年 3月 日本大学理工学部機械工学科卒業
1967年 4月 ヂーゼル機器㈱(現在ボッシュ・イン・ジャパン)入社
1971年 2月 協和機電工業株式会社 入社
1992年10月 協和機電工業株式会社 代表取締役社長就任
2008年10月 協和機電工業株式会社 代表取締役会長 現在に至る
2014年 3月 NPO法人 長崎海洋産業クラスター形成推進協議会 理事長就任
はじめに
の心配もありません。まだまだ技術面・経済
性で多くの課題を抱えていますが50年後には
「海洋産業」は「宇宙産業」と同じように
エネルギー源の主流になると私は確信してい
将来に希望と夢がある産業です。日本は、海
ます。
を含めると世界6番目の広大なエリアを持つ
今年の1月と10月、海洋エネルギーを積極
国です。そして五島列島・対馬・壱岐等、数
的に進めているスコットランドとフランスの
多い島を擁する長崎県は、海洋産業の市場と
企業を視察訪問いたしました。ヨーロッパで
して期待される日本有数の海洋県でもありま
は、国の強力なバックアップの下、実証段階
す。「海洋産業」には、造船・輸送・漁業・
を終え商用化の道が進められています。日本
海水淡水化・海洋エネルギー・海洋資源・海
は相当に遅れているといわざるを得ず、この
洋観光・海洋牧場・海洋都市等数多くの産業
遅れを取り戻すには、ヨーロッパの企業・団
が期待されます。
体との連携の必要性を痛感し帰国しました。
よく飲料水が不足する「水問題」が話題に
幸いなことに、スコットランド政府は日本に
なります。私は「飲料水」については全く心
は大変好意的であり、長崎県・長崎大学も人
配いらないと考えています。それは海水淡水
的交流をはじめ友好的な関係を継続しており、
化技術が発展し、無尽蔵の海水から水をつく
訪問した民間企業も積極的な協力姿勢を示し
ることができるからです。海洋エネルギーも
て頂きました。ヨーロッパ企業との交流を通
しかりです。潮流・風力・海流・波力・温度
して、会員企業のソフト面・ハード面の実務
差等のエネルギーは無尽蔵で枯渇も環境汚染
能力向上を図ることができれば有難いと思い
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ます。
の設備として建設が進められているのは、着
当協議会は、将来海洋エネルギー事業のビ
床式(海底に基礎をもつタイプ)の洋上風力
ジネスモデルを構築したい地元企業会員53社、
発電のみです。実証試験から商用に移行しつ
海洋エネルギーに知見と実績を持つ全国の企
つあるのが浮体式の洋上風力発電と潮流発電
業・団体の賛助会員10社、計63社で構成され、
です。波力発電と海洋温度差発電は実証試験
国・長崎県の積極的なバックアップの下、事
段階、海流発電は未だコンセプトの段階です。
務局・技術コーディネーター計5名の専従態
では、なぜ海洋再生可能エネルギーが注目
勢で運営されています。設立後2年間は知識・
されているのでしょうか? 再生可能エネル
知見の習得、その後3年間は実務作業を通し
ギーの導入に積極的な欧州の場合を考えてみ
た実務能力の向上と実績の積み重ね、5年後
ましょう。欧州では、デンマーク、ドイツな
には海洋エネルギー関連企業として世間に認
どを中心に1980年代から石油に替わるエネル
知されたクラスター形成を目標にしています。
ギー源のひとつとして陸上の風車の設置が進
長崎県の指導の下、事務局・コーディネーター
められてきました。しかし2000年代に入って
の前向きな企画と積極的な業務遂行により、
からは、より安定的な風を求めて着床式洋上
歩が確実に進められている状況を感謝し喜ん
風力発電の導入が加速度的に増加してきてい
でいます。
ます。洋上風力発電に最も積極的な英国では、
今後は海洋エネルギーに関心のある日本及
クラウンエステート・ラウンド3に参加する
び海外の企業も会員に迎え、相互連携を図り
企業の募集が2010年から始まり、2020年まで
ながら、地元長崎の海洋エネルギー事業の定
に32ギガワット(3,200万キロワット)の洋上
着と日本の海洋エネルギー産業の発展に貢献
風力発電設備を設置する計画です。32ギガ
できるよう協議会一同努力する所存です。
ワットとは、風車の設備稼働率を30%、原発
長崎の企業で海洋エネルギーに興味のある
の設備稼働率を80%とした場合、原発12基分
会社は入会して下さい。お待ちしています。
(1,200万キロワット)の発電能力に匹敵する
規模です。洋上では強い風が安定的に吹いて
1.世界的に期待される
海洋再生可能エネルギー
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おり、大量に導入することで、低コストの再
生可能エネルギーとして積極的に投資が行わ
れています。
世界的な低炭素社会への取組みとして、海
潮流発電や、海洋温度差発電については、
洋再生可能エネルギーは近年ますます注目を
現在盛んに実証試験が行われています。潮流
集めています。海洋再生可能エネルギーには、
発電は、潮の満ち干きにともなう海水の流れ
洋上風力発電、潮流発電、海流発電、波力発
を電気に変える方法です。海洋温度差発電は、
電、海洋温度差発電があります。現在、商用
主に熱帯地域で、海水の表面の温かい温度と、
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深く冷たい海水の温度の「差」を利用した発
るまで造船業の町として栄えてきました。造
電方法で、潮流、温度差ともに安定的に、大
船技術と、海洋再生可能エネルギーは、浮体
量の電気を得ることが出来ます。
構造物や工事、保守管理において共通点の多
つまり、海洋再生可能エネルギーは、概し
い分野です。自然の特性を活かし、地域の蓄
て陸上の太陽光や風力に対して大量で安定的
積してきた技術力を発揮できるという点で、
な電力を得ることができます。
長崎にとって潮流発電は非常に有望な分野と
国土が狭く、また平野の少ない日本では、
いうことができるでしょう。日本では未開拓
陸上においては既に太陽光発電や風力発電の
の分野でありますし、また東南アジアには広
適地が少なくなってきています。それに対し
く潮流の速い場所が存在します。将来的には、
て、日本の排他的経済水域(EEZ)は世界6
長崎に潮流発電関連の産業や研究機関が集積
位の非常に広い面積をもっています。今後、
し、そしてアジア地域に技術や製品を発信し
日本が再生可能エネルギーの導入量を長期的
ていくような産業拠点を目指すことが期待で
に増加させていくためには、この広大な海洋
きます。
の可能性を最大限に活用していくことが重要
です。
2.長崎の潮流発電のポテンシャル
3.欧州での潮流発電の現状
欧州では海洋再生可能エネルギーの商用化、
実証実験が盛んに行われていますが、長崎で
日本は国土が南北に細長いため寒い地方か
の産業集積(クラスター)化の可能性のある
ら暖かい地方までが存在し、また周囲を海に
潮流発電に着目して状況を見てみましょう。
囲まれていることから、すべての海洋再生可
潮流発電は、2000年ごろから英国スコット
能エネルギーの適地が存在します。その中で、
ランド地域で開発が加速してきました。背
長崎県には、浮体式洋上風力発電と潮流発電
景には、EMEC(European Marine Energy
の適地が存在します。特に特徴的なのは、五
Centre)の存在があります。EMECは英国
島列島において潮流発電に適した瀬戸と呼ば
スコットランドのオークニー諸島にある世界
れる潮流の速い海域が数多くあることです。
最大規模の実証実験設備を保有する民間研究
瀬戸内海も潮流が速いことで有名ですが、船
機関で、2003年設立されました。海に発電装
舶の航行が多いため、現状ではなかなか活用
置を設置するためには、一般的に地元の漁業
するのは難しい状況です。したがって、長崎
者や、船舶の航行、地元送電網への接続など、
県は日本で数少ない潮流発電の適地に恵まれ
さまざまな面を考慮する必要があります。そ
た地域といえます。
こで、EMECは地元との調整の手続きを一元
また、長崎には江戸時代末期より現在に至
的に完了させ、発電機の開発メーカーが一定
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の使用料をEMECに支払えば、煩雑な手続き
のテスト、データ収集、設備の係留方法など、
をせずに迅速に実験を行うことができるよう
関連する技術の研究も行われおり、さまざま
環境を整えました。
な関連企業の集積が進んでいます。
EMECで数年間にわたり発電効率や、耐久
性などの検証を十分に行った企業群は、現在
商用発電プラントの建設に向けて動き出して
います。
長崎海洋産業クラスター形成推進協議会で
は、JETROの支援を受け、この欧州の海洋
図1 EMECで作業を行う作業船の例
エネルギーの取組みについて視察を行いまし
実海域での試験が迅速に出来るようになっ
た。10月11日から9日間、主に長崎県内の企
たことで、多くの企業が参入し、さまざまな
業の経営者、技術者を中心に26人の一大使節
タイプの潮流発電機の開発が進みました。
団で、スコットランドおよびフランスでの研
EMECで実験を行っている潮流発電機を図2
究開発や商用プラントの開発の現場を見てま
に示します。
いりました。その中から、最も大規模に、か
EMECでの実証テストでは、発電機のみな
つ先進的な取組みを行っている2社について、
らず、ケーブルやコネクタ、電力変換装置な
紹介したいと思います。
どの研究開発、発電ユニットの腐食・耐久性
図2 EMECで実証実験を行っている潮流発電機
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4.アトランティス社の取組み
ばれ、この発電ファームが完成すると、1.5
メガワットの発電機が全体で269基設置され
アトランティス社は、世界最大の海洋再生
るという、壮大な計画です。
可能エネルギーの会社を目指している企業で、
Meygenプロジェクトの最大の株主はアト
イギリスのスコットランド地方の町、エジン
ランティス社であり85%を保有しています。
バラに本社を置いています。株式は、米国の
また、15%をスコットランド政府が保有して
投資銀行であるモルガンスタンレーが約4割
おり、産官一体の体制で推進されています。
を保有しており、このほかノルウェー政府、
アトランティス社は、このほかスコットラン
シンガポール政府も株式を保有しています。
ド国内の3つのプロジェクトを抱え、計画中
また、ロンドンの株式市場にも上場を果たし
検討中のものも含めれば、国内で9つの案件
ています。
を抱えており、現在まさに商用化を大規模に
この企業は、2000年代にEMECでの実証実
スタートさせているところです。また、イギ
験を開始し、十分な技術的蓄積を得たうえで、
リス国外のプロジェクトにも積極的に関与し
現在は世界最大の潮流発電ファームをスコッ
ており、インドのグジャラート地方、カナダ
トランドに建設中です。このプロジェクトは、
のファンディ湾でもプロジェクトを開始して
Meygen(メイジェン)
・プロジェクトと呼
います。
図3 アトランティス社が進めている潮流発電ファームの発電機
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図4 アトランティス社が進めている潮流発電ファームのサイト
アトランティス社はもともと潮流発電機を
潜水艦や艦艇、空母などを製造しているフラ
開発するベンチャーでしたが、実用に耐えう
ンスの国策企業であるDCNS社が2013年に買
る製品を開発しながら、同業他社の買収を進
収しました。現在は、2メガワット基を2基、
めることで急速な成長を遂げてきました。
フランスとカナダでそれぞれ製作中です。現
残念ながら、日本国内には、このように商
在フランスの地方都市ブレストの工場で製作
用化ステージに踏み込んでいる企業は存在し
中の2基の潮流発電機は、2016年にフランス
ません。今から開発を始めても、10年以上の
で設置され、電力系統へ接続される予定です。
差を埋めることは容易ではないでしょう。し
そして2018年からは商用運転に移る予定です。
かしながら、潮流発電ファームに関連する部
親会社であるDCNSは、これまでに培った造
品の調達や、設置工事、メンテナンスは、発
船や潜水艦の技術を活かして、海洋再生可能
電機を設置する場所の近くで行われることが
エネルギーへの投資を加速させています。
多く、そのため長崎の企業はサプライヤーと
この発電機のタービンは、直径が16メート
して取り組むことで、そこに十分なビジネス
ルあるにも関わらず、許容される誤差は数ミ
チャンスを見つけることができると思います。
リメートルという、非常に高い精度の製作技
術が要求されます。また、タービン・発電機
5.オープンハイドロ社の取組み
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の部分で重量が300トンあり、基礎の構造物
は、コンクリートを流し込むと1,000トン前後
オープンハイドロ社は、アイルランドで生
になる非常に巨大かつ重量のある製品です。
まれたベンチャー企業で、タービンの外側が
この潮流発電機の設置は、専用のバージ(作
多極発電機という、非常に特長のある潮流発
業船)で行います(図6参照)。発電機の全
電機を開発している企業です(図5参照)。
体が組みあがった状態で、フレームに乗せた
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図5 フランスで建設中のオープンハイドロの2メガワットの潮流発電機
図6 オープンハイドロの潮流発電機の運搬・設置
後、船底に押し当てるようにウインチで上昇
ます。当然ながら、これだけの重量物となる
させ、この状態で運搬し、設置場所まで運び、
と、欧州で製作して日本まで運ぶよりも、日
ウインチを逆回転し発電機を下降させて、海
本で製作したほうが安上がりです。こういっ
底に設置します。
たところにも長崎の企業の活躍の場が大いに
こういった、非常に大きなものを高い精度
あると考えています。
で製作する技術、また、安全に運搬・設置を
行う技術には、長崎の企業群が得意とする造
船や海洋土木の技術と数多くの共通点があり
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6.長崎の今後に向けた課題と展望
採用や育成に十分には手がつけられなかった
ことや、またイギリスの北海油田のような利
ここまでで述べましたように、長崎県には恵
用可能な海洋資源が非常に少なかったため産
まれた海の自然環境と、造船の技術力があり、
業としての広がりが形成されなかったことが、
今後は海洋再生可能エネルギー分野でその力
その主な理由として挙げられます。しかし、
を十分に発揮することができると思います。
海洋再生可能エネルギーの分野では、海洋の
しかしながら、今後、海洋再生可能エネル
調査から、発電機の設計・製作、ケーブルの
ギー分野の産業を長崎に集積し、発展させて
敷設、発電機の設置作業、作業船の設計・製
いくためには、いくつかの課題があり、その
造、電力系統への接続、保守・運用など、非
代表的なものとして以下の点が挙げられると
常に幅広い技術分野の人材が多く必要となり
思います。
ます。幸い、長崎にはその基礎となる造船、
・人材の育成
電機、海洋土木などの企業が既に存在します
・インフラの整備
ので、そのような企業同士が互いに切磋琢磨
・法的整備
しながら、新しい産業分野への進出を本気で
まず、1点目の人材の育成に関しては長期
進めて行くことが重要です。また、もともと
的に豊かな海洋県・長崎を目指す上で避けて
造船大学であった長崎総合科学大学や、工学
通れない課題といえます。海洋人材の不足は、
部・水産学部に多くの人材を抱える長崎大学
日本では造船業の構造的な不況により若手の
の知恵を結集させ、地域全体での知識の底上
図7 オープンハイドロのブレストの工場への視察
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げ、また専門性の高度化を進めていくことが
に影響の無い行為であれば(当然、関連省庁
重要です。
への手続きは必要ですが)
、その海域を他の
また2点目のインフラについては、今後整
者が利用できるわけです。しかし、その「影
備をしっかりと進めていかなくてはなりませ
響が無い」という線引きが非常に曖昧で、実
ん。海洋再生可能エネルギーに使われる発電
際にはケースバイケースでの話し合いによる
機は、通常、数百トン以上の非常に巨大なも
合意の下、利用されているのが現状です。漁
のであり、それらを運ぶ運搬船も大きくなら
業者の権利を十分に尊重しながら、かつ、双
ざるを得ません。運搬船、作業船の母港とな
方にとって分かりやすい明確なルールの制定
る港も、十分な水深や強い地耐力、重量物を
と、その運用が必要です。ある地域では、漁
運ぶためのクレーン等の設備が必要です。こ
業との協調が上手く運んだけれども、他の地
のようなインフラは、民間の発電事業者がす
域では漁業者との話し合いが付かずに、事業
べてを負担するには投資金額が大きすぎるた
が進められない、となれば、今後の海洋エネ
め、行政、政府によるサポートが必要になり
ルギーの利用の障害になりかねません。これ
ます。我々は民間の団体として取り組めると
まで海域を利用してきた漁業者の方々と、新
ころはしっかり行いながら、行政、政府のサ
しく利用しようとする企業の双方にとって納
ポートが必要な部分については、明確にメッ
得のできる、透明性の高い仕組みづくりが必
セージを発信していかなくてはなりません。
要だと思います。
最後に、現在、海を利用する上で最も問題
以上のように、いくつかの課題は残されて
になるのは、分かりやすいルールが整備、運
いるものの、この長崎にはまだまだ未開拓の
用されていないという法的な整備面の課題で
海という大きなフィールドが残されています。
す。国際的には、陸地から200海里(およそ
近年地方は人口減少、若者の減少により活力
370km)は、排他的経済水域として認められ
が落ちてきているといわれていますが、我々
ており、そこでの漁業や鉱物資源の採掘、エ
は長崎が本来持っている可能性を最大限に活
ネルギーの利用などの経済活動について、他
かして、地域の新しい産業に育てていくため
国から侵害されずに独占的に利用できる権利
に、一生懸命に今後も取り組んでいきたいと
が定められています。しかし、国内での利用
考えています。
に関するルールはあいまいな部分が残されて
います。海域を利用する際に現実的に最も尊
重される権利として漁業権があります。これ
は、ある区域内で独占的に網などの仕掛けを
使って漁を行う権利ですが、海面を「所有」
しているわけではありません。したがって漁
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